フランツ・カフカのレビュー一覧

  • 絶望名人カフカの人生論

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    20世紀文学の代表的作家、フランツ・カフカはとてもネガティブな人だったらしい。そんな彼が日記や手紙、メモにのこしたネガティブな言葉を紹介した本。

    恋愛、家族、仕事、社会など、あらゆることに絶望し、悲観的な言葉をのこしている。繊細で傷つきやすく、自己肯定感が低い。考えすぎて臆病になり、一歩が踏み出せない。100年前の人ではあるのにその性格は現代的で、その言葉に共感するところも少なくない。(だからこそ文学史に名前がのこることになったのだろう。)

    『変身』しか読んだことはないが、カフカがこんな性格だったことを知ると、ああいう小説を書いたというのも納得。カフカ自身も自分の作品の異質性に自覚的であっ

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    2023年11月28日
  • 変身

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    最初に新潮文庫の方を読んだので、別な方の翻訳を読んだ形になるんでしょうが、あんまそんなの気にしないで読めたので違和感はないんでしょう、たぶん。小説自体の感想は新潮文庫の方にあげたので割愛。

    むしろ巻末の解説が多かった気がするので、そっち読みたい人オススメ。この人の伝説エピソード好きなんだよね。

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    2023年05月16日
  • 変身

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    ネタバレ

    自分の姿が毒虫に変わった瞬間から続く、地獄の日々。虫になっても人間の言葉は理解でき、思考も残っているのだが、家族には言葉も思いも伝えることが出来ない。本人にとっては、家族に甘えたい気持ちが残っているので、家族の前に姿を表し接触しようとするが、害虫扱いされ、攻撃を受ける。
    予想通り、本人にとって悲しい結末となるが、家族にとっては明るい結末である。それくらい、毒虫に変わり果てた姿を、家族であると信じ続けることは苦痛だったのだろう。
    毒虫は極端であっても、家族が突然難病になって長期間介護が必要な時に、傍でサポートし続けることができるのか、カフカに試されている気がした。

    後半の『ある戦いの記録』は、

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    2023年03月22日
  • 変身

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    ネタバレ

    次々と浮かぶ当惑に対して、解決を求めながら読んではいけない作品。
    なぜ毒虫になってしまったのか。家族の態度はなぜこんなにも冷酷になってしまったのか。作中の世界では、毒虫に変わることへの(驚きはあるが)不可解さは存在しないのか。カフカがこの作品で伝えたいことは何か。
    読者を置いて淡々と展開する物語に、ついていくことができない反面、自分の中での整理がつく前に進んでしまう状況に、焦燥感と同時に臨場感のようなものを感じた。
    タイトルの『変身』は、毒虫に変わってしまった主人公を示す。個人的には、稼ぎ手であった主人公に対しての恩を忘れたかのように、冷酷になってしまった家族のことを示しているようにも思えた。

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    2025年07月13日
  • 絶望名人カフカの人生論

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    フランツ・カフカ
    Franz Kafka

    勿論、名前は知ってます!
    小説を書いた人というのも知ってます
    (作品は読んだことないですが…)
    あとは何にも知りません(^_^;)

    では、なぜこの本を読んだかというと、おびのりさんの
    「パワーさえ感じるカフカのネガティブな人生論。あまりに絶望的で笑えて、こちらは元気がでてきそうな迷言な名言集。」
    というレビューを見て気になったからw


    【あまりにも絶望的で、かえって笑えてくる】
    カフカの日記やノートは、日常生活の愚痴で満ちています 
    「父が…」「仕事が…」「胃が…」「睡眠が…」
    カフカが関心があるのは自分のことだけ
    自分の気分、体調、人から言われ

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    2023年02月08日
  • 変身/掟の前で 他2編

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    初カフカ。独特な言い回し、繰り返しが多くて面白かった。「答えが質問に衝突したのだ」とか読みやすいが、一瞬で解釈できる文が多いかというと実はそうではない。『掟の前で』の寓話感

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    2025年03月31日
  • 変身/掟の前で 他2編

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    見た目がまったく大きく変わったグレーゴルと、それに劣らず変わっていく家族の関係。

    淡々とした文体なのに心にくるものがあった。

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    2022年10月13日
  • 変身・断食芸人

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    変身について
    ・物語はグレゴールの主観でしかないため場面を想像しながら読むとコメディ的な面白さのある作品だった。
    ・好きな場面は母がグレゴールの部屋の家具を片付けるのを制止するところ。家具が無くなってしまうとグレゴールが人間であった事を否定するのと同じように、グレゴールがグレゴールである事はその周囲の認知によって成り立っている事なのだろうと思った。(グレゴールだけではなく人間全ての話)また、毒虫がグレゴールである根拠などなくそれが結果的に家族の不信感に繋がっているように感じた。
    ・その場で行われてる事の描写が事細かく描かれておりカッティングの悪い映画のような印象を受けてしまった。

    追記批評文

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    2022年10月12日
  • カフカ寓話集

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    カフカは『変身』で好きになったが、本書でも、みぞおちを撫でられるような感覚が味わえる。

    ただし、それぞれの話が何を伝えたいのかは、理解できなかったので、今後再読し考察したい。

    哀れ、やるせなさ、うしろめたさ、気味悪さ、欺き、なんとも癖になる。

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    2020年12月31日
  • 絶望名人カフカの人生論

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    ネタバレ

    悲しい出来事から立ち直る方法
    最初は悲しい音楽に浸る=同質の原理
    その後で、楽しい音楽を聴く=異質への転導

    勝つか負けるかより、手にしているモノをどう生かすか、のほうが大事。
    人生は常にわき道にそれていく。むしろそれが本当の道。

    一人でいれば何事も起こらない。

    「見る前に飛べ」行動を起こすためにはそれが大事。見たら飛べなくなる。
    人生の多くが、費やされてもなお人は何かをなしうる。

    セルフハンディキャッピング=自分にハンデを与えることで自尊心が傷つかないようにする心理。才能があると信じて、延ばす努力をしない、など。中島敦山月記など。
    試験の前日に片づけなど勉強以外のことをしてしまう心理。

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    2020年11月12日
  • 変身・断食芸人

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    ひきこもりが関係している気がしたがどう解釈するか悩む。読み返すたびに感想が変わる気がする。そこに面白さがあるのかもしれない。

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    2020年08月31日
  • カフカ寓話集

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    “生きていたければ出口を見つけなくてはならず、その出口は逃亡によってはひらけない。”(『ある学会報告』)

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    2020年01月08日
  • 変身/掟の前で 他2編

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    「変身」シュールギャグであり社会風刺であり家族問題の警句であり純文学であり、はたまた別の何かである。読み手の解釈に依る。読み手の数だけ「変身」できるのが、この物語が世界中で読み継がれる所以なのかなと思う。

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    2019年09月25日
  • 絶望名人カフカの人生論

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    【感想】シンパシイを感じたので、滑稽でもあり痛くもある。
    かつてカフカ全集は持っていた。が、いまいち良さは感じられず、同時期に揃えたカミュ全集ほど熱心には読まなかった。
    年を経ていくらか感じかたがかわっているのかもしれない?

    【内容】カフカの日記や手記や手紙が異常なまでの弱さを浮き彫りにする。

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    2019年08月12日
  • 絶望名人カフカの人生論

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    カフカの名前は聞いたことある程度で、初体験でしたがこの絶望っぷりは確かに何かを考えさせられる、不思議さがある。それでいて、人間であれば一度はよぎるような考えも多い、

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    2019年06月12日
  • 変身/掟の前で 他2編

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    『判決』『変身』『アカデミーで報告する』『掟の前で』の4本。『変身』以外は、理論社ショートセレクション『雑種』の収録作品と重複。

    設定のショッキングさがあまりにも有名な『変身』だけれど、こんな終わりだったっけか。何十年ぶりかで読んだら、結構印象が違う。
    グレーゴルが我が身に起きたことを淡々と受け入れ、なんとかしようとグニグニ悶えていくのが、こうなったらそうするしかないよね、と、なんか妙にリアル。

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    2019年01月21日
  • 変身/掟の前で 他2編

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    グレゴールくんは、両親と妹を養うため社畜暮らしをしているが、とある事情で働けなくなる。
    もちろん、仕事はクビに。
    今までグレゴールくんの稼ぎに頼っていた家族は、少しながら蓄えはあるものの、それぞれ仕事につく。
    グレゴールくんのお世話は疎か。
    グレゴールくんなんていなくなったらいいのに、そんな言葉を聞いて衰弱死してしまう。
    3人はそれぞれの職場に休暇届を書いてるんるんで外出。

    「とある事情」が、「虫になる」なのだが、「病気になる」に置き換えると、なんだかつらいものがある。

    お話はほとんどがグレゴールくんの視点なのだが、亡くなったあとのすーっと神の視点になって、残された三人の春になった感がなん

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    2017年07月14日
  • 絶望名人カフカの人生論

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    まだ「変身」しか読んでないし凄さも分からないカフカだけど、こんな人間だったのかぁ。セルフハンディキャッピング、自己破壊的予言、学習性無力感、と役満レベルのネガティプシンキングのプロフェッショナルだったとは知らなかった。良く自死せずにいられたな、と不思議なくらい。知れば知る程ブロート含め周りの人間はなぜこんなにもネガティブな彼との関係を維持していたのだろうか。確かにどこか憎めない愛らしさは、彼の作品からも、そしてこれらの言葉からも感じたのだけれども。不思議だ。

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    2016年12月25日
  • 絶望名人カフカの人生論

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    確かにネガティブな一言だらけだが,読んでいると,言葉の持つおかしみのようなものがじわじわ広がってくる.

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    2016年10月28日
  • 変身・断食芸人

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    「変身」
    褐色で、多数の足を持ち、はい回るとぬらぬらした体液の跡が残る…虫
    営業マンのグレゴール・ザムザが、ある日とつぜん
    そんな虫に変身してしまう
    聖書の時代なら、そんな不条理も神の試しと捉え
    家族たちも、最後まで献身的であろうとするのかもしれない
    しかしそれを許さないのはおそらく
    世間体の悪さであろう
    つまり「みんな明日の食事にも不安を抱えているというのに」
    「そんな虫を飼っておく余裕が一体どこから湧いて出るんだ!?」という
    世間からの無言の問いかけである
    それを取り繕うかのように、家族たちは働き始め
    やがて、ほかならぬグレゴールの用意してくれた自宅の
    その大きさに無駄を感じはじめる

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    2016年10月12日