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Posted by ブクログ
榎田先生の作品は、読めるものは読んだ。中学の時に読んだ宮廷神官物語が初めて手に取った作品だった。高校になって読み直して、妖琦庵夜話も読んで、その後に交渉人も、ラブトラも、猫とメガネも死神シリーズも読んだ。その上で魚住と久留米の5作を読んだ。
原点だと思った。先生の作品には、どうしても死が薫る。伊織先生にも、芽吹さんにも、鶏冠にも。その中で彼らは""自分""であろうとして、生きていた。もがいていた。その源流にいたのが、先生の中にいた魚住なんだと思った。
魚住は、生きるのが下手である。いや、下手というより、あれだけの惨事を引き受けた身の上でありながら、引きずられずに生きていられる点においては生きるのが上手なのかもしれない。それでも、久留米と、マリさんや大学院の人たちと関わることによって魚住は、川の中から引き上げられた。清濁を合わせ飲んで、感情を表す術を得て、自分のトラウマと共に生きていく。少しずつ、""上手""に生きていこうとするのである。
魚住の一歩一歩が、彼にとっても大きいものであるだけでなく、読者である私にとっても大きいものであった。いつか、取らないといけない選択がある。のらりくらりと流されていてはいけない大きな選択がある。そのときに、私はどうするのか。院進を目指す今だからこそ読んで大きな影響を受けてしまったと思った。
榎田先生の文章は、淡々とする中に大きなものを隠す。重い過去、恋心、そして生きる意志。なにか迷ったときに戻ってきたい碇のシリーズだなと思った。読んでよかった。
Posted by ブクログ
あ〜読み終わってしまった、、、
でも魚住と周りの人々の人生は川の水のようにゆるやかに流れて続いていくんだなと思える、本当にほんとうに良い終わり方でした。
「そうだよね、人は生まれるんだよね。死ぬ人もいるけど、生まれる人もいるんだ」(p.319)
魚住のこのセリフが全てだった。
最初にこのシリーズを読んでから8年の間に私も大事な人を何人か亡くし、心の病気にもなりました。なぜ今この本を再読しようと思ったのか自分にも説明はつきませんが、何か導かれたように思えます。魚住と周りの人々の言葉に私は何度も救われました。
「全然知らない人が死んでも、べつに悲しくないでしょう?ちょっと知ってる人だと、やっぱりちょっとショックで、大好きな人だと、それはもう……悲しい」
だから、と魚住は続ける。
「すごく悲しいっていうのは、悪いことばかりじゃないのかな、とか」(p.297)
欲を言えば久留米のバックボーンをもっと覗き見たかったな、とか、響子ちゃんやマリ、濱田の日々や魚住と久留米の幸せな日常なんかももっともっと見たかったー!なんて思ってしまいますが、またどこかで彼らに会えることをひっそりと願って、傷とともにゆるやかに嫋やかに私も生きていきたいと思います。
これがデビュー作だなんて本当に…榎田先生に出会える人生で良かったです。そして手に取りやすい文庫にしてくださった関係者の皆様にも心から感謝申し上げます。
Posted by ブクログ
魚住くんシリーズ(全5巻)
『夏の塩』
『プラスチックと二つのキス』
『メッセージ』
『過敏症』
『夏の子供』
辛い過去を背負って生きてきた魚住真澄。
久留米やマリ、サリーム、濱田さん、さちのちゃん。様々な人との出会いと別れによって自分の過去と真剣に向き合い、泣いて、笑って、恋をして。
彼が成長していく姿にはとても感動した…。
死はいつでも自分の身の回りにある。
もしも、自分の大好きな人が明日突然いなくなってしまったらどうなるんだろう。
今まで考えたようで考えていなかった人の生と死の関わりについて、この本を通して彼らと共に考えさせてもらえた。
榎田尤利(ユウリ)先生に魚住真澄というキャラクターを生み出してもらえて良かった。
優しくて、そして誰よりも強い。
「強い子供」な彼に出会えて本当に良かった。
魚住くんシリーズはこの5巻で完結しているけれど、彼らの人生はこれからも続いて、沢山の出会いや別れを繰り返していくのだろう。
私も、いつか自分の好きな人たちと別れるときが来たとしても、その人と出会えたことを大切にしていきたい。
Posted by ブクログ
魚住くんシリーズ完結編。
響子さんが就職して、そこでの仕事に悩み悲しむ「リムレスの空」
PTSDに苦しむ魚住、苦しむ魚住を救えなくて悩む久留米を描いた「 アイ ワナビー ア フィッシュ」 どんな濁流でも進んで行きたいと考えるようになった魚住くん。 魚住くんは強い、どんどん成長する。
太一くんを祖父母の家で預かり一緒に過ごした夏を描いた「夏の子ども」 魚住くんの強さは、強い子どもだからなんど感じた。 生き物の命にも違いがある、ラットより金魚よりあなたの方が大事だと伝えたい。 あなたが無事ならそれでいいと。 命を奪った悲しみがすでに罰なのだと、子どもに伝えられたらいいなあ。
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