畠中恵のレビュー一覧

  • いっちばん(新潮文庫)

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    今回は『じんわり』と来るものが多かったかな?
    何にしてもホッとできるシリーズ。

    ・いっちばん
    若だんな、日限の親分と江戸で横行してる掏摸を追う。
    小さい物語りの中でバラバラの物語りがスルスルと1つにまとまってく…楽しかったです。

    ・いっぷく
    長崎屋が『品比べ』に巻き込まれる。
    若だんなに新たな友ができる?

    ・天狗の使い魔
    若だんなが誘拐される!
    大人しく人質となっていない若だんな(笑)
    さて、どうなるか?

    ・餡子は甘いか
    若だんなの親友・栄吉の目線で書かれてる章。
    栄吉、がんばれ!

    ・ひなのちよがみ
    薄化粧のお雛さん。それはそれは美しく可愛らしい。
    お雛さん・許嫁の正三郎、そこに現れ

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    2021年12月29日
  • 御坊日々

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    明治という激動の時代を洒脱に強かに生きる僧侶と、彼らを取り巻く人達から持ち込まれる問題を解決していくお話。

    帯に「ミステリー感」を匂わせていますが、ミステリーではないです。
    謎を解くというより、知恵を絞って問題を解決していく人情物で、テーマは「縁」。

    本筋に「師僧の死の謎」がありますが、本筋よりも各話で舞い込んでくる問題解決の方が良かったです。
    私的には2話目が1番良かった。

    1話ごとに繋がっていく人の縁に優しさを感じせるストーリーで、私にとっての「縁」というものを考えるきっかけになりました。

    主人公の冬伯さんが、人間味があり、御坊さんだけどとても身近に感じさせるフランクさもあり魅力的

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    2021年12月18日
  • てんげんつう(新潮文庫)

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    しゃばけ(娑婆気シリーズ)のてんげんつう(天眼通)
    相変わらず身体の弱い長崎屋若旦那と、もろもろ妖達との痛快軽快江戸時代ファンタジー小説。
    何がすごいって、毎月、この設定で作品を書き続けていること。かなりの妖怪好きですよね。
    各短編、それぞれ主人公となる妖が、コミカルに活躍。ビジュアルがわからない妖を調べながら読んでたら、立派なHPがあってびっくり。アニメ化もされている!一息つける作品。

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    2021年12月15日
  • 御坊日々

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    は一時廃寺となったものを冬伯が相場で稼ぎ買い戻した東春寺に住む冬伯と弟子の玄泉。

    廃仏毀釈や江戸から明治への移り変わりや、東春寺に持ち込まれる相談毎など楽しく読めるので、師僧の死にそこまで話の展開でこだわる必要性はない気がする。

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    2021年12月12日
  • 御坊日々

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    明治20年の東京浅草の寺町、東春寺が舞台
    渋沢栄一が「徳川バンザーイ!」と叫び
    上野の不忍池の周りで競馬に歓声が、あがっていた時代の話しです。

    短編5偏
    家族がいても孤独な人。
    家族も無く、残飯を食べ、生き抜いて、貧民窟から這い出る為にあがき、もがき、苦しんでいた人達が、東春寺で縁がつながり、話が進んで行きます。
    重い話が、何故か?軽やかに進みます。
    畠中恵さんの力です。


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    2021年12月11日
  • ちんぷんかん(新潮文庫)

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    ★3.5
    やっぱり…ホッとしますね〜。若だんな。
    江戸通町一帯が火事に見舞われる。長崎屋も被害に。

    ・鬼と小鬼
    若だんなが冥土行き?
    が、タイトルにある小鬼こと鳴家も着いてきた。
    鳴家を元の世に戻すため若だんなが戦います!

    ・ちんぷんかん
    ここでは目線は広徳寺の僧・秋英。
    成長する秋英が見れます。

    ・男ぶり
    若だんなの母・おたえの若き日の恋物語。
    父・藤兵衛との馴れ初めも❤︎

    ・今昔
    若だんなの兄・松之助に縁談が。
    縁談の決着版です。

    ・はるがいくよ
    離れの庭先に植えられた桜の木。
    寂しい若だんなの心と合わさり、不思議な出来事が。
    感動の物語り。

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    2021年11月29日
  • てんげんつう(新潮文庫)

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    「しゃばけ」シリーズは三巻まで読んで随分経つが、まだ続いていて十八巻になる。魅力はアニメ的な読みやすさと登場キャラクターのほのぼのとした安心感みたいな気分を味わえることか。収容5作のうち、「てんげんつう」と「くりかえし」が良かった。2021.11.26

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    2021年11月26日
  • てんげんつう(新潮文庫)

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    ネタバレ

    畠中恵「しゃばけシリーズ」第18弾
    と言っても 1作目を読んでからずいぶんご無沙汰で、登場人物(妖達も)を思い出すのに一苦労だった。

    主人公の若旦那は 祖母が大妖のおぎんで、体は弱いが、妖達に守られながら 楽しく過ごしていた。
    そこに毎回毎回 巻き起こる謎の事件。
    妖達と一緒に その事件の解決をしていく。

    第18弾の中で なかなか厄介で、人間の業を感じるのが題名になっている「てんげんつう」だろう。
    【千里眼は持ちたいが、人には嫌われたくない、生きやすさが欲しい】他人より優位に立てる力は欲しい、がその弊害は欲しくないのは 世の常。
    自分の力量や素質が大いなる力に見合わない場合 やはり人を狂わ

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    2021年11月23日
  • ころころろ(新潮文庫)

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    今回は短編ではなく、短編ながらも話が繋がっている作品でした。
    若だんながあまり活躍する感じではないですが、今回も読みやすくあっという間に読み終えてしまいました。
    相変わらずキャラクターが可愛らしいです。

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    2021年11月03日
  • やなりいなり(新潮文庫)

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    五つの話からなる短編集。
    今回は神様、幽霊、妖がメインとなる話だった。各話の冒頭に書かれたレシピも面白い。最後の話『あましょう』では、切ない気持ちになった。

    「友達ってもんは、親や子とは違う。お互いに話すらせず、会いもしなかったら、縁が薄まってゆくもんさ。気がついたら、ただの知り合いに化けちまうかもな」

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    2021年10月31日
  • ゆんでめて(新潮文庫)

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    五つの話からなる短編集。
    屛風のぞき、カムバーック!(泣)初っ端から悲しい思いにとらわれた。読み進めていくうちに、なるほどそういう事かと、安心した。作者の飽きさせないストーリー仕掛けに感服する。

    「始まるのは、知らぬ明日」

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    2021年10月28日
  • ころころろ(新潮文庫)

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    五つの話からなる短編集。
    ある朝突然、若だんなの目が見えなくなってしまい、長崎屋では大騒ぎ。どうやら生目神が関わっているらしい。若だんなを救うために奔走する仁吉と佐助。若だんなは無事、目の光りを取り戻すことができるのか。

    今回の話はそれぞれが繋がっていて、短編集でありながら長編のように読めて、なかなか面白かった。生目神が若だんなにしたことは許せないが、少しばかり哀れに思った。

    「神は人に、時に、置き去りにされる」

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    2021年10月26日
  • つくもがみ貸します

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    付喪神と清次とお紅のドタバタラブコメディーと思います。前作の夢告とはまた違った趣でお江戸の時代を背景に繰り広げられる人間模様。実写で見てみたい気もしますが、1話1話で完結しているようでしていないようで気楽に読める一冊ですね。読書週間3冊目。構えず気楽に行きましょう。

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    2021年10月24日
  • てんげんつう(新潮文庫)

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     なんだか……若だんな、巻を追うごとに幼児退行してませんか……?(汗) 癇癪起こして八つ当たりする若だんなって相当珍しいような……?
     ちょっとず~つ不穏な要素を散りばめては、今後の話の盛り上がりに繋げていこうとしているのかな?という印象。若だんなが寝込みながらでも悪夢を通じて情報収集できるようになったのは今後の活躍を見据えると大きいなとは思いつつ、「夢」という現実とは異なるかもしれないものを頼りにしてしまって大丈夫なのかという根本的な疑問も……。
     余談ですが、文庫解説にあった「テレワークする現代版若だんな」の話が面白そうで、むしろこれ読んでみたいと思いました(笑)

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    2021年10月23日
  • いっちばん(新潮文庫)

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    五つの話からなる短編集。
    『いっぷく』では若だんながある人物と再会し、こちらまで嬉しくなった。
    『餡子は甘いか』では、栄吉の菓子作りに対する苦悩が窺え、また、人の気質はそう簡単に変わるものではないのだなと思った。
    『ひなのちよがみ』では、紅白粉問屋一色屋のお雛さんの、その後を知ることができてよかった。

    「何事に付け、やり続ける事が出来ると言うのも、確かに才の一つに違いないんだ。」(『餡子は甘いか』より)

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    2021年10月22日
  • ちんぷんかん(新潮文庫)

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    ネタバレ

    五つの話からなる短編集。
    長崎屋が大火事に巻き込まれるところから物語は始まる。煙を吸った若だんなは意識を失ってしまい……三途の川の畔で目を覚ます。なぜか鳴家たちが付いてきていて、若だんなは妖たちを長崎屋へ帰そうと決意する。若だんなたちは無事、長崎屋へ戻ることができるのか……?!

    大火の後、焼け落ちた町の復興と共に物語は進む。個人的に『はるがいくよ』が心に残った。桜の花びらの一生を短いと感じた若だんなが、自分の一生もまた、妖たちにしてみれば短いのだと、気づいたところで物語は終わる。

    「去って行かねばならない者は、悲しくて哀れかもしれないけれど……残される者もまた、辛い思いを持てあますことにな

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    2021年10月19日
  • うそうそ(新潮文庫)

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    久しぶりの長編。今回、若だんなは生まれて初めて旅に出ることになる。しかし、箱根へ湯治に向かう道中、次から次に災難に見舞われ、湯治どころではなくなり……。若だんなは無事、問題を解決することができるのか。

    先が気になって、ページをめくる手が止まらなかった。

    「私はここにいる。……でも誰かの、何かの、この地の役に立っているんだろうか」

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    2021年10月17日
  • おまけのこ(新潮文庫)

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    五つの話からなる短編集。
    個人的に、厚化粧が止められない娘の心を屛風のぞきが解きほぐす『畳紙』と、鳴家が大冒険する『おまけのこ』が好き。鳴家が可愛くてたまらない。

    「若だんなだ。鳴家の若だんなだ。ちゃんと我の声を、聞き分けてくれた!」

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    2021年10月13日
  • ねこのばば(新潮文庫)

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    五つの話からなる短編集。今回は暗い結末の話が多かった。

    「何で何で殺しちゃいけないんですか。だって、その方があたしには都合がいいんだから……いいじゃないか、いいじゃないか」(『茶巾たまご』より)

    自分本位で、殺人に恐れも哀れみも抱かなかった下手人の言葉にぞっとした。

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    2021年10月10日
  • ぬしさまへ(新潮文庫)

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    六つの話からなる短編集。長崎屋の若だんな一太郎が、彼を見守る妖怪たちの力を借りつつ、江戸を騒がす難(怪)事件を解き明かしていく。

    どの話も面白かった。ただ『虹を見し事』の話の中で、女中のおまきや松之助の幻は説明がつくとしても、月の光を水からすくえたり、ギヤマンの酒杯が筵から出てきて、その中で魚が泳いだりしたのはどうしてだろうと、疑問が残る。

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    2021年10月10日