フランツ・カフカのレビュー一覧

  • 変身

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    一体何に例え書かれた物語なのだろうか。そう想像しながら。

    あくまで翻訳を見ていたので原本の表記は分からないが、ラストシーンにて家族が客観的な描写をされていたのが印象的だった。

    ああ、家族は虫から解放されて新たな世界を創りはじめるのだなと。

    それにしても怖いことは、良くも悪くも自身の変化が周囲に大きな影響力を及ぼすということである。

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    2025年08月17日
  • 変身

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    ネタバレ

    朝、目を覚ますと、自分が巨大な虫になっていた――。有名なこの冒頭から始まる本作は、主人公グレゴール・ザムザの肉体的な「変身」を通して、彼を取り巻く社会、とりわけ家族という最も親密な共同体の冷酷な変容を、圧倒的な筆致で描き出した文学作品です。

     物語の主人公は、変わり果てた姿になってもなお、人間としての意識を保ち続けます。しかし、言葉は通じず、家族との意思疎通も叶わず、彼は徐々に「家族の一員」から「異物」へと扱いが変わっていきます。とりわけ悲痛なのは、家族が彼を“すでに死んだ者”として受け入れ、そして前を向いて生きようと決意していくその過程です。
    彼を切り捨てた事で、精神的に自立していく家族達

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    2025年08月01日
  • 変身

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    ある朝目が覚めると、自分が巨大な虫に変わってしまったことに気付く。理由も経緯も分からないまま始まり、ある種淡々と受け入れて物語は進んでいく。「人は外見でなく中身だ」という言葉があるが、外見が全く変わってしまうことで家族関係や生活は一変していく。奇妙さと残酷な真実が同居した物語。

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    2025年07月26日
  • 変身

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    夏休み読書として、今更ながら古典を読んだ。

    変身の面白さは、人間の存在の不条理さ、孤独、そして不可解さを描くことで、読み手に対し様々な解釈の余地を与えることだと思った。

    特に、現代人が感じる疎外感や孤独を象徴していると解釈できるシーンや、外見の変化によって自己認識が揺らぐ経験は、現代人にも共感される部分があると感じた。

    この作品は、単なる物理的な変身だけでなく、自己の変容や社会の変化をメタファーとして描いていると解釈もしましたがどうなんでしょう。合理性の限界や訳の分からない状況などは今も感じる部分はあり、令和になっても変身は考えさせられる作品だと勝手に感じた。

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    2025年07月23日
  • カフカ断片集―海辺の貝殻のようにうつろで、ひと足でふみつぶされそうだ―(新潮文庫)

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    カフカの断片。
    短編ではない。
    ネタ帳から引っ張り出してきたような、とりあえず思いついたのを書き留めたようなものがいっぱい。
    しかし中はほぼネガティブ満載のフレーズ。
    なんというか、できるのにやろうとしない感の言葉が多いなあ。
    と言いつつも何言ってるかよくわからんものがほとんどです。
    彼自身が描いた落書きも載ってます。

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    2025年06月09日
  • 変身

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    ネタバレ

    グレーゴルが虫になってしまったという出来事そのものよりも、疎ましい存在に変わってしまったものへの周囲の態度、そしてグレーゴルがいなければ成り立たないと思われていた生活がグレーゴルなしでも成り立つことが分かってしまっただけではなく、そもそもグレーゴルが与えていたものが重荷だったんだと気付いてしまうこと。そこが恐ろしかった。

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    2025年05月31日
  • 変身

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    現代に置き換えると虫は介護のメタファーなのかなと思った。グレゴールは息子だけども。
    あとがきを読むとカフカはどういう解釈とも取れる余地を残しているようですが。

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    2025年05月30日
  • 変身/掟の前で 他2編

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    世界的文学作家、カフカの史的批判版。実は初めてカフカを読んだ初心者だ。独特の世界観を持つ天才作家というふわっとしたイメージで読んだが、海外作品で且つ、古典となると日本人の感覚としては読みづらい。きっと初心者が読むならこの作家というセオリーはあったに違いない。それでも引き込まれる部分があったのはカフカという作家が書く文章に力があったからに違いない。最後の解説や訳者あとがきを読むことで違った解釈を得ることができたため、読み深めていく作品なのだと解釈した。現時点では3つ星だが、読者のレベルを高めてくれる著書。次回読んだ時に星が増えるのか否かを楽しみたい。

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    2025年05月29日
  • 変身

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    不思議な小説だった。夢を見ているような感じ。
    ある朝起きたら虫になっていたグルーゴルとその家族の日常について、淡々と語られていく。最後まで、なぜグレーゴルが虫になってしまったかについて、本人も家族も全く追求しない。さらに、グルーゴルは虫になったことを受け止めているような態度、振る舞いさえ読み取れる。家族は、虫がグルーゴルであることを途中まで疑わず、世話のようなことさえする。なのに、最後にグルーゴルが死ぬと、悲しみよりも解放感や嬉しさが勝っているようにみえる。果たして何かのメッセージがあったのか?グルーゴルの虫としての日々と家族の極めて人間的な営みを対比させて、人間としての生活の逃避を描いている

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    2025年05月06日
  • カフカ俳句

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    カフカについての著書を複数手掛けておられる頭木弘樹さんの本の一つ。最近の新聞の書評でも取り上げられていた(見つけただけでニ紙も⁈)
    カフカの書いたものに見られる言葉のフレーズが、まるで自由律俳句のようであるとして、まとめられた一冊。
    見開きの右にカフカの言葉、左側に頭木さんのコメントなので、文章量としては多くないのだが、さっさと読んでしまうのは難しい。惜しい、もったいない。
    人によっては刺さらないかもしれない。心の中に重いものを抱えている人が、その言葉とリンクした時、思いがけなく世界が広がる感じ⁇ただ
    「快適だと何もせず、快適でないと何もできない」
    の一節は誰にでも心当たりがあるだろう。
    本当

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    2025年04月19日
  • 変身/掟の前で 他2編

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    設定だけは誰もが知る不条理作品である「変身」。筋書きは全く知らなかった。

    虫になった初日朝、アポありのセールス先への遅刻の心配をするところから始まり、徐々に視力やらが虫化し、そのうち家族からも疎んじられ、父親から林檎を投げ付けられたり、お手伝いさんに殺されそうになったり、とひたすら虫ケラ化していく。最後は、食事というかエサも貰えず餓死し、家族は開放感に酔う。

    描写を信じる限り、虫は、足多めの巨大ゴキブリ。虫の世話で生活に困窮した家族が間借り人を三人引き入れるも巨大ゴキブリを目にされて契約を破棄されたのは、そりゃそうだろう。

    もうひとつの表題作「掟の前で」は僅か3頁の掌篇ながら、名作と名高

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    2025年04月09日
  • 絶望名人カフカの人生論

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    カフカのユニークさは、圧倒的なネガティブに依拠するのかと改めて思い知らされる。

    ここまで極端でなくても、両親や人付き合い、仕事や恋愛に対して同様の思いを抱いたことはあるのではないか。個人的には特に、シャイなのに社交的(でありたい)という葛藤に人混みで苛まれるあのいたたまれない場面、親の呪詛は共感度高め。

    必要な本のカフカにおける定義も素敵。 
    目を覆いたくなるような残酷な真実に向き合いせざるを得なくさせる魅力が、本を読むことの意義なのだろう。
    久々にカフカ作品読んでみたくなったな。

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    2025年03月24日
  • カフカ俳句

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    カフカって、すごく親しみ深い人物って私は思っていて、
    わかるわかるわかる!って共感しまくることがよくある。
    ひたすらネガティブなのが人間らしくていいのよね(⁠◍⁠•⁠ᴗ⁠•⁠◍⁠)

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    2025年03月15日
  • 変身

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    青年が忌み嫌われる虫に変化してしまう名著の極み
    外見が変わるだけで周りから煙たがられ、虚しく息を引きとるという現代社会を風刺したような暗く重い物語
    城といい、カフカの作品は読み終わると鬱々となる

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    2025年03月05日
  • カフカ断片集―海辺の貝殻のようにうつろで、ひと足でふみつぶされそうだ―(新潮文庫)

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    小説だとどうしても必要な状況説明や起承転結なんかが断片にはないため、作者の文章のサビだけを味わえる。贅沢。
    暗いんだけどどこか突き放すようなクールさもあって、よかった。

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    2025年02月19日
  • 変身

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    難しかった
    解説を読んでから、扉絵と本編におおおってなったな
    グレゴールのことばかり考えながら本を読んでたけど家族の気持ちになってもう一度読んでみたらもっと面白そう!

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    2025年01月21日
  • 変身/掟の前で 他2編

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    洋書の翻訳版は読みづらくて苦手と思っていたけど、意外とこれは読みやすくてすらすら読めた。起きたら虫になっているという衝撃なスタートだったけど、なかなか最後はなんとも言えない気持ちになった。

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    2025年01月11日
  • カフカ俳句

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    カフカを読んだことはないけれど、タイトルに惹かれ読んで見ました。こんなにカフカが暗かったとは。筋金入りの暗さとでも言うのでしょうか。それでも、そんな言葉に教えられ、響いてくるものがある。読んでみてはいかがでしょうか。

    一つだけ引用します。
    「すべてがつらく、不当だが、これでいい」
    10月から放映されていたドラマ「海に眠るダイヤモンド」の最終回を観た後に、この言葉を読んだ時に、この言葉はまさしくこのドラマの主人公哲平の思いに通じるものがあると思った。時折、この言葉を思い出す。

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    2024年12月31日
  • 変身

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    ネタバレ

    [ブログで紹介]
    ふと
    「新潮文庫の100冊」
    を読もうと思い立った、第三弾です。

    ネットオフの「タダ本1か月無料トライアルキャンペーン」で無料(送料のみ)で古本を入手しました。
    フランツ・カフカの小説は初めて読みました。


    【本書のポイント】
    まったく不可解な小説です。
    虫になった主人公と家族の関係が冷ややかで、最後にやりきれない思いになります。
    時代背景やカフカの家族関係を研究すれば、理解が深まるかもしれません。


    1.あらすじ(ネタバレを含みます)
    一人で家族を養っているセールスマン、グレーゴル・ザムザはある朝起きると虫になっていました。
    同居している家族、両親と娘はぞんざいに扱い

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    2025年08月12日
  • カフカ断片集―海辺の貝殻のようにうつろで、ひと足でふみつぶされそうだ―(新潮文庫)

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    「変身」以来。「審判」は積読中。
    『法の前に』は、カフカが感じた実際の法への失望なのかな?
    絶望、混乱、孤独、喪失、迷い、息苦しさ、生き苦しさの中、訳者がつけてくれたタイトルのおかげでちょっとファニーな雰囲気もある。おかしな本でした。

    〔失敗することさえできない〕 〔井戸〕
    〔隣人までの距離〕 〔道に迷う〕
    〔助けて!〕 〔何もわたしをとどめない〕
    〔灌木かんぼく〕 〔問いかけ〕
    〔道は無限〕 〔あいだの魚〕
    『コメント』 〔すべて無駄だった〕
    〔志願囚人〕 〔自分が生きていること〕
    〔自由とは〕 「プロメテウス」 〔沈黙〕
    ユーモア大賞は〔自分を建て直す〕かな。コサックダンスを踊るカフカを

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    2024年12月15日