畠中恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
期待外れとまでは言わないが、勝手に期待しすぎたかと思い直している。
とはいえ、タイトルは目を惹き、装丁も良く、設定も独自性があって心惹かれる作品なのだから、期待もまた当然だったかな。それだけに残念である。
まず、タイトルから想像するほどには西洋菓子は関わってこない。何よりここが残念だ。お菓子屋の面目躍如たる描写は「チョコレイト甘し」に限られる。
また、伏線が弱い。どの短編も、解決するときに唐突に新しい話を始められたような印象を受けてしまったのだ。これまた残念。
そして何より、主人公を絞らなかったために作品としてブレている。真次郎か、長瀬か、沙羅か。誰かにもっと焦点をあわせた方がよか -
Posted by ブクログ
眉目秀麗な兄の務めていた江戸留守居役を、ひょんなことから突然継ぐことになってしまった平々々凡々々(と本に書いてある)な弟、新之介。
ただでさえ資金繰りに苦しむ多々良木藩、印旛沼の開拓というさらに莫大な資金が必要なお手伝い普請からどうやって逃れるか、新之介たちの奮闘を描いた話。
ストーリー自体はハラハラドキドキとてもおもしろかったけど、このストーリーならもうちょっとページ数少なく一気に読みたかった気も。
逆に、兄がなぜ切腹したのか、両親や妹(けっこうキーパーソン)との関係など、新之介の家族に関する描写はもっと掘り下げてほしかった。
それと岩崎様、さぞかし素敵な方と思うのだけど、挿絵を見ると・ -
Posted by ブクログ
『しゃばけ』シリーズで、歴史小説とファンタジーとの取り合わせという新しい世界を提示してくれた、畠中恵。
その初となるエッセー集が文庫本になっていたので、読んでみることにしました。
作家デビュー以降に、著者が雑誌等に寄稿した文章が、集められています。
身辺雑記的なものも多いのですが、特に中核となっているのが、「読書」に関する記述です。
「思い出の本」や、文章を書く立場となって気をつけていることなどが、畠中恵らしい独特の文章で書かれています。
長編小説が終盤に差し掛かった時の感覚などは、自分が感じていることにとても似ていて、親近感が持てました。
その他、著者が本を楽しむポイントというのが、著者自身