瀧羽麻子のレビュー一覧
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ネタバレ転職が題材の話を読むと、登場人物達と照らし合わせながら、今の自分の環境を見直しできるのが良いな。みんなそれぞれの境遇で、そこから一歩を踏み出そうとしている。私は、どうなんだろうか。香澄さんのように真摯に相手に寄り添って仕事に向き合っているんだろうか。自問自答を繰り返して、なかなか答えはでないのだけど。
「多くの人々は、縁あって就いた職業をそれなりに気に入り、もしくは折り合いをつけて、日々こつこつと働いている。幼い頃の夢を思い返すわけでも、ことさらに嘆くわけでもなく。仕事というのは、たぶんそういうものなのだ」この文に本当にホッとした。そうだよね。今の自分の境遇から逃げ出す必要がなければ、目の前の -
Posted by ブクログ
占い師を父に持っ四兄弟、占いに背を向ける者、父の背中を追う者、積極的には関わらないが否定もしない者、占いとは基本的に関わりなく今の典型的な若者、と四者四様の兄弟。それぞれ、家族や周りの人間関係に悩みながら生きている。
占いなんて非科学的と思っていたが、昔は権力者が時々の判断に頼りにしていたこともある。漠然としたものではなく、系統立てて物事を見、そこから判断されるものでもあるようだ。知れば知るほど奥深いもののような気がしてきた。
占いを根底にして描かれる東家の四兄弟と両親。
これから何かが起こりそう、ってところで終わったような気がする。でも後は読者の好きに想像していいのかな。
赤い服の老女も出て -
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タイトルの『女神のサラダ』、帯の「読むサラダ」に、素晴らしい食材で超美味なサラダを提供する女性の物語‥と想像しましたが、全然違ってました。
8編の独立した短編集で、日本各地の8人の農業女子たちの、明日への希望を見出す物語でした。
年齢も置かれた立場もばらばらな女性たちが、様々な事情を抱えながら、野菜・果樹・酪農を中心に農業に従事する喜びを体感し、成長していく様子が清々しく描かれています。さらに8編それぞれ、農業以外の人間関係等、重い問題も扱い、短編で終わらせるのが惜しいほどの深みもあります。
短編集にした良さとしては、日本各地の里山の風景や伝統野菜の瑞々しさが上手く融合して描かれて -
Posted by ブクログ
優しい気持ちになれる、優しい音色の物語だった
一つ一つの物語は短いけれど、それぞれの人生や思い出をうかがい知る
どの物語の終わりも、最終的な結末は読み手の想像力を掻き立ててくれるのが良いなって!
次に続く言葉はなんだろう?
次に彼はどのように行動するのだろう?
って思う終わり方で、私は幸せな想像をしてしまう
それは彼らの人生がこれからも続いていく道標みたいで私は好きだな
もちろんちゃんと綺麗な大団円の結末も好きだけれど、未来を想像する終わり方も素敵だな
この物語でのオルゴールは、人生の添え木のような役割だ
出しゃばることなく、思い出や人生の1頁を思い出させてくれる
物語によってはオルゴールは