長野まゆみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
主人公も含めて、登場人物みんながお洒落な比喩表現や隠語を巧みに使っていて、他愛ない、俗語で話すと聊か下品な話も彼らがすると一流の会話になる。現実が舞台なのに、どこか浮世離れしたような、あり得そうであり得ない、見た事のない、妖艶で優雅な世界観…これぞ、私の求めている長野世界…という印象でした。
同性愛要素が含まれているので、苦手な方は避けた方が良いかと思いますが、主人公が男であるからこそ描ける世界だと思うので、美麗な文章を読みたい方は苦手意識を一度放り投げて読んで頂きたいです。
男と女になると、どうしても、設定に負けてこの世界観が濁るように、私は思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ女が総人口の数%となった未来の話。
古代の王子の物語が近未来的社会と交錯する。
主人公ルカは、上位学校であるワールド・ツアー校に通う生徒である。物語は、学習プログラムに間違って選んでしまったことから始まる。教官シンヤがプログラムした「再生と救済の共和国3rd」の中で、レイジに会い、古代の王子の物語を追体験する。
最後には、「再生と救済の共和国6th」にアップデートされ、物語は終焉を迎える。
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教官シンヤは、王子シンヤと同じ遺伝子。
リヨンは、王子シンヤの妻エリュシオンの生まれ変わり。
ルカは、王子シンヤの子供。
レイジは、王子シンヤの身代わりとして死んだ奴隷?
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近未来の話が好き -
Posted by ブクログ
ネタバレあの サン=テグジュペリの作品と同じタイトル。
『天体議会』や『宇宙百貨活劇』みたいな、
ファンタジー色つよめなおはなし。
植物図鑑、鉱石図鑑、色見本のよう。
かわいくて、きれいで、まぶしい。
想像力かきたてられる。
作家さん…というか作品によって
イメージカラーみたいなものがあって、
この本の場合、あまりにも色が鮮明すぎて例えるのが難しい。
漢字のつかいかたやルビは、やっぱり独創的。
あとがきを読んだら、意外なことに
この作品は社会・世界に対する風刺である、と。
1995年。原爆展をめぐる騒動、
核実験の再開、ムルロア環礁…。
作中に登場するガブリエル氏が、
当時のフランス大