畠中恵のレビュー一覧

  • わたしの名店

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    おいしい一皿と題されてはいるが、決してグルメ店巡りの内容ではない。
    28名の著名な方々にとって、思い入れのあるお店を紹介しながらその由来をエッセイとして綴られている。
    三浦しをんさんを筆頭に、西加奈子さん、瀬尾まいこさん、藤岡陽子さんたちが自分だけの大切なお店を語っておられるのだ。
    単なる食事処ではあるのだが、やはり食と人生の繋がりは人それぞれにあるものだと、読書後に思い至った。

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    2024年11月16日
  • 御坊日々

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    明治になって時が経ち。儲からない寺を維持するため住職が相場師として金を作っている、という設定が面白い。大きな事件が起きるわけではないけれど、人の温かさを感じる話が多く読後感は良かった。変化していく時代に置いていかれないよう支え合いながら生きていた庶民のリアルが描かれている。

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    2024年11月09日
  • うずら大名

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    随分前にしゃばけシリーズを読んでから久しぶりの畠中恵作品。
    昔は時代物はあまり好きじゃなかったけどしゃばけは面白くて好きだった。
    この本も読みやすく面白かった。
    しゃばけでは家鳴りが可愛くてほっこりしていたけど、うずら大名ではうずらの佐久夜が可愛い。
    こういう愛玩キャラ(?)がいると物語の所々でほっこりできてすごく好き。
    ストーリー自体は少しうーんというところもあったけど、畠中恵作品は登場キャラが良いので楽しめたかな。
    時代物が好きになった今、他の畠中作品も読みたいな。

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    2024年11月05日
  • こいごころ(新潮文庫)

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    老々丸と笹丸のお話が印象的。人間よりも長く世にいるとはいっても、妖も永遠ではないのだな、と。
    それを見届けた兄やと長崎屋の妖たちの様子がまた切ない。ずっと若旦那を見てきた源信医師も隠居し、時の流れを感じた。これからの長崎屋も色々変化していくのかな、と楽しみなような寂しいような、不思議な気持ちになる

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    2024年11月05日
  • なぞとき

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    ネタバレ

    『なぞとき』
    表題作の挿絵、顔傷だらけで微笑み浮かべてる佐助、ちょっとシュールですよね。

    鳴家の手がやわらかいのは可愛い。
    事件自体は拍子抜けする程あっさり解決(?)してしまいましたし、伏線回収の爽快感も少なかったですが、佐助の人柄が出ていて良かったですかね。手代は結婚できないって言うのは厳しいですね。江戸時代、江戸は人口密度高かったって言うし、それでちょうど良かったのかも。仕事に生きるか、家庭を持つか。

    私はてっきり犯人捏々子河童の姐さんだと思ってたので、ちょっと残念。


    『かたごころ』
    鮪丸一匹。サイズにも寄りますけど、凄すぎますね。
    当時、魚の中では安い方なんだ。
    鮪はそんなに好きでもないのですが。火が通った鮪は特にあんまりかも。青魚特有の酸味がなぁ。

    これが小説だからってのもあるでしょうが、筆者の夢は独り言形式だったりするんでしょうか? 私の夢は映画パターンの時と、主人公の視点で体験するパターンの2パターンなんですが。本作に登場する夢はひとり芝居みたいですよね。
    まあ、元々台詞のやり取りなんかも落語っぽいところのある作風ですからね。「え?なんだって?どうしてそれがわかったか?それはね」なんてのはリアルな会話ではあまり言いませんし。相手の台詞をメインで語っている人物に言わせる。会話が多い文章を忌避したいのかな。

    今でこそ試飲会、試食会、サンプル無料配布なんかありますけど、江戸の町のクチコミ拡散力、凄そうですね。そしてなんとも図々しい面々。いつもは妖がその役割を担ってますが、人も負けてない。

    破談理由、そんなことで?? って内容でしたが、時代ですかね。拍子抜け。そもそもの原因も、そんなことで?? ってなりましたし。まあこれも今より交通の便や、連絡手段諸々不便な時代ですからね。マリッジブルーも深いのかも。

    忠五郎は破談理由は知らないけれど、誰かの告げ口が原因だと言うことはわかっていたってこと?? しっくり来ない。

    オチはなるほど、嫁姑問題でよく聞くやつでしたか。あるあるですね。


    『こいぬくる』
    タイムリーですね。闇バイトを彷彿とさせます。犯人は妖かな?

    畠中さんの作品だと猫のイメージありましたが、仔犬、かわいいですね。仁吉が咽せるのも珍しいですし。毛足が長い黒と白の大型犬、ニューファンドランドとかグレートピレニーズとかかな。

    躾。鍵に苦い薬を塗っておくとか? よく乳離れできない子のために辛子を塗るなんて利くけど。あれって母親の方も痛いよね?想像するだけでヒリヒリするわ。

    そして、妖警備員は羨ましい。我が家にもいたら安心できるのに。


    『長崎屋の怪談』
    美味しい蕎麦と天麩羅が食べたい。
    タイトルから身構えましたが、しゃばけシリーズでそこまで怖い話は無いかもと気を入れ直し。

    酢蛸の誠実さ、とは。ちょっと面白い。

    仁吉は万物を知る白沢ですけれど、その千里眼っぷりの加減が今ひとつわからない。妖を直接みたらそれが何かわかる、ってことなんでしょうか。今回の怪異の正体はスッと掴めませんでしたよね。犬の言葉もわかるわけではない。まあ、あまり万能だと話が終わっちゃいますから、仕方ないか。

    貧乏神はどう言う立ち位置なんでしょうね。神と言うくらいだから、もっと敬われても良いのではと思うのですが。割と他の妖と同列に扱われていますよね。くわばらくわばら。

    パクツイみたいな話でしたね。
    作家さんとしては色々思うところのある話でしょう。WEB作品とかでもよくパクリパクられみたいなの見かけますし。作家さんからしたら死活問題。苦言を作品に込められたのかな。


    『あすへゆく』
    長崎屋、ホワイト過ぎる。藤兵衛は理想の社長ですね。
    若旦那、いくつなんだろう。毎回思う。

    勝吉。ヤバい奴だ。『ゆとりですがなにか』のヤマギシを彷彿とさせるなぁ。デフォルメされてはいるけれど、実際いそうだから怖い。

    二十代半ばと言ったら、江戸時代ならそう若いとも言われなさそうだけど。中年増ってくらいでしょう。まあ、相手が42だから、それと比べてってことかも知れないけれど、それこそ江戸時代には珍しくもなさそう。
    え、しかも江戸に暮らしていながらお店者の暮らしを理解していないってのは随分世間知らずな感じがするなぁ。町娘でもその辺りは理解していそうなものなのに。時代的に20過ぎたら行き遅れなんて言われてたはず。ちょっと世間知らず過ぎるわ。

    わー!
    勘太さんのは最初に話が出た時から心配してたことだった!
    一番救いのないやつ。許せないわね!!そんなこったろうと思ったんですよ、私ゃ。長崎屋も平和ボケしてるところがあるからなぁ。人を信用し過ぎなのよ……。あり得ないわ。
    19歳かぁ。縁切りは良いにしても、どうするのかしら。若旦那が雇うわけにもいかないだろうし。

    徳三郎さんはおそらく袋物屋の奥さんの親戚?の娘さんと添うことになるんでしょうね。勝吉さんはどうだろう。長崎屋に残ることにするのかな。それか、徳三郎さんの店で働くとか?
    いや、それは勘太さんかも知れない。従業員は必要だし。

    徳三郎さん、42にして裁縫を覚えるなんて、偉いわ。
    勝吉さんの結末は意外でしたが、良かったですね。

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    2024年10月28日
  • またあおう(新潮文庫)

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    なんて変な世界!
    妖達はとにかく若だんな大好き
    病弱で寝込んでばかりの…
    どんな事件がおきようと
    「若だんなならきっとこうする」
    と若だんな抜きでやいのやいのと言いながら解決してしまうのだ
    かわいすぎる
    さあ、うまくいったから
    若だんなが甘いもののごほうびをくださるぞ
    「きゅべ」
    「きゅんい」

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    2024年10月27日
  • なぞとき

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    佐助が怪我をした。爪による傷は誰にやられたのか妖達が賭けをする「なぞとき」、料理屋の娘お照の縁談が破談になった原因を探る「かたごころ」、長崎屋の離れにやってきた鍵を好む黒の仔犬の飼い主を探す「こいぬくる」、夜分に若旦那の前に現れた見知らぬ女の怪異の正体を探る「長崎屋の怪談」、父藤兵衛から若旦那が長崎屋を辞める三人の話を聞いてほしいと頼まれる「あすへいく」。
    時が流れているような流れていないような長崎屋。奇抜な展開もない代わりに安定して読めるのが魅力だなと思う。

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    2024年10月27日
  • わたしの名店

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    そのお店が好きなんだなぁと伝わる内容だったと思うけど、時間がたって、覚えているのは朝井リョウだけ…。

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    2024年10月27日
  • なぞとき

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    人間の短絡的で愚かなありようが哀しい。けれども、人も妖も、若旦那と関わりができると良いように収まるようだ。自分の身を案じてもらえると、ひとまず気が済むからかもしれない。しかも、そうこうするうちに仲間が増えたので、若旦那が手に余る問題でも、助け船が出るようになった。それもまた若旦那の人徳かな。

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    2024年10月19日
  • つくもがみ、遊ぼうよ

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    <目次>
    略

    <内容>
    読んだ順番が逆なので、大久屋の登場とか十夜の生まれの謎とか知った上での話でした。つくもがみたちがどんどんしゃっべたり、活躍したり、ニヤニヤしながら読みました。

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    2024年10月12日
  • なぞとき

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    うっかり1巻飛ばして読んでしまった。

    なぞとき、と言いつつ謎自体はあっさり解けてその後の展開が面白かったりする。
    さすがだな。

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    2024年10月04日
  • たぶんねこ(新潮文庫)

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    シリーズ12弾。
    今回も面白く読ませていただきました。
    お金を稼ぐ大変さ、後輩に教える大変さは昔も今も同じですね。
    お見合いもバタバタなりましたが収まるところに収まる。
    仁吉が記憶喪失になるのは意外でした。
    最後の話は幽霊より人間が怖いと思いました。

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    2024年09月30日
  • ちょちょら(新潮文庫)

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    「ちょちょら」とは弁舌の立つお調子者、との説明。「まんまことシリーズ」の主人公に近いかと思ったが、全然違う主人公だった。
    間野新之助は兄が留守居役だったが、その兄が自裁したため後任として留守居役になってしまった。優秀な兄と比較して劣等感を持っている新之助は失敗ばかりしてしまう。留守居役については上田秀人さんの『百万石の留守居役シリーズ』で詳しく知っていたので、同じ大名の留守居役組合の先輩方に相当虐められると思っていた。ところが、先輩方は愛情ある鉄拳指導で厳しくも教え導いてくれる。
    兄の元許嫁に対する憧れや、藩の上司である家老との剣を抜きあっての騒動とかてんこ盛りの内容。最後は印旛沼の開拓騒動で新人ながら全ての大名を巻き込み指導的役割を果たして行く。兄の死の真相探しなどミステリー的要素も盛り込まれていて、500ページ以上のボリュームながらなんとか読み終えられて良かった。

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    2024年09月25日
  • 猫君

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    どんとこい猫又!
    実際に猫と暮らしてる身としては20歳超えて猫又になってくれるならほんとに嬉しい。
    全体的に盛り上がりどころが今ひとつだったかな、という感じはした。猫たちは可愛いけど、問題の解決方法があっさりしてたかなぁ。

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    2024年09月13日
  • 新・しゃばけ読本(新潮文庫)

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    <目次>
    略

    <内容>
    2010年刊の「しゃばけ読本」(新潮文庫)に2006年刊の「みぃつけた」(しゃばけの絵本)を合本にしたもの。しゃばけの人物一覧や2010年まで(17巻むすびつき)までの各話あらすじ、長崎屋や裏長屋の平面図、などなどが載っている。コンパクトに「しゃばけ」シリーズを知りたい人によい!

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    2024年09月02日
  • とるとだす(新潮文庫)

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    若だんなの為に色々な薬を試して倒れてしまった藤兵衛の為に一生懸命頑張る若だんなと妖たち。狂骨との戦いなどハラハラする場面がありつつ、最後はほのぼのとした気もちで終われるのがこのシリーズの良さだと思う。黒羽坊が寺に馴染んでいるのもホッとした。

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    2024年09月01日
  • おおあたり(新潮文庫)

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    金次の富札が巻き起こした騒動は現代でも起こりそうな話…お金が絡むと人は変わってしまうのだと切なくなりつつも、金銭に執着がない妖達と若だんなの余裕っぷりがなんだか“ズレて”いる姿には心が和む。小僧時代の仁吉と佐助の初々しいお話も良かった。栄吉の菓子の出来不出来の落差がスゴすぎるw

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    2024年08月24日
  • いわいごと

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    ネタバレ

     これは意外な展開だった……! 巻末の解説でも触れられているとおり、江戸時代の結婚事情を考えれば「そういうものかもしれない」と腑に落ちるものではあるのですが、読者感情としてはなんとも複雑……この展開を手放しで喜ぶのは、正直、かなり厳しい気がします;
     巻が進むにつれて、麻之助たちの立場上、シリーズ初期のような馬鹿や無茶が減っているのをちょっと寂しく思う反面、個々の成長や変化をリアルに丁寧に書いているんだなぁとも思わされました。
     麻之助の嫁取りという一つの区切りもついたところで、はてさて、ここからどう展開させていくのやら……?

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    2024年07月27日
  • ひなこまち(新潮文庫)

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    前作の『やなりいなり』を読んだのが10年以上前。
    魅力的なので主要な登場人物のことはよく覚えていた。
    聡明な若旦那だけど、今まで病弱で弱気になることが多かったが、今回は「おっ」と思うところがあった。
    成長しているんだなあ。

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    2024年07月23日
  • いわいごと

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    生まれた時から名主の跡取りが決まっていてお決まりのお気楽な育ちの主人公。今回は麻乃介の再婚話。自分の意志は言葉にしない、相手の意志に任せる(尊重する)
    麻乃介。流れに任せる生き様。そんな主人公

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    2024年07月06日