フランツ・カフカのレビュー一覧

  • 変身

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    最も印象的だったのは、語りの視点の変化。
    物語は彼(グレーゴル)視点で始まるが、
    彼の死から第三者的な視点へと移行する。
    死の苦悩や劇的な最期は描かれず、
    彼がその時何を思ったのかも明確には示されない。
    その空白が、かえって死を生々しく感じさせる。
    人の死は当人の内側ではなく、
    外側から処理されていくものなのだと
    突きつけられるようだった。

    父親が投げたリンゴの傷が死因であるという点も、
    美しく、象徴的。
    かつて家族を支えていたはずの息子が、
    父によって傷つけられ、徐々に衰弱していく。
    大黒柱だった彼よりも、
    父の威厳や家族の秩序が優先される構図は不気味で、
    家族という共同体の冷酷さを感じさ

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    2026年02月12日
  • 変身・断食芸人

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    何とも虚しき二本立て。この話をより現実的に置き換えると非常に恐ろしく、身につまされるような思いも感じられるような気がした。

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    2026年02月11日
  • 変身

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    役割を失った「個」と、残された家族の再生

    朝目覚めると巨大な毒虫になっていた、という不条理な設定から始まる物語。Audibleでの鑑賞において、背後に流れる時計の秒針の音は、本人の異変とは無関係に刻々と進む世界の残酷さを際立たせていた。

    ■社会的な役割と「うつ」の心理
    毒虫に変貌した直後、主人公グレゴールが真っ先に案じたのは自分の体ではなく「早く出社しなければ」という仕事への義務感であった。自分を二の次にして社会的な役割を優先する姿は、現代のうつ病を患う人の心理状態にも重なる。個人がどれほどの絶望の中にいても、社会や時間は何事もなかったかのように動き続けるという描写は、極めて冷徹である。

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    2026年02月01日
  • ポケットマスターピース01 カフカ

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    私にとって文学は、自分の感受性を鍛えてくれるもの。
    一読するだけでは説明の列挙でつまらないと感じてしまうが、解説や他者の感想を読むと、現実社会とのメタファーに気付けたり、「そういう意味だったのか」「この文章を読んでそういう風に感じる人がいるのか」と、自分の発想に無いもので予想もしていない角度から殴られる感覚が気持ちいい。

    この本は年齢や立場、読む時の自分の心情、誰に感情移入するか等で印象がガラッと変わる作品。
    読み手が「虫」を「病気」「無職」「介護」「鬱」「依存」...何に置き換えるか。

    物語の根幹である「虫」について「どんな虫なのか」「どうして虫になってしまったのか」あえて説明しないこと

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    2026年02月01日
  • 変身

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    ある日起きたら自分の姿が虫になっていた…

    有名な小説でずっと気になっていたのをやっと読んだ。
    長い解説が入っていてカフカの事が詳しく書かれていて面白かった。
    訳す人によっても文章が違うのでいろんな人の訳した本を読んで違いを見るのも面白いかもしれない。

    さて主人公が変身した虫がなんの虫かは読んだ人によって違うと知り面白いなあと思った。

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    2026年01月19日
  • 変身

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    ネタバレ

    有名どころなので読んどくかと思い。
    虫になって段々と体の能力や嗜好も虫化していくところが、気持ち悪くて悲しかった。
    また、分かり合えない家族との距離も切なかった。
    もう一方の主人公はグレゴール自身ではなく家族だったのかもしれないと最後の展開を読んで感じた。

    あとカフカが恋人に毎日長文の手紙(調子いい時は複数通)送りつけて、数日返信なければ電報を打ち、すぐ他の女にもなびくというメンヘラ気質だったと知り、やはりこういう作品は一般人より感覚が繊細過ぎて病んでるくらいの人が書けるんだろうな〜と思った。

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    2026年01月17日
  • 変身

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    一家の稼ぎ頭として家族を支えていた青年 ザムザは、一夜にして人間から巨大な毒虫へと化してしまった。
    虫という姿形になったことで彼の姿を見た途端に母親は失神、父親は彼を追い払う。唯一 彼のことを気にかけていた妹もやがて態度を変えていく。

    私の中でザムザは体調150cmほどの大きな大きなダンゴ虫のイメージ(これはカフカがイメージしている虫とは大きく異なるかもしれない)。
    家族の1人がある朝 突然、巨大なダンゴ虫になっていたら私はどうするだろう。私は虫が怖いし嫌いだ。そんな苦手な虫になった家族とどう接すれば良いのだろう。彼の母親と同じように失神してしまうかもしれない。

    人を見た目で差別したり判断

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    2025年12月28日
  • 変身/掟の前で 他2編

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    『変身』では、虫になったグレーゴルについてネタ的にに描かれているせいで勘違いしそうでしたが同情をせざるをえませんでした。献身的に頑張り続けたグレーゴルに対する仕打ちがこれかと思うとグレーゴルの気持ちもよくわかります。悲しさの雰囲気だけが漂う作品ではなく、どこか希望が見え始めては消えてゆくような作品でした。

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    2025年12月04日
  • 変身

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    朝起きたら、虫に変わっていたグレゴール。そのぶっとび変身ほどではないけど、望まず変身してしまうことは、人にはあるのでは?と思いました。

    そのとき、どうすればいい??最後に救いやヒントはある??と読み進めましたが…。自分なりの解釈がうまくできないままです。

    なので、ほかの方の感想を読みまくりました!笑
    じっくり消化していきたいです。



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    2025年11月30日
  • 変身

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    主人公が夢から覚めると虫になる所から始まる本小説。

    変身した主人公にスポットを当てた小説家と思いきや、視点は徐々に家計を支えてくれていた主人公を失った家族へ。

    家計が苦しくなり、また、忙しくなっていくことで心の余裕を無くし変わっていく家族の姿が変身なのかなとも思える内容だった。

    はっきりとしたメッセージは分からなかったが、人の心の弱さなど、考えされるところが多くて面白かった。

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    2025年11月22日
  • 変身/掟の前で 他2編

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    古い話だからか意味が分からないところも結構あるけど、話は面白い!

    変身はこんな話だったっけ…
    最初読んだ時凄い感動した気がしたけど…
    自分の中でハードルが上がりすぎてて、その点ではイマイチだったかも

    "アカデミーで報告する"は初めて読んだけど、めちゃくちゃ面白かった!
    "光栄にもこのアカデミーに招かれ、以前ぼくがサルだったときのことを報告するように依頼されました。"
    という書き出しがもうやばい

    全部短い話の短編集だから、サクッと読めるのも良いね

    巻末の解説ではカフカも訳や編集によって受け取られ方が大分違う、というのが凄く興味深かった。
    あと訳者が

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    2025年10月17日
  • 変身

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    虫の描写が鮮明ですげー気持ち悪い
    ただインパクトに残る内容ではあった
    表紙見ただけで思い出せる

    感想でなくても心に残れば名作

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    2025年10月21日
  • 変身

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    どの視点で読むかで読み終わったあとの心境が変わるようなストーリー。
    私は家族視点で読んでいたから比較的ハッピーエンドだったと思うし、家族のことをそれほど残酷には感じない。

    グレゴールの淡々とした性格が相手の人間らしさや、世の中の不条理を際立たせていて面白かった。

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    2025年10月09日
  • 希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話

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    ポジティブすぎるゲーテと、ネガティブすぎるカフカ。両極端な二人の言葉が、対話という形式で紹介されていて面白かった。
    ポジティブすぎるゲーテの言葉ばかりだと、陽気パワーに当てられて疲れてしまう。
    ネガティブすぎるカフカの言葉ばかりだと、自分も鬱っぽくなってしまう。
    両極端な二人の言葉を行ったり来たりするのがちょうどいい。

    日によって、どちらの言葉に共感できるかが変わってくるのが、自分事ながらおもしろかった。
    自分の気分や精神状態がどちらに偏っているのかを、客観的に見るための本としても使えるかも。

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    2025年09月30日
  • 希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話

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    これでもかってくらいに前向きなゲーテに笑ってしまい、どこまでいくんだっていうくらい後ろ向きなカフカを愛しく思った。
    けどゲーテが絶望を知らなかったわけではないし、カフカが希望を捨てきったわけでもない。深い。

    1個わかったのはカフカはイケメンだった。

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    2025年09月25日
  • カフカ俳句

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    ネタバレ

    カフカの作品は難しいイメージがあって
    手に取りづらかった。

    そんなとき、俳句なら…と手に取った。
    これが沼にはまった原因だ。

    個人的に好きだった句は

    【わずかな光が言葉を通して洩れてくる】
    言葉にできるのは、わずかな事だけ。
    逆も然り、言葉を通して必ず伝わる事もある。

    【外にでることをゆるされぬままに
    内部を焼きつくす火の不幸】
    何かしたい(情熱)が何らかで実行されない時、
    外に出られなかったために内部を焼き尽くし、
    せっかくの情熱が自分を傷つけてしまう。
    (=不幸)

    【黒い水をかきわけて泳ぐ】
    絶望したまま、どう生きるか。
    光を求めて溺れてしまわないように。

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    2025年09月03日
  • 変身

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    ネタバレ

    言わずと知れた文学界の金字塔、フランツ・カフカの「変身」。
    ある朝目覚めた主人公は自分が一匹の大きな虫になっていることに気づく。虫になってしまった主人公とその小さな世界(家族と家の中)の変化と行く末を描く物語。
    有名な冒頭以外は知らなかったので、新鮮な気持ちで読むことができた。文章が面白いし引きずられるということはないんだけど、徹頭徹尾、主人公が深刻な鬱状態ですごく悲しい。自分が虫になってしまっていること、消えてしまいたいと思っていること、それでもなんとか家族や職場に迷惑はかけまいと思っていること、誰かにぞんざいに扱われても怒る気持ちが湧かないこと。主人公が自分を大切に思えていないのがよく分か

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    2025年08月21日
  • 変身

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    ネタバレ

    何回も読んでいます。
    はじめは虫になった描写が何よりもきつかった。しかし読み返すたびに、主人公が死んだ後に前に進んでいく家族を見るのがきついなと感じます。
    あんなに必死に繋ぎ止めようとしていた家族の幸せは、自分なしでも存在する。そしてそれを主人公は知らないまま。
    後味の悪さと家族が幸福になっていく眩しさの対比がくせになっています。

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    2025年08月18日
  • 絶望名人カフカの人生論

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    とても面白かったです。

    カフカの思いに共感できる部分がたくさんあったからです。
    体型が細身、間食をしない、不器用、理想が高いところ(僕は今は違いますが…)が似ているなと思いました。
    でも、さすがに思想はカフカほどマイナスではなく、「ネガティブ力」では負けてしまいます。

    あまりのネガティブさ、心配性の程度は、見ていて笑えてくるほどでした。

    気持ちが沈んでいるときに、悲しい曲や刺激に浸ることを
    「アリストテレスの同質効果」というらしいです。

    メンタルが落ち込んだとき、強力な武器になってくれる本だなと思いました。

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    2025年08月15日
  • 変身

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    5年ぶりの再読です。
    前回より、読解力が上がったのか
    さらに面白く読めました。

    3部構成。
    主人公のグレーゴル・ザムザ。

    虫に変身してしまった直後の描写は、とても面白くて思わず笑ってしまいました。ベッドの上でノソノソと動く様や、ドアに挟まって体が斜めに傾いている様とか。

    見た目が変わってしまい、周りの人間に除け者にされていく様はみていて辛かったです。
    文脈から推測すると、グレーゴルが虫に変身してから、約3ヶ月。
    息絶える直前に、妹のグレーテにドアを閉められてしまうシーンは、心が痛かったです。

    笑えたり、切なさを感じたり
    楽しく読めて良かったです。

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    2025年08月15日