藤木稟のレビュー一覧
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ミサの途中に教会の中に角笛の音が響き、虹色の光が満ち、キリスト像が色づき動き出す、というイタリアの田舎の奇跡の真相を無垢にして天才科学者・平賀と懐疑派だが颯爽たるイケメンの暗号・古文書解読のスペシャリスト・ロベルトの両神父が暴き出す。32年前のまだらの服を着て鎌を持った首切り道化師によるおぞましい事件がこの奇跡に関わっていることが分かり、奇想天外な物語が展開する。何百年も前から存在する秘密結社も絡んできて、あの美貌にして冷血なジュリア神父が登場するのには驚かされる。トリックの解明もとんでもなさが却ってぐぐっと迫ってくる。それにしても作者のキリスト教の教義・歴史への豊富な知識をもとにした想像力には感服する。
「神が人に何をしてくれるというのですか?聖書をもう一度良く読んでごらんなさい。神は常に人を罰してばかりだ。奇跡や神の恩恵なぞ、この世には存在しない。それは貴方方が一番良く知っているでしょう?ですが、その人間に知恵を授けてくれたのは年取った蛇。すなわち悪魔ですよ。」というジュリア神父の問いかけに揺さぶられるロベルトと平賀。この問いかけは鋭い。 -
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ネタバレ「ベアトリーチェの踊り場」
呪いの宝石の話。
バチカン奇跡調査官だから、奇跡の認定はないにしても呪いはあってもいいかな、とも思ったりした。ただ、平賀神父が最後にいった「分かりあってるつもりですが、貴方の目が見ている世界と、私が見ている世界は、違っているのですね。そしてその互いの世界を、どうやってと分かり合うことができないんですね。」という台詞は、分かり合ってるつもりでもすれ違ってしまい分かり合えないのだから、そう思ってもいないもの同士の政治とかの世界では、もっとわかり合うのが難しいのではないかと問うていると思った。
「素敵な上司のお祝いに」
ジュリア司祭が上司の誕生日をイヤイヤ祝福するお話。
なんか、逆らえないからといって女装させられたりと大変な様子が出てくる話。
最後のメインディッシュが、上司が連れてきた女性陣じゃなくてホントに良かった(笑)
「マスカレード」
マスカレードとは、仮面舞踏会っていう意味らしい。それならば、表題通りの内容だった。ビルの恋人とビルの母親が互いにいい恋人と母親を演じ会うというものだった。
「シン博士とカルマの物語」
シン博士は厳格なジャイナ教であり一切の殺生を行うことが禁じられている。そんな博士がふとしたところから、一匹のどぶネズミを傷つけてしまい、その治療を行うことに。その治療のために泣きついたのが平賀神父というのが良かった。次巻以降は、もう少し協力的になってくれるかも、と思わせてくれる内容だった。 -
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ネタバレ「チャイナタウン・ラプソディ」
ビル捜査官とその部下が、不思議な体験をする話。そもそもで、部下からして天女をフィアンセにするとか、なんでそんな人間ばかりが揃うんだよ!っていう感じではあった。ストーリーは、中国の神話世界と今を結ぶような感じ。過去と現在がちゃんと結ばれており良かった。
「マギー・ウォーカーは眠らない」
偶然保護してしまった子どもを無事に親族の元へと返してあげるマギー博士。いつもは、計算通りで、何事もかんぺきー、な感じの印象だったマギー博士に人間味をプラスさせたような作品でとても良かった。
「絵画の描き方」
ある休日に平賀神父とロベルト神父は無名の画家の絵画の修復のお手伝いを頼まれてしまう。二人は得意の科学技術で解明していく。その無名の画家の絵画の修復を頼んだのがその画家の子孫であり因果を感じる短編に仕上がっていた。
「ゾンビ殺人事件」
独房に入っているローレンとフィオナが怪事件を解決する話。ゾンビとは、映画で出てくるゾンビではなく、もともとハイチのヴードゥ教のゾンビであった社会的に排除されたもの、というのが、とっても面白かった。