あらすじ
人気ファッションショップで、ある日突然、売り上げが落ちてしまう。いつも英語は赤点の女子高生が、東大入試レベルのヒアリング問題で満点を取る。この奇妙な事象をともに陰で操っていたのは、かつてミリオンセラーを連発した有名音楽プロデューサー・西園寺響だった。借金地獄に堕ちた彼は、音を利用した前代未聞の詐欺を繰り返していた。凜田莉子は鑑定眼と機知の限りを尽くして西園寺に挑む。書き下ろし「Qシリーズ」第3弾!
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面白かった
誰も死なないミステリー
主人公の知識と情の深さがとてもいいですね。
普段小説とか全然読まないし途中で読まなくなるような輩なので構成だの文法だの専門的な事はわかりませんが、初めて最後までスムーズに読めたしとても面白い作品だと思うので星5です。
Posted by ブクログ
余韻が心地よい。松岡圭祐さんは話の構成がとても上手なのだろう。どう書けば読者が感動したり、驚いたり、憤ったりしてくれるか、そういうことを熟知されてる方なんだと思う。ぶっとんだストーリーやトリックを惜しげもなく使って読みやすい小説を作り上げる。音を使ったトリックも、ノロウイルスによる陰謀も、メインのトリックに使って差し支えないものだと思う。それを前座に添えることで少ない分量ながらもとても重厚なミステリーが誕生する。
今回のミステリー、目玉はなんだろう?音によるトリックは早々に明かされ、ノロウイルスも尻切れトンボで終わる。そして最後に明かされる謎は「西園寺響の切り札は何か?」。邪悪な犯人と無垢な探偵という対決と思わせ、それを逆手にとって一発逆転を狙う。しかし、凛田莉子には見抜かれ結局邪悪な犯人と無垢な探偵の対決に落としこまれる。見事だ。西園寺響、やってることはなかなかにクズで邪悪な犯人なのに、何で最後はこんな余韻が心地よく終われるんだろう。凛田莉子に心まで艦艇されたからだろうか。西園寺が如何に矮小なことに拘って生きてきたか、それを自覚して幕をおろす。誰かに突きつけられたわけでもなく、すっと自覚する。だからすっきり終わるんだろう。邪悪でクズな西園寺だが、最後に何か希望を感じさせて終わるから。
Posted by ブクログ
万能鑑定士シリーズの第3弾。かつて一斉を風靡した西園寺響が起こす巧妙な詐欺を凜田莉子が暴いていくストーリー。
莉子の知識量がやっぱり凄い。写真や他人同士の立ち話からも真相にたどり着くところが鑑定士の域を超えるレベルであってとても面白かった。音であそこまで人を操ることが(4割売上を減らすなど)できるのかなどの正確性はあるが、音の専門家でもある西園寺だからこそ実際に起きそうな事件だと思った。詐欺の首謀者の西園寺も協力者の飛鳥琴音もどこかで救われたかった・成功したかったという(独善的ではあったにせよ)部分が、莉子の推理や家族の温かみによって救われたところがとてもカタルシスを感じた。
この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
凜田莉子:佐藤聡美
小笠原悠人:寺島拓篤
葉山翔太:中村悠一
雲津隼人:小林裕介
荻野甲陽:平田広明
宮牧拓海:福島潤
氷室拓真:緑川光
西園寺響:置鮎龍太郎
如月彩乃:早見沙織
飛鳥優治:楠大典
飛鳥琴音:大原さやか
飛鳥陽菜:小原好美
柿内悠馬:小山力也
星合結衣:田所あずさ
蔵谷瑛太:小野友樹
Posted by ブクログ
今回は音を使ったトリック。音だけでなく、散りばめられた色んな場面での洞察力と知識にワクワク。ラストも暴かれるだけでなく、響さんが救われた気がしてよかった。
Posted by ブクログ
かつて一世を風靡した音楽プロデューサーの西園寺響。彼が企てた疑いのある「音を使った詐欺」を追う莉子。有名ショップの売上を落とし、劣等生の英語ヒアリングのテストを満点にする。彼の狙いは。
西園寺さんの奥さんがとてもかわいそうで切なくなった。最後の終わり方いささかあっさりだった感じ。
Posted by ブクログ
凛田莉子は相変わらず事件に巻き込まれる。事件がやってくる。人気ファッションショップで売り上げが激減した。そこにかかってくる奇妙な詐欺電話。英語が赤点の少女がヒアリング問題で100点を取る。今回は音楽に纏わる事件で西園寺響という男性が犯人だと分かっているのに証拠がないというのを追う話
規模間は1~2巻より下がっていたが愛空わず海外行ったり犯人がめちゃくちゃやり込んでいるので最後の最後まで証拠がつかめない話だなと感じる。莉子は凄い強い女性と改めて実感だし天然なのも入ってるのが強さの秘訣だと思う
結構巻数出てるみたいなので次回は借りないと思うけどⅣ巻はまた機会があったら借りたい
Posted by ブクログ
シリーズで読んでる本。
なんか聞いたことあるような話だけど、個々の要素は知らないことが多かったので、楽しめた。社長さん絶対悪い人と思ったのに外れたなぁ、、、
Posted by ブクログ
犯人のモデルは、実際に世間を賑わせたあの大物プロデューサーなんじゃないかと思えるほどの酷似(笑)
終始その人で想像して読んでしまった。
今回は音楽が事件と絡み合っていて非常に面白かった。
ただ、やはりライトなお話なので本の厚さからいっても話にもう少し膨らみがあってもいいかなという展開。
ラストの自白シーンは、やはり犯人視点から描かれていたので、今後も莉子の犯人を追い詰める時の心理描写は描かれないのかもしれない。
シリーズ物、あっという間に読めるということもあり、手を出しているのだけれどもやはり軽い感じが否めないので星4。
Posted by ブクログ
うん、面白い。まんま小室哲哉みたいなキャラが出てきた。前半のお店のBGMいじって客減らすのとか面白いトリックだったけど後半はなんか人情話になってたな。しかし人が死なないし平和で読みやすくて色んなトリビアが出てくるし読んでて面白いシリーズである。ただ莉子が凄すぎて人間性が伝わってこない気もする。
Posted by ブクログ
ある架空の音楽プロデューサーにまつわる謎を解き明かしていくストーリー。随所に出てくる鑑定士の見識と謎解きが面白い。「なるほど、そうくるか」という展開が続き、読んでいて飽きない。次巻以降もこの面白さが続くことを期待。
Posted by ブクログ
今回は落ち目の音楽プロデューサーを中心に、ねずみ講や詐欺を解決する。もはや、鑑定士としての仕事は関係ないように見えますがそこは意外と絡んできますね。一冊完結なので3巻以降はどこから読んでも楽しめると思います。
Posted by ブクログ
人気ショップの売り上げ低迷と女子高生の成績急上昇。一見無関係の現象に一昔前の音楽プロデューサーが関わっていた。音楽プロデューサーのモデルはあの人かな。浮き沈みの激しい世界で過去の栄光にすがった悲しい姿にも思える。
Posted by ブクログ
かつてミリオンセラーを連発した有名音楽プロデューサーは今や借金地獄にいた。
彼は音を利用した前代未聞の詐欺を繰り返す。
凜田莉子は鑑定眼と機知の限りを尽くして詐欺に挑む。
Posted by ブクログ
相変わらずさくっと読める一冊。
犯人の元ネタはまぁ小室哲哉でしょうね。
けど、大丈夫!
現実のTKは元気です。
GET WILDのアルバムも発売されたし。
前作に比べれば、謎解きも事件の規模は非常にコンパクト。
ただ音を使っての犯罪は非常に面白い部分でもあり、現実にできそうなので、うかうかしてられないという。
しかし、きっとそのうち莉子と小笠原は結ばれていくんでしょうが、小笠原のどこが良いのか、現時点では不明。
ただただ人が良いというわけでもないし…。
まぁおいおいわかるだろうし、続刊を早く読もう。
Posted by ブクログ
序盤では「音」に絡んだ謎を莉子が解き明かしていく。
売上のいきなり落ちた人気ファッションショップ。
英語が苦手な女子高生が取った満点のヒアリング。
どちらも同じ人間が関わっていることがわかるのだが。
ラストで知ることになる犯人の心情。
過去の栄光にすがっていただけではない。
その頃の輝きを、輝いていた自分を、取り戻そうと必死にあがいていただけなのでは?と哀しい気持ちになった。
「可哀相な人」だけれど、彼を理解し、いつも支え続けてくれた人がいる。
音楽家としての未来はもうないかもしれない。
でも、今までとは違うかもしれないけれど、明るい未来があるような。
そんなふうに思える結末でよかった。
莉子の「えっ、こんなことまで?」と突っ込みたくなるような知識の深さには驚く。
けっして驕らずに、でも懸命に謎と向き合う莉子のキャラクターは、このシリーズの最大の魅力だと思う。
Posted by ブクログ
全然違うしこの本は笑いもくだらなくもないんだけど「トリック」を彷彿とさせるな…男女のコンビ、怪しげな人や団体を指摘する、人の死なないミステリー。ミステリというよりもはや雑学集。
Posted by ブクログ
今回は既視感ある音楽プロデューサー相手に謎解き。いつも何者に違和感があるのかと思っていたが、仕掛けがかなり大掛かりなわりに相手が小物感がある所。凛田莉子の知識の深さを伝える為に要らない小ネタを盛り込む所なのかなあと。話は面白いだけにこれが繰り返されると辟易する場面も
Posted by ブクログ
6年半ぶりにシリーズ第3巻を読んだ。今回は一巻完結。ボイスチェンジャーでの脅迫が、巧妙に仕掛けられた「音」を使った詐欺であることを見抜いた主人公・莉子。犯人が、かつて一世を風靡した音楽プロデューサーであることは分かったが、状況証拠のみで決め手がないというHow done it な展開。気になったのは、この事件は主犯だけでなく、インターネットを使った詐欺行為や、クレジットカードからの違法な請求行為といった知能犯も関わっているはずなのに、その追及が描かれていないところが唯一の不満。
Posted by ブクログ
万能鑑定士Qシリーズ。
三巻は前二つよりスッキリしてたので読みやすかった!
けど、某プロデューサーってモデルTKだよね??そうとしか思えんかったよ…
Posted by ブクログ
実在の音楽プロデューサーをモデルにしたような人物が、音やノロウイルスを使って人の行動を制御することでひと儲けを企てる。
そんなにうまく行くものかという疑念が頭から離れず、またTK氏がちらついて物語に集中できなかった。
我慢して読み続けると、いつか鑑定眼が存分に活躍する内容に変わるのだろうか。
Posted by ブクログ
かつて有名な音楽家だった彼はいま!?高い授業料を払った家族が得たもの。。
相変わらず莉子の観察眼はすごい。記憶の仕方だけでこれだけのことがわかるものなのか。
Posted by ブクログ
シリーズ三作目、今回は音を使った犯罪に挑む
前作は事件のスケールが大きすぎて展開についていきにくかったけど、今作はすらすらと読めた
ただ…ノロウイルスばらまいてもどうにもならんでしょ~って思った…
Posted by ブクログ
読書録「万能鑑定士Qの事件簿3」3
著者 松岡圭祐
出版 角川文庫
p144より引用
“ プロデューサーがアーティストを育てる
といえば聞こえはいいが、実際にはスターに
なりそうな逸材をいち早く見つけ、囲いこん
で、人気がでてから作詞作曲による印税で儲
けることが目的だ。”
目次から抜粋引用
“ボイスチェンジャー
同一人物
分析結果
石打ち刑
百舌”
多方面に対する膨大な知識を駆使する美人
鑑定家を主人公とした、長編ミステリ小説。
波に乗りつつある商業施設の中でも、良い
立地でオリジナルブランドショップを経営す
る店主の元に、胡散臭い電話がかかってきた
…。
上記の引用は、大物プロデューサーのとこ
ろでのオーティションを見た、雑誌記者・小
笠原の胸の内。
音楽業界では、歌手よりも曲を作る側のほう
が収入を得やすいようですね。大勢のアイド
ルグループ等を見ていると、あの人達自身は
あまりいい思いをしていないのかも知れない
なと感じます。
登場する元売れっ子有名音楽プロデュー
サーの書かれ方を読んでいると、あまりにも
よく似た現実の人物がいて、その時代を知っ
ている世代の人には面白さが大きいのではな
いでしょうか。モデルとなったであろう人物
の作る曲が好きだった人は、少し寂しい思い
を持ってしまうかもしれませんが。
ーーーーー
Posted by ブクログ
疲れているのだけれど、本が読みたい。文字を追いたい。出来れば軽く読めるもので。
と、考えた結果本書を読むことに決めました。
正しく今の私が求めていた感じの内容。
この話のモデルとなった人は、一世を風靡した
かの有名なプロデューサーでしょうか。
露骨すぎて笑ってしまった。
たまぁにあるんです。脳がやたらと疲れているのだけれど、どうしても本が読みたい時。
頭も心も疲れない本をひたすら読みたくなる。
読書家の皆さんも、そんな時ありますかね??
Posted by ブクログ
ある人気ファッションショップに「来月売上が4割下がる」と電話が入り、その通りになる。このままだと、さらに売上は下がるので、状況を打開する為にお金を口座に振り込めと言われる。一方で、ある女子高で成績の良くない生徒が英語の東大レベルのヒアリングテストで満点をとる。
これらの出来事には、かつてミリオンセラーを連発した有名音楽プロデューサーが関わっているとわかる。
相変わらず莉子の鑑定眼には驚かされるし、人の悩みを親身になって考える姿勢に好感がもてる。
飛鳥家にとって、この事件で大金を失ってしまったが、これを気に家族の絆を取り戻せることを願う。
Posted by 読むコレ
今回も鑑定士Q、スーパーヒロイン莉子の切れ
まくり冴えまくりの洞察力と知識量で圧倒。
アホっぽいけど大規模な犯罪と立ち向かいます。
最初は聴覚効果を使った犯罪が入り口で、個人的には
面白そうで食いつきは良かったんですが、中盤
以降、例によって段々事件が大袈裟になってくると
やや醒めてくるんですよねー。
しかも今回はやや、大きなミスが分かってしまう
音楽ソフトに関連するネタだっただけに...
楽しめず残念。
まず、レンタルされても著作隣接権ってのがある。
故に低い分配率とは言え作家に還元される。
そして、そもそもレンタルは発売日に対して
同日レンタル禁止が可能。
この2点が詰め切れてなかった...のね。
それにしても...アレかね...?
千里眼シリーズなど多くの作品がブクオフなどの
大型新古書店で販売されるがイヤだったのかしら?
巻末にある「本は正規書店で買って読みましょう」
ってのが毎回気になるw。
今回の内容とも微妙にリンクしてるしw。