野村美月のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレシリーズ3冊目。
3遍の短編と1遍の中編からなる構成だけど、メインはようやく語られるむすぶと夜長姫の物語。
元話のヤバさそのままに殺人事件が続くなんとも危ない物語で、鏡見子のヤバさはちょっと背筋が寒くなる。
と同じぐらい個人的には、むすぶもやばいのではと感じてしまった。
確かに本の声が聞こえる体質から本の味方であることは正しいとしても、人より本を優先するのはどうなのだろうか?
まあでも、本の声を聞くことができるという常識はずれな人生をそんな常識で測れはしないのだろうけれど。
妻科さんと蛍ちゃんにはそんなむすぶくんのためにも頑張ってほしいね。
そして、若迫くんは自業自得とは言え、御愁傷様^^ -
Posted by ブクログ
本屋で偶然見つけた本。”文学少女”シリーズが好きだったが、著者の小説がだんだんと自分に合わないと感じており最近はあまり読まなくなっていたが、「外科室」というタイトルを見て、泉鏡花『外科室』を題材にした小説なのかと一気に興味が湧き、衝動買いした。
第一話
登場人物「早苗」で、”文学少女”にいたサブヒロイン「琴吹ななせ」を思い出した。私が今まで読んだ小説に出てくる負けヒロインの中でも、屈指の不憫さ。最終巻が出て、彼女のファンはどんなに胸を引き裂かれる思いだったろう。
軽く調べると、「早苗」は次巻以降も登場するようだ。生まれ変わった(?)この世界で、今度こそ幸せになってほしい。
第二話
この物語で挿絵が男というのはどういうことだろう。
第三話
元ネタのなった小説、読んだことがあるにも関わらず種明かしまで分からず悔しい思い。主人公が話す小説の解釈のしかたが面白くて、元の小説を読み返してみたくなった。自分も、あの小説を読んだ時は色々悩んでいた頃であり、結構ダークサイドな物語だと思っていたけれど、こういう読み方もあるんだなと。
第四話
『十五少年漂流記』はまだ読んだことがなかった。この話自体が短めの掌編なので読んでみたいとまではいかなかったが、読めばこの短篇もより楽しめるかと思うので、近いうちに読んでみる。
第五話
表題作。一番良かった。
泉鏡花『外科室』、私も非常に心を動かされた短篇。この『外科室』がネタ本としてつかわれているこの短篇は、見方によっては不道徳な色も帯びており、それは『外科室』が作中で朗読されるところで、登場人物にも指摘される。
私自身、『外科室』を読んだ際はその善悪を越えた芸術というか究極の恋愛というか、そういったある種何かを超越した物語として受け止めていた。しかしながら、『外科室』も『『外科室』の一途』も、そして過去の”文学少女”シリーズも、今になって思えば切り口によっては不道徳な物語だっただろう。第一話の感想にも書いたとおり、サブヒロインの不憫さはまさにそれで、最終巻の「ななせをバカにするな」という台詞は今でも印象に残っている。万感の思いで物語を終えようとしているのだろうが、お前が幸せに感じている物語が正解だと思うな、お前に幸せになる権利があると思うな、という呪いのようにも感じられた。
小説が善や悪で語れない混沌とした感情を描くのに適したツールであることをまざまざと感じさせてくれる短篇だったと思う。
全体を通じて”文学少女”よりもずっとライトな印象だけど、いかにも文学臭いどす黒い成分を掬い取る余地も残された小説だなと感じた。終わり方もなかなかに不穏。そこにゾクッときてしまった私は、結局ストレートな感情をぶつけ合い人が傷付き合う壮絶な物語を求めているのかもしれない。
ヒロイン夜長姫は何の本なのか、とかも気になるところ。痛みを纏うヒロインというと『舞姫』『不如帰』あたりが浮かんでくるのだけど、近世以前ならもう自分には分からないし……
いずれにせよ、次を読むのが楽しみだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ世々(よよ、読めなかった苦笑)ちゃん、海(うみ、こちらも読めなかった)くん、ふたりともかわいいですわ…
えほんの紹介もいい感じです…
なので、サラッと書かれた世々ちゃんちの家族構成に本当はツッコんではいけない…
『世々やお姉ちゃんたちのお父さんは全員違う人だけれど、人間だと聞いている。化けぎつねは雄が生まれにくく、昔話の時代から人間の男性と結ばれて子供を生んだのだと、亡くなったおばあちゃんも話していた。』
お父さんたちはどうなってしまったのか?
家にいる一番上の奏(かなで)お姉ちゃんはまぁ問題ないけど、海外にいるお母さん、都会でキャリアウーマンをしている二番目の水晶(みあ)お姉ちゃん、三番目大学生の紅葉(もみじ)お姉ちゃん、どう考えても妖術で人間社会に入ってる??
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Posted by ブクログ
あーこれは野村さんにはちょっと珍しいシリアスさと性的な感じのドキドキがあるお話だなあ。
タイトルが作者の別作品と似てるなと持っていたら、物語の舞台が同じでなるほどと思った。
いやしかし、これは気まずいしそれ以上に苦しいな。
理知視点はもちろんなのだけど、次第に明らかになる真相に、逆に彼女の方の気持ちを考えたらもうなんかたまらなくなる。
離れなきゃいけないのにどうしても心が動いてしまう。
だから無理やり恋人を作って離れようとする。
そんな気持ち辛すぎる。
物語のラストはお約束だけど、でもよかったねと言えてほんと良かった。
それにしても理知は真面目すぎだろう。
据え膳食わねばなんとやらなのだけど、そこはまあ、ラノベだしね^^ -
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スイーツ好きの作者の本領が余す無く発揮された逸品。
いやあ楽しませて頂きました。
ケーキ屋さんにストーリーテラーとは何ぞやと思ったけど、なるほどねえ。
でも実際にそんな人がいたらちょっと引くかも^^
そしてこれは飯テロいや、スイーツテロだな。
そのケーキ食べたくなるじゃないか!
いくつかの短編の中で、シャイなスイーツ好きくんがオフ会で知り合った人と意気投合する話が、自分たち本好きのオフ会を見ているようでまじ共感した。
シェフの糖花さんとカタリベさんの出逢いのお話も好きだなあ。
それにしてもカタリベさんは堅物なのかそれともMなのか分からんな^^
そしてシェフの妹くんが実に良い味出している。
糖花さんとカタリベさんの焦ったいやりとりにニヤニヤしてしまったので二人のその後をまた読んでみたい。 -
購入済み
相変わらず巧い
野村さんの作品はジャンルに拠るけど、得意分野に入ると巧い。
ただ、たまに表面的な知識でのみ書かれる事もあるので、作品毎で評価はバラける。
本作は、好き嫌いが分かれ易そうな感じの作品だけど、
個人的には、まぁまぁ読んでて面白いとは思った。
恐らく、単巻で終わると思うけど、それが正解だと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ私は本好きでは有るが、ビブリア系の作品に良くある、初版がどうの原稿がこうのみたいな物だと、ついてけいない
本作はその辺が良い意味で、ゆるくて良かった
特に1話の「人生の最後に1冊だけしか読めないなら何を読むか」は本当にはっとした
良く有る「人生の最後に何を食べたいか」は別に熱く語れなかったので、成程自分が何を一番好きなのかが分かる設問なんだなと。
そして、本を優先して人付き合いをしてこなかった事を後悔する展開かと思いきや、やっぱり本が好きと言う落ちに喝采
やっぱり人は一人じゃ寂しいから、人間関係の構築、愛や友情が何より大切なの、なんて陳腐なラストにならなくて本当に良かった。