フランツ・カフカのレビュー一覧

  • 変身
    伊集院光さんの『名著の話』がとても良くて、改めてこちらを手に取った。100分de名著の講師をされていた研究者による新訳。充実の解説がうれしい!
  • 変身/掟の前で 他2編
    「判決」「変身」「アカデミーで報告する」「掟の前で」のカフカ作品4篇が収録されています。

    東野圭吾さんの「変身」という作品を読んで、同じ題名の名作を読んでみようと思い読みました。カフカの「変身」は家族の邪魔になる事を虫になるという比喩を用いて表現した作品でした。虫となったグレゴールに対する家族の気...続きを読む
  • カフカ寓話集

    世間との隔絶

    ロビンソンクルーソーにしても、巣穴にしても、断食芸人にしても、世間との隔絶から自己の内面を追求せざるを得ない筆者の苦悩が表れてきているように思った。自分を理解してくれる人に囲まれているなら、これらの作品は生まれるはずがない。
  • 変身・断食芸人
    昔読んだときは思わなかったけれど、カフカさんの話って太宰治に通じるものがある。
    昔は心理学的考察が云々なんて身構えて読んだ『変身』も実はブラック・ユーモアなお話だったんだね。

    ここに収録されていた『変身』のザムザさんも『断食芸人』の芸人さんも最期は自分の死を受け入れている。
    しかし、その受容は他者...続きを読む
  • 変身・断食芸人
    これはハッピーエンドなのかバッドエンドなのか。
    もし明日自分がグレゴールのような不条理に遭ったらどうしよう。
  • 家のあるじとして気になること

    短編ながら

    ほんの数ページの超短編だけど面白い
    オドラデクの形容について頭の中でいろいろと想像してみるけれど、垂直辺りから断念。生き物?木?
    あれ?動くんだ?おやおや、しゃべれるんだ!みたいにボクの心を揺さぶられるのがとても楽しい
  • ある流刑地の話
    高校時代、現代文の教科書に載っていた「掟」。
    改めて読み直すと、ひたすら放置されていた旅人が、掟の門の中に入れないこと、番人との不毛な、やりとり、これらが「社会性って何?」と、各人に問われているように読めてしまう。
    私は進んで掟の中に入るタイプではない。
  • 変身/掟の前で 他2編
    頭木さんの「みすず」の連載「咬んだり刺したりするカフカの『変身』」がすごく面白くて、でも、まだ本体をちゃんと読んだことないよなと思い(恥)とっつきやすそうなこの訳で。

    しかし、初心者にはもしかして、この訳、軽すぎるのかも? と感じました。ところどころ、コミカルさの表現が唐突に感じられたり。もちろ...続きを読む
  • カフカ寓話集
    掌編から短編まで計30作品。どの話も、カフカの姿がぼんやり浮かんでは溶け込む感じ。私の中で、特にその感覚が強かったのは「ポセイドン」。デスクワークする神というのも、それはそれで想像すると愉快。一番長い話は「巣穴」。アナグマなのかなんなのか。勝手に適当な動物を想像しながら、つくった巣穴に対する持ち主の...続きを読む
  • 変身・断食芸人
    原書名:Die Verwandlung/Ein Hungerkunstler

    変身
    断食芸人

    著者:フランツ・カフカ(Kafka, Franz, 1883-1924、チェコ・プラハ、小説家)
    訳者:山下肇(1920-2008、目黒区、ドイツ文学)、山下萬里(1948-、ドイツ文学)
  • 希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話
    ポジティブなゲーテとネガティブなカフカの対照的な名言を集めた本。明るさも暗さも突き抜けてるからこそ心地よい。自分の気持ちがどちら側に寄っているかで響くものが違う。人生に立ち止まりたいと感じたら何度も読み返したい一冊
  • 変身・断食芸人
    ある日突然虫になってしまったザムザ。
    そのあと戻れるというふうなハッピーエンドにもっていくことも、もっと残酷な仕打ちで終わらせることもできただろうけど、淡々とザムザが死んで、ザムザが必死で支えてきた家族はザムザが死んでくれて喜ぶという流れになっていてすごくリアルな感じがした。
    虫になるというとファン...続きを読む
  • 変身/掟の前で 他2編
    クンデラを読んだからか。
    カフカが読みたくなって、古典新訳文庫からこれを探す。

    変身は、昔、新潮ので読んだつもりでいたけど、どうやら一章しか読んでなかったんじゃないかな?二章、三章は記憶になかった。

    これは何の話なのか?
    読んだ誰しもが繰り返し考えてきたのだけども、さてしかし実際、何の話なのだ。...続きを読む
  • 変身/掟の前で 他2編
    判決
    変身
    アカデミーで報告する
    掟の前で

    の4編を収録。

    カフカの作品といえば、面白くないという印象がある。
    作品の内容は、わけの分からない状況に置かれた主人公が右往左往するのを淡々と描くだけなので、読んでいるこちらも訳が分からす、それが延々と続くので、ただ退屈なだけ。
    評論家はとそれを不条理...続きを読む
  • 絶望名人カフカの人生論
    カフカのような人でもこんな事を考えるんだなぁと驚いた反面、カフカその人に対して興味を抱いた。機会があれば作品を読んでみようと思う。
  • 絶望名人カフカの人生論
    *「いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです」これは20世紀最大の文豪、カフカの言葉。日記やノート、手紙にはこんな自虐や愚痴が満載。彼のネガティブな、本音の言葉を集めたのがこの本です。悲惨な言葉ばかりですが、思わず笑ってしまったり、逆に勇気付けられたり、なぜか元気をもらえます。誰よりも落ち...続きを読む
  • アメリカ
    審判、城に続く、孤独三部作。
    審判や城では、手探りで何も見えない大きな機構や仕組みに取り残された、閉鎖空間に閉じ込められた叫びが感じられた。その一方で、このアメリカは、そういうところから離れてどこかのびのびとしているような気がする。
    どちらかと言えば、偶然に偶然が重なって、システムの中を漂流し続けな...続きを読む
  • 絶望名人カフカの人生論
    一回りして面白いとあったが、まさにその通りの本。
    ほんとうに生き辛い人だったに違いない、と断じていいものか迷うがおそらくそうだっただろう。

    しかしながら、生涯独身で病気で早死にしたカフカよりも
    もっとずっと色々欠けている(私含め)人だっているぞ!
    と思いながら読んだ。
    (厳格な親だが裕福な家に育ち...続きを読む
  • カフカ寓話集
    カフカの残した30の寓話。そもそもカフカの作品は寓話なのだから前出の「カフカ短編集」と対を成す必要もないだろうと感じたが、なるほど本作は寓話性が高い。

    孤高の作家カフカ。謙虚な作家カフカ。

    そんなイメージを持っていた。

    しかし、池内氏の解説にあるように虎視眈々と己の時代がやってくることを待って...続きを読む
  • 絶望名人カフカの人生論
    絶望名人カフカの人生論
    カフカの人生と共に語る「絶望の名言集」。
    自分の将来、世の中、身体、親、学校、結婚、食べ物から睡眠までカフカは日常のあらゆる事に絶望していた。勿論、彼の言葉が本心なのかどうかは誰にも分らないが、彼が書いたものにはネガティブな言葉しか並んでいない。小説同様、日記や手紙、ラブレタ...続きを読む