あらすじ
都内で改造ガスガンを使った殺人事件が発生。被害者2人のうち1人の胸の上に芥川龍之介の「桃太郎」が小冊子に綴じられて置かれていた。これまで文学に関わる難事件を解決してきた李奈は、刑事の要請で今回も捜査に協力することに。一方で本業の小説執筆ははかばかしくなかった。加えて母の愛美が三重から上京。気持ちが落ち着かずにいた。謎めいた事件と停滞気味の自分。李奈はこの2つの問題を乗り越えられるのか!?
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
毒親がテーマの物語だったと最後でわかる。
なんで李奈の母親がずっと東京にいるのか疑問だったが、最後にその意味が、かった。
犯人の親に対する恨みはわかるが、無関係な隣人まで、騒音きっかけで殺害ノ対象となるのは、さすがに精神的に未熟すぎる。それも毒親に育てられたせいなのか。
間違えて飛ばして読んでしまった巻だったが、後で読んでも楽しめた。
Posted by ブクログ
このシリーズの集大成になるのかな?前回のシンデレラの原典の話と似ているかと思いましたが、全く違うアプローチでした。今回は皆もよく知る芥川龍之介(このシリーズの基本中の基本)ですが、「桃太郎」を書いていたことを初めて知りました。また、ミステリーの点でも最後まで犯人が想像もつかず、更に、李奈と母親の確執もこの本でしっかり伏線回収しており、あっという間に読めますが、中身はとても凝縮しており、最終版(?)と思える内容でした。次の松岡作品が楽しみです。
Posted by ブクログ
前半のものすごい伏線の嵐と、後半全て繋がる構成がいつもながら爽快。いろんな現象が比喩になってるのを読み解くのが楽しい。逆に、事件の結末としてはちょっと非現実的かなと思った。が、文句なしに面白い。
Posted by ブクログ
芥川の桃太郎の見立て、その中の未来の天才の解釈が難しかった。読解力がないと物語の内容を自分の良いように考えてしまう。そこから動機にも繋がっていて読むのは難しいと感じた。李奈の本が売れるのはいつか?気になる
Posted by ブクログ
今回の話は李奈の成長の物語でしたね。
作家としても、人間としても。
随分久しぶりに読みましたエクリチュールシリーズ。
このシリーズ気がついたら新刊が沢山出てるんですよね、この前までこの巻が最後だと思っていたらもうだいぶ新刊が出てるみたいで驚き。
出てくる出版社だったりが本物だったり印税の話がやたらとリアルだったりするのもこの話の特徴ですよね、本当に李奈が同じ世界に住んでいるような感覚になって。
そう考えるとこれのひとつ前の話はかなり冒険したストーリーだったなぁと思いますね……。
今回は親子の話がテーマだったのもあり友人の活躍が少なかったのがちょっと残念。
あの3人がめちゃくちゃにマニアックな本の解釈を語り合ったりしてるのが結構好きなもので。
この話を読んでると世界に本は読み切れないくらいあるんだなぁと思うし、どういう解釈をするのかも本当に千差万別なんだなぁという事実を再認識しますよね。
やっぱ国語の問題とかに出てくる「作者の気持ち」とかはさ、あれは問題として成立してないんだよ、それぞれが感じたことが正解でいいんじゃないの?って思ってしまいます。
そもそも作家さんなんてほぼほぼ「締切に間に合わない」とか「アイデアが浮かばなくて書けない」とか思いながら書いてる人が大半でしょうし〜(酷い偏見)
あ、そう!
今回この本を読んでる時に初めて前に読んだ本ととある繋がりが浮かんできて驚いたんですよね。
全く違う人が全く違う年代に書いた話なのにたまたま続けて手に取ったらキーになる部分が繋がってるっていう……たまに他の人の感想文を読んでて「そんなことあるんだなー」とか思ってたんですが、これ本当にあるんですね。
ちょっとゾクゾクしました。
Posted by ブクログ
巻末の書評で認識、そうか、これは成長物語
そういう視点で内容を思い返すと、なんかいろいろ合点がいく所あり
最初読み終わったとき・・・あれ?なんか全然スッキリしねぇなぁって
事件を解決することが主題だと認識して読んでいたけど
これは、莉奈の成長の過程に事件の解決があるんだって思うと
流れ、フォーカスされる場面にだんだん納得感というか、
じわじわと、あぁ〜、そういえばそんな気分だったよねぇとか
おっとここで一皮むけたなぁ〜、ってところがいたるところに
正直、今回の芥川見立て殺人は・・・スッキリしてませんけど
莉奈のここのところ抱えていた一皮むけたい感がスッキリしたので
なるほど、これまた、ホント巧妙なトリックにやられた気分です
恐るべし・・・松岡先生ですね
今回もありがとうございました。
Posted by ブクログ
真犯人に驚き!一向に見立て殺人の意図が読めない中、もどかしく進んでいく事件。
最後に芥川の桃太郎との関連性が解明された時は少し切なくなりました。
芥川はどこまで思考していたのか。ぜひ原作を読んでみたいです。
Posted by ブクログ
杉浦李奈の推論第六弾。今回は芥川龍之介の短編「桃太郎」が見立て殺人の現場にあったことから謎が解き明かされていった。「桃太郎」は以前に読んで衝撃を受けたことを思い出したのだが、最初の桃の木、最後の天才の解釈が考えてもみなかったので冒頭に出ていた「蜜柑」と一緒にもう一度読み直してみた。このシリーズはいろんな小説が出てくるのが楽しい。もちろん、拳銃のトリックも驚いたし、李奈の成長も楽しみだ。それにしても松岡さんの筆の速さにはいつもながらに驚いてしまう。他の本に浮気をしてると追いつかなくなる。
Posted by ブクログ
ミステリーとは言え、まさかの設定と犯人、そして動機に驚きました。若い女性の気持ちをこの作家さんは、何で解るのでしょうか?それがミステリーでは。
Posted by ブクログ
見立て殺人は芥川?
使う物語は『藪の中』とか『蜘蛛の糸』かな…なんておもったら、『桃太郎』???
恥ずかしながら芥川が桃太郎を描いていたなんてしらなかった。
『蜘蛛の糸・杜子春・トロッコ 他十七篇』は読んだことがあるはずなのだが…
そしてこの芥川桃太郎は、不思議なおわり方をする。
本作でも言及されているが、執筆当時の時代背景を考えないといけない。
それにしても、本作は新興宗教だとか、親子の関係だとか、戦争だとか、どうも最近の事情を入れ込んでいるように感じてしまう。
だとしたらすごい執筆スピード。
プロは違う。
なお、好みの問題を言えば、本作、いままでの杉浦李奈シリーズの中では一番好きだ。
李奈自身の家族の問題、被害者の家庭の問題など、本当に丁寧に描写される。
誰もがこれは私のことかなと思わせる内容だ。
また、知識も自然と増え、よみつづけたら知性のあるひとかどの人物になれそうな気がする。
次は、何かなー
Posted by ブクログ
テンポが早く、サクサク読めるのに内容はしっかりしていて、読んでいて引き込まれる。
しかもしっかりキャラクターの成長まで書いていて、ラストも驚きがあり、すごいと思う。
あと本に関する知識が少し増えるのも嬉しい。
Posted by ブクログ
子供を産んでから
毒親って言葉に敏感になりました。
やっぱりどこの親も根本には
子供の為にと思ってやってる。
でもそれが子供を苦しめてしまう。
子育てって本当に難しい。
正直今回は事件の事よりもその事が
気になって
子の目線、親の目線で
色々考えてしまって物語に
入り込めなかったかなぁ。
私も子供にこれからも悩む事は沢山あるけど
愛していると言う事だけは
伝えて行きたいと思った。
Posted by ブクログ
都内で改造ガスガンを使った殺人事件が発生。被害者の二人のうち一人の胸の上に芥川龍之介の『桃太郎』が小冊子風に置かれていた。警察からの要請で、李奈は捜査に協力する事になり…
今回、初めてちゃんと登場の李奈の母・愛美。李奈視点から見ると嫌な点を突かれ、正論を振りかざすのがちょっと辟易でしたが、読み進めるうちに李奈はとても愛されて育った子なんだと実感しました。
母が上京した事により、李奈も一皮剥けて小説家として成長した様に思えました。
桃太郎もシンデレラ同様、諸説色々あるとは知ってましたが、芥川が桃太郎を書いていたのは知りませんでした。今回も勉強になりました!
Posted by ブクログ
星3.5
前作が大袈裟だったので、
これくらいの事件がちょうどいい。
見立て殺人って、
本人の思惑とは別の解釈になるかも
知れないという事ですねー
以降ネタバレ
犯人は、毒親のため、
ここまで屈折してしまうのか…
幸い、毒親では無かったので、
その辺はよくわからない
李奈と母親との確執が
少し溶けた記念で星をオマケ
Posted by ブクログ
主人公杉浦李奈、ラノベ作家で対談相手岩崎翔吾の事件を解決し、経緯をノンフィクションにした方面ばかり有名になり、文学界のトラブルシューターとして①剽窃事件②孤島殺人③文壇大量殺人を解決するが・・・売れない作家としてコンビニバイトをしつつ作家生活を送る(バイトは思わぬ効を奏す)
本書も文学の読み方が事件解決に繋がるが、トーシローの読者は李奈の推理をニコニコと聞いていれば良い(*´▽`*)
Posted by ブクログ
殺人事件の調査と、ついに東京に押しかけてきた李奈の母親の件。それに宗教じみた企業も関連してきて、途中何が大筋なのやらわからないまま読んでたけど、結局シリーズ中で過去一番楽しく読めたかも。