Posted by ブクログ
2010年04月17日
カフカというと、『変身』は広く読まれているのではないでしょうか
朝、めざめると虫になってたという話ですが、
『城』も、主人公のKが、ある村に到着し、自分を取り巻く状況を理解できないままに
もがく様は似ている部分もあります
しかし・・訳者さんにけちをつける気は毛頭ありませんが、読みにくい・・・
恐ろし...続きを読むく会話が長いんですが、淡々と回りくどくて要点がよく分からない・・・
分からなさ加減が、リアリティがあるし、
カフカの不条理感を醸し出しているとも言えなくないのですが
白状しますと、三度目の正直でやっと読破しました
最初に手に取ったのは、10年近く前ですから、随分長くかかりました
10年の間に、読み手の私も変ったんだなと思います
不条理が、そういうことってあるよねって思ってしまう
奇妙な事に、主人公のKだけがイニシャルで呼ばれています
その村では何者でもないK
何を求めているのかも分からなくなりそうな空回りぶり
私もあったな、Kみたいな時・・・
今の社会にも大勢のKがいるんじゃないかなぁ
あっけない結末が、また、なんとも言えません
話したい事の半分も話せないまま、一方的に電話を切られたような後味の悪さ
それが、またリアルなんです