松岡圭祐のレビュー一覧
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引退したはずのシャーロック・ホームズが、伊藤博文暗殺事件の裏に隠された真相を追う歴史ミステリー第2弾です。
前作で提示された謎の延長線上にありながら、今回は“事件の真相”よりも、その後に広がる歴史のうねりのほうが印象に残りました。
伊藤博文暗殺という歴史的事実は変わらないのに、その裏側に別の物語を組み込んでいく手腕は見事で、読みながら何度も「本当にこうだったのではないか」と錯覚させられます。
特に印象に残ったのは、老境に差しかかったホームズの存在で、若い頃の鋭さはそのままに、どこか時代の終わりを見つめているような寂しさがあり、単なる推理小説以上に“去りゆく時代の物語”として心に残りました。
また、日本と列強諸国の思惑が複雑に絡み合い、事件の背後にある政治や外交の駆け引きにも引き込まれます。
派手なアクションや推理よりも、歴史の裏側を覗き見ている感覚のほうが強く、ページをめくる手が止まりませんでした。
ホームズという架空の人物を通して近代日本の転換点を描き切ったスケール感は大きく、読後には謎解きの爽快感よりも、“歴史の表と裏はどこまで本当なのだろう”という余韻のほうが深く残る一冊でした。 -
Posted by ブクログ
『高校事変』の前日譚。
優莉匡太死刑囚の次女・優莉結衣15歳。進学を希望するが、死刑囚の子どもであるため、受け入れ先がなく、人権保護団体の尽力により、北茨城の鵺沼高校に通うことに。
鵺沼という街には恐るべき陰謀が…
やっぱり結衣だな。
凛香じゃ、こうはいかないし、瑠那もちょっと違う。
ピンチになっても、ピンチじゃなく、落ち着いたもんで。とても15歳の女子高生とは思えない。
かかってくる敵をあっという間に。
本当にすっきり。
それにしても、結衣を舐めすぎ、ただの15歳の少女じゃないんだから。
特に牟禮の爺さんは…
『高校事変』の1年前の話だから、あっさり1巻で終わるのかと思いきや。
5巻まで行きそうな感じ。
なかなか『高校事変』の世界から逃れられない。
恐るべし松岡圭祐。
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Posted by ブクログ
ネタバレ『令和中野学校III スパイ防止法』は、シリーズの醍醐味であるスパイ同士の情報戦がこれまで以上に楽しめた一冊だった。敵の思惑を読み合い、一瞬の判断が作戦の成否を左右する緊張感は最後まで途切れず、ページをめくる手が止まらない。派手な戦闘だけではなく、諜報員としての駆け引きや心理戦が物語に深みを与えていて、まさにスパイ小説ならではの面白さを堪能できた。
そんな極限の任務に挑む中で、華南たち主要メンバーの成長も強く感じられた。それぞれが諜報員として経験を積み、自分の判断で行動できるようになっていく姿は頼もしい。さらに、互いを信頼し、情報を共有しながら任務を遂行するチームとしての結束も一段と深まっており、一人では成し得ないスパイ活動だからこその連携の大切さが伝わってきた。
スリリングな諜報戦と個性豊かな仲間たちの成長が見事に噛み合った、シリーズの魅力を存分に味わえる一冊だった。次はどんな極秘任務が待ち受けているのか、続巻への期待がますます高まった。