フランツ・カフカのレビュー一覧
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フランツ・カフカは、127年前の1883年7月3日にオーストリア=ハンガリー帝国(現在のチェコ)のプラハに生まれて、86年前の1924年6月3日に40歳で亡くなった小説家。
ところで、フランツ・ファノンじゃなかったフランツ・カフカって、どこかエリック・サティに似ているとお思いになりませんか?
抽象する無機質なランドスケープといい、現代に生きる私たちの孤立感や閉塞情況の感嘆・強調といい、言い知れぬ不安と孤独感の恍惚的描写といい、未知なる隣人と時空を超えた憧憬の祝祭的喝采などなど、ほとんど何を言っているのか自分でも意味不明ですが、ほぼおおむね、だいたいそんなふうな感じですが、ただ表現方法が小説 -
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奇妙な村にやってきた主人公Kの物語。村に到着したKは、村を統治する伯爵の城との接触を試みるが、奇妙なことにどう苦心してもその試みが成功しない。それどころか、Kは次々に奇妙な人間たちのところへ巻き込まれていく。さらに、作品として未完なので私たちはKの行く末を知ることが出来ない。
村でまかりとおる理屈が完全に不条理で、登場人物の思考経路がしばしば理解できない。だけど、それが妙に現実らしく思えるから不思議である。言葉が通じているから、一見するとKと村とは生活を共有できているかのようである。しかし、言葉以外の多くの部分において全く異なる了解を前提しているため、両者における言葉の共有はむしろ誤解の原因に -
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邦題「城」。長いことかかったと思う。読み終わるまでに。2週間じゃ済まなかったはず。大体1日に調子いい時で20ページ程度で、学校の行きはほとんど寝てるので帰りにちょびちょびと。螺旋階段を昇っていく感じというよりかは、地下にずんずんと下っていく感じのような感触を読んでいると受ける。ふと気を抜くと何の話で、どうしてそうなったのか、そもそも誰が今話しているのか、さっぱりわからなくなる。煙に巻かれる。不思議。いくら読んでも物語を掴めない。掴めそうな気がしない。ひょいひょい逃げて行く。だから追いかける。筋がないわけではない。ある。けど、それは筋と言えるものではない。カフカは文学として異端の中の異端だと思う
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古い話だからか意味が分からないところも結構あるけど、話は面白い!
変身はこんな話だったっけ…
最初読んだ時凄い感動した気がしたけど…
自分の中でハードルが上がりすぎてて、その点ではイマイチだったかも
"アカデミーで報告する"は初めて読んだけど、めちゃくちゃ面白かった!
"光栄にもこのアカデミーに招かれ、以前ぼくがサルだったときのことを報告するように依頼されました。"
という書き出しがもうやばい
全部短い話の短編集だから、サクッと読めるのも良いね
巻末の解説ではカフカも訳や編集によって受け取られ方が大分違う、というのが凄く興味深かった。
あと訳者が -
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Posted by ブクログ
ネタバレカフカの作品は難しいイメージがあって
手に取りづらかった。
そんなとき、俳句なら…と手に取った。
これが沼にはまった原因だ。
個人的に好きだった句は
【わずかな光が言葉を通して洩れてくる】
言葉にできるのは、わずかな事だけ。
逆も然り、言葉を通して必ず伝わる事もある。
【外にでることをゆるされぬままに
内部を焼きつくす火の不幸】
何かしたい(情熱)が何らかで実行されない時、
外に出られなかったために内部を焼き尽くし、
せっかくの情熱が自分を傷つけてしまう。
(=不幸)
【黒い水をかきわけて泳ぐ】
絶望したまま、どう生きるか。
光を求めて溺れてしまわないように。