フランツ・カフカのレビュー一覧

  • 決定版カフカ短編集(新潮文庫)

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    バベルの塔や万里の長城、なんならサグラダ・ファミリアもか、未完成の物の持つ真の意味を問う感じ。完成することが目的か、その過程が大事なのか、その事業に人々を向かわせることが目的か。

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    2026年09月23日
  • ある流刑地の話

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    ほとんど夢を見ているように読んだ。
    どの話も理路整然としたストーリーを期待していると最後まで読めない。
    だってわけがわからないんだもん。
    なんとなく世界観はどんよりとしているし。
    でも我慢して読み終わると、どこかしら話の「枠」があることに気づく。
    そしてその「枠」はシャープなナイフのように洗練されていて、指で触れようものならスパリと切られそうだ。
    その危うさに魅せられる。
    フランツ・カフカ。どんな人だったんだろうか。

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    2026年09月23日
  • 変身

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    再読すると、様々な視点で読めて面白い。
    不条理小説だが、ギバーの主人公のおかげで、テイカーだった家族たちが自活を出来るまで成長したのが救い。人によっては死ぬまでテイカーの人間もいる。

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    2026年09月22日
  • 変身

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    ネタバレ

    とても読みやすい翻訳でスラスラと読める。
    本の半分以上が解説で、本編はあっという間に読めてしまう。主人公はあっけなく死んでしまい、けっきょく突然虫になった理由もわからなかった。

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    2026年09月20日
  • 変身

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    ネタバレ

    正直、難解で読み手に委ねられる作品だった。
    私は、カフカは人間の関係性の究極の希薄さを描きたかったではないかと考えた。
    家族であってもその体裁によっては、急激に瓦解するような関係性であることがそのまま描写されている。「変身」では、今までグレゴールに養ってもらっていたのにも関わらず、最終的には家族3人でいた方が良かったかのように終わる。最初は歩み寄る姿勢があった娘でさえ、きっかけさえあれば放り出せとまで言ってのける。家族とは言いながらも、結局はその形に拘泥しているだけである。しかし、それが悪いとも思えない。恐ろしく、悲しく、どうしようもない気分になった。
    ユーモラスでありながら、不条理な絶望をこれでもかとありありと見せつけられた。
    少展開が少し躓く箇所があり、少し読みづらかった。

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    2026年09月11日
  • 絶望名人カフカの人生論

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    著者である頭木弘樹さんの、弱い者に寄り添うような穏やかな語り口が好きで、コロナ禍ぐらいからX(旧Twitter)をフォローしている。東日本大震災の直後だった本書の刊行当時、ネガティヴな言葉は禁句とされていて、「絶望」という言葉を目にしたくない、そんな本は手に取りたくもないとまで言われたそうだが、その後ベストセラーになった。

    人間って本当に辛いときは、ポジティブな励ましの言葉より、その心情に寄り添うようなネガティブな言葉や、力強い罵倒や悪口に救われることもある。私も断然そっち派だ。

    実際、悲しみや落ち込みから回復していくプロセスでは、いきなり前向きな言葉をかけるより、まずはネガティブな感情に寄り添い、それを受け止めたうえで、少しずつポジティブな方向へ気持ちを切り替えていくほうが効果的だ、という研究もあるらしい。

    カフカは、徹頭徹尾ネガティヴで自己肯定感が低く、自分と他人を比べては絶望し、自分の運命を呪い続ける。とりわけ父親への劣等感が強いようだ。結婚や子どもを持つことへの憧れが人一倍強く、幸運にも婚約してくれる相手がいたのに、自信のなさからマリッジ・ブルーを拗らせて、自らそのチャンスを手放してしまう。しかも三度も。

    自身の体型や、健康に対するこだわりも強い。痩せていることを気にしているのに、食べることを忌避し肉は食べない。健康のために酒やタバコもやらず、新鮮な空気を吸うために冬でも暖房もつけずに窓を開け放っていたという。そんな徹底した節制(?)にもかかわらず、34歳で結核を発症してしまい、40歳でその短い生涯を閉じた。

    興味深いのは、病気になったことに対して絶望するどころか逆に生き生きとして、長年悩まされた不眠も一時的に解消していることである。心理学の言葉では「疾病利得」と呼ぶそうだが、病気になることで仕事を休めたり、周囲に心配してもらえたり、「できない自分」でいることに言い訳ができるようになる。カフカはこれを最大限に享受したようだ。

    生前はほとんど無名だったカフカだが、彼の作品を後の世に遺そうと奔走した友人のおかげもあり、今では世界的巨匠としての評価をほしいままにしている。

    そのことを、絶望してばかりだったカフカに伝えたら、どんな反応をするだろうか?

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    2026年08月27日
  • カフカ俳句

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    実はカフカの作品はほとんど読んだことがない。老人と海は確か読んだくらい。何だかよく分からん作品だなと思って特に響かなかった。今回は店頭でちらっと見て面白そうだなと手に取った。俳句に興味があったのもある。面白い解釈というか俳句としてカフカの文章を紹介する形式なのだけれど、すごいびっくりするくらい後ろ向きな人だった(笑)こんな根暗な人います??逆に突き抜けすぎて感心してしまった。ネガティブな気持ちになったときは共感できそうだが。自分は結構明るい人間なんだなと思い知った。

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    2026年08月22日
  • 変身/掟の前で 他2編

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    『変身』
    プロセカ(25時、ナイトコードで。)きっかけでハマった【ザムザ(てにをは)】のモデルが『変身』の主人公・ザムザと知って、読んでみた。

    家族のために身を粉にして働いてきた主人公は、ある朝、目が覚めたら巨大な虫になっていた。
    怯えながらも献身的に世話をする妹と、病弱で繊細だけど心優しいお母さん。(あと、頑固な父親)
    お互いに適度な距離を取りながらひとつ屋根の下で暮らしていたが、じわじわと壊れていく「家族」。
    そして最後は…厄介ごとから解放されて晴れやかに未来へと歩き出す「家族」。

    もしも自分の家族が、ある日突然「醜い虫」になっていたら…同じように気持ち悪がって疎ましく思って、死を望んでしまうんだろうかと思うと、すごく切なく悲しい気持ちになった。

    他の作品は…ちょっと難しかった。
    100年以上、世界中で読まれ続けているのには理由があるはずだと思ってるけど、理解できなくて悔しい。

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    2026年08月17日
  • 変身/掟の前で 他2編

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    変身
    それまで家族を支えていたグレゴールが、働けなくなり、役に立たなくなった途端、家族から邪魔な存在として扱われていく。

    これはカフカ自身の人生とも重なっているように思えた。カフカは父親との関係に強い苦しみを抱えていたとされていて、「何ができるか」で人の価値が決められてしまい、自分の存在そのものを否定されているような感覚が、グレゴールの姿に重なっているのではないかと思った。

    グレゴールが「虫になった」というのは、カフカ自身が抱えていた自己否定や劣等感、つまり「自分は価値のない存在なのではないか」という感覚が投影されているのだと感じた。

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    2026年08月08日
  • 変身

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    突拍子のない展開にもかかわらず、心象を通した描写や世界観の映し出し方が統一されていて、その場にいる感覚になった。解説が豊富で、著者の生い立ちやほかの訳者にも触れられており、翻訳の世界の面白さも感じられた。

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    2026年08月07日
  • 変身

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    ネタバレ

    ある日、巨大な虫になってしまったグレゴール。
    会社で苦しい思いをしながらもがむしゃらに働いて家族を養ってきた彼が、目が覚めたら突然虫の姿になってしまい、家族にも避けられてしまうように。

    虫になっても仕事に行こうとする彼の姿勢には植え付けられた義務感を感じ、胸が痛くなった。
    そして人間時代のグレゴールに依存しきっていた家族はそれぞれ仕事を見つけ、自立していくようになり虫であるグレゴールの存在はどんどん“本物の虫けら”に。

    最後の解説でも記されていたが、変身ものは最後に姿が戻ったり変身した理由がわかったりするものだが、最後まで虫の姿で、そのまま生涯を終えてしまう。

    きわめて救いのない物語。社会から外れるというのがある意味救いと言われれば救いではあるけれど、虫になってからの孤独感は、人間であればできることである二足歩行で自由に動き回ることや、食事、そして人間関係を築くことができないことによって加速していく。
    不条理が描かれたこの物語は、感情移入こそしないものの、同種族でしか成り立たないこの世界について考えさせられた。普段こういう不条理な話には触れないが、読む機会を作れてよかった。本編は100ページほどなのでサクッと読めた。
    カフカの他の物語も読んでみたいと思った。

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    2026年07月12日
  • 変身

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    考察したり、解釈したり、メタファーだったり。そういうことを考えるのは苦手です。
    読んだままで理解します。

    芋虫になってからの、体の傷つく感じがリアルで切なかった。弱いんですよ。虫だから。皮膚が。
    気をつけてあげてーって思いながら読みました。

    妹と最後和解するのかと思いきや、見事に捨てられてしまうという。悲しい。
    それを納得してるし、足掻かないところも悲しい。

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    2026年07月12日
  • 変身

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    有名どころなので一度はと思い読破したが、どうだろう、そんなに名作といわれるほどの筆致かと言われるとちょっとわからない。もちろん奇抜な設定そのものは面白い案だと思うし、当時の文学界の常識に照らし合わせれば気を衒った話題作となるのも頷けるが、ありとあらゆるジャンルが次から次へと生まれている現代の視点から見ると、「そこまでか?」というのが正直なところ。

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    2026年06月27日
  • 変身

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    ネタバレ

    昔少し読んで内容に驚いた記憶。ちゃんと読めたのはじめて。変身してしまったグレーゴルへの態度の変わりよう。最初は良い方に進むかもしれないと僅かにも希望があったのに、最後には排除を願われる。家族の状況的にも仕方なかったのかもしれないけど、妹でさえもお世話しなくなったり、親は避けていたり、、態度の変わりようが悲しかった。

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    2026年06月19日
  • 変身

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    息子へ)
    久しぶりに文学小説を読んだ。

    朝起きると虫に変身してしまっていたサラリーマンと、
    その家族の話だ。

    とても奇妙で身の毛のよだつ話だ。
    さすがに文学小説だけあって、こんなに現実離れした話にもかかわらず、、「自分がこれに似た境遇になったら、、、、」と考えさせられる、、、。

    つまり、社会から脱落してしまったら、だ。

    本にもいろいろな種類がある。
    いろいろな方向から頭に刺激を与えるという意味で、この類の本も読むに値する。

    (お父さんの本の買い方)
    BOOKOFF \105
    (読め、もしくは、読むな)
    読みたければ読め!
    (君が・・・歳のころに)
    社会人になったら。

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    2026年06月08日
  • 変身

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    ネタバレ

    色々と考察しがいのある小説だけど、そんな深いことは考えずに読むと、もはや一周回って笑えてくる。
    以下個人的面白ポイント↓
    ・朝起きたら虫になっているというのに、やけに冷静で、仕事の心配ばかりしている主人公
    ・息子(兄)は虫になってしまったと信じて疑わない家族
    ・母が虫の全貌を見て死にかけてしまう
    ・なぜかリンゴ(かわいい)で攻撃する父→そしてそれが後々の致命傷
    ・爽やかなハッピーエンド感
    ・この話を笑いながら朗読したらしいカフカ
    色々とツッコミたくなる場面が多すぎる。

    比喩として読んでも考えさせられることが多く面白いし、そのまんまの話として読んでもシュールなブラックコメディで面白い。いろんな楽しみ方ができる小説。

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    2026年06月05日
  • カフカ断片集―海辺の貝殻のようにうつろで、ひと足でふみつぶされそうだ―(新潮文庫)

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    未完のメモの断片集

    学生ぶりのカフカ
    あの時に感じてた、どうしても社会に馴染めない絶望を感じることを肯定してくれるような弱さと絶望感が心地よい



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    2026年05月31日
  • 変身

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    ネタバレ

    グ、グレーゴル、ずっとかわいそ〜〜〜〜、いいのぉ?こんなかわいそうで…
    面白さより可哀想さのほうが勝ってしまった……

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    2026年05月08日
  • 変身

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    ネタバレ

    朝起きたら虫になってしまっているって展開は有名ですがはじめて読んでみました。虫になってからの描写がすごいですね。虫になった本人が考えるのが服の事とか仕事の事とかってのが奇妙な感じですよね。そして彼に対する家族の変化も怖いですね。『ある戦いの描写』はちょっとわかりにくい感じですね。両方とも何回か読み返さないと難しいですね。

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    2026年05月05日
  • 変身

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    有名な作品だったので、教養として。

    事務報告のように淡々と描写する乾いた文体。

    昨日まで一家の支柱だった主人公が虫になった途端に、家族は彼を「汚物」として扱い、最終的にその死を清々しく受け入れるが、そこに嫌悪感は感じなかった。
    主人公の境遇については理不尽だし哀れだと思うのだが、だからといって同情したり家族に怒ったりする気になれず、「人ってそんなものだよね」と納得してしまった。

    「人間の価値は、役に立つか立たないかで決まる」がテーマ?
    このテーマをどう受け取るか非常に悩ましい。そうだと言い切れるほどドライな世の中ではないと思うし、役に立たなくても全ての人間に価値があるなんて言えるほど私は優しくない。どちらかといえば同意する。特に金が絡めば、家族であろうとも役たたず=価値のない存在になると思うので。

    重い気分になりそうな話ではあるが、何かを学んだりするというより、理不尽な世界を覗き見てしまったな…という感覚が残る。

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    2026年05月03日