深町眞理子のレビュー一覧
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映画を見て映像に感銘を受けて、小説ではどう書いているのか気になって読んだ。
作家、アル中(禁酒中)、癇癪持ち、勤め先の学校で生徒への暴力事件でクビになった父親。その父親を大好きな5歳の男の子。なんとか家族を立て直したい母親。冬季間、外界から閉ざされる風光明媚なホテルに家族3人だけで管理人として暮らすことになる。どんどん危うくなる父親の精神、その心の声を読めてしまう息子。
設定だけでもう十分ヤバいが、その状況説明にじっくり上巻が費やされる。長いなーと思いつつも読み進められるのは、豊富(過剰?)な比喩、妄想か幻覚か錯覚か怪奇現象か一瞬分からなくなる描写のせいか。
映画の方は映像美ありきの全く別物で、小説の方は家族の物語、といったところ。 -
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5年ほど前に購入して積ん読状態だった文庫本だが,明智小五郎のシリーズを読んで,ホームズも読みたくなった。12話の短編が収録されており,一気に読むにはストーリーは単調に思えて途中で疲れてしまい,休み休み読むことに。それでも,小学生の頃に子ども向けの翻訳を読んだりして,その内容や結末は概ね分かっていても,ホームズの謎解きは楽しめた。
19世紀イギリスと現代日本とでは科学技術だけではなく社会の制度も違っており,ホームズと同じ推論は今ではできない部分もあるが,見るだけじゃなくて観察することが必要というのは,現代でも通用する考え方だと思う。
なかなかシリーズのを続巻を書店で見つけられないが,見つけたら購入して同じシリーズで続きを読みたい。 -
Posted by ブクログ
13編収録の短編集。
有名な「たんぽぽ娘」はヤングらしいロマンチックさあふれる作品。未来から来た少女に恋をした妻を持つ男の恋模様を描いた短編で、結末の鮮やかさにはため息が漏れます。
そのほかでは「河を下る旅」もおススメ!二人の男女が出会いによって希望を持ち、再生していく姿、そしてこちらもラストに息が漏れます。
「エミリーと不滅の詩人たち」は詩人のアンドロイドの管理をする学芸員の話。詩人たちのアンドロイドでは採算が取れない、ということでアンドロイドは破棄され、新型自動車の展示スペースにされそうになり…
誰も不幸せにならないオチのつけ方が見事なだけでなく、未来の技術への希望を文学で表現するSF作家だからこそ書けた短編であり、そしてその二つをどちらも肯定する結末を書けたのだと思います。
「11世紀エネルギー補給ステーションのロマンス」は読み始めたときはハードSFかと思いきや、読み終えるころにはおとぎ話に様変わりしているという、ある意味ビックリの短編。こんな話を書けるのはやっぱりヤングだけだと思います。
ただ一方で設定が複雑な短編もいくつかあり、そうした作品は世界観がいまひとつ理解しきれず、結局後半に収録されている短編の多くがななめ読みになってしまったのが残念なところ。翻訳ものもそこそこ慣れてきたつもりだったのですが、まだまだ足りないのかなあ。 -
Posted by ブクログ
全13編の短編集。作者の作品は初読。『ビブリア古書堂』シリーズで取り上げられたことがきっかけで手に取る。表紙の装丁も好み。作品の雰囲気を如実に表す。ロマンティックでハッピーエンドの話がほとんどである。大筋は王道と言ってしまえばそれまでだが、SF的要素が加わり面白い。短編であるため、気軽に読める。あとがきによると、作者の長編はイマイチなようである。訳者は日本と関わりのある作品の邦訳に意欲を示しているようなので、そちらに期待したい。
『たんぽぽ娘』『荒寥の地より』『第一次火星ミッション』『11世紀エネルギー補給ステーションのロマンス』が特に印象的だった。最後の作品は、ありふれた童話がまさかのSF化していて意表を突かれた。こういうアレンジもありだろう。