野村美月のレビュー一覧

  • 小説の神様 わたしたちの物語 小説の神様アンソロジー

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    相沢砂呼は小説の神様の編集者河杢目線のお話を書いていて、これは小説の神様が好きな読者なら絶対面白いと思う。あとの作品は小説の神様をどっかに取り入れたお話達だった。
    これまでのアンソロジーは知ってる作家さんが多く書いてるもの読むことが多かったので、知らない人が一杯で新鮮だった。こういうので次の推し作家さんを見つけるのもアリです。実際発行数が少ない本を手に取ることは稀だと思うので。
    斜線堂有紀さんは気に入って読んでいて、この本の話も良かったです。
    後は櫻いいよさんの、本を読めなくなった書店バイトさんの話も好きでした。

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    2021年05月16日
  • 小説の神様 わたしたちの物語 小説の神様アンソロジー

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    意識してなかった自分の小説への考え方に読んでいて気づいたり、好感が持てる文章の作家が多く作品の雰囲気がどれも良かった。

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    2021年05月13日
  • 世々と海くんの図書館デート(3) ハロウィンのきつねは、いたずらな魔王様といっしょにいたいのです。

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    いやあ、大変たいへん尊うございました。
    これは胸キュンが詰まってますね。

    世々との交際で成績を落とさないように頑張って勉強した疲れで世々の方で眠る海くんも、
    世々のお姉さんたちの前で『ずっと世々のことを好きです』と宣言する海くんも、
    魔王さまの仮装で照れまくったり優しく世々の頬のキスする海くんも、
    全てが尊すぎて、死んでしまいます^^ 

    なにはともあれ世々が幸せそうでなにより。
    次はクリスマスだね。
    待ち遠しいです。

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    2021年05月08日
  • ストーリーテラーのいる洋菓子店 月と私と甘い寓話

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    スイーツ好きの作者の本領が余す無く発揮された逸品。
    いやあ楽しませて頂きました。

    ケーキ屋さんにストーリーテラーとは何ぞやと思ったけど、なるほどねえ。
    でも実際にそんな人がいたらちょっと引くかも^^ 
    そしてこれは飯テロいや、スイーツテロだな。
    そのケーキ食べたくなるじゃないか!

    いくつかの短編の中で、シャイなスイーツ好きくんがオフ会で知り合った人と意気投合する話が、自分たち本好きのオフ会を見ているようでまじ共感した。
    シェフの糖花さんとカタリベさんの出逢いのお話も好きだなあ。
    それにしてもカタリベさんは堅物なのかそれともMなのか分からんな^^
    そしてシェフの妹くんが実に良い味出している。

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    2021年04月18日
  • 元カノが転校してきて気まずい小暮理知の、罠と恋。

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    相変わらず巧い

    野村さんの作品はジャンルに拠るけど、得意分野に入ると巧い。
    ただ、たまに表面的な知識でのみ書かれる事もあるので、作品毎で評価はバラける。
    本作は、好き嫌いが分かれ易そうな感じの作品だけど、
    個人的には、まぁまぁ読んでて面白いとは思った。
    恐らく、単巻で終わると思うけど、それが正解だと思う。

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    2021年04月04日
  • 三途の川のおらんだ書房 迷える亡者と極楽への本棚

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    ネタバレ

    私は本好きでは有るが、ビブリア系の作品に良くある、初版がどうの原稿がこうのみたいな物だと、ついてけいない

    本作はその辺が良い意味で、ゆるくて良かった

    特に1話の「人生の最後に1冊だけしか読めないなら何を読むか」は本当にはっとした
    良く有る「人生の最後に何を食べたいか」は別に熱く語れなかったので、成程自分が何を一番好きなのかが分かる設問なんだなと。

    そして、本を優先して人付き合いをしてこなかった事を後悔する展開かと思いきや、やっぱり本が好きと言う落ちに喝采

    やっぱり人は一人じゃ寂しいから、人間関係の構築、愛や友情が何より大切なの、なんて陳腐なラストにならなくて本当に良かった。

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    2021年03月30日
  • むすぶと本。 『外科室』の一途

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    作風は、すきなんだ……!だから読みたい。読む。困ったもんだ。
    外子さんは、すきかなー。あと男子はかわいい。

    ところでおまけ部分の夜長姫は顔文字の使い方がへたすぎないか。
    似たような覚えが……以前にも……ああ。
    ない方がぜったい伝わると思う、、なぜこんなことに、、

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    2021年03月04日
  • 三途の川のおらんだ書房 迷える亡者と極楽への本棚

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    三途の川の辺りで死者に人生最後にして最高の本を選んでくれるうさんくさい店主のいる本屋の話。
    野村さんらしい現実の本の知識を物語りに絡めた展開と最後にほっと心温かくなる優しいお話の短編集だ。
    6人の死者それぞれにドラマがあり、生前の想いがあり、そして最高の一冊がある。
    興味深かったのは漫画家のお話で、彼が書いた最終巻は、この世でもいつか発売されるんじゃないのと思った。
    そしてやっぱりツンな美少女がはにかむ姿はいいと最後のお話を読んで思った^^

    あと、自分だったらどんな本を最後に求めるだろうとやっぱり考えてしまった。
    多分初めての本よりも、昔読んで感動した本をもう一度読みたくなるかなあ。

    さて

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    2021年02月16日
  • むすぶと本。 『嵐が丘』を継ぐ者

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    本と話せるむすぶ君のシリーズ2巻目。
    今回もいろんな本が出てくるけど、これを読むと本の側の気持ちに思い至って大切に読まなきゃなあと思ってしまう。
    小僧君は『神様』に会えて良かったねと思うし、ピッピさんたちはほんとに妻科さんを大好きなんだなあと嬉しくなる。

    その妻科さんは、野村作品のいつもの好きだと言えなくて悶々としてしまう切ないヒロインかと思っていたんだけど、意外と早くにちゃんと気持ちを伝えられてよかったけれど、本がライバルはやっぱり切ないなあ。
    頑張って! 

    妻科さんに言い寄っていた先輩は最初いやなやつだと思ってたら、急に好感度爆上がりでこちらも驚いた。

    そして夜長姫との出逢いのエピソ

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    2020年12月26日
  • むすぶと本。 『外科室』の一途

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    小説だよね

    ううむ。
    難しいね。
    とりあえず、ラノベではなく文学の域になってる。
    題材が題材だけに考えさせられる内容になるのは仕方無いし、低年齢向けの作品でも無い。
    ホント、今の若い人が読まなそうな本を題材として、尚且つ奥が深い。
    軽く読むつもりで読んだら深みに嵌る。
    そう云う作品です。

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    2020年12月08日
  • “文学少女”と死にたがりの道化【ピエロ】

    購入済み

    オススメ作品

    有名な作品であることは知っていたけど読む機会がなく、割引きされていたので拝読しました。感想はとても面白かった。タイトルにもある「文学少女」がとにかく魅力があった。

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    2020年12月07日
  • 小説の神様 わたしたちの物語 小説の神様アンソロジー

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    ネタバレ

    読後にまず思ったのは「小説の神様」であって「小説家の神様」じゃないんだ、ということ。小説に関わる人――書く人、読む人、売る人、評する人――すべての人の神様なんですね。だから、小説家以外の人達にも「小説の神様」と関わる物語があって、それぞれの人たちが小説と真摯に向き合って……というお話が生まれ、小説好きな私はそうしたところで本作が気にいったんだろうな、と思いました。

    個別の作品で言えば、収録作群の中では異色に映りますが「モモちゃん」が一番気に入りました。ラノベテイストに最初は違和感を覚えましたが、自作の世界に入り込んで自分の描写力の無さや知識の浅さを身をもって痛感するところなど、それこそ宮沢賢

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    2020年11月20日
  • むすぶと本。 『さいごの本やさん』の長い長い終わり

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    作者の野村美月さんが育った東北の地方都市には、かつて書店がたくさんあり、特に一番にぎわっていたのは、駅の近くのアーケードにある三階建ての書店だそうです。
    東北で一番。日本で一番の本屋さんなんだぞ!と心の中で自慢していたそうです。
    だからその書店の閉店を知ったときは、信じられず泣いたそうです。
    この幸本書店の物語りを書きながら、ずっと幸せしかなかった。その空間を思い出していたそうです。

    この本は作者が書店と本が好きだという想いがとてもよく伝わってきます。

    幸本書店の三代目の店長の笑門さんが仕事中に亡くなるというショッキングな出来事からこの物語は始まりますが、最後は亡くなった笑門さんが、心から

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    2020年10月25日
  • むすぶと本。 『さいごの本やさん』の長い長い終わり

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    本の声が聞こえるむすぶ君が閉店間際の書店にあらわれて書店ゆかりの人々と本の絆を示すお話。
    なんというかむすぶが人々の真実の想いを語る様は、文学少女の遠子さんが事件の真実を語る姿を彷彿とさせて懐かしかった。
    でも本という証人の声を聞くことが出来るむすぶは探偵としては強力だな。

    そして客観的に見れば辛い人生を送ってきたと言える笑門さんの優しさに泣きたくなった。
    本屋さんがなくなると言う事は悲しい出来事だけど、その最期がこんな笑顔に包まれていたのなら、それは幸せなのだろう。
    そんな一冊。

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    2020年07月17日
  • むすぶと本。 『外科室』の一途

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    野村先生の久々の新作は本の声が聞こえる少年の物語。
    しかもあの文学少女と同じ舞台なんて読む前からワクワクしてしまった。

    五つのエピソードは作者らしい、切ない話、楽しい話、ほっこりする話があってとても楽しい。
    四つは実在の作品だけど二話目だけは作者が登場することもあって架空の本だね。

    個人的には一話目のピッピさんの物語が一番好き。
    本の想いも妻科さんの想いも切なすぎて思わず泣きそうになってしまった。

    それにしても、本が話すという発想は本好きならでわだなあ。
    自分も本の精の話を書いたことがあるけど^^

    夜長姫について本巻ではほとんど触れられなくて、むすぶと彼女との話は悠人先輩との出会いも含

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    2020年07月14日
  • むすぶと本。 『外科室』の一途

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    野村美月先生の4年ぶりの新作。吸血鬼~の打ち切りに涙した私としては待望で、Twitterのご様子から復帰を絶望視していたので本当に嬉しかった。

    軽妙でロマンチックで可愛くて、でもどろりとした感情が常に見え隠れする。
    ああこれだ、これが野村先生の世界だ。と再会の嬉しさをかみしめた。
    誰もが心底物語を愛していて、それは近代文学からラノベまで分け隔て無い。ラノベという単語に自称読書好きが向ける差別意識を、時にラノベ作家すら持ってしまっている中で(不思議なことにラノベを書いていることに劣等感があるラノベ作家もいるのだ)、ここまで真っすぐオールレンジに愛情を向けられる人は実のところそんなにいない気もす

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    2020年07月12日
  • むすぶと本。 『さいごの本やさん』の長い長い終わり

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    幸本書店。本も人も幸せな本屋さんでした。本を愛する人たちに是非紙の本で読んでほしい1冊。先にこっちを読んだので、疑っていたけども、本の声が聞こえる男の子むすぶの力は本物らしい。

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    2020年07月06日
  • 半熟作家と“文学少女”な編集者

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     ――またおいで。それで、本の話をしよう。


    編集者になった遠子先輩が、売れっ子高校生ライトノベル作家の担当として活躍(?)する、という、どう考えても蛇足なシリーズ最終巻。主人公は作家の少年です。

    モチーフは伊勢物語・風と共に去りぬ・ハムレット・伊豆の踊り子。

    たとえ蛇足でも、また読めたことに感謝したい1冊。
    それに最後に出てきたあの人の分だけで、十分に満足させていただきました。
    油断しているところにここでそう来るのか!と言うのがずどん、と一発入って、小説を読む楽しさってこういうとこにありますね。

    良く考えながら読んでいれば分かっていたようなことだけど、素直に読んで衝撃を受けるほうがお

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    2019年09月16日
  • アルジャン・カレール -革命の英雄、或いは女王の菓子職人-〈上〉

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    ネタバレ

    街の一角に新しくできたお菓子屋さん。
    そこの店主は非常に無愛想だが、反比例して
    ものすごく美味しいお菓子を作る。

    今だったり、過去だったりと、時間軸がバラバラの短篇。
    一体あの戦いで何があったのか、その後どうなったのか。
    軸になるのは菓子職人ですが、語りは戯曲作家。
    場所が場所ですし、とにかくお菓子が出てくる出てくる。
    おやつ時でも、空腹時でも、大丈夫な時でも
    ものすごく危険な一冊です。

    菓子屋との出会い、看板娘との出会い
    シスターとの出会い、そして女王との出会い。
    どれをとっても、菓子屋が語り手だとまったくもって
    話が進まなさそうな性格です。
    と、作者もあとがきで前世(?)を語ってました

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    2019年05月09日
  • 下読み男子と投稿女子 ~優しい空が見た、内気な海の話。

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    ネタバレ

     ラノベの下読みをする男子高生「青」と、周囲に内緒でラノベを書いている女子高生「氷雪」の2人が主人公。ひょんなことから氷雪のラノベ執筆を手伝うことになった青は、色々あって感情を表に出せない氷雪と関わってゆくなかで、彼女の心を溶かしてゆく。そんな中で困難が立ちはだかって・・・という、登場人物が少なく、かつ非常に素直な青春恋愛小説。

     今作が抱える問題は家庭の不和によるものであり、コミュニケーション不足による考えの行き違いがネックとなっている。以下、大幅に脱線する。

     なんというか、家の外を巻き込めば前進する可能性のある問題を、当事者で解決なんてできもしないのに家の外に持ち出そうとせず自力で解

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    2019年01月07日