長野まゆみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
美しくて淡くて清清しい、少年のある夜の冒険譚。
現実の世界とは異なるたゆたうような世界に迷い込んだアリスと
現実の世界でとまどう蜜蜂。
金木犀が淡く香る群青天鵞絨の天幕の空に細かく砕いた貝殻
を散りばめて作った星を縫いつける。
初めてこの本を読んだ日から20年ぐらいたっていることにびっくり。
改めて読みたくて、文庫で買い直しして読んでみると、
あの頃とはまた違う面が見えて改めて大好きだなぁと。
夢と現実のあわいでいない相手のことを想い、お互いに自分を見つめ
そっと自分の欠点に気づいていくところもいいなぁ。
改造版も購入したので、どんな違いがあるのか楽しみ♡ -
Posted by ブクログ
ネタバレ久々に、この時代の長野さんの本が読みたいな~と思っていたところ、本屋さんで発見。
持っていなかったので買ってしまいました。
4つのお話で構成されていますが、前半2話はファンタジーな感じ、後半2つは現実的な話で、前半と後半では書かれた時期が違うのかな?と思ってしまいました。(実際は半年くらい間があるよう。)
ストーリーはこの時代の長野さんらしく2人の少年のお話なのですが、やり取りというか関係性が何だか読んでいて恥ずかしく感じてしまいました。
わたしが年を取ったのか(わー)、最近の長野さんの作風に慣れてしまったからなのかはわかりません。
でも「幻想のゆくえ」と題されたあとがきを読んで、その恥ずかしさの意味が少しわかったような気がしました。
結末がちょっと、というかかなりの衝撃でした。
たとえば天体議会では銅貨と水連が喧嘩をしてしまい、関係を修復できず、友だちでなくなってしまうことをとても恐れているように、長野さんが主人公にする少年たちは、物理的にも心理的にも離ればなれになる(友だちじゃなくなる)のを一番の恐怖に思っているんじゃないかと考えていたので、この終わり方は全く予想できませんでした。
読んでいて切なくなってしまいました。
けれど「すっかり忘れてしまって、またいつかはじめて出逢えばいゝぢゃないか、知らない同士のような顔をして。」というセリフがいいなあと思いました。
こんなこと言ってるけど、お互いを信頼しているというか、友だちとして認めていなかったら、この言葉は出てこないですね(笑)
「いつかはじめて逢う日のために、新しい日常を過ごして行く。」
こういう考え方が高校生の時にできたら、もっと楽に生きられてたかもしれないなあ、と自分を振り返って思います。
今は近い考え方ができるようになったから、読んですごく納得しました。 -
Posted by ブクログ
あまりにも少年たちの関係が危うげで、途中何度も頁をめくる手を止めてしまった。
銅貨は気づいていないが、恐らく誰よりも愛されているのが銅貨本人である。
水蓮と藍生の間に漂う親密さも、元はといえば銅貨という存在に根ざしているのではないか。
銅貨と水蓮の仲直りのシーンは、長野作品の中でも指折りの名場面だ。
この先きっと、これを超える『仲直り』と出逢うことはないだろう。
続く少年たちの糖菓の交換は、思わず見ているこちらが照れてしまう。
今回は再読で、初読は中学生の頃だった。
あのときは終わり方に寂しさを感じたものだったが、今はそうは思わない。
……それにしても藍生さんの不器用さと捻くれ具合には苦笑いをしてしまう。
藍生さんもまだまだ子供ということだろう。