結城浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレプログラミングや数学に苦手意識を持つ人にこそ、この本は心強い味方となるでしょう。結城浩氏の「プログラマの数学」は、単なる技術書を超えた、知的探検の旅路を提供してくれます。
私たちは日々、論理的な思考や問題解決に携わっています。SEやエンジニアとして働く中で、「なぜこの処理が必要なのか」「どうしてこの手順で進めるのか」という本質的な疑問に直面することがあります。この本は、そんな根源的な問いに対する答えを、優しく、時には遊び心を持って語りかけてくれます。
特に印象的なのは、著者が数学的概念をパズルや物語として展開する手法です。例えば、「ゼロ」という概念を通じて「ない」ということの存在価値を考えさせられ、「論理」の章では真偽の世界がいかに私たちの思考の基盤となっているかを実感できます。
## 本書の魅力的なポイント
- 難解な数式を避け、図やイラストを効果的に使用して直感的な理解を促進
- 各章が独立しており、興味のある部分から読み進められる柔軟な構成
- 実務で使用する技術の理論的背景を、物語のように展開
- プログラミングの本質を、数学的思考を通じて紐解く斬新なアプローチ
## 読者への価値
- 論理的思考力の向上
- プログラミングの基礎概念の本質的理解
- 問題解決アプローチの習得
- エンジニアリングセンスの醸成
私がこの本に魅了されたのは、その「わかる!」という体験の連続性にあります。ページをめくるたびに、日常業務で何となく使っていた概念の「なるほど!」という腑に落ちる瞬間があります。それは、暗闇で手探りしていた道に、突然明かりが灯るような感覚です。
本書は、プログラミングや数学の「わからない」を「面白い」に変換してくれる稀有な存在です。技術書でありながら、読み物としても十分に楽しめる構成は、著者の教育者としての深い洞察と配慮を感じさせます。
結城浩氏は、この本を通じて私たちに大切なメッセージを送っているように思えます。それは、「数学的思考は特別な人のためのものではない」という励ましです。プログラミングや数学に対する苦手意識を持つ人こそ、この本を通じて新しい発見と学びの喜びを体験できるはずです。
本書は、技術書棚の片隅で眠らせておくには惜しい、現代のデジタル社会を生きる全ての人に読んでいただきたい一冊です。 -
Posted by ブクログ
2024.11.05〜2024.11.07
ポアンカレ予想のイメージが掴める一冊。
位相空間までは大学で学んだが、そのあとは深く勉強してなかったので復習&更なる知識で非常に楽しめた。
幾何学的な話なので、他のシリーズに比べてイメージがしやすく理解しやすい内容だった。(というより、ミルカさんも途中話しているがこれ以上踏み込むともはや専門書レベルになると思われる。)
ポアンカレ予想はよくロケットの話に例えられるが、それよりももう少し数学的に踏み込み、3次元の閉多様体を考えやすい3次元球面に落とし込むには、その基本群が単位群に同型であることを調べれば良い、ということを理解できたことが個人的に楽しかった。(複雑そうだが、結局その基本群が単位軍かどうかを調べればよいというシンプルな内容に行き着くことに美しさを感じてしまう!)
サイモン・シンさんのフェルマーの最終定理のようにポアンカレ予想も書籍化されないかしら。負けないくらいドラマチックになりそう。 -
Posted by ブクログ
2024.10.22〜2024.10.25
代数学の楽しみを体験できる一冊。
大学生の頃、代数学はあまり好きになれなかった。抽象的なことが多く、なんとなく理解できるけどだから何?享受もただ教科書の内容を板書するだけ。
もちろん、ゆくゆくの数学を学ぶ上で大事な概念だとは思うが、結局は面白みを感じず代数分野からは離れていった。
この本は五次方程式が解の公式を持たない、という数学好きなら聞いたことがある知識をゴールに据え、必要な代数の考えを具体例を交えて示してくれているので非常に面白かった。こう言うふうに何かゴールを持って進めてくれる代数の授業があればもう少し楽しく取り組めたかもしれない。
他のシリーズ同様、厳密な証明などは省かれているところもあるので、時間を見つけてゆっくり数学をしたいなと思った。 -
Posted by ブクログ
2024.07.28〜2024.08.01
ゲーデルの不完全性定理について書かれた本。数学の院はでているが、この本だけでは完全に理解はできなかった。時間があれば専門書も交えて議論を積み重ねたい。
ざっくり理解したのは、下記の二つ。
・「証明できること」の定義をしたうえで、「ある定理が証明できないこと」の証明は存在するとしてもしないとしても矛盾が生じること。(すなわち不完全)
・不完全という言葉のネガティブさほど事態は深刻でなく、私たちが自然と考える公理系から得られる体系では証明できないことの証明ができないことは存在してしまうが、だからといって現在存在する定理の証明が崩れるということはなく、数学は依然として美しいものであること。
今回も興味深い内容でした。続きも楽しみ。