榎田ユウリのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
軽妙なやり取り、会話中心の読みやすさでサクッと読める割に、喪失とか人生といった重めのテーマを扱った物語。
主人公の二人、38歳とは思えない小日向の言動と、矢口のウジウジ感はビミョーだったけど、脇をかためる一人おとなの邑がいいキャラだった。
先生の死の謎が解け、23年ぶりに矢口の手元に届いた先生からの手紙の結びの部分が載ったラストのページでジワっときたし、大事なものを失って人生を投げたような矢口が、小日向に引っ張られながら生活を始めるところに希望が見えてよかった。
BLのかおりを漂わせながらそっちにはいかず、先生の秘めた恋の方に「そうきたか!」
短歌で恋を伝えるっていいな~。 -
Posted by ブクログ
献本当選しました。
ありがとうございます!
冷徹であり時に人間(子供)らしい振る舞いを見せながら、頓狂な発言をしつつも坦々と至極全うな真実(=現実)を語り仕事を遂行する死神。
自分を卑下しながらも性根は優しく分析・想像(時々妄想)・理解に長け、明日(=未来)を信じ、ひょんなことから死神の仕事を手伝わされる男。
終始、夫婦漫才のような掛け合いにクスッとさせられるが、"残念なお知らせ"をもたらす死神の横で、葛藤する彼が直面した"現実"から得るものは何なのか。
(クライアントがあまりにもあっさり受け入れる展開はやや物足りなさを感じたけれど…)
最終盤の -
Posted by ブクログ
一般。
中学時代に住んでいた街に戻ってきた主人公が思いがけなく当時の同級生達と再会し、ずるずると当時の担任が亡くなった理由を謎解きしようとして自分も過去から浮上する話。
コメディ要素強し、という序盤からの担任が亡くなっていた事を知り引きずられるようにそれが事故でなく自殺ではないのか?を調べようとするところで、ミステリー?となり、しかし結構あっさり真相が分かってめでたしめでたしか?と なったらそこからもうひと事件あって主人公の抱えてるもの、ぐいぐい来るKYな元同級生の過去、などが明らかになって、終盤に突入。
読後感はそれなりに良かったので“面白い”部類には入ると思う。なにより文章が上手いし -
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Posted by ブクログ
死神から残念なお知らせ〜の第二弾。
一作目の続きとしてあの作品の主人公の梶先生を読みたかったけど、今作は今作の主人公が居ます。
人生にも出来事そのものにも終着してない男。バスの事故で居合わせた3人と共にすでに死んでるのに、つい今までの習慣で生活してしまってる。
他のみんなは執着したり、今までの自分の生活を考え直したりしてるのに、この主人公・高梨=ゾンは仕方ないと思っている。死人じゃないのに関わることになってしまった医師・天堂はそんな主人公や他のメンバーの見届け人のようで。
こういう作品を読むと生きるとは?死ぬとは?というのを否応に考えさせられる。
一作目より衝撃は少なくって、今作の方が私