フランツ・カフカのレビュー一覧

  • 変身
    中学生の頃から再三読み返して、その度に新しい解釈が生まれてくる興味深い作品です。
    あるときは主人公を憐れみ、あるときは家族に同情し、そしてまたあるときは自分が虫になっていないか不安になり、その都度心模様が七変化していくのが面白い。
  • 変身
    シュルレアリスムのお手本のような一冊だった。
    グレーゴルの立場になることは(もちろん虫になることは中々無いだろうが)或いは現代社会であろうが全然あり得る事だし、家族視点からのハッピーエンドがリアリティを際立たせていた。
    主人公の物理的「変身」が、どう他者を「変身」させていくかを緻密に書いた作品だと感...続きを読む
  • 変身
    変身、主人公は冴えないサラリーマン、可愛い妹、というラノベ要素に溢れてるのだが、出オチしてグダグダになるのが、カフカらしい。別にカフカはラノベやSFを書きたいわけじゃないのでこれでいいのだが。
  • ポケットマスターピース01 カフカ
    ウンゲルツィファーはやりすぎだと思うけど、「お父さんは心配なんだよ」というのは、オドラデクを愛でるお父さんの姿がイメージされてとても心が暖かくなる。
  • 変身・断食芸人
    読書会のために再読。今回ラストの明るい結末について話し合った結果、あれは「毒虫からの解放」ではなく「グレゴールからの解放」だったのではないか?という結論に落ち着いた。「変身」以前のザムザ家で主人公は、転落した父、世間知らずな妹、病弱な母という役名を自己の家族に付し、「自分が家族を支える」という自分の...続きを読む
  • 変身
    100ページほどしかない短い話だったが、とても面白く救いのない話だった。
    この本の素晴らしいところは訳者解説がついているところだろう。70ページ近い訳者解説により「変身」だけでなく、フランツ・カフカについても学ぶことができる。
  • 変身
    この本をいつか読もうと思ったのは、いつだったか。おそらく、もう20年くらい前から思っていたような気がする。この本のことを知ったのは、養老孟司の本のどれかを読んだ時からだったと思う。すなわち、人は変わるものだということが、この本の主題だ、と養老先生がこの本に言及することがあったのだ(たぶん、いくつもの...続きを読む
  • 変身
    久しぶりに読みたくなって数十年ぶりに読んだ。長い本ではないのでまた読むだろう。たまに読みたくなる。視点が面白い。とても不条理。
  • 変身
    最後までザムザが人間に戻れなかったのが可哀想すぎて鬱。あまりにも不気味だったけど読んでいて本当に面白かった。
  • 変身
     とても読みやすかったです。

     主人公がひたすら可哀想。なんであんなに家族を思いやって、頑張ってきた若者が、虫になって悲痛な思いをしなきゃいけないんですか。

     最初は優しかった妹が、月日を跨ぐにつれ、冷たく、逞しくなっていった。 いいことではあるのだけれど、けれど…

     最後に、女中が何か言いた...続きを読む
  • 変身
    社会とか他者とかから、どう思われてるのかをあんまり気にするな!と言われても、でもどうしても関わりあって生きていかなければいけず、そこから逃れることは生きている以上、生に囚われている以上、できないのだろう
  • 変身
    ⚫︎受け取ったメッセージ
    誰でも虫になり得る


    ⚫︎あらすじ(本概要より転載)

    これはお父さんとお母さんを殺しちゃうわ、そうですとも。

    朝、目をさますと巨大な虫に変っている自分を発見した男―― グレーゴル・ザムザ。第一次大戦後のドイツの精神的危機を投影した世紀の傑作。

    ある朝、気がかりな夢か...続きを読む
  • 変身
    突然毒虫になってしまった主人公が、最初は思いやりを持って家族と接しようとしていたが、家族はまず第一に恐怖を感じるため、まともなコミュニケーションが取れず、次第に主人公の部屋の掃除をお手伝いさんがするようになり(家族の直接的な関わりがなくなり)、部屋がガラクタ置き場になり、最後は、主人公は食事が喉を通...続きを読む
  • 変身/掟の前で 他2編
    『変身』は非現実的なお話だけど、現実社会をとても考えさせられる作品でした。

    主人公に「可哀想に…」と同情してしまうと同時に、現実社会で「私も無意識的に、主人公と同じような気持ちにさせている誰かがいるのではないか」と感じました。

    改めて自分自身を見つめ直すきっかけともなった作品です!
  • 変身・断食芸人
    変身の、くどくどとしていてずっとなんだかわからない悲鳴のようなものが、終わりにつれて異様なほど滑らかに穏やかに鎮まっていく感じ。断食芸人の、彼と彼以外のすべての痛々しいほどの隔たりと品のある狂気。どうしてこんなに惹かれるのか分からないのに。彼は彼にだけの魅力でわたしの心のある一部分を掴んで離さない。
  • 変身
    『100分de名著』で取り上げられた川島隆氏の新訳。

    ある朝目覚めたら、巨大な虫に変身していたグレゴール。虫になった理由も、回復の方法もわからない。無論仕事にも行けない。一体彼はどうするのか…?

    ものすごく大変な出来事に遭遇しているのに、グレゴールが淡々と落ち着いているのがシャープで怖い。彼が気...続きを読む
  • 変身
    カフカの主人公っていつも死んで終わるんだな…
    昔はザムザに感情移入していたが、今は家族の気持ちがわかるようになってしまった
  • 絶望名人カフカの人生論
    こんなネガティブな人、見たことない。
    だからこそかもしれないが、読んでるとかえって勇気がもらえる気がする。
    自分より絶望してる人を見ると、自分がまだマシと思えるからだろうか。
  • アメリカ
    カフカの「孤独の3部作」最後の作品である。

    ドイツから追い出された純朴な青年が、アメリカを放浪するロマン小説。落ち着く先が見つかっても、不条理に追い出され続ける青年。しかし、それでも青年は希望を捨てなかった。

    青年が未知の土地を冒険する小説はいくらでもあるだろうが、この作品は異質だ。未完なのであ...続きを読む
  • 変身
    初めてよんだのは中学生のときです。
    その時も、おもしろいと思っていたのですが、
    大人になって読むと、おもしろいというか、すごく良く出来た話だと思うようにならりました。
    この本について、アメリカで翻訳の仕事をされてる、ゆかりんという名前のYouTuberの書評がとても良かったです。