枡野俊明のレビュー一覧
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禅宗の言葉で「脚下照顧」という言葉があるらしい。脚下とは自分の足元のこと。照顧とは顧みよということ。
「人は先のことばかり考えがちで、そうなると
履物をそろえるという、目の前の所作を見失ってしまうほどの心のゆとりがなくなる。
自分自身の行いが見えなくなり、履物を揃えられないぐらいなら、他の何が乱れていても不思議ではない、足元をおろそかにするな」
三光国師という高僧が、そうならないようにと、
説かれた言葉だそうだ。「未来に気を取られて肝心の今がおろそかになってはいけない」
なるほど、履物を揃えて心を整えるということは、すぐにも実践できそうだ。丹田呼吸法もいいな(習得したい)
当たり前のことだけれ -
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本書は、現役の住職が、日々の生活を通して禅の心を養う方法を優しく教えてくれる一冊です。禅の根本にある考え方は、「形を整えることで、心もまた自然と整っていく」というもの。だからこそ、日々の姿勢、呼吸、食事、そして掃除といった何気ない行為が、禅の世界では大切にされているのです。
読み進めるうちに、部屋を丁寧に掃除し、背筋を伸ばしてゆっくりと呼吸をすること、物を大切に扱うことなどが、心の穏やかさへと繋がることを実感できるでしょう。
特に、日々の食事が単なる栄養補給ではなく、心を静かに見つめ直す機会となる禅の食事作法は、目から鱗が落ちる発見がありました。お皿は手に持っていただく、一口ごとに箸を置く -
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ネタバレ【内容】
たくましい心、やわらかい心、しなやかな心、そしておおらかな心は、「図太さ」のという土壌のうえに培われる。
自分が主体となり、自分のものさしで自分らしく生きることが、究極の図太さである。
そのヒントは、比べる心を捨てる、まず動く、結果にこだわらない、すべてが関係性のうえに成り立つ、足ることを知れば幸せ、落ち込んだらまず掃除、嫌な思いはその場に置いてくる、縁を活かしきる、そのとき自分の置かれた場所でやるべきことをやる、すべて自然の流れにまかせはからいをしない、など。
【感想】
短い項目に分かれていて、文章もやさしく読みやすかった。目新しいことはなかったけど、考え方のヒントになることが多 -
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「おだやかに生きる」
突然ですが、私が人生において目指すものはこの他にありません。
SNSはすっかり私たちの生活と切って離せないものとなり、そこから得られるものもありますが、それ以上に「みんな」の様子が垣間見えてしまい疲れてしまうことも。
中でも私は「他人と比べる」ことがどうしてもやめられず、ちょっとした刺激ですら苦しい思いをすることも多々……。
そんなわけで、「やっぱりおだやかに生きたい!」と、大学生ぶりにこちらの本を引っ張り出してきました。京極先生の『鉄鼠の檻』で禅宗に触れた影響も大いにあります。
あとがきにもあるとおり、禅語はその時々の自分の心境や悩みによって、心に響くものと流れてい