松岡圭祐のレビュー一覧

  • 万能鑑定士Qの事件簿 IX

    Posted by ブクログ

    モナリザが日本で公開される。そこに展開される謎と事件が小気味よく解決されていく。4巻の伏線がこの巻で回収されるという、著者による深いシリーズ全体の設計に驚かされる。本巻は映画化されているようだが、シリーズをぜひアニメ化してほしい。

    0
    2021年01月24日
  • 黄砂の進撃

    Posted by ブクログ

    今年の1冊目。毎年恒例の松岡先生の作品から。昨年読んだ『黄砂の籠城』の続編で義和団事件を中国側から描いた作品。

    “無知の農民蜂起団が国家の軍団にのしあがり、列強に立ち向かっていく物語”ではない。自らの暮らしを脅かす洋人を倒すために立ち向かった“数”だけが頼りの集団を、清国が巧みに操り特攻兵として利用し、結果国家諸共に粉砕していく物語である。義和団の一兵卒は知識を得、兵隊となることに無垢な喜びを得る。本主人公である張たちリーダーたちはこのカラクリを知りながらも流れに身を任せるしかないその苦悩に焦点をあてている点が興味深い。

    「“自分たちでも立ち上がれれば国を変えられること”に自ら気づけただけ

    1
    2021年01月18日
  • ジェームズ・ボンドは来ない

    Posted by ブクログ

    007が好きという理由だけで目に止まったこの本。
    2004年前後、当時流行ったもの(電車でGO!、倖田來未、AKB48オーディション…)が散りばめられていて、そんな時代よねぇ、と懐かしく淡い気持ちになった。007ファンとしても、ピアースブロスナンからダニエルクレイグに代替わりした件やシリーズの映画名がちょこちょこ出てくるあたりも心をくすぐられる。
    島の人たちの温かさ、素直さ、おおらかさを感じながら、要所要所でクスッと笑える要素もあり、読んでいてほのぼの、ちょっぴりハラハラ。最後は爽やかな気持ちで読み終えた。
    直島がアートの島と言われるようになった経緯を知ることにもなって、素直に「読んでよかった

    0
    2021年01月10日
  • 万能鑑定士Qの事件簿 VII

    Posted by ブクログ

    金がただの合金に変わる謎を追うのがメインストーリーだが、それとは別の謎解きもサブストーリーとして含まれている。本シリーズに出てくる知識は個別ではただの雑学だが、それらを組み合わせてここまでのストーリーに仕上げてあるのは本当に素晴らしい。

    0
    2021年01月09日
  • 黄砂の籠城(下)

    Posted by ブクログ

    1900年春、北京の東交民巷で起きた籠城戦(義和団事件)を、史実に基づき描いた物語。

    本書の冒頭は2017年春、商談のため北京を訪れていた櫻井海斗は困難な取引を請け負っていたが、先方の重役であるエリック・チョウ(イギリス人と中国人のハーフ)は何故か好意的で、日本人であるあなたがたと仕事がしたいと言う。更に彼は、まさにその場で起こった義和団事件について語り、櫻井は高祖父である櫻井隆一やその上官である柴五郎が残した功績について知る。

    本編では、義和団の暴徒化から始まり、外国公使館区域である東交民巷に列強11カ国(ベルギー、イタリア、フランス、ドイツ、スペイン、アメリカ、オランダ、ロシア、イギリ

    0
    2021年01月06日
  • 高校事変 III

    Posted by ブクログ

    前半の悪役が容赦しないので、反撃に移った後半は爽快!
    まさかの大ボスも予想外だったので良かった。
    1や2のキャラの登場等、シリーズ物ならではの作品!

    0
    2020年12月25日
  • 高校事変 VII

    Posted by ブクログ

    このシリーズでは、過去を振り返るということはあまり行われてきませんでしたが、この作品では珍しく、過去を振り返っています。まぁ、事件が起きて、それを結衣が解決していくだけではワンパターンだからね。

    舞台も、関西になっています。関西の土地勘がないから、よくわかりませんが(苦笑)

    結衣も高3になるので、物語も結末に近づいていくようですね。

    0
    2020年12月22日
  • 高校事変 IX

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     ついに田代勇次との全面対決。結衣自身もアイデンティティが揺らいでハラハラしましたが、何とか乗り越えて良かったです。

     田代ファミリーが潰えてラストかと思いきや、まだ大ボスが残っていて新たな闘いに向かうのが又も楽しみです。

    0
    2020年12月21日
  • 高校事変 VI

    Posted by ブクログ

    沖縄での修学旅行中に、米軍基地に侵入し、武器密輸の巨悪を壊滅させてしまうあたり、主人公・結衣のパワフルさ(破天荒さ)は健在です。
    次第に周囲の人々と交流したり「絆」を感じたりするようになってきた彼女の生きざまに、感化される(テロリストの娘というレッテルを外して彼女自身の「正義」に共感する)登場人物が少しずつ増えてきていることも、読者として嬉しく感じます。
    ただ、結衣の行為が(虐げられる弱者を開放するためとはいえ)殺人という罪であることから、その場で育まれた「絆」が長続きしない(少なくとも表面化しない)というのが、この作品に一抹の「もの悲しさ」や「無常感」を与えており、それが魅力ともなっているの

    0
    2020年12月21日
  • 黄砂の進撃

    Posted by ブクログ

    「黄砂の籠城」の対としてとても興味深い本だった。個人的には、日本人なので感情移入ができるせいか「黄砂の籠城」の方がめちゃくちゃ引き込まれたけど。解説でドイツ公使だかが言ってたとされる、「私が清国人だったら義和団に参加するだろう」ていうのが印象に残った。私もそうするだろうと思ったから。私は結構、「国」にロマンを感じ、アイデンティティを求めるタイプなのかも。

    0
    2020年12月18日
  • 高校事変 IX

    Posted by ブクログ

    勇次との決着。前回までの派手さは無いけど、真っ向勝負で良かった。
    優利のストレス性高体温症で心身疲れて、心のうちを吐露する所とか現代の闇みたいで考えるところがあった。
    親ガチャなんてネーミング、今だから分かる用語たなぁ。

    0
    2020年12月10日
  • 高校事変 IV

    Posted by ブクログ

    全体としてはこれまでのシリーズと流れは同じ。

    ただ、過去の作品とのつながりもあるため、記憶にあるうちにシリーズで読みたいところ。

    0
    2020年12月03日
  • 高校事変 IX

    Posted by ブクログ

    高校事変も9作目。結衣と勇次の戦いのクライマックスにあたる巻。
    同時代性が色濃く出る作品なのだが、本作はそこが若干薄め。新型コロナや政権交代なんかは設定上あまり触れられなかったのかもしれない。それでもオリンピックの延期に絡んだ話は出てくるし、今現在結衣が日本で生きているかのような話になっている。
    話の設定や敵が仕掛けてくる策がどんどんエスカレートしていただけに、本作はそこが物足りなくなっていることもたしか。人間の慣れって怖い。でも、これくらいの方がいい気がする。暴力性のあるアクションシーンや敵の策略をくぐり抜ける結衣の戦闘の知恵はさらに増しているとさえ思ってしまった。
    毎巻帯に次巻の刊行予告が

    0
    2020年11月29日
  • 高校事変 V

    Posted by ブクログ

    相変わらず、結衣の活躍には舌を巻きます。
    公安警察上層部の陰謀(暴走)により、窮地に陥る結衣ですが、もちまえの戦闘技術と機転で切り抜け、これまでの状況を根底から覆す結果を導き出すさまは爽快です。
    シリーズ1作目からの物語も繋がり、大きな世界観が築かれています。ハイペースで続刊が刊行されており、次なる結衣の戦いも目が離せそうにありません。

    いよいよ、日本で暗躍する海外マフィアとの「目に見える形」での直接対決が始まりそうで、ハラハラさせられます。

    第1作で出会った「友人」との絆も意識するようになった結衣の成長もまたこのシリーズの魅力の一つです。

    0
    2020年11月26日
  • 万能鑑定士Qの最終巻 ムンクの〈叫び〉

    ネタバレ 購入済み

    大団円

    推理劇で少々だれて 探偵譚で消化不良であったのがこの最終巻ですっきりしました。欲を言えばもう少し華蓮に活躍を期待したかったのですが 今までの登場人物が皆でてとても楽しかったし 結末には安心(?)しました。読んでて楽しかった。この一言です

    0
    2020年11月25日
  • 特等添乗員αの難事件 V

    Posted by ブクログ

    内容(「BOOK」データベースより)
    “閃きの小悪魔”と観光業界に名を馳せる浅倉絢奈。ラテラル・シンキングを操り、トラブルから難事件まで解決する彼女に1人のニートが恋をした。しかし、男は有力ヤクザが手を結ぶ一大シンジケート、そのトップの御曹司だった!!職場で孤立し、恋人・壱条那沖にも心を委ねきれない絢奈に、金と暴力の罠が迫る。仕事と恋、2つの危地を乗り越えられるか?人の死なないミステリ最高峰、書き下ろしαシリーズ第5弾!

    令和2年11月19日~22日

    0
    2020年11月22日
  • 特等添乗員αの難事件 IV

    Posted by ブクログ

    内容(「BOOK」データベースより)
    ラテラル・シンキングを駆使し、電車から豪華客船まで0円旅行を実現してしまう謎の韓国人美女が現れた。その名もミン・ミヨン。観光業界としては見過ごせない一大事に、白羽の矢が立ったのは同じ思考を持つ浅倉絢奈だった。ところがその絢奈は、壱条那沖との新居探しや恋のライバルに翻弄され…。ハワイを舞台に娯楽性満点の「人の死なないミステリ」最新傑作登場。書き下ろしαシリーズ第4弾!

    令和2年11月16日~18日

    0
    2020年11月19日
  • 高校事変 VII

    Posted by ブクログ

    前半は時間軸の整理で頭が追いつかなかったが、後半はいつも通りの一気呵成。

    最後はまたしてもあらたな腹違いの姉弟登場で次巻の予告編。うむ、そろそろマンネリパターンに突入か。

    0
    2020年11月19日
  • 瑕疵借り

    Posted by ブクログ

    最初の話がよかった。でもなんで藤崎氏が鼻つまみ者になるんだろう?あちこちからひっぱりだこだからすでに使ってる不動産屋が態と他から依頼されにくい評判をながしてるのかな。

    0
    2020年11月09日
  • 黄砂の籠城(下)

    Posted by ブクログ

    義和団事件をこんなにも深く知ったのは、初めて。歴史の授業で単語を習っただけ。でも、キリスト教の布教を理由に人民を弾圧してきた西洋人もあり、義和団側のいい分も良くわかる。自国に外国人や異教、文化がはびこるわけだから。歴史のストーリーは、勝ったものの視点が軸になる。真相は。

    0
    2020年11月08日