瀧羽麻子のレビュー一覧
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小学校教師として30年以上働き、最後は校長も歴任した高村正子さんが亡くなった。
旦那さんも亡くなって、娘さんは海外で生活しているため、簡単に葬儀を済ませたらしく元同僚たちが高村さんを悼むために「高村正子先生を偲ぶ会」を計画する。
先生との思い出をそれぞれが語る。
① コンパス〜かつての生徒
② 連絡帳〜保護者
③ うちわー趣味仲間
④ スーツ〜海外で暮らす娘
⑤ こんぺいとう〜同僚
⑥ 深呼吸〜教育実習生
高村先生との思い出はみんなそれぞれあって…、そのどれもが先生の人柄を思わせる。
とても親身になり、優しくて思いやりがあって、もちろん伝え方、聴き方も丁寧で安心できる先生である。
先生を離 -
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ネタバレあ、これ小樽だな、と思ったら、色んなことがリアルに感じられてしまって、いいのか悪いのか…もっとファンタジーとして読みたかった気がする。
「もやもやを抱えたひとが、不思議なお店でぴったりなものに出会う」という仕組みのはなしが全般好きでわりと読む。
このオルゴール店のいいところは、店主がただ客から聴こえた音を客に渡す「だけ」というところだと思う。だから、説明もしない。なんでそうなのか、それでどうなるのか、小説としても説明しすぎない。そこが好き。
特に気になったのは「ふるさと」で、色々生々しくていたたまれなくもあり、親子の言葉が足りないかんじが分かりすぎて、切なくなる。 -
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あなたは、小学生の担任の先生を覚えているでしょうか?
このレビューを読んでくださっている方の年齢はマチマチです。もしかしたら現役の小学生ですという方、卒業しましたがまだ10代ですという方もいらっしゃるでしょう。その一方で小学校を卒業したのは半世紀以上昔の話で、遠い記憶の彼方ですという方もいらっしゃるかもしれません。
人の記憶は不思議なところがあります。必ずしも古い記憶だからといって全てがすべて等しく薄れるものとも言えません。あの時この時、多くの者にとって何のことはない一瞬が、ある人にとってはいつまで経っても忘れることのできない記憶として刻まれ続けてもいる、そんなこともあるでしょう。記憶と -
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1.登場人物
啓太…サラリーマンを辞め、小さなレストランで働く。
真衣…レストラン働く。啓太の恋人。
正造…啓太の働くレストランのオーナーシェフ。頑固一徹。真衣の父。
芳江…レストランで働く。真衣の母。
雪生……啓太の父。サラリーマン。
美奈子…啓太の母。仕事命の敏腕ビジネスウーマン。
2.物語の始まり
啓太は真衣の両親に自分の両親を紹介しようとする。しかし美奈子は仕事が忙しく、約束の時間になっても来なかった。
3.世界観や価値観
小さなレストランを舞台に、頑固一徹の料理人とその妻と娘、仕事命のビジネスウーマンのその夫と息子、それぞれが料理によって結びついていく。
4.物語のキーワードと -
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お客様の心の中に流れている音楽が聞こえるという風変わりな店主のいるオルゴール店、通称「ガジュマルの店」。
その店では、世界でたったひとつその人だけに合ったオルゴールを作ってくれるという。
今回の舞台は、珊瑚礁でできた南の島。
読んでいくうちに、少しずつ島の人たちがつながっているのがわかってきて、次にどんな人が登場するのか楽しみになっていました。
幼なじみを想い続ける郵便配達員、音楽の夢を捨てて島にやってきたミュージシャン、島の神様と話せるババ様と呼ばれる女性など、7編の静かな物語たちが心に沁みてきます。
少し寂しさを抱えた人たちの心をつなぐオルゴールの音。
とっても控え目で優しい短編集です。 -
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ネタバレ木原音瀬先生のお話を目当てに購入したので、お目当ての話だけ読んでもいいかと思って最初から順番に読み始めましたが、全部読んでしまいました。
全部読んだあとに思ったことは、やっぱり木原音瀬先生は癖が強い。笑 男性が妊娠できる世界という設定はおもしろかったし、男性も苦しんでほしいと思ってしまいます。
お気に入りは白い結婚の「ダーリンは女装家」、「いつか、二人で。」
今年は黒い結婚寄りの、暗めのお話を読むことが多かったので、白い結婚で心が洗われました。ハッピーエンドもいいですね。
ダーリン〜
15歳の時に大好きだった人と結婚するなんて素敵。男であり女でもある旦那さん、いいですね。認知症になったお母 -
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初初しい高校生の恋愛を楽しめる一冊です。本書では少し非現実的な要素もありますが、そんなことが一切気にならないくらい自然な恋愛を楽しめました。
パンをきっかけに同級生と最初は恋人では無く友人として、そして恋人になり、喧嘩して仲直りして、嬉しいイベントや悲しいイベントを乗り越えるというよりはただ淡々と楽しくもあり悲しくもある日常を過ごす印象でした。
また、書き下ろしのハチミツでは本編とは違う大人の恋愛を楽しめます。
本編と書き下ろしがいい対比になり、二つの恋愛の違いを楽しめました。
もう高校生の頃の恋愛は経験できませんが、それを疑似体験できる。本書を読んで本書自体の魅力も伝わりましたが、小説自