我孫子武丸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
謎解き挑戦ミステリーアンソロジー。いわゆる「犯人当て」なのですが、当てるのは犯人だけとは限りません。フーダニット、ホワイダニット、ハウダニットの三種類が各二作品ずつ。どれもこれも難問ぞろいでした……。
とりあえず解答にたどり着けたのは法月綸太郎「被疑者死亡により」と田中啓文「ペリーの墓」。でもどちらも辛うじて核心部分は当てたと言えるものの、細部などは詰め切れませんでした。手掛かり部分等はわりと分かりやすいほうではあったと思いますが、決して簡単というわけではありません。
謎が魅力的だったのは我孫子武丸「幼すぎる目撃者」。ホワイダニットって謎を作る方も解く方も一番大変なのではと思います。そんな中でこれは……真相をわかってみればどれもこれも腑に落ちるのだけれど。これはとんでもないわー。というか本当に怖い真相。
個人的にはハウダニットが苦手でした。こういうのを解き明かすのは、頭がぐるぐるしてきてしまいます。さくっと解決編を読んでトリックすげー、と感嘆しておくのが楽しい。 -
Posted by ブクログ
「8の殺人」「0の殺人」 と来て、著者の三作目に当たる1990年発刊の初期三部作の最終作。この速水三兄妹が登場する初期シリーズはどの作品もドタバタ喜劇っぽくて重くならないのだが、本作で企てられる犯罪はけっこう猟奇的である。いわゆるゲーム殺人だ。撲殺と絞殺が交互に繰り返される連続殺人に苦慮する長男・恭三。被害者にいかなる共通点も見られず、捜査は難航する。ユーモア推理風だから、さほど深刻にならずに読めるが、これシリアス路線で書いたらサイコ・スリラーっぽくて使えるんじゃないかなどと考えていたら、作者によるあとがきで後の 「殺戮にいたる病」 という作品に活かされているらしい。未読なので、そのうち読んでみたいが。犯罪の背景にパソコン通信が出てくるのが後のネット犯罪を暗示していて興味深い。例によってリアリティの点ではツッコミが可能な場面も多々あるのだが、この作品群に関しては指摘するだけ無粋であろう。更にいうと、殺人の謎のいくつかと殺害方法の真相は説得力が弱いと言わざるを得ず、その意味で物足りない。真剣にその意味を推理していただけにねぇ。