岩本ナオのレビュー一覧
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ネタバレ新刊がでたので久しぶりに全巻読み直したが、岩本先生は心の機微を描くのが本当に上手い。伏線がたくさんだし、まだ旅にでた兄弟も4人で折り返したところなので、わからないところもたくさんあったが、今巻では博愛と宰相にやられてしまった。
腹黒だと思われていた宰相は誰よりもバリバラとペレグリナスに寄り添った結果、呪いみたいな力を受け継ぎ大切なものを手離して損な役回りを引き受けてきた生き辛い人で。そんな宰相に笑って欲しくて一緒に旅立った博愛の深すぎる愛がもう泣けて泣けて。愛というか執着の重さに眠くないと双子だったなととても納得した(笑)
船の場面がロマンチック過ぎて何度読んでも泣ける。ただの男になれるのは遠くはなれた国ってのが切ない。宰相はそれでも責任を果たそうと博愛をフッちゃってさ。19歳にはキツかろうて。
ウィジもヨカもジャスティスもゾーイもしがらみも何もかも無い場所を望んでて、それでもしがらみを捨てられなくて。
とても次巻も楽しみです。 -
Posted by ブクログ
しょっぱなから「ヒェッ⋯?!」という展開。
獣使い、オドオドうじうじの甘えっ子気質かと思ったらとんでもない。お兄ちゃんがいなきゃいないでやるときゃやる、強気の獣使いが見られます。
⋯一瞬だけね。
まあそれも格好良いけど、私は「世界は広くて美しくて、自分もその美しいもののひとつだ」って語れる獣使いくんのほうが好きだな。
サトゥルノさんも見つかり、なんやかんやで国民の皆様も動物から人間に戻り、お祝いの宴。まもなく訪れる獣使いとの別れに涙するシロネン、それを見て戸惑う獣使い。あれ?大事な人が落ち込んでる時ってどうしたら?⋯回想の中、唐突に現れる暑がりやのバカさ加減ときたら。
そして一応ハッピーエンド、なのかな⋯??
ルカ先輩とサムソンさんはまだまだ大変そうですが。
次は6巻。ハラペコ、食べ物が豊富な国へ行く、です。 -
Posted by ブクログ
4巻は、五男獣使いの「生き物の国」編。
行方不明になった、生き物の国担当の外交官サトゥルノを探しに行く獣使い一行⋯獣使い、隊長のルカ、補佐のサムソン(2m30cmのオネエ)。外交官の行方不明だけでなく、何やら怪しい男の差し金で、国民全員が動物にされてるとかなんとか、人探しだけでは済まなそうな予感。怪しい男って、まあ見た目からして例のあいつなんだけども。
鳥に姿を変えられた娘シロネンの案内で生き物の国に到着し、サトゥルノ行方不明の鍵となる神殿(とんでもねぇ竪穴の洞窟付き)に向かうが、そこに眠っていた過去の偉大な王様、ジャガー王が復活して喧嘩ふっかけてきたりでてんやわんやよ。
さあ、サトゥルノは見つかるのか?
ジャガー王の誤解は解けたが無事共闘できるのか?
で、5巻へ続く。 -
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眠くないとエレオノーラの恋愛成就編。
エレオノーラのピンチに現れて「彼女は暗闇でも変わらず強い。僕が、ずっと前から彼女のものだから」と静かに告げる眠くない。襲撃者が去り、涙ぐむエレオノーラを抱きしめながら「なぜあいつが君の名前を?」とヤキモチをやく眠くない。気持ちが通じてよかったね。
一方、襲撃者は襲撃者で、なんかこう、色々あるようで。今の所は彼も瀕死なので、夜の長い国の精霊がうまいこと収めてくれたけど、だからってこれで終わりではない様子。
あんなことしといて敵ではないとは?眠くないたち7人兄弟の父親とも関係が?1巻に出てきたリスちゃんも?
最初に思ってたより話が大きくなってきたぞ?
最後は無事、眠くないとエレオノーラの結婚式が執り行われ、暑がりやと、回復してマロニエ王国にやってきた襲撃者に変な友情が生まれたところで、次は五男獣使いの話に続くのでした。
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榎田先生の作品は、読めるものは読んだ。中学の時に読んだ宮廷神官物語が初めて手に取った作品だった。高校になって読み直して、妖琦庵夜話も読んで、その後に交渉人も、ラブトラも、猫とメガネも死神シリーズも読んだ。その上で魚住と久留米の5作を読んだ。
原点だと思った。先生の作品には、どうしても死が薫る。伊織先生にも、芽吹さんにも、鶏冠にも。その中で彼らは""自分""であろうとして、生きていた。もがいていた。その源流にいたのが、先生の中にいた魚住なんだと思った。
魚住は、生きるのが下手である。いや、下手というより、あれだけの惨事を引き受けた身の上でありながら、引きずられずに生きていられる点においては生きるのが上手なのかもしれない。それでも、久留米と、マリさんや大学院の人たちと関わることによって魚住は、川の中から引き上げられた。清濁を合わせ飲んで、感情を表す術を得て、自分のトラウマと共に生きていく。少しずつ、""上手""に生きていこうとするのである。
魚住の一歩一歩が、彼にとっても大きいものであるだけでなく、読者である私にとっても大きいものであった。いつか、取らないといけない選択がある。のらりくらりと流されていてはいけない大きな選択がある。そのときに、私はどうするのか。院進を目指す今だからこそ読んで大きな影響を受けてしまったと思った。
榎田先生の文章は、淡々とする中に大きなものを隠す。重い過去、恋心、そして生きる意志。なにか迷ったときに戻ってきたい碇のシリーズだなと思った。読んでよかった。