藻谷浩介のレビュー一覧
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山崎さんのような仕事をされている方でさえ「儲けたい」とは思う(金銭的なことを含んだ、多様な意味において)わけで。
「儲けた」という実感を主観ではなく、数字に置き換えたデータでもって「幸福論」として定義し、一個人として実感しなおし、またそれがあることによって共有化が図られる・・・なんてことは全然書かれていません。
どうやったら幸せになれますかね?お金はあんまり無いんですけど。
っていう、全国のチョイ貧乏人、チョイ貧乏自治体。
それらに対して、藻谷さんがわかりやすく説明し、さらなる学習のための道をほんのちょっと見せてくれる、ユーモアたっぷりの対談が載ってる。
そんな本です。
安心して読み進 -
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「そうだったのか!」という目ウロコ本。提言も具体的で納得感が高い。「難しく考えて簡単な答えを見落としてしまう」「本質を捉え損ねて効果の薄い打ち手を乱発してしまう」というのは日々の仕事で自分もやりがちなので、他山の石としたい。オススメの一冊。
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【読書メモ】
●経済を動かしているのは、景気の波ではなくて人口の波、つまり生産年齢人口=現役世代の数の増減だ。
●日本は、中国任せるものは任せ、フランス、イタリア、スイスを追って高級品分野にシフトしていくべきなのです。だって、ハイテク分野では日本にかない -
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現在日本で起こっているのは、100年に1度の不況といった景気循環の話ではなくて、2000年に1度の生産年齢人口の減少といった構造的変化であるということ。高齢者激増(超高齢化)、生産年齢人口(現役世代)減少、少子化(出生率低下×出産適齢期人口減少)は、日本国内に満遍なく恐るべき変化をもたらしていること。景気の波より人口の波。その人口の波に飲み込まれておぼれてしまうのではなく、能動的に乗りこなす意志と実行力が本当に重要。
(3つの目標)
①生産年齢人口が減るペースを少しでも弱める
②生産年齢人口に該当する世代の個人所得総額を維持し増やす
③個人消費の総額を増やす
(処方箋)
①高齢富裕層から( -
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題名がどうも右翼っぽくて、著者らしくないのが気になったが、オーディブルなので聞いてみたがとても良かった。やはり藻谷浩介は空気を読んで無難なことを書く俗物ではなく、全体を俯瞰して必要なことを語る知識人である。デフレの正体のヒットにより有名になった人であり、アベノミクスの間違いを最初から一貫して指摘していた人である。この人が現在の状況を江戸末期の世襲的な身分制によって硬直し、変革ができなくなっていた江戸幕府と現在の政府をその類似性を指摘しているのはその通りだと思う。そして当時と最も異なるのは、そのことを指摘して変革しようとする側の人材不足だ。制度疲労を起こしているのが明らかな社会保障制度や「政権
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里山資本主義。なんて良い響きだろう。
2013年の本であるが、情報と考え方は10年以上経った未だに行きている。
寧ろ、様々なSNSを通して情報共有が盛んになった今からが勝負なのではないだろうか。
もちろん、それらはデメリットもある。
情報だけが先行したり、間違った広まり方をしたり、一時的な流行り廃りに巻き込まれてしまったりなど様々に。
しかし、選択肢として拡がるべき考え方だとこの本を通して改めて思いました。
本の内容としても里山資本主義とは何かと丁寧に説明され、形式として掴みやすかったです。
けれど成功例ばかりが載ってしまっているため、鵜呑みにするのは怖いと感じました。
それと最終総括も急に -
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エコノミストが新聞に投稿した特に政治経済・国際関係などについて意見、提言、批評したコラム集ものだ。中でも気になったのが、「日本の固く古い頭の『官僚制度』の復活では世界の変化には即対応できない組織だ」、また「安倍政権からの『今だけ、金だけ、自分だけ』がどの世界にも君臨し『自己主義』が蔓延、それが当たり前の世間に変わってしまった」という事実を指摘している点だ。更に、近年「ネット世論」なる一部の意見、一部の数値を用いた傾向と意見、それが世論へと変化させ、人々を誘導させているという事実も指摘していることだ。日本の政治も含め「自己主義」が王道になり始め、次期米国大統領のトランプで更に次の段階の「自己主義
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『デフレの正体』などで知られる著者が、毎週日曜日に毎日新聞に掲載されるコラム「時代の風」に寄稿した原稿、2016年5月から2024年6月までの67回分を項目ごとに分け、当時の原稿に対し、現在の著者本人が解説をしながら進んでいく一風変わった一冊です。
『デフレの正体』を読んでから、他の著書や著者の講演を聞いたことがありますが、当時から客観的なデータをもとにした独自の視点は、とても新鮮で興味深く読んだり聞いたりしていたことを思い出します。
著者の問題意識は明確であり、政治や経済など、何となく常識と思い込んでいたことを信じてしまう危険性を改めて感じてしまいます。
そのため、気になった文章をメモしてい -
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デフレが続く日本についての対処法が的確であり、この当時から主張されている内容は現在でも喧伝されるべき内容です。
ただし、デフレが続く日本の主軸理由が人口の減少というのは少し的外れに感じますし、貨幣供給などの金融政策に関しても筆者の考えと私は異なります。どちらかといえば、日本国内の政治的(政策の)な動き、国内の主要企業の動きがデフレに進んだ大きな要因と考えます。
人口減少によってもGDPが変化していない、あるいは増加している国もかなりありますし、農業部門でも従事する人口が減っても4倍以上の収穫量を維持しています。生産維持を含めてGDPの付加価値は必ずしも人口減少で一括りにできるものではないでし -
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地方での持続可能な生活スタイルに関する多くの現場の知見と、経済に関する知見を両輪としていて説得力がある。
また文章も凄い。論文調ではなく、ドキュメンタリーのナレーションを読んでいるような心地よさがある。その分だけ自然、健康、地方の人間社会といった要素を消化しやすくするような描写も多いため、素早く要点を読み解いていくには速読的な読み方が必要になるだろう。
文圧があり焚きつけるような熱意、強い主張を感じる。自分の重視する価値観に大半合致するため嫌味は感じないが、冷静に評価するためには意識的に一歩引いて全体像や自分の場合の実現可能性を検討する必要があると思う。
さて内容についてだが、自然と一体