藤木稟のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
バチカン奇跡調査官シリーズ 短編集 第二弾です。
「シンフォニア」
平賀の弟:良太のお話し。
兄を尊敬する良太の優しさは天使級です。
そして、神様が仕組んだ縁だと思わずにはいられないシーンに泣けた。
「ペテロの椅子、天国の鍵」
前法王の前代未聞の辞任表明の裏で起こっていた事。
「魔女のスープ」
審問会にかけられた魔女が作っていたスープを
ロベルトが再現する話なんだけど、平賀が参戦。
原動力が好奇心とはいえ、アレを口にできる勇気がすごい。
「独房の探偵」(表題作)
平賀が正真正銘の天才と認めるローレンが収監されてた時の話。
「その少年、稀代の凶悪犯罪者にして、天才探偵。」
ローレンの話だけで、番 -
Posted by ブクログ
シリーズ11作目。奇跡を起こしたタボットの謎と、その行方を追うロベルトと平賀。やがて巻き込まれる事件は、歴史的な謎も解き明かす壮大なスケールの物語でした。しかしそれ以上になんなんだ今回の冒険活劇は……!
砂漠の過酷すぎるサバイバルがとんでもなかったですが(平賀のこういう状況での強さがちょっと意外)。「栄光の門」へと至るさまざまな「試練」はそりゃもうインディ・ジョーンズばりのスリル満点な仕掛けがいっぱい。後半は目の離せない展開でした。
そして明らかになる仕掛けの真実。もしこんなものが本当にあったのだとしたら凄いのですが。あったとしてもおかしくないと思わされるリアリティが見事。すべての真相が判明し -
Posted by ブクログ
読書録「バチカン奇跡調査官月を呑む氷狼」5
著者 藤木稟
出版 角川ホラー文庫
p225より引用
“「ああ、知っているさ。新薬の開発のため
に使うというのだろう?だけど、注意して取
り扱わないと厄介な代物だよ。薬は使い方を
間違うと、恐ろしい毒にもなるんだ」”
目次から抜粋引用
“聖杯と騎士の謎
霜の巨人の町で
氷狼と炎狼
死の呪い(巫女と研究所)
愛する友よ(無限大の方程式)”
天才神父二人組を主人公とした、長編ミス
テリー小説。人気シリーズ第9弾。
前回の任務の報告で、肝心な部分を正直に
言うわけにも行かず、窓際の部署に追われる
こととなった、FBI捜査官・ビル。
雑用 -
Posted by ブクログ
ネタバレ舞台はエチオピア。奇跡調査の内容は上空に巨大な炎の剣と天使の姿が浮かび上がったという。そして、エチオピアにはソロモン王とシェバの女王の子が持ち帰ったという『契約の箱』があるという。
ストーリーは、『契約の箱』の行方を追っていき、その途中に二人に生命の危機が迫るというもの。ただ、上記に記された奇跡はほとんど関係なく、さらに、最後にいきなり出て来たローレンの手紙でサラッと解決されるだけで終わってしまい、残念だった。また、生命の危機も、よくわからない試練の一環だったりと、いつものような展開が無く、あまりハラハラするようなものでもなかった。最後にはいつものジュリア司祭も出て来たが、今後の展開はどう -
Posted by ブクログ
ネタバレ今度の舞台はドイツ。ヒトラーの独裁が行われていた国だけあって、予想通り黒幕はナチスの残党たち。さらに、ネオナチ組織の壊滅を目的に結成されている「シオンの掟」のマギー神父が助けに来るなど、過去のキャラが出て来て少しうれしかった。ただ、今回の話も黒幕の存在は明かされるものの事件の根幹を解決するようなことはなかった。そろそろ伏線や敵キャラとの決着をつけて欲しいと思うところ。筆者の先生がまとめるのに自信がある、というのを信じています。
今回のトリックの鍵は「音」であり、身近にもこのようなトリックでビルが崩壊したり、と想像できるトリックであったので恐ろしかった。ただ、もう一つの事件は音による洗脳、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「シンフォニア 天使の囁き」
平賀の弟・良太が主人公の短編。良太の施設での生活模様を中心に彼の特殊な性質なども描かれ、やっと彼の人となりが書かれた気がする。そして、夢の中と手記によって巡り会えた聖ヨゼフ。さらに聖ヨゼフと強いつながりがあったロベルトとの出逢い。また、来てほしいという所で、悪の総本山・ジュリア司祭も良太を治療してくれる医師として登場!良太を中心としてここまでの登場人物がみんなつながった感じがし、面白い短編だった。
「ペテロの椅子、天国の鍵」
2度目の短編集としての登場・サウロ司教の話。サウロ司教と教皇の問答が描かれており、バチカンとして“悪”と戦う姿勢がはっきりと示しだされた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレシリーズ待望の日本を舞台にした奇跡シリーズ。その期待に応えてくれるかのように、奇跡についての説明は、実際にある気象現象を使っており、綺麗にまとまったのではないだろうか。すっごく、納得できたし面白かった。
また、日本を舞台にキリストのことを書くとなれば、天草四郎の乱を取り上げるしかないと思っていたので、その通りになり面白かった。隠れキリシタンの登場人物や、彼らの宗教観などの説得力は流石だと感じた。そして、森羅万象が言葉によって生成しているという考えのもと何かに名前を付けるという行為によって名付けられたそのものに意味を与え祝福や呪いを与えることができる、というのは日本人の多くが持っている価値観で -
Posted by ブクログ
ネタバレ今回は、ノルウェーを舞台に北欧神話を元にしたお話。赤い月や「ラグナロク」といった言葉の数々。
今回の科学のお話は前回の世界システムを元にしたものであり、新しい薀蓄等々は少なかったのが残念だった。
ただ、マギー・ウォーカー博士やハリソン・オンサーガといったキャラクターが再登場したり、短編集で出て来たジュリア司祭のクローンのお話がここに繋がっていたりと、やっと伏線がつながってきた感じがして、面白かった。さらに、シン博士の過去や人となりも描かれており、少し好きになれた。
物語に出て来た脳移植による性格の変化などは、アイデンティティーとは何か、ということを問うている気がして、恐ろしい問題に思 -
Posted by ブクログ
ネタバレ今度の舞台は、メキシコ。メキシコにおける古代文明とその副産物であるオーパーツについてがメインストーリー。
今回の奇跡は磁力によって物体が浮遊するというネタバラシであったが、その磁力の発生源についてがとても面白かった。また、人間の起源についての考察も描かれており、興味深い考察であった。
生き物・生物が生き残るために他の生物と合体していき、一つの生物、つまり、人間となったというのが面白かった。人間を構成している細胞一つ一つに意思があり、会話しているというのもなんだか、ロマンティックな気がした。そして、人間が宇宙にあこがれる理由が、故郷を想ってのこと、というのがとっても面白かった。