枡野俊明のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
本書は、現役の住職が、日々の生活を通して禅の心を養う方法を優しく教えてくれる一冊です。禅の根本にある考え方は、「形を整えることで、心もまた自然と整っていく」というもの。だからこそ、日々の姿勢、呼吸、食事、そして掃除といった何気ない行為が、禅の世界では大切にされているのです。
読み進めるうちに、部屋を丁寧に掃除し、背筋を伸ばしてゆっくりと呼吸をすること、物を大切に扱うことなどが、心の穏やかさへと繋がることを実感できるでしょう。
特に、日々の食事が単なる栄養補給ではなく、心を静かに見つめ直す機会となる禅の食事作法は、目から鱗が落ちる発見がありました。お皿は手に持っていただく、一口ごとに箸を置く -
Posted by ブクログ
ネタバレ【内容】
たくましい心、やわらかい心、しなやかな心、そしておおらかな心は、「図太さ」のという土壌のうえに培われる。
自分が主体となり、自分のものさしで自分らしく生きることが、究極の図太さである。
そのヒントは、比べる心を捨てる、まず動く、結果にこだわらない、すべてが関係性のうえに成り立つ、足ることを知れば幸せ、落ち込んだらまず掃除、嫌な思いはその場に置いてくる、縁を活かしきる、そのとき自分の置かれた場所でやるべきことをやる、すべて自然の流れにまかせはからいをしない、など。
【感想】
短い項目に分かれていて、文章もやさしく読みやすかった。目新しいことはなかったけど、考え方のヒントになることが多 -
Posted by ブクログ
「おだやかに生きる」
突然ですが、私が人生において目指すものはこの他にありません。
SNSはすっかり私たちの生活と切って離せないものとなり、そこから得られるものもありますが、それ以上に「みんな」の様子が垣間見えてしまい疲れてしまうことも。
中でも私は「他人と比べる」ことがどうしてもやめられず、ちょっとした刺激ですら苦しい思いをすることも多々……。
そんなわけで、「やっぱりおだやかに生きたい!」と、大学生ぶりにこちらの本を引っ張り出してきました。京極先生の『鉄鼠の檻』で禅宗に触れた影響も大いにあります。
あとがきにもあるとおり、禅語はその時々の自分の心境や悩みによって、心に響くものと流れてい -
Posted by ブクログ
ネタバレ・不用品は、増えすぎた中性脂肪にも似ている
「喜捨(きしゃ)」
お賽銭を入れる行為そのものではなく、
心にかかえている執着(心の曇り)や
こだわり(自分を苦しめる原因)を捨てること
「而今(にこん)」
いまという一瞬は二度と戻ってこない
マイナス感情を未来までに運んでないか
何があったとしても過去として切り離し、
現在だけを見つめて生きる
そういう考え方があると知れば、一歩前進
心がければ、自然にそれができていく
「即今(そつこん)当処、自己」
いま、この場で、自分がやるべきことをやりなさい
やるべきことはそれしかない
やらないからこそ悩みの種になる
「禅即行動」
あれこれ考えるより、ま -
Posted by ブクログ
人間は生まれてくるときも、旅立つときもひとり(孤独)である。
人間とは本来孤独な生き物だけど、ひとりでは生きていくことはできない。
孤独の本当の意味と向き合い方、社会から孤立しないための処世術を禅の教えを交えながら、語りかけてくれるような本でした。
友達はたくさんいた方がいい、電話帳やLINEの登録人数が多い方がいいに決まっているし、休日は絶対に予定を入れなければならない、という思い込みが以前の私にもあった。
最初は楽しかったけれど、いつの頃からかしんどく感じるようになった。
自分が無理をしなくていい相手だけと繋がり、自分の時間を大切にするようにしてから、心が軽く自由にな