フランツ・カフカのレビュー一覧

  • カフカ寓話集

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    もう本当にカフカ最高です。
    絶望を書かせたら天才だし、思いっきりネガティブなんだけど
    ブラックユーモアも絶妙に効いていて、思わず笑ってしまうくらい魅力があり、本当に大好きです。

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    2025年11月21日
  • 絶望名人カフカの人生論

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    超訳系はあんまり好きじゃないけれど。
    カフカの名言集。この手の本は正直好きじゃないのだが、意外にもおもしろかった。カフカの小説以外の手紙などは初めて読んだが、良い文だなと思った。
    名言に解説みたいなことを書いてくれているが、読みやすいように茶化すような書き方で、どうかなという気もしたけれど、それでも、根っこにはカフカへの敬愛が感じられて良かった。

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    2025年11月02日
  • 変身

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    有名な出だしの意味不明さと、海外古典の敷居の高さ、さらに『海辺のカフカ』の影響でなんとなく敬遠していたのだけれど、思い切って開いてみたら意外にも軽やかな世界。虫は何の象徴か、と考えると底なし沼なのだろうけれど、素直に物語が面白い。
    「虫けら」がどんな姿なのか、あえて詳しく描かれていないところがいい。
    家族が虫を嫌悪しながらも同居を続けてしまうあたり、現代の引きこもりや介護の問題と重なる。でも、書かれた時代にはそんな社会的背景はなかったはずで、では一体何の象徴か。考えたらハマる深くて奇妙な読書体験。おすすめ。

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    2025年10月25日
  • 絶望名人カフカの人生論

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    カフカ…
    超人的な絶望家。
    超絶ネガティヴ。

    あまりのネガティヴ過ぎにかえって笑えてくる。
    著者の言う通りだ。
    読むと不思議と元気にさせられる。
    これは、なかなかの名著だぞ。
    超訳「ニーチェの言葉」のカフカ版と言ったところか。
    カフカの言葉と解説がワンセットになった86作品。

    目次を記す
    1.将来に、絶望した!
    2.世の中に、絶望した!
    3.自分の身体に、絶望した!
    4.自分の心の弱さに、絶望した!
    5.親に、絶望した!
    6.学校に、絶望した!
    7.仕事に、絶望した!
    8.夢に、絶望した!
    9.結婚に、絶望した絶望した!
    10.子供を作ることに、絶望した!
    11.人づきあいに、絶望した!

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    2025年10月05日
  • 変身

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    およそ、半世紀ぶりに読み直した本。
    高校の時もとても面白く読んだ。
    ところで、この本は「不条理」「学術」のくくりで語られるのだけど、何回読み返しても単純におもしろくて、これはエンタメでしかない気がしている。
    例えば「屍人荘の殺人」みたいな。
    屍人荘の方は、人外のものになる理由が一応あるから不条理じゃないかもしれないが、あり得なさではほぼ一緒だと思う。
    不条理系の小説はいくつか読んでて、面白かった本も何作か浮かぶけど、「変身」は違う気がするなー。

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    2025年09月14日
  • 変身・断食芸人

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    グレゴール・ザムザ 満を持して二度寝す。ってポップに言えないくらい家族からの扱いが酷いのなんのってw宮沢賢治の妹とは大違いだよ!ラスト、オー!マイキー かよ!

    断食芸人は片岡鶴太郎氏でしたねw

    カフカ 短編集にもちょいちょいあるけど
    サーカスネタ多いのね

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    2025年09月13日
  • カフカ断片集―海辺の貝殻のようにうつろで、ひと足でふみつぶされそうだ―(新潮文庫)

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    絶望を表現するにしては淡々とした文体。でも読みやすくて良い。最初の3篇連続で末尾が「いや、〜〜さえ〜ない」で笑った。あまりに無力。

    好きなのは〔道に迷う〕、〔夏だった〕。私は常に「ずっと倒れたままでいたい……」「このまま寝かせておいてほしい。ずっとこのまま……」と思っているので……

    〔道に迷う〕は「うっそうとした暗い森だが、道の上にはわずかな空も見える。それでもわたしは、果てしなく、絶望的に、道に迷う」という言葉も突き刺さった。仕事に迷走し転職を繰り返していた時、どの職場でも全部自分のせいにしてなんとかしようとして空回って更に自己嫌悪して。その時は自覚もなかったけど今思うと〔なにが?〕のよ

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    2025年08月31日
  • 希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話

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    カフカに興味があり読んでみたらとても面白かったので本棚登録。
    ゲーテとカフカの言葉を比較する内容ですが、二人が対極にあるかといえばそうではなく、むしろ二人の共通する部分がよく分かる内容です。
    この本の中でカフカがゲーテを尊敬していたことを知って、今度はゲーテにも興味か出てきました。
    ずいぶん前に若きウェルテルの悩みを読んだことがあって、ウェルテル悩みすぎやでと思った記憶しかないので、今一度読み返してみたいと思いました。

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    2025年07月21日
  • 変身

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    あまりにもありえない状況なのに、余裕で理解できる。何この文章。言葉って楽しい。
    仮に自分が虫になったり、あるいは死んだりして家族と同じ空間で意思疎通を図れなくなったとしても、'自分を欠いた世界'ではなく、今まで通りただ'世界'として日々は過ぎるようになるんだなと思った。少しだけ死への不安が和らぐ。

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    2025年07月05日
  • 変身

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    ネタバレ

    話の内容は奇妙キテレツであり、虫の動きが事細かく描写していてるにも関わらず、読み込んでしまう、魅力がある内容であった。それだけでなく、いろいろな解釈ができ、不思議なことを自然に読ませる(虫になったこと、周りの変化が薄いこと)本だとも感じた。作者は駄作と評価しているが、恐ろしいほど魅力がある。
    自分がグレゴールになったらと想像すると、同情と恐怖を感じた。働き者が一体どうして不運な運命になったのか、家族は冷徹な態度どう感じたのか、いろいろ想像を膨らませてくれました。

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    2025年07月01日
  • 変身

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    ネタバレ

    いかに人間が本質ではなく存在でものを捉えてしまっているのかがわかる気がした。それと同時に実存主義に興味を持つきっかけにもなった。
    虫になり家族に貢献することができなくなり煙たがられてしまうことは何かのメタファーであるのだろうが、そこ以上に社会の持つ不条理とそれに生きる自分たちと云う面で見てしまった。そして、その不条理に対して人間はどう動くのだろうか。この小説の場合、グレーゴルは自らが虫になったことに対していつのまにか慣れてしまう。そのことがひどく恐ろしく、印象に残った。

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    2025年06月29日
  • 変身・断食芸人

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    1958年初版なのでフォントの読みにくさはあるものの、訳の言葉に古さを全く感じませんでした。

    1編目は中編の『変身』。
    結末を知らなかったので、この本をどう読んだらいいのか手探りで読んでいきました。朝、いきなり毒虫になった体を苦労しながら動かす姿に、マンガ化するなら笑えるかも、などと想像しながら読んでいきました。しかし結末は…

    まず、毒虫としての表現が凄すぎる。足は勝手に動くし、ねばねばが出るし、虫嫌いのひとは絶対に受け付けないと思います。
    主人公・グレゴールの行動が徐々に虫らしくなっていくところに少し笑ってしまう部分があるけれど、とても哀しい。それに正比例して家族からの扱いがぞんざいにな

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    2025年06月10日
  • カフカ断片集―海辺の貝殻のようにうつろで、ひと足でふみつぶされそうだ―(新潮文庫)

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    仕事で帰宅が遅くなり、疲れて何もできないような日に少しずつ読んでいた。
    文章のローテンションさと疲労感、徒労、無力感を描いた内容が自分の疲労感に合っていた。
    癒やしというのか共感というのか、よくわからない質の安らぎを得られて睡眠へと軟着陸できる。
    短いので読書のやめどころが多いのも良い。

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    2025年06月03日
  • 変身・断食芸人

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    『変身』は再読。断食芸人の覚悟は、ある種の殉教者のようで、どこか神聖ささえ感じた。断食を信じてもらえないのは辛いだろうな、と思った。私には無理だ。予想していたけれど、結末はカフカ的不条理に満ちていて悲しい。

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    2025年06月01日
  • 変身

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    ネタバレ

    特に印象的だったのが、グレゴールの家族がもっと手頃な家に引っ越せば成り立つにも関わらず「良い家」に住み続けることの描写と、グレゴールという大黒柱が不在になったことで逆に家族がそれぞれに出来る仕事で家計を成り立たせていく描写。 与えられ続けた恵まれた環境を手放せない執着と、頼るべきところが無くなってもそれなりに現実を維持させ続けられる強かさを感じる。 人間の弱さと強さの両面が描かれていて、とても印象深く、何度も繰り返し読みたくなる。

    人は何をもって他者をその人と見なすのかという点でも考えさせられる。 なぜ家族は虫になったグレゴールを彼であると認識できたのかというのも、その思考材料になりそう。朝

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    2025年05月02日
  • 変身

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    グレゴールの立場、ザムザ一家(グレゴール以外)の立場、どちらの気持ちも分かる。…お互い、思う通りの結末を運ぶのは難しすぎるこの世の中。昔も今も、変わらずどうしようもないことってありますね。

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    2025年03月27日
  • カフカ俳句

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     この本は、見開きの右側にカフカの俳句、左側にその俳句についての解説が書かれているといった構成になっていますが、とにかくその解説がとても分かりやすく、俳句をさらに深く掘り下げして読者が考えるポイントを作ってくれています。
     たった1句十数文字であるにも関わらず、様々な考えを巡らせられ、人を引き込むことができるのはカフカの魅力だと感じました。
     俳句は暗いイメージを与えるものが多いにも関わらず、そこに美しさを感じてしまうところに、カフカが感性豊かで、語彙に富んだ人物であったことが伺えられます。

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    2025年03月13日
  • カフカ俳句

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    カフカに初めて触れた。「変身」が代表作とか。
    没後100年を記念して?出された本。
    カフカが俳句を書いたわけではない。
    彼が残したことばを、そのまま載せたり作品から切り取ったり、
    五七五に収めるわけでなく、自由律のように80句に見立て、
    編訳者が解説を加えている。

    カフカが初めての私は、彼の解説でカフカを知る。

    「鳥籠が鳥を探しにいった」
    「ときおり体が八つ裂きになりそうな不幸を感じる」
    「家族のなかで、他人よりももっと他人のように暮らしている」
    「夕方、森へ。月が満ちている」

    なんとも悲観的な、、、
    どうもカフカは世の中になじまなかったらしい。
    今でいえば発達障害だったのかも。
    作品も

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    2025年02月27日
  • 変身

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    論理的な理由づけを放棄して読める本は貴重で好きだ。作中に散りばめられている全ての要素に想像の余地があり読んでいて楽しかった。

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    2025年02月23日
  • カフカ断片集―海辺の貝殻のようにうつろで、ひと足でふみつぶされそうだ―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    『変身』を読んだときに感じた、カフカ作品独特の読み心地をたっぷり堪能できる本だった。

    どうしようもない不安、自己肯定感の欠如、悪夢のような断片。
    そういうものがカフカの文章には漂っている。
    あまりにも自分を卑下しすぎていて、「そんなに言わなくても……!」と逆におかしさを感じてしまうことすらあった。
    しかし、起きている出来事も人物も自分とは違うのに、「これは私のことだ」と思ってしまうことも多かった。
    カフカのこういう部分に惹かれるのだと思う。

    編訳者解説で、カフカの作品は大半が未完だということを知って驚いた。
    しかしその未完の状態こそが、カフカ作品の特徴で魅力だという。
    この断片集を読んで、

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    2025年01月13日