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この物語はまるで本物の誕生のように脂や粘液で蔽われてぼくのなかから生れてきた――。父親との対峙を描く「判決」、特殊な拷問器具に固執する士官の告白「流刑地にて」、檻の中での断食を見世物にする男の生涯を追う「断食芸人」。遺言で原稿の焼却を頼むほど自作への評価が厳しかったカフカだが、その中でも自己評価が高かったといえる15編を厳選。20世紀を代表する巨星カフカの決定版短編集。
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Posted by ブクログ
決定版カフカ短編集を読み終えましたが 理解できた作品とあまりできなかった作品があったのでもう一度はじめから読み始めました。 「判決」を読んで。 一度目は正直よくわからなかったので 二度目読んだ後の感想を。 私の考えすぎなのかもしれませんが、主人公ゲオルクの父親は息子を愛していたのかもしれないけれどそ...続きを読むの愛し方は息子を精神的に支配する愛し方だったのではないかと。 そういう愛し方を受けた子供が大人になり、親よりも力も強くなっても傍から見れば「なぜ言われたままなんだろう。自分の思うようにすればいいのに」と思うかも知れない。 でも支配し続けられた子供は成長して体は大人になっても自分ではどうすることもできない親のその目に見えない力に支配され続け縛られてしまう。 ゲオルクは父親に対して至らないところもあっただろうが、父親との会話の中で愛情は父親に向いている。 だが 父親は常に自分自身に愛情が向いている。 子供の傲慢でいかに不実であるかを罵り終えた後「だからお前によく言って聞かせるが、わたしはお前に対して、溺死の刑を宣告する!」父親は冷酷に息子に告げた。 そう告げられた後のゲオルクが 目に見えぬ自分ではどうしようも抗えない力によって自ら川に飛び降りた。 傍から見れば自ら飛び降りたとしか見えない。 でもそれはずっと心を父親の目には見えない強い支配力がそうさせたのだと。 ゲオルクは確かに傲慢で不実なところもあったのだろうけれども、父親の前で心のなかで気づきはじめている。 そんなゲオルクを許してくれたら その支配を止めてゲオルクを愛してくれたら ゲオルクは本当に幸せになれたのかもしれない。 そう強く感じました。 皆さんはこの作品を読んでどのようにお感じになられましたか。
すっごい才能だよなぁ。 カフカといえば誰もが知っている作家だと思うけど、『変身』しか読んだことなかった。15の作品が収められているけど、不条理で矛盾に満ちていて、何も解決していかない物語がほとんど。でも魅かれちゃう。すごいや。
万里の長城、流刑地は以前読んだ記憶がある。断食芸人の決然さ、強迫、孤立が、現在の熱狂に巻き込まれずに立っていられる一つの姿勢なのかと思われた。
なぜなのか、まったくわからないことが、ひとつ。今夏この僕が、フランツ・カフカを読んだのだ。不思議。この僕が?カフカの物語を?僕自身のことなのだけれど、さっぱり。以前の僕だったら、カフカなど最も縁遠い本だったろう。なぜ、この本を?いったいどんな風の吹き回しなのか。まったくもって不思議という言葉しか出て...続きを読むこない。 昨年末より、僕の読書習慣が再開した。きっかけは僕が好きだった俳優さんが、大の読書好きだと知ったから。彼女が薦める本や、彼女が出演した映画の原作などから読み始め、読書の虜になった次第。 彼女から影響を受けた本や著者以外の様々な本を僕自身、自らの意思で手に取ることに、今では何の躊躇も戸惑いもなく。それこそ、こんな僕が、カフカの本を手にするほどに。僕は、僕だけの読書の世界を揺蕩えども、決して沈まぬ術を見出した。きっかけをくれた彼女には心からの感謝を。有難う。もうこれからは、僕ひとりで大丈夫。 前回の“断片集”に続き、今回は“短編集”を。恥ずかしながらカフカを読んだのは、この二冊の新刊文庫本が初めてだった。書店に並び始めたのを見て、この上ない機会だと思った。入り口には立った。カフカの魅力も知った。一編一編を愛おしく思った。僕のごとき拙い読者には、うってつけの短編集でした。読みたい、知りたい本が、どんどん増えてゆく一方です。
去年の入院前後に、カフカの作品を再読したり、関連図書を読む機会があったので、短編も読みたくなっていた矢先にこの本を見つけました。 言葉で触発される感覚と風景の 不思議さと、怖さと 既視感…
思ったよりシリアスで一読しただけでは真意が掴みきれないけど、幾重にも思考が重なった重層的な物語のように感じた。 『流刑地にて』『断食芸人』では時代遅れの哀れみを感じ、『万里の長城』『掟の問題』では権力を骨抜きにするようなシニカルさを感じた。 万里の長城の建造など意外な題材を取り上げていたり、多様...続きを読むな観点があって掴みどころがないところも魅力ですね。 また時間が経てば読みたいいぶし銀のような短編集でした。
作品と解説をセットで読むのが熱い。編者の想いも熱い。カフカの人生そのものがエンタメだな~と思う。手紙や日記が面白いとされているのは、きっとそういうことだ。今のわたしには特別必要ではなかったけれど、常備薬のようにいつでも取り出せるようにしておきたい本。
むずい!変身とかはもう少し読みやすかった。短編だし、日常のひとコマを切り取ったような設定なので、状況やセリフが難解ということではなく、するする読むのだけど、だんだん自分がなにを読んでるのか分からなくなってくるという、、、急に幻想の話なのか?と思ったり。 解説を読んでからもう一度読むと、分かりかけるも...続きを読むのもあり。一番簡単に読めた「流刑地にて」は、いちばんエグかったです。 カフカはすごく評価されている作家ですが、わたしにはまだまだ経験値が足らんのか?でも、あと数回読んだら何か変わるのかもしれないという不思議な後ろ髪引かれ感は残っているのです、、、
「変身」すら未読なのに短編集を読むという。 それでも「判決」はカフカって感じの話なんだろうなと思った。客観的に読んでる感じでは、一人芝居乙…とも捉えられかねない、自分で事態をややこしくして自分から進んで悩みを大きくしているがいかにも小説家だなぁというのが正直な感想。 「万里の長城」「バベルの塔」の...続きを読むような、何が始まるかと思えば完成したほうがいいようなそうではないような的な持論を延々に展開していくというものだが、理屈らしきものをこねこねして一歩も踏み出さないところは、なんだか私に似ていて好感が持てるのだ。 話の内容もそうだが、解説も勉強になった。カフカが無名な頃に出版した新潮社の粋が伝わった。
カフカが遺した短編集のなかで、カフカ自身が薦めた作品と、長年読者から評価された作品を収録したのが本書である。
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決定版カフカ短編集(新潮文庫)
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