フランツ・カフカのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
カフカの作品を初めて読みました。個人的にはコナン・ドイルのような書き方だなと思いましたが、彼の作品よりもかなり読みやすかったです。
物語はある日銀行員Kが無実のまま突然逮捕されることから始まります。Kは何故自分が逮捕されたのか罪名は何かも分からない、まさに不条理の世界に突き落とされます。次第にKの周りに変化が起き、最終的にKは数々の尋問の後極刑に処せられてしまいます。こんな展開はまさかあり得ないだろうと思うのですが、実はあり得るかもしれないという恐怖がこの作品から感じれます(物語の内容から後のナチス・ドイツによるユダヤ人虐殺を予見した?)
読んだ感想としては「序盤からの大展開は驚き」です。なぜなら序盤の展開では女性との色々が出てきて、K自身もこんな訳の分からない罪名ではどうにもならないと言っていたし、最初にKを尋ねた人物もKを拘束するわけではないと言っていたからです。なので恐らくKも不条理から最終的には解放されると思っていました。しかし・・・
自由が不条理に奪われる。 -
Posted by ブクログ
カフカというと、『変身』は広く読まれているのではないでしょうか
朝、めざめると虫になってたという話ですが、
『城』も、主人公のKが、ある村に到着し、自分を取り巻く状況を理解できないままに
もがく様は似ている部分もあります
しかし・・訳者さんにけちをつける気は毛頭ありませんが、読みにくい・・・
恐ろしく会話が長いんですが、淡々と回りくどくて要点がよく分からない・・・
分からなさ加減が、リアリティがあるし、
カフカの不条理感を醸し出しているとも言えなくないのですが
白状しますと、三度目の正直でやっと読破しました
最初に手に取ったのは、10年近く前ですから、随分長くかかりました
10年の間に、読み手の私も変ったんだなと思います
不条理が、そういうことってあるよねって思ってしまう
奇妙な事に、主人公のKだけがイニシャルで呼ばれています
その村では何者でもないK
何を求めているのかも分からなくなりそうな空回りぶり
私もあったな、Kみたいな時・・・
今の社会にも大勢のKがいるんじゃないかなぁ
あっけない結末が、また、なんとも言えません
話したい事の半分も話せないまま、一方的に電話を切られたような後味の悪さ
それが、またリアルなんです -
Posted by ブクログ
カフカの日記や創作ノートに記された断片の編訳。
カフカは断片が面白いといわれる。平凡社ライブラリーにも『夢・アフォリズム・詩』という似た趣旨の本がある。
抽象的に書かれた短い文章ほど、読者はその空白に想像を働かせて深く考えてしまいがち。俺にはカフカの断片はもどかしい。中野孝次の感じた「いらいら」と通じるかもしれない。
「自分が生きていることが、自分の道をふさいでいるのだと、彼は感じている。/そしてまた、自分の道がふさがれていることによって、自分が生きている証を得ている。」
こういう矛盾の表現がいかにもカフカって感じがする。
本書には収録されていないが「鳥籠が鳥を探しに行った」というアフォリズムが好き。「俺は殴り役だから殴るんだ」という『審判』の殴り役や、帰宅しても制服を脱がない『変身』の父親のように、官僚制・資本主義の内面化を連想させる。