【感想・ネタバレ】審判のレビュー

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Posted by ブクログ

『審判』カフカ
100分で名著。
これで取り上げて欲しい1冊となりました。

1.購読動機
筒井康隆さんの読書の極意と掟のなかの一冊です。プロが影響を受けた書物に関心が芽生えたからです。

2.本書の内容
主人公は銀行エリートです。
30歳の誕生日に逮捕をされます。
それが物語の始まりです。

なぜ逮捕されたのか?
結末は?

読者の関心を引っ張りながら物語は淡々と展開します。

無実を信じる被告。
それがゆえの楽観。
しかし、時の経過とともに、無実を証明する戦いに体力、神経をすり減らす日々。

証明するために、自ら情報をとりにいき認識できる現実。

裁判所なる組織。
裁判官の上級、下級。
弁護士の役割と現実。
そして被告の結末。

3.読み終えて
やりきれない感覚と表現したら良いでしょうか?

40歳と少しで生涯を閉じたカフカ。
独り身であったカフカ。

彼が未完といわれながら描いた作品は、法治国家への警鐘というレベルに留まらないと考えます。
人間の尊厳とは?
社会そして己でどのように守るのか?

#読書好きなひとと繋がりたい


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2020年05月03日

Posted by ブクログ

逮捕された男が追い詰められていく過程がスリリング。

一市民である銀行員のK。
ある朝、犯した罪もわからずに逮捕されるが、拘束されることもない。今までと同じく自由に暮らす毎日。しかし、それも表面上のことであった…

逮捕されながら、自由に暮らす男の不自由さ。
牢獄に繋がれた方が、却って自由であるようだ。
身体は自由なのに次第に追い詰められていくKの焦燥感に、読者も追い詰められていく。

ところどころ抜けがあるものの、一応完結した物語なので最後は一安心。

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2013年03月15日

Posted by ブクログ

好きだ
奇怪な世界に迷い込ませてくれます。
決して明かされることのない訴訟の理由。
唐突に訪れる判決。
意味なんて必要ない。この理不尽さがたまらない。
芸術って、何かのために、とかじゃなく「書かずにいられない」
っていうものの発露なのだなあと思った。

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2011年08月23日

Posted by ブクログ

カフカの描く不条理な世界。
朝起きたらいきなり逮捕され、
自分の罪状が明かされる事はなく、裁判での
画策等に奔走する。無駄骨感がたまらない。

立場が弱いくせに高慢な態度をとったり、
ちょっと歩くとものすごく疲れてしまうキャラクターだったり。

ボケが長いコントを見ているような気分になる。

最後にしれっと死んでしまうのが面白い。

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2009年10月07日

Posted by ブクログ

不条理というカテゴリーが適切かどうかという疑問はあるけれど、やはりカフカはおもしろい。

カフカ本人がモデルであろうKが、ある日突然訴訟に巻き込まれる。わけのわからないまま、Kは現実に対応しようとするが、そもそも理屈のわからないではじまった事態に、現実的に対応できるわけもない。

大雑把な骨組みをみると、これは「変身」や「城」にも似た構造なのがわかる。
カフカにとって現実は得体の知れない不気味なものだったのかもしれない。

彼の文学は個人的なものであったが、たくさんの人に受け入れられている。
人は現実にたいして、得体の知れない脅威を感じるものなのだろう。それはおもに、自分と違う人間で、自分を攻撃したり、排除しようとする人間たちにたいしてだ。

カフカはきっと、そんな現実にたいして抵抗を試み、徒労感、敗北感を覚えたのだろう。しかし、彼の文学を愛する人々は、残された作品に触れて、心地よい鬱とでも呼びたいメランコリックな空気に包まれて、思い通りにはいかない現実から束の間の休息を得るのだ。

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2023年04月01日

Posted by ブクログ

カフカは代表作「変身」だが不条理小説としては「審判」のほうが好み。ある日突然訴状不明の罪により逮捕され、不毛な問答と有罪回避を模索した挙句、しまいには処刑されてしまう。権限と責任の所在が不明な官僚組織の迷路に迷い込み、しかし権威と執行は断行される。、なんという不条理!突然女性からの誘惑やアバンチュールが挿話されるのも理解不能で面白い。事象や事柄を緻密かつ厳密に描写しながらも何ら本質的・実質的なことに触れない文章は見事。ストーリーやレトリックよりただただ紡がれていく不条理な文章を存分に楽しむ作品である。

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2022年08月17日

Posted by ブクログ

カフカの作品を初めて読みました。個人的にはコナン・ドイルのような書き方だなと思いましたが、彼の作品よりもかなり読みやすかったです。


物語はある日銀行員Kが無実のまま突然逮捕されることから始まります。Kは何故自分が逮捕されたのか罪名は何かも分からない、まさに不条理の世界に突き落とされます。次第にKの周りに変化が起き、最終的にKは数々の尋問の後極刑に処せられてしまいます。こんな展開はまさかあり得ないだろうと思うのですが、実はあり得るかもしれないという恐怖がこの作品から感じれます(物語の内容から後のナチス・ドイツによるユダヤ人虐殺を予見した?)


読んだ感想としては「序盤からの大展開は驚き」です。なぜなら序盤の展開では女性との色々が出てきて、K自身もこんな訳の分からない罪名ではどうにもならないと言っていたし、最初にKを尋ねた人物もKを拘束するわけではないと言っていたからです。なので恐らくKも不条理から最終的には解放されると思っていました。しかし・・・


自由が不条理に奪われる。

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2012年02月16日

Posted by ブクログ

オススメはしません、多分万人にお勧め出来ませんよこれ。
でも、オレ的には非常に面白かったです、いや、「笑える」という意味ではなくて、「それは有りなの?どうなの?w」という感じで。
( ゚Д゚)ハァ?な感じで、時々本から顔上げて、「…ちょ…え?…何?今、あんた何て?」と戸惑うこと多々。
そういう意味で、面白かったです。そして、読みにくいですw読みにくいのは好きなんだよ、ああそうだよ、好きなんだよ!w
それにしても、有り得ない話だ。謎の読後感でした。

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2010年07月13日

Posted by ブクログ

不条理文学

二重生活

掟の前で(+考察)

女・女・女

「犬のようにくたばる!」

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

不条理小説と言われているけど、えっ!こんなん当たり前だなぁ~マジありそうな感じがした。
すごくリアル。

まぁ…これもわたしが引退しちゃったせいなのかも知れないんだけど…

Mahalo

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2015年01月10日

Posted by ブクログ

たちの悪い夢。人生は恐ろしい冗談の連続だ。『城』のイメージとごちゃまぜになる。同じ世界なんじゃないか。

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2013年01月18日

Posted by ブクログ

未完の作品と聞いてはいたけれど、結末はちゃんとあるのね。結末は。彼の著作は『変身』、『城』に次いで3作目ですが、作家性・テイスト、筆のクセを感じずにはいられません。著者名を隠されても世界観・世界構造から推察できそう。苦悩に満ちたストーリー展開であっても、それを著しているカフカ自身は書くことで満たされている感があるなあ。それが楽しくもある。
本作は、タイトルからも分かる通り、法律・裁判、その辺りの話題が多く、法学に通じている人ならより楽しめるのかもしれませんね。
☆は三つにします。どうしても既読の同氏著作と比較してしまいましてね。

未完であるとか、完結しているとか、ということにこだわったりしますが、実のところあまり意味を成さないかもしれないなあ。ゴールを重視するか否かの問題です。

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2012年07月19日

Posted by ブクログ

ドイツ文学と分類して、ふと迷う。
彼はプラハ生まれのユダヤ人です。
カフカの何が好きか。笑ってしまうところ。もちろん世間で言われるその他諸々は通過したつもりです。
とにかく、文章を読んでフフフと笑ってしまう可笑しみ。
『変身』を頓挫したはずなのに、『城』、『アメリカ』、その他短編が矢のごとくストレートにストンと落ち着きました。
面白味を得るためには、根気強さが要るということを身をもって経験した十代の私。

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2010年04月14日

Posted by ブクログ

しまった。プラハに向かう電車のなかでうきうきと読んだのは失敗であったか。

なんと絶望的な話だろう。まったく論理のわからないままに、罪人にされてしまうかもしれない。
抗えど、抗えど、主人公におとずれる審判の結果はどうだ?


カフカの多くの未完作品のうちのひとつ。

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2009年10月04日

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