野村美月のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
スイーツ好きの作者の本領が余す無く発揮された逸品。
いやあ楽しませて頂きました。
ケーキ屋さんにストーリーテラーとは何ぞやと思ったけど、なるほどねえ。
でも実際にそんな人がいたらちょっと引くかも^^
そしてこれは飯テロいや、スイーツテロだな。
そのケーキ食べたくなるじゃないか!
いくつかの短編の中で、シャイなスイーツ好きくんがオフ会で知り合った人と意気投合する話が、自分たち本好きのオフ会を見ているようでまじ共感した。
シェフの糖花さんとカタリベさんの出逢いのお話も好きだなあ。
それにしてもカタリベさんは堅物なのかそれともMなのか分からんな^^
そしてシェフの妹くんが実に良い味出している。 -
購入済み
相変わらず巧い
野村さんの作品はジャンルに拠るけど、得意分野に入ると巧い。
ただ、たまに表面的な知識でのみ書かれる事もあるので、作品毎で評価はバラける。
本作は、好き嫌いが分かれ易そうな感じの作品だけど、
個人的には、まぁまぁ読んでて面白いとは思った。
恐らく、単巻で終わると思うけど、それが正解だと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ私は本好きでは有るが、ビブリア系の作品に良くある、初版がどうの原稿がこうのみたいな物だと、ついてけいない
本作はその辺が良い意味で、ゆるくて良かった
特に1話の「人生の最後に1冊だけしか読めないなら何を読むか」は本当にはっとした
良く有る「人生の最後に何を食べたいか」は別に熱く語れなかったので、成程自分が何を一番好きなのかが分かる設問なんだなと。
そして、本を優先して人付き合いをしてこなかった事を後悔する展開かと思いきや、やっぱり本が好きと言う落ちに喝采
やっぱり人は一人じゃ寂しいから、人間関係の構築、愛や友情が何より大切なの、なんて陳腐なラストにならなくて本当に良かった。 -
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Posted by ブクログ
三途の川の辺りで死者に人生最後にして最高の本を選んでくれるうさんくさい店主のいる本屋の話。
野村さんらしい現実の本の知識を物語りに絡めた展開と最後にほっと心温かくなる優しいお話の短編集だ。
6人の死者それぞれにドラマがあり、生前の想いがあり、そして最高の一冊がある。
興味深かったのは漫画家のお話で、彼が書いた最終巻は、この世でもいつか発売されるんじゃないのと思った。
そしてやっぱりツンな美少女がはにかむ姿はいいと最後のお話を読んで思った^^
あと、自分だったらどんな本を最後に求めるだろうとやっぱり考えてしまった。
多分初めての本よりも、昔読んで感動した本をもう一度読みたくなるかなあ。
さて -
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本と話せるむすぶ君のシリーズ2巻目。
今回もいろんな本が出てくるけど、これを読むと本の側の気持ちに思い至って大切に読まなきゃなあと思ってしまう。
小僧君は『神様』に会えて良かったねと思うし、ピッピさんたちはほんとに妻科さんを大好きなんだなあと嬉しくなる。
その妻科さんは、野村作品のいつもの好きだと言えなくて悶々としてしまう切ないヒロインかと思っていたんだけど、意外と早くにちゃんと気持ちを伝えられてよかったけれど、本がライバルはやっぱり切ないなあ。
頑張って!
妻科さんに言い寄っていた先輩は最初いやなやつだと思ってたら、急に好感度爆上がりでこちらも驚いた。
そして夜長姫との出逢いのエピソ -
購入済み
小説だよね
ううむ。
難しいね。
とりあえず、ラノベではなく文学の域になってる。
題材が題材だけに考えさせられる内容になるのは仕方無いし、低年齢向けの作品でも無い。
ホント、今の若い人が読まなそうな本を題材として、尚且つ奥が深い。
軽く読むつもりで読んだら深みに嵌る。
そう云う作品です。 -
購入済み
オススメ作品
有名な作品であることは知っていたけど読む機会がなく、割引きされていたので拝読しました。感想はとても面白かった。タイトルにもある「文学少女」がとにかく魅力があった。
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ネタバレ読後にまず思ったのは「小説の神様」であって「小説家の神様」じゃないんだ、ということ。小説に関わる人――書く人、読む人、売る人、評する人――すべての人の神様なんですね。だから、小説家以外の人達にも「小説の神様」と関わる物語があって、それぞれの人たちが小説と真摯に向き合って……というお話が生まれ、小説好きな私はそうしたところで本作が気にいったんだろうな、と思いました。
個別の作品で言えば、収録作群の中では異色に映りますが「モモちゃん」が一番気に入りました。ラノベテイストに最初は違和感を覚えましたが、自作の世界に入り込んで自分の描写力の無さや知識の浅さを身をもって痛感するところなど、それこそ宮沢賢 -
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作者の野村美月さんが育った東北の地方都市には、かつて書店がたくさんあり、特に一番にぎわっていたのは、駅の近くのアーケードにある三階建ての書店だそうです。
東北で一番。日本で一番の本屋さんなんだぞ!と心の中で自慢していたそうです。
だからその書店の閉店を知ったときは、信じられず泣いたそうです。
この幸本書店の物語りを書きながら、ずっと幸せしかなかった。その空間を思い出していたそうです。
この本は作者が書店と本が好きだという想いがとてもよく伝わってきます。
幸本書店の三代目の店長の笑門さんが仕事中に亡くなるというショッキングな出来事からこの物語は始まりますが、最後は亡くなった笑門さんが、心から -
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野村先生の久々の新作は本の声が聞こえる少年の物語。
しかもあの文学少女と同じ舞台なんて読む前からワクワクしてしまった。
五つのエピソードは作者らしい、切ない話、楽しい話、ほっこりする話があってとても楽しい。
四つは実在の作品だけど二話目だけは作者が登場することもあって架空の本だね。
個人的には一話目のピッピさんの物語が一番好き。
本の想いも妻科さんの想いも切なすぎて思わず泣きそうになってしまった。
それにしても、本が話すという発想は本好きならでわだなあ。
自分も本の精の話を書いたことがあるけど^^
夜長姫について本巻ではほとんど触れられなくて、むすぶと彼女との話は悠人先輩との出会いも含 -
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野村美月先生の4年ぶりの新作。吸血鬼~の打ち切りに涙した私としては待望で、Twitterのご様子から復帰を絶望視していたので本当に嬉しかった。
軽妙でロマンチックで可愛くて、でもどろりとした感情が常に見え隠れする。
ああこれだ、これが野村先生の世界だ。と再会の嬉しさをかみしめた。
誰もが心底物語を愛していて、それは近代文学からラノベまで分け隔て無い。ラノベという単語に自称読書好きが向ける差別意識を、時にラノベ作家すら持ってしまっている中で(不思議なことにラノベを書いていることに劣等感があるラノベ作家もいるのだ)、ここまで真っすぐオールレンジに愛情を向けられる人は実のところそんなにいない気もす -
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――またおいで。それで、本の話をしよう。
編集者になった遠子先輩が、売れっ子高校生ライトノベル作家の担当として活躍(?)する、という、どう考えても蛇足なシリーズ最終巻。主人公は作家の少年です。
モチーフは伊勢物語・風と共に去りぬ・ハムレット・伊豆の踊り子。
たとえ蛇足でも、また読めたことに感謝したい1冊。
それに最後に出てきたあの人の分だけで、十分に満足させていただきました。
油断しているところにここでそう来るのか!と言うのがずどん、と一発入って、小説を読む楽しさってこういうとこにありますね。
良く考えながら読んでいれば分かっていたようなことだけど、素直に読んで衝撃を受けるほうがお -
Posted by ブクログ
ネタバレ街の一角に新しくできたお菓子屋さん。
そこの店主は非常に無愛想だが、反比例して
ものすごく美味しいお菓子を作る。
今だったり、過去だったりと、時間軸がバラバラの短篇。
一体あの戦いで何があったのか、その後どうなったのか。
軸になるのは菓子職人ですが、語りは戯曲作家。
場所が場所ですし、とにかくお菓子が出てくる出てくる。
おやつ時でも、空腹時でも、大丈夫な時でも
ものすごく危険な一冊です。
菓子屋との出会い、看板娘との出会い
シスターとの出会い、そして女王との出会い。
どれをとっても、菓子屋が語り手だとまったくもって
話が進まなさそうな性格です。
と、作者もあとがきで前世(?)を語ってました -
Posted by ブクログ
ネタバレラノベの下読みをする男子高生「青」と、周囲に内緒でラノベを書いている女子高生「氷雪」の2人が主人公。ひょんなことから氷雪のラノベ執筆を手伝うことになった青は、色々あって感情を表に出せない氷雪と関わってゆくなかで、彼女の心を溶かしてゆく。そんな中で困難が立ちはだかって・・・という、登場人物が少なく、かつ非常に素直な青春恋愛小説。
今作が抱える問題は家庭の不和によるものであり、コミュニケーション不足による考えの行き違いがネックとなっている。以下、大幅に脱線する。
なんというか、家の外を巻き込めば前進する可能性のある問題を、当事者で解決なんてできもしないのに家の外に持ち出そうとせず自力で解