フランツ・カフカのレビュー一覧

  • カフカ寓話集

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    今日6月3日はカフカの命日ですね。
    カフカ寓話集の題名に成っていますが、他に短編集の題名の作品が有るのであえてこの題名にされたとの事でした。
    小品を中心に30話収録されています。
    カフカは妹さんの下宿に転がり込んで創作に明け暮れたそうですが、書いては捨てるの繰り返しで、しっかり物の妹さんがカフカの捨てたものを拾っては隠し持っていたそうです。そのお陰で後世の我々がカフカの作品に浸れるからありがたい事ですね。
    この本にカフカの絵が紹介されています。カフカは友人にも自分の作品を焼却するように依頼したそうですが、しっかり物の友人にも感謝ですね。
    カフカの作品が後世の作家さんにもかなりの影響を与えた事を

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    2022年06月03日
  • 変身/掟の前で 他2編

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    「判決」「変身」「アカデミーで報告する」「掟の前で」のカフカ作品4篇が収録されています。

    東野圭吾さんの「変身」という作品を読んで、同じ題名の名作を読んでみようと思い読みました。カフカの「変身」は家族の邪魔になる事を虫になるという比喩を用いて表現した作品でした。虫となったグレゴールに対する家族の気遣いや扱い方にもどかしさを感じると同時に、家からいなくなると家族が晴れやかになる結末は、後味が悪い印象ではありましたが、現実にある問題を色濃く表した名作だと思いました。

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    2021年12月30日
  • カフカ寓話集

    購入済み

    世間との隔絶

    ロビンソンクルーソーにしても、巣穴にしても、断食芸人にしても、世間との隔絶から自己の内面を追求せざるを得ない筆者の苦悩が表れてきているように思った。自分を理解してくれる人に囲まれているなら、これらの作品は生まれるはずがない。

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    2021年11月18日
  • 変身・断食芸人

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    昔読んだときは思わなかったけれど、カフカさんの話って太宰治に通じるものがある。
    昔は心理学的考察が云々なんて身構えて読んだ『変身』も実はブラック・ユーモアなお話だったんだね。

    ここに収録されていた『変身』のザムザさんも『断食芸人』の芸人さんも最期は自分の死を受け入れている。
    しかし、その受容は他者である読者からすると「それでいいの?」と感じるもので、その感情から読者は自分が亡くなるときのことを考える。

    結局は納得して死を迎えられることは他人がどう思おうと幸せなことなのでは…って気がする。
    上を見過ぎてもキリがないし。
    2編とも奥深い話だな…と少し大人になった今は思いました。
    訳も良かったと

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    2021年10月10日
  • 変身・断食芸人

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    これはハッピーエンドなのかバッドエンドなのか。
    もし明日自分がグレゴールのような不条理に遭ったらどうしよう。

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    2021年07月14日
  • 家のあるじとして気になること

    ネタバレ 購入済み

    短編ながら

    ほんの数ページの超短編だけど面白い
    オドラデクの形容について頭の中でいろいろと想像してみるけれど、垂直辺りから断念。生き物?木?
    あれ?動くんだ?おやおや、しゃべれるんだ!みたいにボクの心を揺さぶられるのがとても楽しい

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    2021年03月02日
  • ある流刑地の話

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    高校時代、現代文の教科書に載っていた「掟」。
    改めて読み直すと、ひたすら放置されていた旅人が、掟の門の中に入れないこと、番人との不毛な、やりとり、これらが「社会性って何?」と、各人に問われているように読めてしまう。
    私は進んで掟の中に入るタイプではない。

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    2021年02月09日
  • 変身/掟の前で 他2編

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    頭木さんの「みすず」の連載「咬んだり刺したりするカフカの『変身』」がすごく面白くて、でも、まだ本体をちゃんと読んだことないよなと思い(恥)とっつきやすそうなこの訳で。

    しかし、初心者にはもしかして、この訳、軽すぎるのかも? と感じました。ところどころ、コミカルさの表現が唐突に感じられたり。もちろん、原文が読めないのでなんともいえないのだけど。
    なので、別の訳でも読んでみよう。とりあえず池内紀さんの訳で、別の短編集を読む予定。

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    2020年10月12日
  • カフカ寓話集

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    ネタバレ

    掌編から短編まで計30作品。どの話も、カフカの姿がぼんやり浮かんでは溶け込む感じ。私の中で、特にその感覚が強かったのは「ポセイドン」。デスクワークする神というのも、それはそれで想像すると愉快。一番長い話は「巣穴」。アナグマなのかなんなのか。勝手に適当な動物を想像しながら、つくった巣穴に対する持ち主の考えを追う。ときおり挟まるカフカ直筆絵も突出した感性が滲み出ているようで、味わい深い小説集でした。

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    2021年08月13日
  • 変身・断食芸人

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    原書名:Die Verwandlung/Ein Hungerkunstler

    変身
    断食芸人

    著者:フランツ・カフカ(Kafka, Franz, 1883-1924、チェコ・プラハ、小説家)
    訳者:山下肇(1920-2008、目黒区、ドイツ文学)、山下萬里(1948-、ドイツ文学)

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    2019年11月14日
  • 希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話

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    ポジティブなゲーテとネガティブなカフカの対照的な名言を集めた本。明るさも暗さも突き抜けてるからこそ心地よい。自分の気持ちがどちら側に寄っているかで響くものが違う。人生に立ち止まりたいと感じたら何度も読み返したい一冊

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    2019年03月31日
  • 変身・断食芸人

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    ネタバレ

    ある日突然虫になってしまったザムザ。
    そのあと戻れるというふうなハッピーエンドにもっていくことも、もっと残酷な仕打ちで終わらせることもできただろうけど、淡々とザムザが死んで、ザムザが必死で支えてきた家族はザムザが死んでくれて喜ぶという流れになっていてすごくリアルな感じがした。
    虫になるというとファンタジーすぎて一瞬ピンとこないけど、これが仕事をバリバリしてて家族から頼られてたのに病気なり怪我なりで働けなくなり家族に今度は面倒をかける側になってしまった
    …と考えるとゾッとする。
    これは結構あることで、自分も自分の身の回りにもいつ起きるか分からないことだから。

    断食芸人も、人に理解されないまま自

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    2019年01月21日
  • 変身/掟の前で 他2編

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    ネタバレ

    クンデラを読んだからか。
    カフカが読みたくなって、古典新訳文庫からこれを探す。

    変身は、昔、新潮ので読んだつもりでいたけど、どうやら一章しか読んでなかったんじゃないかな?二章、三章は記憶になかった。

    これは何の話なのか?
    読んだ誰しもが繰り返し考えてきたのだけども、さてしかし実際、何の話なのだ。

    それぞれのそのときそのときの背景とアナロジーされるのだろう。不条理?んー、というよりも象徴っぽさなのでは?
    構造的なのかもしれない
    「これを自分の環境に置き換えると、、、」
    そこに自分を取り巻く構造が見えてくる。

    好きじゃないのは、死を用いること。死は物語を途端に全部過去にしてしまい、どうでも

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    2019年01月08日
  • 変身/掟の前で 他2編

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    判決
    変身
    アカデミーで報告する
    掟の前で

    の4編を収録。

    カフカの作品といえば、面白くないという印象がある。
    作品の内容は、わけの分からない状況に置かれた主人公が右往左往するのを淡々と描くだけなので、読んでいるこちらも訳が分からす、それが延々と続くので、ただ退屈なだけ。
    評論家はとそれを不条理とかなんとか難しいことを言って高く評価しているけれど、やっぱりただ退屈なだけ。
    あまり読みたくない作家だ。

    しかし、そういうカフカ像を産むに至ったのは、どうやら原典の編集段階に問題があったらしく、また、日本訳にもいろいろ問題があったらしい。

    「史的批判版」に基づく本書は、カフカのそんなイメージを

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    2018年09月18日
  • 絶望名人カフカの人生論

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    カフカのような人でもこんな事を考えるんだなぁと驚いた反面、カフカその人に対して興味を抱いた。機会があれば作品を読んでみようと思う。

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    2018年08月28日
  • 絶望名人カフカの人生論

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    ネタバレ

    *「いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです」これは20世紀最大の文豪、カフカの言葉。日記やノート、手紙にはこんな自虐や愚痴が満載。彼のネガティブな、本音の言葉を集めたのがこの本です。悲惨な言葉ばかりですが、思わず笑ってしまったり、逆に勇気付けられたり、なぜか元気をもらえます。誰よりも落ち込み、誰よりも弱音をはいた、巨人カフカの元気がでる名言集*

    「将来にむかって歩くことは僕にはできません。将来にむかってつまずくこと、これはできます。いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです。」
    って、もう振り切り過ぎでしょ!

    ネガティブなのに、何故か可笑しくて、共鳴してしまうカフカの名

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    2018年03月01日
  • 変身

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    ネタバレ

    学生時代、半分まで読みながら、
    雨にぬれてボロボロになり捨ててしまったカフカ『変身』を再読しました。

    朝、起きたら一匹の気持ちの悪い虫に変身してた男の話。
    これはなんの寓意があるのか?
    といろいろ考えてしまいますが、
    要はその、虫になった、というファンタジックな部分が鍵で、
    あとはオートマチックのように筆が滑って
    できあがっていく物語のように思えました。

    なぜ、足が無数に生えた気持ちの悪い虫なのか。
    『変身』が本になるときには、
    カフカは虫そのものを表紙に描いてはいけない、と
    出版社に急いで手紙を出して表紙絵の案を先読みして
    拒否していたようです。
    なぜ?なのか。
    僕の解釈だと、ファンタジ

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    2025年07月13日
  • アメリカ

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    審判、城に続く、孤独三部作。
    審判や城では、手探りで何も見えない大きな機構や仕組みに取り残された、閉鎖空間に閉じ込められた叫びが感じられた。その一方で、このアメリカは、そういうところから離れてどこかのびのびとしているような気がする。
    どちらかと言えば、偶然に偶然が重なって、システムの中を漂流し続けなければならない、そういった類のものであると感じられる。行く先々で、システムに溶けこもうとするも、ちょっとした縺れからすぐに異分子として爪はじきにされてしまう。どこまでいっても、この広大なアメリカという土地では、カールは異邦人でしかない。
    転々としていくだけでは、おそらく書いていて辿りつく場所が見えな

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    2017年01月22日
  • 絶望名人カフカの人生論

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    一回りして面白いとあったが、まさにその通りの本。
    ほんとうに生き辛い人だったに違いない、と断じていいものか迷うがおそらくそうだっただろう。

    しかしながら、生涯独身で病気で早死にしたカフカよりも
    もっとずっと色々欠けている(私含め)人だっているぞ!
    と思いながら読んだ。
    (厳格な親だが裕福な家に育ち、婚約を3回もでき、つかの間の恋人もいて、社会と完全な断絶もしていないで、なにが絶望だコノヤローとも思った)

    ばっさり切り捨てるなら、ただ甘い。

    でもその甘さをあのように惨めなほどに吐露する能力は素晴らしい。そして、彼の作品もけっこう好きだったりする。
    世の中は簡単ではない。

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    2016年10月03日
  • カフカ寓話集

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    カフカの残した30の寓話。そもそもカフカの作品は寓話なのだから前出の「カフカ短編集」と対を成す必要もないだろうと感じたが、なるほど本作は寓話性が高い。

    孤高の作家カフカ。謙虚な作家カフカ。

    そんなイメージを持っていた。

    しかし、池内氏の解説にあるように虎視眈々と己の時代がやってくることを待っていた、野心家カフカという視点は一考に値する。
    野心家としての視点をもってしても楽しみが変化する作品群で、カフカのベールが未だ謎に包まれていることを感じさせる。

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    2016年08月27日