フランツ・カフカのレビュー一覧
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『判決』
父親が急に豹変しだした部分で雰囲気が急変した。途中まで一般的な小説だと思っていたが、信頼できない語り手としての異質さが際立つ。
『変身』
起床後自身の肉体が虫に変化していたというのに、語り手が務めて冷静で、まるで人間のように振る舞うことから、序盤は本書の内容がいまいち掴めなかったが、大枠が掴めたらその後の展開が気になってしまう秀作。
化け物が追いかけてくる様子は、周りの人間からしたらホラーであることに間違いないが、語り手に相手を脅かすつもりはないのだから軽く読み進めていける。
唯一の稼ぎ頭であった語り手が一夜の変身によって自身の家庭内での役割が失われ、一番のお荷物へと転落する。だが -
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最も印象的だったのは、語りの視点の変化。
物語は彼(グレーゴル)視点で始まるが、
彼の死から第三者的な視点へと移行する。
死の苦悩や劇的な最期は描かれず、
彼がその時何を思ったのかも明確には示されない。
その空白が、かえって死を生々しく感じさせる。
人の死は当人の内側ではなく、
外側から処理されていくものなのだと
突きつけられるようだった。
父親が投げたリンゴの傷が死因であるという点も、
美しく、象徴的。
かつて家族を支えていたはずの息子が、
父によって傷つけられ、徐々に衰弱していく。
大黒柱だった彼よりも、
父の威厳や家族の秩序が優先される構図は不気味で、
家族という共同体の冷酷さを感じさ -
Posted by ブクログ
役割を失った「個」と、残された家族の再生
朝目覚めると巨大な毒虫になっていた、という不条理な設定から始まる物語。Audibleでの鑑賞において、背後に流れる時計の秒針の音は、本人の異変とは無関係に刻々と進む世界の残酷さを際立たせていた。
■社会的な役割と「うつ」の心理
毒虫に変貌した直後、主人公グレゴールが真っ先に案じたのは自分の体ではなく「早く出社しなければ」という仕事への義務感であった。自分を二の次にして社会的な役割を優先する姿は、現代のうつ病を患う人の心理状態にも重なる。個人がどれほどの絶望の中にいても、社会や時間は何事もなかったかのように動き続けるという描写は、極めて冷徹である。
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私にとって文学は、自分の感受性を鍛えてくれるもの。
一読するだけでは説明の列挙でつまらないと感じてしまうが、解説や他者の感想を読むと、現実社会とのメタファーに気付けたり、「そういう意味だったのか」「この文章を読んでそういう風に感じる人がいるのか」と、自分の発想に無いもので予想もしていない角度から殴られる感覚が気持ちいい。
この本は年齢や立場、読む時の自分の心情、誰に感情移入するか等で印象がガラッと変わる作品。
読み手が「虫」を「病気」「無職」「介護」「鬱」「依存」...何に置き換えるか。
物語の根幹である「虫」について「どんな虫なのか」「どうして虫になってしまったのか」あえて説明しないこと -
Posted by ブクログ
一家の稼ぎ頭として家族を支えていた青年 ザムザは、一夜にして人間から巨大な毒虫へと化してしまった。
虫という姿形になったことで彼の姿を見た途端に母親は失神、父親は彼を追い払う。唯一 彼のことを気にかけていた妹もやがて態度を変えていく。
私の中でザムザは体調150cmほどの大きな大きなダンゴ虫のイメージ(これはカフカがイメージしている虫とは大きく異なるかもしれない)。
家族の1人がある朝 突然、巨大なダンゴ虫になっていたら私はどうするだろう。私は虫が怖いし嫌いだ。そんな苦手な虫になった家族とどう接すれば良いのだろう。彼の母親と同じように失神してしまうかもしれない。
人を見た目で差別したり判断 -
Posted by ブクログ
古い話だからか意味が分からないところも結構あるけど、話は面白い!
変身はこんな話だったっけ…
最初読んだ時凄い感動した気がしたけど…
自分の中でハードルが上がりすぎてて、その点ではイマイチだったかも
"アカデミーで報告する"は初めて読んだけど、めちゃくちゃ面白かった!
"光栄にもこのアカデミーに招かれ、以前ぼくがサルだったときのことを報告するように依頼されました。"
という書き出しがもうやばい
全部短い話の短編集だから、サクッと読めるのも良いね
巻末の解説ではカフカも訳や編集によって受け取られ方が大分違う、というのが凄く興味深かった。
あと訳者が