長野まゆみのレビュー一覧
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購入済み
好きな作品がまた1つ増えました
短編だけれども物語はきちんと繋がっています!
些細なところが重要なことへと繋がっていたりしているので最初から最後まできちんと読むべきです!!
直接的な表現も長野さんが表した言葉になると柔らかで妖しい印象になるのが不思議でどんどん物語に引き込まれます。
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久しぶりに長野まゆみさんの小説が読みたいなあ、と思い、図書室でお借りしてきました。
まずは「甘党の系譜」と銘打たれた、明治大正の頃の祖父母たちの暮らしぶりの紹介。
続く「菓子年譜」からは、1959(昭和34)年8月13日に生まれた「わたし」の成長が1年ずつ記されており、ははあ、この主人公がこれから何がしかの事件にでも巻き込まれて行くのかな?と思いながら読み進むも特にそんな事もなく、あれっこれはもしかして……って本を一旦横に置いてスマートフォンにて著者・長野まゆみ氏をググってみたらば、案の定氏は1959年8月13日生まれ。
エ ッ セ イ だ っ た か ! ! !
と気付いた時の衝撃た -
野ばらの姉妹作です
是非『野ばら』と合わせてお読み下さい。
主要キャラクターは同じなのに、内容は全く違います。
こちらはメルヘンが溢れていて、とても可愛らしく、そして切ない作品です。
方向性が全く違いますが、『野ばら』と甲乙付けがたいほど好きです。
癒されたい時にお勧め。 -
退廃美と破滅願望そして捕食者
ひたすら美しく妖しい世界がそこにあります。
ファンタジーとホラーの融合というか、幻想的でいて所々が妙に生々しい。それが長野作品の魅力だと思っています。
佳境(にあたるのかな?)ら辺が物凄く好きで鳥肌が立ちます(良い意味で)。
怖いんですが、同時に恍惚感がある。まるで麻薬のようですね。長野作品は危険物質(笑)。
確かこちらは『カムパネルラ』との姉妹作だった気がします。 -
姉妹作
長野作品には幾つか姉妹作が存在しているのですが、こちらは『夏至祭』との姉妹作で、主要キャラクターが共通しています。
『夏至祭』は本当に可愛らしいお話なので、この『野ばら』の方がダークファンタジー感満載でthe長野作品という話の運び方になっています。こちらも堂々回り的。
妖しい雰囲気が溢れていて、大好きな作品の一つです。
長野作品だと、あからさまに同性愛が盛り込まれるよりも、こういったお話の方が私は好きなんですけどね。 -
集める切っ掛けになった本
図書館で見付けて粗筋に惹かれて借りてみたら大当りでした。
もう、キャラクターの名前・世界観、全てがファンタジーで言葉選びも美しい。どちらかというとメルヘンと言いたいお話。
長野作品の名作の1つです。
童話好きな方はハマるかもしれません。 -
Posted by ブクログ
面白かった。
短い、2、3ページほどの話の集まりみたいな書き方で、こんな話の書き方もあるんだとおもった。
兄と弟の話かと思って読んでいたら、次第に語り手がいることがわかり、最後の章までに語り手は誰なのか、というような推理要素が存在する。私の予想は外れた。時軸がいったりきたりで混乱しそうだったけど、別に混乱することなんて何もなかった。
誰が誰で、何がなんなのか。ミステリじゃないのに想像して辻褄を合わせるのが面白かった。
設定が深く作られてるのかなと思ったり、なぁんだそういうことだったのかと思ったり、つまりどういうことだったのと思ったり。
まあ、何を言ってもネタバレになりそうなので何もいえそうにな -
Posted by ブクログ
「凛一シリーズ」第1巻
中等部へ進級した主人公の原岡凛一は、自分を従姉と間違えてキスした上級生の氷川享介に一目惚れをしてしまう。しかし、氷川はノーマルであり、凛一は自分の気持ちを抑制して付き合うことを覚悟する。
舞台は1976年の東京。初冬からに翌年の晩秋にかけて、2人の関係が深まっていく様子が描かれる。凛一本人にも決して上手くいくとは思っていなかった関係だったが、叔父の千尋や従弟の正午の登場により、恋の行方は思わぬ方向へ向かって行く……
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自分の感情を押さえ込み、状況や心境を冷静に捉えることが出来る凛一は人前では滅多に涙を見せない。非常に堅固な性格の持ち主だが、身体は脆弱であり、 -
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再読。
アビと宵里(しょうり)、少年たちの戻らない日々。
架空のキリスト教の国。
英国とフランスとイタリアが混ざった感じ。
秋、冬、春、夏、季節ごとの章立て。
単語がキラキラしてます。
筆記帳(ノオト)
腸詰肉(ソオセエジ)
シトロンソォダ
人工天体(サテライト)…
これは世に言うBLかしらと悩む。
うーん…否。
解説にも書かれていますが、物語性の強さからきっとこれは非BL。
自己と他者を同一視するんじゃなくて、区別して自立する展開は爽やかな余韻を残してくれます。
あーーでも、表紙は全然好きじゃない。
以前読んだ各章が一冊の本になってるやつはすてきだったのにな。残念。 -
Posted by ブクログ
長野まゆみの初期作品、ということで読んでみた。世界観は耽美でほんのひと匙背中が冷やっとするような怖さがエッセンスとして滴らせられているといった感じだ。夢の中を巡りながら自ら(?)それに溺れる少年の世界が現と交互にループする構成になっていて、真夜中に読むのにうってつけな作品だ。夢の内容が、主人公月彦の精神世界と何か繋がりがあるのなら、そこまで書いて欲しかったような気がするが、そこは想像で愉しむべきなのかもしれない。解説も非常に面白かったので是非読んでほしい。
長野まゆみは児童文学っぽさを持った作家だと感じているが、これは大人でも楽しめる。玻璃のように繊細で儚げな少年少女の不安定な時期の心を懐かし -
Posted by ブクログ
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『左近の桜』の続編。
濃密な香りが漂ってくるような十二の短編。
桜蔵の小学生の頃からの友人である久生(ひさお)が、長身で大柄な見た目とは裏腹に穏やかな性格なのがとても良い。彼女もいるようだけれど、弥(はるや)も久生のことを狙っているようで、この三人が今後どうなっていくのか見てみたい。
「最後に抱かせて、きみのからだを。鐘が鳴り終わるまえに。」
本作では『灰かぶり』がお気に入り。
桜蔵に無理矢理ドレスを着せて共に楽園を目指そうとするブロンドの髪に碧眼の美少年。桜蔵にとっては迷惑な話で、理不尽でしかないけれど…。
彼が処分されずに済んだみたいでよかったです。遠子さんはやっぱり -
Posted by ブクログ
桜の咲く季節に再読。
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主に男同士の逢瀬に利用される隠れ宿「左近」で暮らす高校二年生の左近桜蔵。
駅頭で見知らぬ男を拾ったのをきっかけに、度々得体の知れない男を拾うことになる。
全部で十二の短編。どのお話も丁度良い長さで、文の締め括りもテンポが良く、とても読みやすい。短編どうしで所々話が繋がっているのもあったりで面白いです。
昔から桜蔵に御伽話を語り聞かせていた父親の柾。会話の口調からも感じられるんですが、とっても格好良い。医師でもあり、物腰の優しそうな、けれど隙のない感じがとってもすきです。言葉の端々や些細な動作からも色気が出ているようで、様々な人を惹きつけているのも納得…