フランツ・カフカのレビュー一覧

  • 希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話
     陰と陽。両極端な二人の狭間から生まれるものは。


     作家界の二大巨塔ゲーテとカフカ。かたや25歳にして『若きウェルテルの悩み』が大ヒットした独を代表する文豪。かたや多数の作品を生み出しながらも死後40年あまりも評価がされることがなかった不遇のオーストリア保険局員。そんなポジティブとネガティブを象...続きを読む
  • 絶望名人カフカの人生論
    ネガティヴ過ぎて心身ともに疲れ果て、41歳の若さで亡くなったカフカ。

    心配しすぎて不眠になり、病気になり婚約破棄三回。貧乏から叩き上げで一代で財をなした父の強さ、巨大さに怯えるように自己を卑下し、生まれつき裕福で長身痩躯、労働を嫌い、世間に評価されない(当時は)作品ばかり書いたカフカ。

    面倒くさ...続きを読む
  • 変身・断食芸人
    前触れもなく突如虫となった男と、その家族を描いています。

    この小説は、内面の描写を淡々と描いていますが、虫の動きの生々しさや、人間であった時のグレゴール・ザムザの密かな夢の話、グレゴールを世話する家族をグレゴール視点で描いている点などが、悲壮さを引き立てています。
    虫となることはないでしょうが、家...続きを読む
  • 絶望名人カフカの人生論
    面白かった。
    私も相当ネガティブな思考の持ち主だと常々思っていましたが、
    それを遥かに上回るネガティブぶりに、何だかホッとします。
    カフカ、色々と突き抜けています。
    ネガティブな言葉でホッとするって
    考えてみれば変かも知れませんが、
    自分よりネガティブな人を見つけると
    「えっ!いやいや、そんな風に考...続きを読む
  • 変身/掟の前で 他2編
    【ある朝、目を覚ますと、ザムザは自分が虫に変わっているのに気づいた――。青年に起こった悲劇を描いた「変身」の他、四篇】

     古典がなぜ、何十年も経った今でも名作と言われるのか。
     僕が思うに、何十年も経った今でも共感できるから、ではないでしょうか。場面は違えど、登場人物の感情や行動に感じた、自分や現...続きを読む
  • 希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話
    構成もデザインもナイス。
    内容もゲーテとカフカの言葉なので外れなし。

    どっちかをageてどっちかをsageるもんでもなく、対比させて陰と陽を楽しむといいよ。希望名人ゲーテが眩しいときはカフカの言葉に浸り、絶望名人カフカが鬱陶しいときはゲーテの言葉を謳えばいいよ。

    中庸万歳(ぇ
  • 変身/掟の前で 他2編
    再読。何回目でしょうか。

    本書の中心作である『変身』を含めて、カフカの作品群は、描かれている事象・風景を額面通りに受け取るのではなく、何らかの比喩を含んだ寓話として読むべきというのが通説です。

    本書のどこかに「カフカの作品解釈は、読み手に依る」というようなことが書いてあった気がしますが、まさにそ...続きを読む
  • 絶望名人カフカの人生論
    タイトルと相反してとてもとっつきやすい内容。必要なひとには必要な本かもしれない。共感できておもしろかった。カフカに興味をもつきっかけになった。
  • 希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話
    ことごとく、自分次第。
    自分が、かなりカフカよりだということに気づかされる。
    でも。カフカほどではない。
    自分の出来る範囲を決めてしまい、自分の周りからの評価をきめつけている。常に不安をおぼえ、余計なことを考えている。
    ゲーテは、少なくとも自尊していて、明るく前向きに過ごすことを常としている。
    根っ...続きを読む
  • 希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話
    基本的にはポジティブ・ゲーテとネガティブ・カフカの言葉が対比して書かれてます。
    ゲーテのある意味つっこみたくなるようなポジティブな名言が好きでした。しょうがないおっさんだな、と何度も思ったような気がする……。対するカフカは……しょうがないやつだな……とたまに嫌になることも(え)。その日の気分次第で感...続きを読む
  • カフカ寓話集
    "メシアはやってくるだろう――もはや必要なくなったときに。到来の日より一日遅れてやってくる。最後の日ではなく、とどのつまり、いまわのきわにやってくる。"
  • 変身/掟の前で 他2編
    【本の内容】
    家族の物語を虫の視点で描いた「変身」。

    もっともカフカ的な「掟の前で」。

    カフカがひと晩で書きあげ、カフカがカフカになった「判決」。

    そしてサルが「アカデミーで報告する」。

    カフカの傑作4編を、もっとも新しい“史的批判版”にもとづいた翻訳で贈る。

    [ 目次 ]


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  • 変身/掟の前で 他2編
    読後にもやああとした。(褒め言葉)
    特に変身は印象に残った。
    登場人物の心情は、納得できるものだった。
    多足類の虫に親しみが沸いていたので追い詰められる様が切なかった。
    しばらく余韻に浸った。
  • 変身・断食芸人
    実は自分が何の役にも立たず、愛されていると思っていた人たちに迷惑な存在になったとしたら。それは私も明日、そうなるかもしれなくて。グレゴール・ザムザとその家族の悲しい話。他人事では決してない。
  • 変身/掟の前で 他2編
    『変身』は世の不条理さを言い表した作品であると感じた。

    主人公は朝目が覚めると突如として虫になっている。虫になってしまったことで、主人公は属してきた社会からの疎外を受けることとなる。
    主人公は社会から疎外されたことを直視せずに、常に社会の一員であるかのように振る舞うが、最後には死という形で絶対に免...続きを読む
  • 希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話
    カフカの突き抜けたネガティブっぷりに逆に励まされた。希望の人ゲーテの底抜けの明るさも愛しい。若きウェルテルの悩みも、カフカの書簡邦訳も探してみたい
  • アメリカ
    カフカを読むとどうにも気持ちが重暗くなってしまう。こういう不条理を客観的に読むにはそれなりの素質が必要な気がする。自分が経験しているような辛さがある。この作品は比較的明るいのだけど、そのぶん不条理な出来事の落差が激しい。
  • 絶望名人カフカの人生論
    「怖くて電話が取れません」

    職場の後輩から、こんな相談を受けたことがあります。

    営業サポートを担当する彼女は少し前にお客様にキツく叱られたことがあり、それ以来

    また失敗したらどうしよう、
    叱られたらどうしよう、と

    心配のあまり電話を取ることができなくなってしまったようでした。

    私たちには時...続きを読む
  • 変身・断食芸人
    変身―
    ある朝起きたら「虫」になっていた営業マン。
    彼は飲んだ暮れの父に替り家族の大黒柱だったが、家族にとって厄介者扱いされるようになる。最初はかつての家族愛から父母妹は世話をするが、変わり果てた姿の長男を世話する重労働は、やがて重荷でしかなくなっていく。最後まで人として接してくれた妹も遂に「コレ」...続きを読む
  • カフカ寓話集
    結構わかりやすいことをやっている。案外とおもしろい。けど、これって歴史的な価値?以上のものなんだろうか。カフカ以外の名義で、例えば無名の若い作家の名義で新しく出版されても評価されるんだろうか。なんて思った。表現をいじれば普通にウケるかな。孤独とか不安とか。ね。