フランツ・カフカのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「グレゴール.ザムザはある朝、何やら胸騒ぐ夢がつつづいて目覚めると、ベッドの中の自分が一匹のばかでかい毒虫に変わっていることに気がついた」
あまりにも有名なこの書き出し。
もう読んだ気になっていて今まで読まずにいたらしい、今回初めて読んだ。読み進めるうちに
そのうち蚕になるんだろうか?美しい蝶になるんではないかと期待したが、あっけなく裏切られた。
グレゴールの引きこもった後の家族の在り方がなんとも言えない。よかったと言えばよかったのだろうが、グレゴールのつらくても我慢してやってきた事がすべて無駄だったようで悲しい。否定されたグレゴールが、空回りしている時の自分と重なる。どっと疲れる。
断食芸人 -
Posted by ブクログ
ネタバレ風刺を感じるトガッた小説だった。
判決 では介護問題?
変身 では障がい者問題
アカデミーで報告する では動物愛護の問題
掟の前で ではグズグズ生きて死ぬ前に後悔する人間
翻訳本の割にスルスルと読めたし、ちょっとSFチックな題材のチョイスにワクワクを感じた。
でも内容を真に理解するのがすごく難しい。というか全然理解できてない笑
判決 は、ペテルブルクの友達が出てきた意味がよくわからなかった。なんで主人公が自殺したのかも。
変身 が1番面白かったが、表現がちょっとグロテスクな上に、問題に対する出口のなさに心が痛くなる。
アカデミーで報告する は正直不完全燃焼感を感じた。サルが人間の知能を手に -
Posted by ブクログ
二人の男で始まり、二人の男で終わる。
律義とも言えれば儀式的とも言える。
女性のキャラクターが色分けされている。
善を求める人、プライドを求める人、和を求める人、愛を求める人。
掟と門番の話はスケールは違うが、大審問官と通じるものがあると感じた。
何の罪なのか?どういう判決なのか私は読み取れず。私はそれでも、悶々とするわけではなく、それは、自滅していく主人公を味わうだけの単純な読み方をしたからなのかもしれない。
商人ブロックはいい。筋が通っている。(あくまでもこの小説の中ではということだが)
間違っているけど、この小説のような世界では、一番真っ当な人ではないかとさえ思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読め、読めと言われていたがなかなか機会がなかった変身をついに読むことにした。
変身も断食芸人も作中で自らの意思ではどうにもならないような障害に突き当たる。
両方とも最後は主人公が死に、主人公は何を成したわけでもなければ死後讃えられるわけでもない。むしろその逆だ。
私はこのようなタイプの小説に慣れていないので、読後の感情は決していいとは言えなかったが、これもおそらく自らの不勉強の致すところであろう。
10年、20年後に読むとまた違う感を得るのかもしれない。
話は変わるが、今年2024年はカフカ没後100年にあたるらしい。時間がなくて2、3年後回しにしていたのがたまたまこのような年に読めたことも何