フランツ・カフカのレビュー一覧
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変身
著者:フランツ・カフカ
ある朝、一家を支える大黒柱の主人公グレゴールが一匹の巨大な虫に変身する。
それによって生まれる主人公の葛藤と取り巻く登場人物の心情の変化を描いた作品。
最終的に虫となったグレーゴルは、これまで養い続けた家族の手によって殺されてしまうという悲惨な結末を迎える。
虫の解釈には色んな意見が生まれそうな気がした。解説によると、出版当時カフカは挿絵に対して、虫そのものを描かないようにと注文をしたらしい。多様な捉え方によって主題は二転三転し、違った作品性になるところが変身の魅力なのかもしれない。
自分は経験も相まって、虫=難病、高度障害、精神疾患のような、日常を覆し得る自身の変化というイメージが強かった。
もし自分が他人の介護無しでは生きられない身体になったら、また逆に家族がそのような状態になったらどうなってしまうだろう。
そんなことを読み進めながら考えてしまっていた。 -
Posted by ブクログ
トーン・テヘレン著『ハリネズミの願い』を読んだ流れで再読。いや、再々再々読、くらい。暗い。
『ハリネズミの願い』で「絶望することはけっしてない。絶望はできないんだ(p.26)」と言う陰鬱なハリネズミに、カフカか、と思ったのですが、カフカは「あらゆることに、わたしは失敗する。いや、失敗することさえできない」だった。あら思い込み。でも絶望の神といえばカフカよね。
年に1度の100冊処分祭開催時、何度も何度も処分を検討しながら、結局手元に残る本。
「手軽に絶望に浸りたい」という、あまりにもしあわせな願望がやって来たときにしっくり来る一冊。絶望の最中にいるときには読むべからず。 -
Posted by ブクログ
変身についてはある日突然、巨大な毒虫に変わってしまったグレゴールの話と知っていたが、結末は知らなかったので読んでみて驚いた。
グレゴールが毒虫になってからというもの家族は大変な苦労をしてきた。中でも妹は毒虫となったグレゴールの食事を出したり、部屋の掃除をしていた。しかし、グレゴールが今まで家族を養うだけのお金を稼いでいたので、父親も母親も妹も働かなくてはいけなくなった。さらに部屋を貸していた人にもグレゴールを見られて出て行かれてしまう。グレゴールは妹にも迷惑がられて失意のうちに息を引き取り、また家族はそれを一切悲しまず、むしろ新生活だと喜んでいるようにも感じた。
僕がグレゴールの家族だったら、たとえ虫になったとしても家族が死んだら悲しむだろうという考えが強く、最後の結末はよくわからなかった。それほど大変な思いを家族がしていたということなのか。
断食芸人の方は、断食が見せ物になっていた時代があるということを知ることができた程度で、いまいちよくわからない。 -
Posted by ブクログ
むずい!変身とかはもう少し読みやすかった。短編だし、日常のひとコマを切り取ったような設定なので、状況やセリフが難解ということではなく、するする読むのだけど、だんだん自分がなにを読んでるのか分からなくなってくるという、、、急に幻想の話なのか?と思ったり。
解説を読んでからもう一度読むと、分かりかけるものもあり。一番簡単に読めた「流刑地にて」は、いちばんエグかったです。
カフカはすごく評価されている作家ですが、わたしにはまだまだ経験値が足らんのか?でも、あと数回読んだら何か変わるのかもしれないという不思議な後ろ髪引かれ感は残っているのです、、、 -
Posted by ブクログ
「変身」すら未読なのに短編集を読むという。
それでも「判決」はカフカって感じの話なんだろうなと思った。客観的に読んでる感じでは、一人芝居乙…とも捉えられかねない、自分で事態をややこしくして自分から進んで悩みを大きくしているがいかにも小説家だなぁというのが正直な感想。
「万里の長城」「バベルの塔」のような、何が始まるかと思えば完成したほうがいいようなそうではないような的な持論を延々に展開していくというものだが、理屈らしきものをこねこねして一歩も踏み出さないところは、なんだか私に似ていて好感が持てるのだ。
話の内容もそうだが、解説も勉強になった。カフカが無名な頃に出版した新潮社の粋が伝わった。