フランツ・カフカのレビュー一覧

  • カフカ寓話集

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    最初の2ページを読むだけで分かる。
    ああ、カフカだと。
    物語の中に入ったと思ったら、読者はそこに置き去りにされる。
    誰も追いつけない。カフカにだけは。
    自分なりに色々な作品を読んできたつもりだが、
    カフカの世界に似た作品、世界観をもつものには未だに無い。
    なぜカフカだけがここに行き着けたのだろうか。

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    2011年10月09日
  • 審判

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    好きだ
    奇怪な世界に迷い込ませてくれます。
    決して明かされることのない訴訟の理由。
    唐突に訪れる判決。
    意味なんて必要ない。この理不尽さがたまらない。
    芸術って、何かのために、とかじゃなく「書かずにいられない」
    っていうものの発露なのだなあと思った。

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    2011年08月23日
  • アメリカ

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    フランツ・カフカは、127年前の1883年7月3日にオーストリア=ハンガリー帝国(現在のチェコ)のプラハに生まれて、86年前の1924年6月3日に40歳で亡くなった小説家。

    ところで、フランツ・ファノンじゃなかったフランツ・カフカって、どこかエリック・サティに似ているとお思いになりませんか?

    抽象する無機質なランドスケープといい、現代に生きる私たちの孤立感や閉塞情況の感嘆・強調といい、言い知れぬ不安と孤独感の恍惚的描写といい、未知なる隣人と時空を超えた憧憬の祝祭的喝采などなど、ほとんど何を言っているのか自分でも意味不明ですが、ほぼおおむね、だいたいそんなふうな感じですが、ただ表現方法が小説

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    2011年08月03日
  • ある流刑地の話

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    流刑地にて。

    理不尽な罪で人を裁いていく将校。道徳や倫理観はさておき、自らの使命?のようなものから、その任務を遂行していく。ある時にはそれが間違っていることと知りながら。

    人が生きるとはどういうことなのか。

    その他、解釈不能な内容、生き物が続々登場してくる。これはなんなのか、何から考えていけば良いのだろうか。それすらわからない。良い意味でしこりを残された作品。イッツ・カフカワールド!

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    2011年01月02日
  • 審判

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    カフカの描く不条理な世界。
    朝起きたらいきなり逮捕され、
    自分の罪状が明かされる事はなく、裁判での
    画策等に奔走する。無駄骨感がたまらない。

    立場が弱いくせに高慢な態度をとったり、
    ちょっと歩くとものすごく疲れてしまうキャラクターだったり。

    ボケが長いコントを見ているような気分になる。

    最後にしれっと死んでしまうのが面白い。

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    2009年10月07日
  • アメリカ

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    カフカにしては軽妙でわかりやすい描写と明るい展開で物語が進んでいく

    他と毛色が違いすぎる感があるからはっきりと言い切れないがカフカがカフカの文章力を越えたような仕上がり


    筋に乗せられてわくわくしちゃうんだけど「オクラホマ劇場」の不穏な桃源郷的設定と、「ニーガー」という偽名で潜んでいた孤独に気付かされる

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    2009年10月07日
  • 城

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    奇妙な村にやってきた主人公Kの物語。村に到着したKは、村を統治する伯爵の城との接触を試みるが、奇妙なことにどう苦心してもその試みが成功しない。それどころか、Kは次々に奇妙な人間たちのところへ巻き込まれていく。さらに、作品として未完なので私たちはKの行く末を知ることが出来ない。
    村でまかりとおる理屈が完全に不条理で、登場人物の思考経路がしばしば理解できない。だけど、それが妙に現実らしく思えるから不思議である。言葉が通じているから、一見するとKと村とは生活を共有できているかのようである。しかし、言葉以外の多くの部分において全く異なる了解を前提しているため、両者における言葉の共有はむしろ誤解の原因に

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    2009年10月04日
  • 城

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    邦題「城」。長いことかかったと思う。読み終わるまでに。2週間じゃ済まなかったはず。大体1日に調子いい時で20ページ程度で、学校の行きはほとんど寝てるので帰りにちょびちょびと。螺旋階段を昇っていく感じというよりかは、地下にずんずんと下っていく感じのような感触を読んでいると受ける。ふと気を抜くと何の話で、どうしてそうなったのか、そもそも誰が今話しているのか、さっぱりわからなくなる。煙に巻かれる。不思議。いくら読んでも物語を掴めない。掴めそうな気がしない。ひょいひょい逃げて行く。だから追いかける。筋がないわけではない。ある。けど、それは筋と言えるものではない。カフカは文学として異端の中の異端だと思う

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    2009年10月04日
  • カフカ寓話集

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    冒頭の「皇帝の使者」が秀逸。ビックになりたいけどどうしたらいいかわかんねえーって人がいたのね。そのなれない理由もそれなりにかってに解釈して。

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    2009年10月04日
  • カフカ寓話集

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    『掟の門』と『父の気がかり』がとてつもなく好きです。

    あたしのレビューなんて蛇足でしょう。ねぇ。

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    2009年10月04日
  • カフカ寓話集

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    大好きなカフカの寓話集です。同じく岩波から短編集も出ています。
    五行で完結する短編「使者」がお気に入りです。
    王になるか使者になるかという選択でみなが使者を志願したという話。五行しかないですが、結構深いと私は思っています。

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    2009年10月04日
  • 変身/掟の前で 他2編

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    『変身』では、虫になったグレーゴルについてネタ的にに描かれているせいで勘違いしそうでしたが同情をせざるをえませんでした。献身的に頑張り続けたグレーゴルに対する仕打ちがこれかと思うとグレーゴルの気持ちもよくわかります。悲しさの雰囲気だけが漂う作品ではなく、どこか希望が見え始めては消えてゆくような作品でした。

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    2025年12月04日
  • 変身

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    朝起きたら、虫に変わっていたグレゴール。そのぶっとび変身ほどではないけど、望まず変身してしまうことは、人にはあるのでは?と思いました。

    そのとき、どうすればいい??最後に救いやヒントはある??と読み進めましたが…。自分なりの解釈がうまくできないままです。

    なので、ほかの方の感想を読みまくりました!笑
    じっくり消化していきたいです。



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    2025年11月30日
  • 変身

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    主人公が夢から覚めると虫になる所から始まる本小説。

    変身した主人公にスポットを当てた小説家と思いきや、視点は徐々に家計を支えてくれていた主人公を失った家族へ。

    家計が苦しくなり、また、忙しくなっていくことで心の余裕を無くし変わっていく家族の姿が変身なのかなとも思える内容だった。

    はっきりとしたメッセージは分からなかったが、人の心の弱さなど、考えされるところが多くて面白かった。

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    2025年11月22日
  • 変身/掟の前で 他2編

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    古い話だからか意味が分からないところも結構あるけど、話は面白い!

    変身はこんな話だったっけ…
    最初読んだ時凄い感動した気がしたけど…
    自分の中でハードルが上がりすぎてて、その点ではイマイチだったかも

    "アカデミーで報告する"は初めて読んだけど、めちゃくちゃ面白かった!
    "光栄にもこのアカデミーに招かれ、以前ぼくがサルだったときのことを報告するように依頼されました。"
    という書き出しがもうやばい

    全部短い話の短編集だから、サクッと読めるのも良いね

    巻末の解説ではカフカも訳や編集によって受け取られ方が大分違う、というのが凄く興味深かった。
    あと訳者が

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    2025年10月17日
  • 変身

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    虫の描写が鮮明ですげー気持ち悪い
    ただインパクトに残る内容ではあった
    表紙見ただけで思い出せる

    感想でなくても心に残れば名作

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    2025年10月21日
  • 変身

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    どの視点で読むかで読み終わったあとの心境が変わるようなストーリー。
    私は家族視点で読んでいたから比較的ハッピーエンドだったと思うし、家族のことをそれほど残酷には感じない。

    グレゴールの淡々とした性格が相手の人間らしさや、世の中の不条理を際立たせていて面白かった。

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    2025年10月09日
  • 希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話

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    ポジティブすぎるゲーテと、ネガティブすぎるカフカ。両極端な二人の言葉が、対話という形式で紹介されていて面白かった。
    ポジティブすぎるゲーテの言葉ばかりだと、陽気パワーに当てられて疲れてしまう。
    ネガティブすぎるカフカの言葉ばかりだと、自分も鬱っぽくなってしまう。
    両極端な二人の言葉を行ったり来たりするのがちょうどいい。

    日によって、どちらの言葉に共感できるかが変わってくるのが、自分事ながらおもしろかった。
    自分の気分や精神状態がどちらに偏っているのかを、客観的に見るための本としても使えるかも。

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    2025年09月30日
  • 希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話

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    これでもかってくらいに前向きなゲーテに笑ってしまい、どこまでいくんだっていうくらい後ろ向きなカフカを愛しく思った。
    けどゲーテが絶望を知らなかったわけではないし、カフカが希望を捨てきったわけでもない。深い。

    1個わかったのはカフカはイケメンだった。

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    2025年09月25日
  • カフカ俳句

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    ネタバレ

    カフカの作品は難しいイメージがあって
    手に取りづらかった。

    そんなとき、俳句なら…と手に取った。
    これが沼にはまった原因だ。

    個人的に好きだった句は

    【わずかな光が言葉を通して洩れてくる】
    言葉にできるのは、わずかな事だけ。
    逆も然り、言葉を通して必ず伝わる事もある。

    【外にでることをゆるされぬままに
    内部を焼きつくす火の不幸】
    何かしたい(情熱)が何らかで実行されない時、
    外に出られなかったために内部を焼き尽くし、
    せっかくの情熱が自分を傷つけてしまう。
    (=不幸)

    【黒い水をかきわけて泳ぐ】
    絶望したまま、どう生きるか。
    光を求めて溺れてしまわないように。

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    2025年09月03日