結城浩のレビュー一覧
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ネタバレ数学ガールの秘密ノート場合の数の本と並行して読み進めて、確率の冒険も読み終わりました。コインを投げて表・裏のどちらが出るか?というシンプルな試行についてよくよく考えると確率の難しさと面白さがわかってきます。あまり深く考えずにいるときの確率と、「全体は何か」をしっかり把握した状態での確率は全く違うものであるかのようです。
条件付き確率を説明した章において全体(全事象)が何かをしっかり把握することの大事さを知った上で、終章で「未完のゲーム」に挑みます。
Aさん、Bさんがコインを繰り返し投げて表が出たらAさんに1点、裏が出たらBさんに1点が入ります。先に3点先取したほうが勝ちというルールにお -
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ネタバレ場合の数の難しさは今、求めようとする場合の数がどういう条件下において求める必要があるのか、どういう制限が隠れているのか、洗い出すことの困難さにあると思います。今回の数学ガールではテトラちゃんが数人集まった人達が、握手をするときに何パターンあるのかという不思議な問題について考えていた時に、単に握手するという条件だけではなく、そこにいる人達が交差しながら握手してはいけないという条件下で求めるような問題設定になっていた。3,4人のケースでこれを洗い出す分にはそれほど難しくはないが、6,7人となっていったときにとたんに複雑さが増してしまう。
テトラちゃんと僕は、この交差してはいけないという条件下に -
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ネタバレ平均、偏差値という言葉について、日本人の多くはその数値が持つ意味を理解していると思います。特に平均についてはその意味は正確に理解しているはずです。一方偏差値については教育の現場で使われていたし、自分のテストに対して「国語のテストの偏差値は60でした。数学のテストの偏差値は65でした。」といったようにスコアリングされていたので馴染みがあるものだと思います。
しかし偏差値がどのように算出されるか?については数学を基礎から学んだ人しか説明できないでしょう。
(偏差値)
偏差値=50+10×(Xk -μ)/σ
ただし、平均点=μ, 標準偏差=σ, Xkは本人のテストの点数
例えば 平 -
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ネタバレ前に読んだ数学ガールのニュートン力学の最終章で積分が出てきてわからなくなったため、こちらの数学ガールの秘密ノート積分を見つめて、で積分を先に学ぼうと思い読み始めました。
自分は高校生のとき微分だけを中途半端に学び、積分は全く学ばなかったので、微分と積分は互いに逆の関係が成り立つ、という程度の知識しかありませんでした。それは間違ってはいないようですが、実際に計算するとなると微分よりも積分のほうがとっつきにくい面があります。この本に出てくるテトラちゃんが躓くところはだいたい自分も躓いていました。
まず式での表し方として積分ではインテグラル(∫)が登場します。そしてその記号の右側の上下に数 -
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ネタバレ数学ガールのニュートン力学という中二心をくすぐる数学と物理の組み合わせにとても期待して読みました。
この本ではユーリと僕が「ボールを投げるとなぜ放物線になるのか」という疑問から、投げたボールは水平方向には等速直線運動、垂直方向には投下速度直線運動をしていることを式で表していく。
ただ、なぜ投げたボールが放物線を描くのかを納得できないユーリに、僕はニュートンの運動方程式を用いてボールの運動を説明することになっていく。ここでは力と加速度の関係を一つの式で表すことができる。
F = ma
というシンプルな式で。(F=力、m=質量、a=加速度)
投げたボールについて水平方向、垂直方向(鉛直下向き -
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ニュートン力学の基本から、運動方程式と積分を使った速度や位置の導出、万有引力の法則など、高校で習う力学の基本的な部分を非常に丁寧に説明しています。
特に、力学的エネルギー保存則は、私にとって初めてきちんと理解できたように思っています。
また、登場人物のセリフの中で最も印象的なのは「物理では、数や量より、むしろ関数を扱っているように思った」というテトラの言葉です。
物理では微積分はもちろん、ある量を最小化する関数をたくさんの関数の中から見つけるようなことをします。
これとテトラの言葉がつながっていると感じました。
この本を読める今の中学・高校生がうらやましい!
(数学ガールシリーズを読むと -
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具体的な例が多くすぐに読める.
第1章 読者:読者の知識・意欲・目的をよく考える
第2章 基本:形式(構造,語句など)を意識,文を短く
第3章 順序と階層:ここまで読んで読者は何を知っているか(順序),期待通りの場所に書く(階層)
第4章 数式と命題:(第3章までを踏まえて)数式を使った文章の悪い例と正しい例,数式を無くしても文章の構造は正しくなるように
第5章 例:数式の適切な例の作り方
第6章 問いと答え:問いかけに明確に答える
第7章 目次と索引:目次は良い見出しの集まりを作る(形式,順序と階層)
第8章 たったひとつの伝えたいこと:まとめ -
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力学の基本を本質から捉えられる本。高校物理で公式自体は多くの人が暗記してそれなりに問題を解くこともできる単元だが、意外ときちんと理解できていない所はあるのではないか。
そういう僕も高校時代は意味をよく理解せずに多くの公式を使っていたが、この本を読めば力学の基礎の部分について理解しているか確認できるし、何より「もっと考えたい!」「深く理解したい!」という気持ちにさせてくれる。
「物理学の世界」と「数学の世界」に運動方程式は橋をかけた。そう考えると感動する。
高校で物理を履修している現役生には超オススメ。
それ以外でも興味のある人は引き込まれると思う。
最後の研究課題について少しずつ考えていきた -
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著者のメルマガにたまに添付されている文章で、いつも楽しく読んでおり、書籍版を買ってみた。
私の仕事が情報システムの設計・構築であり、この本でテーマになっている用語は8割方知っていて、仕事の中でも日常的に使う言葉である。
用語の意味は知っていることもあり、「日常生活と○○」(○○はテーマとなる用語)を中心に読んでみた。
コンピュータ関係での考え方が、日常生活でも自然と使われていることを再認識した。
よく考えてみれば、コンピュータは人間が作り上げたものなので、日常的に行っている行動がコンピュータ用語と関連付けられるのは、当然なのかもしれない。
そして、テーマとなる用語そのものについても、よく -
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現代コンピュータで使われている暗号技術について網羅的に、また入門としては十分な粒度で知ることができた。
個人的には公開鍵暗号や共通鍵暗号など重要かつ概要は知っているけど詳細がよくわかっていなかった技術について、アルゴリズムレベルで理解できたことはよかった。
解説が非常に丁寧で読みやすいので、した知識や数学的な知見がなくても丁寧に読み解けば理解可能だと思う。
セキュリティ関連で手に取った本の中では絶対的な良書。
本書で繰り返し言われている以下の点についてはシステムを設計運用する上で注意するようにしたい。
・暗号アルゴリズムは隠すのではなく、一般に公開され十分に検証されているものを使うこと
・暗号 -
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この本は非常に読む価値のある本の一つです。
私の場合、オブジェクト指向の考え方自体はC++を学習していく過程で理解を深めていました。しかし、デザインパターンについてはSingletonくらいしか知りませんでした。オブジェクト指向を何となくでも知っている・理解している方であれば、読み進められると思います。
丁寧に全パターンが書かれており、体系的に理解できます。UMLも書かれているため、あるパターンがどんなものだったか、振り返るにもちょうどいいです。
(これに限った話ではないですが)AndroidのSDKはSingleton、Builder、Factory、Observerなど、デザインパターン