松岡圭祐のレビュー一覧
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購入済み
真実に吃驚
名前は有名なので知っていましたが、初めて読む作家さんでした。
作品内容(あらすじ)を読んでも今一ストーリーを掴めなくて、フォローだけしていたものを漸く買ってみました。
読後感としては、それぞれのキャラクターに生々しい人間らしさがあって良かったな、という印象。
事件の真犯人は、そいつが出てきた時に当時の由香との関係上、直感で解ってしまいましたが、そちらよりも最終的なオチの方に驚きました。
まさか、そうだったとは!あまりに自然すぎて脱帽です。
これも叙述トリックに入るのかなぁ?
推理もので騙されたい願望がある私には打ってつけでした。
消化不良に感じた点をあげるとすれば、犯人は -
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ネタバレ「黄砂の籠城」で敵対していた清国・義和団の視点で描かれた物語。
元舟漕ぎの張徳成は、取り立て屋に襲われていた若い娘、莎娜を助けるが、追い払った取り立て屋が官兵たちを連れて来て取り囲まれてしまう。そこで李来中と名乗る男の機転により難を逃れた。そして、その中年男との出会いがきっかけで、義和団という組織が誕生する。
張徳成は義和団の天下第一壇大師となり、莎娜は十代の少女揃いの部隊である紅灯照の黄蓮聖母として、共に義和団を導く立場にあったが、清国軍の陰謀や義和団の暴走により追い詰められていく。
元々、日清戦争敗戦後キリスト教が清国内に広がり、宣教師だけでなく漢人クリスチャンまでが横暴に振る舞い始 -
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今年の1冊目。毎年恒例の松岡先生の作品から。昨年読んだ『黄砂の籠城』の続編で義和団事件を中国側から描いた作品。
“無知の農民蜂起団が国家の軍団にのしあがり、列強に立ち向かっていく物語”ではない。自らの暮らしを脅かす洋人を倒すために立ち向かった“数”だけが頼りの集団を、清国が巧みに操り特攻兵として利用し、結果国家諸共に粉砕していく物語である。義和団の一兵卒は知識を得、兵隊となることに無垢な喜びを得る。本主人公である張たちリーダーたちはこのカラクリを知りながらも流れに身を任せるしかないその苦悩に焦点をあてている点が興味深い。
「“自分たちでも立ち上がれれば国を変えられること”に自ら気づけただけ -
Posted by ブクログ
007が好きという理由だけで目に止まったこの本。
2004年前後、当時流行ったもの(電車でGO!、倖田來未、AKB48オーディション…)が散りばめられていて、そんな時代よねぇ、と懐かしく淡い気持ちになった。007ファンとしても、ピアースブロスナンからダニエルクレイグに代替わりした件やシリーズの映画名がちょこちょこ出てくるあたりも心をくすぐられる。
島の人たちの温かさ、素直さ、おおらかさを感じながら、要所要所でクスッと笑える要素もあり、読んでいてほのぼの、ちょっぴりハラハラ。最後は爽やかな気持ちで読み終えた。
直島がアートの島と言われるようになった経緯を知ることにもなって、素直に「読んでよかった -
Posted by ブクログ
1900年春、北京の東交民巷で起きた籠城戦(義和団事件)を、史実に基づき描いた物語。
本書の冒頭は2017年春、商談のため北京を訪れていた櫻井海斗は困難な取引を請け負っていたが、先方の重役であるエリック・チョウ(イギリス人と中国人のハーフ)は何故か好意的で、日本人であるあなたがたと仕事がしたいと言う。更に彼は、まさにその場で起こった義和団事件について語り、櫻井は高祖父である櫻井隆一やその上官である柴五郎が残した功績について知る。
本編では、義和団の暴徒化から始まり、外国公使館区域である東交民巷に列強11カ国(ベルギー、イタリア、フランス、ドイツ、スペイン、アメリカ、オランダ、ロシア、イギリ