フランツ・カフカのレビュー一覧

  • アメリカ

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    賢い美少年カールは、年増の召使を孕ませ親に追い出される。
    そこから彼は、不条理の道を歩み続ける。

    大国アメリカへ到着した船上でのやりとり、自分の大切なスーツケースを他人に預けたまま、他人の厄介事に首を出す。
    彼の自信は若さに由来するものだろうか。
    ごったがえす人の波、赤の他人の問題に巻き込まれ、この先の混乱した道を予想させる。

    お偉い伯父に預けられるが、途中で厄介払いされる。
    10代半ばの少年が、大国アメリカに放り出されたわけだ。
    その理由は読者にも提示されない。
    この先の物語も、不条理と茨の道が続く。

    この少年は、孤独を感じる間もなく、生きるのに必死なように描かれている。そんなわけはな

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    2013年01月27日
  • アメリカ

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    話は両親によって本国から追い出されたカール・ロスマン氏の新天地アメリカ放浪記ですが、ロスマンはトラブルを起こして次々に新たな目的地を目指します。第一章の火夫が短篇集にも収録されていることから分る通り、それぞれの章が自己完結しているので、分量の割には長さを感じさせない構成になっています。未完のせいもあって、最後の第八章がちょっと浮いてる感じもしますが、却って未来への出発っぽくてフィットしています。カフカの作品にしては、比較的ポジティブだと思いました。

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    2011年11月15日
  • カフカ寓話集

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    最初の2ページを読むだけで分かる。
    ああ、カフカだと。
    物語の中に入ったと思ったら、読者はそこに置き去りにされる。
    誰も追いつけない。カフカにだけは。
    自分なりに色々な作品を読んできたつもりだが、
    カフカの世界に似た作品、世界観をもつものには未だに無い。
    なぜカフカだけがここに行き着けたのだろうか。

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    2011年10月09日
  • 審判

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    好きだ
    奇怪な世界に迷い込ませてくれます。
    決して明かされることのない訴訟の理由。
    唐突に訪れる判決。
    意味なんて必要ない。この理不尽さがたまらない。
    芸術って、何かのために、とかじゃなく「書かずにいられない」
    っていうものの発露なのだなあと思った。

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    2011年08月23日
  • アメリカ

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    フランツ・カフカは、127年前の1883年7月3日にオーストリア=ハンガリー帝国(現在のチェコ)のプラハに生まれて、86年前の1924年6月3日に40歳で亡くなった小説家。

    ところで、フランツ・ファノンじゃなかったフランツ・カフカって、どこかエリック・サティに似ているとお思いになりませんか?

    抽象する無機質なランドスケープといい、現代に生きる私たちの孤立感や閉塞情況の感嘆・強調といい、言い知れぬ不安と孤独感の恍惚的描写といい、未知なる隣人と時空を超えた憧憬の祝祭的喝采などなど、ほとんど何を言っているのか自分でも意味不明ですが、ほぼおおむね、だいたいそんなふうな感じですが、ただ表現方法が小説

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    2011年08月03日
  • ある流刑地の話

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    流刑地にて。

    理不尽な罪で人を裁いていく将校。道徳や倫理観はさておき、自らの使命?のようなものから、その任務を遂行していく。ある時にはそれが間違っていることと知りながら。

    人が生きるとはどういうことなのか。

    その他、解釈不能な内容、生き物が続々登場してくる。これはなんなのか、何から考えていけば良いのだろうか。それすらわからない。良い意味でしこりを残された作品。イッツ・カフカワールド!

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    2011年01月02日
  • 審判

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    カフカの描く不条理な世界。
    朝起きたらいきなり逮捕され、
    自分の罪状が明かされる事はなく、裁判での
    画策等に奔走する。無駄骨感がたまらない。

    立場が弱いくせに高慢な態度をとったり、
    ちょっと歩くとものすごく疲れてしまうキャラクターだったり。

    ボケが長いコントを見ているような気分になる。

    最後にしれっと死んでしまうのが面白い。

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    2009年10月07日
  • アメリカ

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    カフカにしては軽妙でわかりやすい描写と明るい展開で物語が進んでいく

    他と毛色が違いすぎる感があるからはっきりと言い切れないがカフカがカフカの文章力を越えたような仕上がり


    筋に乗せられてわくわくしちゃうんだけど「オクラホマ劇場」の不穏な桃源郷的設定と、「ニーガー」という偽名で潜んでいた孤独に気付かされる

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    2009年10月07日
  • 城

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    奇妙な村にやってきた主人公Kの物語。村に到着したKは、村を統治する伯爵の城との接触を試みるが、奇妙なことにどう苦心してもその試みが成功しない。それどころか、Kは次々に奇妙な人間たちのところへ巻き込まれていく。さらに、作品として未完なので私たちはKの行く末を知ることが出来ない。
    村でまかりとおる理屈が完全に不条理で、登場人物の思考経路がしばしば理解できない。だけど、それが妙に現実らしく思えるから不思議である。言葉が通じているから、一見するとKと村とは生活を共有できているかのようである。しかし、言葉以外の多くの部分において全く異なる了解を前提しているため、両者における言葉の共有はむしろ誤解の原因に

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    2009年10月04日
  • 城

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    邦題「城」。長いことかかったと思う。読み終わるまでに。2週間じゃ済まなかったはず。大体1日に調子いい時で20ページ程度で、学校の行きはほとんど寝てるので帰りにちょびちょびと。螺旋階段を昇っていく感じというよりかは、地下にずんずんと下っていく感じのような感触を読んでいると受ける。ふと気を抜くと何の話で、どうしてそうなったのか、そもそも誰が今話しているのか、さっぱりわからなくなる。煙に巻かれる。不思議。いくら読んでも物語を掴めない。掴めそうな気がしない。ひょいひょい逃げて行く。だから追いかける。筋がないわけではない。ある。けど、それは筋と言えるものではない。カフカは文学として異端の中の異端だと思う

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    2009年10月04日
  • カフカ寓話集

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    冒頭の「皇帝の使者」が秀逸。ビックになりたいけどどうしたらいいかわかんねえーって人がいたのね。そのなれない理由もそれなりにかってに解釈して。

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    2009年10月04日
  • カフカ寓話集

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    『掟の門』と『父の気がかり』がとてつもなく好きです。

    あたしのレビューなんて蛇足でしょう。ねぇ。

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    2009年10月04日
  • カフカ寓話集

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    大好きなカフカの寓話集です。同じく岩波から短編集も出ています。
    五行で完結する短編「使者」がお気に入りです。
    王になるか使者になるかという選択でみなが使者を志願したという話。五行しかないですが、結構深いと私は思っています。

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    2009年10月04日
  • 変身

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    最も印象的だったのは、語りの視点の変化。
    物語は彼(グレーゴル)視点で始まるが、
    彼の死から第三者的な視点へと移行する。
    死の苦悩や劇的な最期は描かれず、
    彼がその時何を思ったのかも明確には示されない。
    その空白が、かえって死を生々しく感じさせる。
    人の死は当人の内側ではなく、
    外側から処理されていくものなのだと
    突きつけられるようだった。

    父親が投げたリンゴの傷が死因であるという点も、
    美しく、象徴的。
    かつて家族を支えていたはずの息子が、
    父によって傷つけられ、徐々に衰弱していく。
    大黒柱だった彼よりも、
    父の威厳や家族の秩序が優先される構図は不気味で、
    家族という共同体の冷酷さを感じさ

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    2026年02月12日
  • 変身・断食芸人

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    何とも虚しき二本立て。この話をより現実的に置き換えると非常に恐ろしく、身につまされるような思いも感じられるような気がした。

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    2026年02月11日
  • 変身

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    役割を失った「個」と、残された家族の再生

    朝目覚めると巨大な毒虫になっていた、という不条理な設定から始まる物語。Audibleでの鑑賞において、背後に流れる時計の秒針の音は、本人の異変とは無関係に刻々と進む世界の残酷さを際立たせていた。

    ■社会的な役割と「うつ」の心理
    毒虫に変貌した直後、主人公グレゴールが真っ先に案じたのは自分の体ではなく「早く出社しなければ」という仕事への義務感であった。自分を二の次にして社会的な役割を優先する姿は、現代のうつ病を患う人の心理状態にも重なる。個人がどれほどの絶望の中にいても、社会や時間は何事もなかったかのように動き続けるという描写は、極めて冷徹である。

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    2026年02月01日
  • ポケットマスターピース01 カフカ

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    私にとって文学は、自分の感受性を鍛えてくれるもの。
    一読するだけでは説明の列挙でつまらないと感じてしまうが、解説や他者の感想を読むと、現実社会とのメタファーに気付けたり、「そういう意味だったのか」「この文章を読んでそういう風に感じる人がいるのか」と、自分の発想に無いもので予想もしていない角度から殴られる感覚が気持ちいい。

    この本は年齢や立場、読む時の自分の心情、誰に感情移入するか等で印象がガラッと変わる作品。
    読み手が「虫」を「病気」「無職」「介護」「鬱」「依存」...何に置き換えるか。

    物語の根幹である「虫」について「どんな虫なのか」「どうして虫になってしまったのか」あえて説明しないこと

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    2026年02月01日
  • 変身

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    ある日起きたら自分の姿が虫になっていた…

    有名な小説でずっと気になっていたのをやっと読んだ。
    長い解説が入っていてカフカの事が詳しく書かれていて面白かった。
    訳す人によっても文章が違うのでいろんな人の訳した本を読んで違いを見るのも面白いかもしれない。

    さて主人公が変身した虫がなんの虫かは読んだ人によって違うと知り面白いなあと思った。

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    2026年01月19日
  • 変身

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    ネタバレ

    有名どころなので読んどくかと思い。
    虫になって段々と体の能力や嗜好も虫化していくところが、気持ち悪くて悲しかった。
    また、分かり合えない家族との距離も切なかった。
    もう一方の主人公はグレゴール自身ではなく家族だったのかもしれないと最後の展開を読んで感じた。

    あとカフカが恋人に毎日長文の手紙(調子いい時は複数通)送りつけて、数日返信なければ電報を打ち、すぐ他の女にもなびくというメンヘラ気質だったと知り、やはりこういう作品は一般人より感覚が繊細過ぎて病んでるくらいの人が書けるんだろうな〜と思った。

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    2026年01月17日
  • 変身

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    一家の稼ぎ頭として家族を支えていた青年 ザムザは、一夜にして人間から巨大な毒虫へと化してしまった。
    虫という姿形になったことで彼の姿を見た途端に母親は失神、父親は彼を追い払う。唯一 彼のことを気にかけていた妹もやがて態度を変えていく。

    私の中でザムザは体調150cmほどの大きな大きなダンゴ虫のイメージ(これはカフカがイメージしている虫とは大きく異なるかもしれない)。
    家族の1人がある朝 突然、巨大なダンゴ虫になっていたら私はどうするだろう。私は虫が怖いし嫌いだ。そんな苦手な虫になった家族とどう接すれば良いのだろう。彼の母親と同じように失神してしまうかもしれない。

    人を見た目で差別したり判断

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    2025年12月28日