藤木稟のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ「シンフォニア 天使の囁き」
平賀の弟・良太が主人公の短編。良太の施設での生活模様を中心に彼の特殊な性質なども描かれ、やっと彼の人となりが書かれた気がする。そして、夢の中と手記によって巡り会えた聖ヨゼフ。さらに聖ヨゼフと強いつながりがあったロベルトとの出逢い。また、来てほしいという所で、悪の総本山・ジュリア司祭も良太を治療してくれる医師として登場!良太を中心としてここまでの登場人物がみんなつながった感じがし、面白い短編だった。
「ペテロの椅子、天国の鍵」
2度目の短編集としての登場・サウロ司教の話。サウロ司教と教皇の問答が描かれており、バチカンとして“悪”と戦う姿勢がはっきりと示しだされた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレシリーズ待望の日本を舞台にした奇跡シリーズ。その期待に応えてくれるかのように、奇跡についての説明は、実際にある気象現象を使っており、綺麗にまとまったのではないだろうか。すっごく、納得できたし面白かった。
また、日本を舞台にキリストのことを書くとなれば、天草四郎の乱を取り上げるしかないと思っていたので、その通りになり面白かった。隠れキリシタンの登場人物や、彼らの宗教観などの説得力は流石だと感じた。そして、森羅万象が言葉によって生成しているという考えのもと何かに名前を付けるという行為によって名付けられたそのものに意味を与え祝福や呪いを与えることができる、というのは日本人の多くが持っている価値観で -
Posted by ブクログ
ネタバレ今回は、ノルウェーを舞台に北欧神話を元にしたお話。赤い月や「ラグナロク」といった言葉の数々。
今回の科学のお話は前回の世界システムを元にしたものであり、新しい薀蓄等々は少なかったのが残念だった。
ただ、マギー・ウォーカー博士やハリソン・オンサーガといったキャラクターが再登場したり、短編集で出て来たジュリア司祭のクローンのお話がここに繋がっていたりと、やっと伏線がつながってきた感じがして、面白かった。さらに、シン博士の過去や人となりも描かれており、少し好きになれた。
物語に出て来た脳移植による性格の変化などは、アイデンティティーとは何か、ということを問うている気がして、恐ろしい問題に思 -
Posted by ブクログ
ネタバレ今度の舞台は、メキシコ。メキシコにおける古代文明とその副産物であるオーパーツについてがメインストーリー。
今回の奇跡は磁力によって物体が浮遊するというネタバラシであったが、その磁力の発生源についてがとても面白かった。また、人間の起源についての考察も描かれており、興味深い考察であった。
生き物・生物が生き残るために他の生物と合体していき、一つの生物、つまり、人間となったというのが面白かった。人間を構成している細胞一つ一つに意思があり、会話しているというのもなんだか、ロマンティックな気がした。そして、人間が宇宙にあこがれる理由が、故郷を想ってのこと、というのがとっても面白かった。 -
Posted by ブクログ
短編3編を収録。
「解放のファンタズマ」
ローレンの事件簿シリーズ。カラビニエリのアメデオのもとに事件が持ち込まれた。マフィアのボスが殺され、犯人は余命宣告を受けた元犯罪者だったが、他にも類似の事件が起きているという。フィオナとローレンに加えて、バチカンのチャンドラ・シン博士が登場。
「真緋色の轍」
アルバーノ神父はこれまで属した組織の解散後、バチカン内に入り込んだスパイを調査するために雇われていた。休暇が始まろうとしたとき、アルゼンチンで刑事をしているロペスからの電話を受けた。惨殺現場に残された血文字が、かつて共にイスラエルの秘密組織「シオンの掟」に属しナチス戦犯を追い詰めていた、仲間の