フランツ・カフカのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最近はどうしても技術書ばかり読んでしまい、そうではないジャンルの読書ができていない自覚があり購入しました。本書はカフカの小説が4編載っている書籍なので、各短編ごとの感想を書いておきます。なお、本感想執筆者は文学を鑑賞する才能に乏しく、感想が的外れであったり誤読に基づくコメントをする可能性があります。
◇『判決』
自分のことを中心に考えていて他人への関心や気配りの薄い人間の描写が妙にリアルです。現代の感覚からすると死に値するほど不義理な主人公であるとも感じませんが、いずれにしても自分が周囲の人間に対してどのようにコミュニケーションをとっているのか身につまされるような小説です。
◇『変身』
有名な作品ですし、読むのも2回目だろうと思います。人間が虫になってしまうという非現実的な現象と、そのことに向き合う家族たちの妙に現実的なふるまいのギャップに脳が混乱します。主人公の考え方がどんどん虫に寄っていく(異質になる)のもゆるやかな恐怖を感じます。主人公が死んだとたんに事態が好転し雰囲気が明るくなる描写も、思えば怖いほどさわやかです。それはそれとして、「馬鹿でかい虫」をすぐに片づけた家政婦の逞しさに少し笑ってしまいました。
◇『アカデミーで報告する』
しゃべりは流暢で自然ですが、ところどころに人間とは異なる価値観や無理のある過去の解釈が多い状態です。ズレの違和感を楽しむ小説かもしれません。
◇『掟の前で』
短いし何が何やらわかりません。あるいは丁寧に読むと読み取れることがあるのかもしれません。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ不条理文学というのを初めて読んでみました。
どちらもすごく面白かった。
毒虫:
起きたらばかでかい毒虫になってるの、普通はなんで!?ってなりそうなところですが、主人公は特に疑問も無しに受け入れてるの面白い。
家族も主人公が毒虫になったことを受け入れていてすごい(笑)
私なら主人公が毒虫に食べられたのかなと思って退治してしまいそう。
家族のために働いてきたのに、変身して毒虫になってから、気を遣われ、どんどん扱いが酷くなっていくの可哀想すぎる...でも、毒虫と共に住む家族の立場になると、仕方の無い扱いだよなあとも思います。
断食芸人:
かなり短かったけど面白い。
断食芸人ってほんとにいたっけ?ってぐらいリアルな設定!流行が去って、人権的にどうなんだ?と世間的に痛い目で見られて人気が無くなるところもリアルだ。皮肉の効いたオチも最高です。 -
Posted by ブクログ
チェコに行くことになった!ので手に取った、はじめてのカフカ。
どうしてこんな発想ができるのかしら、と思う。
「アカデミーで報告する」なんて現代のSFのよう。猿の惑星を思い出す。
「変身」では、次第に虫としての行動を取り始める主人公、当初は虫となった兄を気遣うものの、最終的には一緒には暮らしていけないと明言する妹など、登場人物の心境の移り変わりが、悲劇的でも批判的でもなく、当然のことのように描かれる。
そしてところどころのワンセンテンスの中にさりげなくユーモアが交えられる。
カフカは取っ付きにくい印象があるものの、楽しく読めたので、原文からかなり意訳されてるのかなあと思っていたところ、役者あとがきでそうではないこともわかりなんだかうれしかった。
むしろあとがきも本編と同じくらい面白かった。
丘沢静也さんの他の訳書も読んでみようと思わされました。 -
Posted by ブクログ
不条理というカテゴリーが適切かどうかという疑問はあるけれど、やはりカフカはおもしろい。
カフカ本人がモデルであろうKが、ある日突然訴訟に巻き込まれる。わけのわからないまま、Kは現実に対応しようとするが、そもそも理屈のわからないではじまった事態に、現実的に対応できるわけもない。
大雑把な骨組みをみると、これは「変身」や「城」にも似た構造なのがわかる。
カフカにとって現実は得体の知れない不気味なものだったのかもしれない。
彼の文学は個人的なものであったが、たくさんの人に受け入れられている。
人は現実にたいして、得体の知れない脅威を感じるものなのだろう。それはおもに、自分と違う人間で、自分を攻撃したり、排除しようとする人間たちにたいしてだ。
カフカはきっと、そんな現実にたいして抵抗を試み、徒労感、敗北感を覚えたのだろう。しかし、彼の文学を愛する人々は、残された作品に触れて、心地よい鬱とでも呼びたいメランコリックな空気に包まれて、思い通りにはいかない現実から束の間の休息を得るのだ。 -
Posted by ブクログ
ゲーテのポジティブさと、カフカのネガティブさに大きなギャップがあって面白かった。
ゲーテにおいては、ここまでプラスな考え事ができて本当にすごいなと思った。身長も187センチあって、身分も高くて、色々な学問に精通していて。現代にいたとしても超モテモテだと思う。
ゲーテの生き方をみて、色々なものを手に入れられたら本当に幸せなんだろうかと考えさせられた。
ゲーテは83歳くらいまで生きたらしい。人生の過程で、兄弟や奥さん、親友を亡くすという悲しい出来事を経験している。周りの人が亡くなるのを体験すること以上に悲しくなることはないと思う。だから、人生がある程度順調にいっても、本当に辛いことは誰でも起きるんだなと思った。 -
Posted by ブクログ
今日6月3日はカフカの命日ですね。
カフカ寓話集の題名に成っていますが、他に短編集の題名の作品が有るのであえてこの題名にされたとの事でした。
小品を中心に30話収録されています。
カフカは妹さんの下宿に転がり込んで創作に明け暮れたそうですが、書いては捨てるの繰り返しで、しっかり物の妹さんがカフカの捨てたものを拾っては隠し持っていたそうです。そのお陰で後世の我々がカフカの作品に浸れるからありがたい事ですね。
この本にカフカの絵が紹介されています。カフカは友人にも自分の作品を焼却するように依頼したそうですが、しっかり物の友人にも感謝ですね。
カフカの作品が後世の作家さんにもかなりの影響を与えた事を知るよしも無く世を去ったことは残念ですが、カフカの作品に目を通す機会になれば幸いです。 -
購入済み
世間との隔絶
ロビンソンクルーソーにしても、巣穴にしても、断食芸人にしても、世間との隔絶から自己の内面を追求せざるを得ない筆者の苦悩が表れてきているように思った。自分を理解してくれる人に囲まれているなら、これらの作品は生まれるはずがない。