藻谷浩介のレビュー一覧

  • 世界まちかど地政学NEXT

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    著者の藻谷浩介(1964年~)は、日本政策投資銀行勤務を経て、日本総合研究所主席研究員を務める、地域エコノミスト。2010年発表の『デフレの正体』は2011年新書大賞第2位となり、販売部数は50万部を超えている。
    本書は、著者がこれまでに訪れた世界105ヶ国での見聞・考察を、2017年4月から毎日新聞社のインターネットサイト「経済プレミア」に週刊連載している、「藻谷浩介の世界『来た・見た・考えた』」の書籍化第2弾。第1弾は、毎日新聞社から2018年2月に発刊された『世界まちかど地政学』。(第1弾の後、続編を期待していたのだが、早速出版されて嬉しい限り)
    本書に収められた国・都市は、「途上国問題」としてラオス、東ティモール、パラグアイ、「都市問題」としてニューヨーク、「民族問題」として旧ユーゴスラビア(クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、モンテネグロ、セルビア、北マケドニア、コソヴォ)、アルバニア、「国民国家の問題」としてルクセンブルク、アンドラ、モナコ、ニース、「宗教問題」としてレバノン、ヨルダンである。
    著者の旅に対するポリシーは極めて明快で、「観光地の前にまずは首都へ」、「興味は名所旧跡ではなく、その国のいまの社会状況にある」、「「首都を日帰りや1泊でチラ見したところで何がわかるものか」という批判はあって当然だし、筆者もいつもそう自問自答している。それでもチラ見するのと、一度も行かないのとはまったく違う」、「書斎で膨大な数の本を読んで知識を得る人がいるように、筆者は世界の無数のまちかどで、現場の光景を読み取りつつ、「この世界はどのように出来上がってるのか」ということを考え続けてきた」というものであり、本書もそれに則った内容・記述になっている。
    私は著者と同年代の会社員で、これまで公私で40ほどの国を訪れる機会があったが、もちろん美しい自然や歴史的建造物を見る楽しみはあるものの、一方で、歳を重ねるごとに、“世界各地の人間社会”がどのように存在し、そこで人々はどのような生活を送り、更に、それを我々はどのように捉え、考えるべきなのか、に強く関心を抱くようになっており、著者のアプローチ方法には強く共感する。(私は一昨年イスラエル&パレスチナを一人旅したが、近いうちに旧ユーゴを巡りたいと思っている)
    観光ガイドとも、紀行エッセイとも、ルポルタージュとも異なる視点で、今知るべき世界の一部を垣間見ることのできる面白い一冊である。
    (2019年4月了)

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    2019年04月30日
  • 世界まちかど地政学 90カ国弾丸旅行記

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    【ぶらりと観察】時に一風変わった歩き方で世界各地を巡りに巡った著者が,訪れたいくつかの国・地域に関してまとめた旅行記。本作においては,コーカサス地方やカリーニングラード等,あまり多くの邦人が訪れない国・地域を取り上げています。著者は,大ヒットを記録した『デフレの正体』等で知られる藻谷浩介。

    さらりと読めると同時にじっくりと考える上でのヒントを提供してくれる作品。著者が地域再生等の問題に興味を置いていることもあり,日本と比較すると一風変わった地域の問題をさらに一風変わった眺め方で切り取っているように感じました。

    〜常に双方からの目,さらには第三者の目を持たなければ,物事の全体像は見えない。そしてそのためには,国外に出ていろんなことに気づき,現地の視点から日本と世界を眺め直してみることが必要だ。〜

    ネットで連載もされているようです☆5つ

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    2019年01月30日
  • 里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く

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    資本主義といえば、「より多く稼ぎ、より多く消費することで豊かになる」という成長志向の経済モデルが一般的だ。しかし、本書が提唱する「里山資本主義」は、その対極にある発想である。

    例えば、岡山県真庭市の林業モデルが示すように、「支出を収入に変える」という視点を持つことで、新たな経済の形が生まれる。木材廃棄物を燃料に変え、外部エネルギーに頼らない地域経済を形成することで、世界のエネルギー価格変動に左右されない持続可能な仕組みを実現しているのだ。

    この考え方は、単なる「スローライフ」の提案ではなく、マッチョな資本主義に対抗する「したたかな経済戦略」でもある。成長を追い求める資本主義と、地域資源を活かした持続可能な経済を両立させることで、本当の意味での「豊かさ」を築くことができるのではないだろうか。

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    2025年02月04日
  • デフレの正体 ──経済は「人口の波」で動く

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    日本開発銀行など政府関係の公職を多数勤めた経済の専門化により、主として日本経済の実態について語った本。日本経済の低迷は、生産年齢人口の減少が主因であるとの意見には納得できた。展開は、論理的であり、解決策にも違和感はない。特に高齢富裕層のお金を循環させることが大事との意見は、大いに賛同できる。ただ、文章が話し口調であり、学術的な論文形式になっていないところが気になった。印象的な箇所を記す。
    「首都圏では00-05年の5年間で106万人の人口増加があったが、生産年齢人口は減少している。0-14才は6万人の減少、65歳以上が118万人増加している」p99
    「首都圏の高齢者福祉の現場が需給逼迫している原因は、住民の加齢による高齢者の絶対数の激増という単純な事実であることを誰も言わない」p114
    「団塊世代が住宅を買い終わってしまえば、日本史上二度と同じレベルの住宅需要が発生することはない」p124
    「(日本の経済状況について)戦後復興の中で、たまたま団塊世代が生まれた。彼らが加齢していくのに伴い、そのライフステージに応じてさまざまなものが売れ、そして売れなくなっていく。この単純なストーリーで説明できてしまう」p125
    「つまり恒常的に失業率の低い日本では、景気循環ではなく生産年齢人口の波、つまり「毎年の新卒就職者と定年退職者の数の差」が、就業者総数の増減を律し、個人所得の総額を左右し、個人消費を上下させてきた」p131
    「国内新車販売台数、小売販売額、雑誌書籍販売部数、国内貨物輸送量、蛋白質・脂肪摂取量、国内酒類販売量、一人当たりの水道使用量は、まさに「人口オーナス」の直接的な表れです」p135
    「同じような商品が供給過剰に陥っていないこと、顧客側の品質への評価が価格転嫁できていること、総じて言えば「ブランド」が高いかどうかが、内需そしてGDPが拡大する決め手なのです」p147
    「(定年退職者が増えると)多くの高齢者である投資家は、さらに投資額を増やすことばかりに関心があって、豪邸一軒、車一台新たに買いません。パーティー一つしないのですから、内需は縮小の一途です」p148
    「発生した消費者余剰(もらっても使われないお金)は、高齢者が老後に備えて確保する極めて固定性の高い貯蓄という形で「埋蔵金」化してしまい、経済社会に循環していません」p168

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    2019年12月02日
  • 経済成長なき幸福国家論 下り坂ニッポンの生き方

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    東京の出生率の低さ 子供を三人以上産む人が少ない 出生率2は3人以上が支え
    製造業から文化立国へ 文化により付加価値を与える(30)
    成熟国家の時代
     多様性が不可欠
    Iターン・Jターンが地域・自治体を選ぶ理由 自由・文化
    「自己決定力」を持つのがElite

    「付加価値」他者との違い 長期記憶の組合わせ=イノベーション
    皆が効率の良い労働に疲弊して、消費も文化も均一化
    「多様性」の真逆

    「日本社会のリセット論」は

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    2018年11月11日
  • 世界まちかど地政学 90カ国弾丸旅行記

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    実際に訪問したからこそ分かる世界各地域の特徴を述べている本。徒歩が好き、乗り物が好き、街に行ってみるのが好き、など観光地ではなく各地の日常生活を知ることが著者の旅の目的であるようで、非常に共感できる。昨今の世界情勢をふまえた考察も大変興味深い。続編も大いに期待したい。

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    2018年07月01日
  • 世界まちかど地政学 90カ国弾丸旅行記

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    日本の地方問題の論客は世界の辺境の国の首都を飛び回る旅客でもありました。『「成田空港で国際線から国際線に乗り換えた際に、二時間だけ入国して成田山新勝寺に立ち寄った外国人が、それだけの経験から日本を語る」というような覚悟と気合で、足と頭をフル回転して、本を味読するように町を読み取っているのです。』という、観光でもビジネスでもない体感旅。本書に登場するのは、うっすら国名、首都名知っていたとしてもどこにあるか?どんな国か?まったく知らなかった未知の国々、都市たちです。カリーニングラードなんて、すいません、全然知りませんでした。でも、カリーニングラードを知らずしてロシアとの北方領土交渉、語るなかれ、とか、なるほど!です。そうなんです。まったくイメージのない国の実情が日本のこれからに繋がっていることにびっくりと納得の連続です。最近、鳥の目で世界を見たり歴史を語ったりする読書が続いていますが、今回は虫の目で見る気分になりました。当然、複眼の世界観。いやー、世界は広く多様で、そして自分の中での日本の居場所もかなり相対化されました。

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    2018年05月19日
  • 世界まちかど地政学 90カ国弾丸旅行記

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    著者の藻谷浩介(1964年~)は、日本政策投資銀行勤務を経て、日本総合研究所調査部主席研究員を務める、地域エコノミスト。2010年発表の『デフレの正体』は2011年新書大賞第2位となり、販売部数は50万部を超え、また、2013年のNHK広島取材班との共著『里山資本主義』もベストセラーとなっている。
    本書は、著者がこれまでに訪れた世界90ヶ国での見聞・考察を、2017年4月から毎日新聞社のインターネットサイト「経済プレミア」に週刊連載している、「藻谷浩介の世界『来た・見た・考えた』」を書籍化したもの。
    取り上げられた国・地域は、ロシアのカリーニングラード、アイルランドと英国(北アイルランド、ウェールズ、スコットランド、イングランド)、コーカサス3国(アゼルバイジャン、ジョージア、アルメニア)、スリランカとミャンマー、台湾と韓国と中国(の高速鉄道)、アンカレジ、パナマ、ラパスと、実にマイナーな場所であるが、それは著者の旅が「自分の目で見た「二十一世紀地政学」を書く」という明確な意図を持ったものであることによる。
    そして、そのアプローチの方法は、「観光都市よりも先に首都、博物館や史跡よりも駅や広場や商店街」、「何を見るべきかなどの予習はせずに、歩いて行く方向を直感で決め、歩きながら見たままを感じる」というものであり、それにより「ガイドブック通りに名所を巡るよりも、より多くのことに気付」くという。
    私は著者と同年代の会社員で、これまで公私併せて40ほどの国を訪れる機会があったが、もちろん美しい自然や歴史的な建造物を見る楽しみはあるものの、一方で、歳を重ねるごとに、著者が「多くの人は聞いたこともないような国の話も書いてきました。ですがどの国も、日本と同じく二十一世紀に存在する人間社会です」という、“世界各地の人間社会”がどのように存在し、そこで人々はどのような生活を送り、更に、それを我々はどのように捉え、考えるべきなのか、に強く関心を抱くようになっており、「まずは現地をみて考え、現地に身を置いて議論しないことには始まらない」という著者のポリシーには強く共感を覚える。
    旅行者向けの観光ガイドとも、物書きの紀行エッセイとも、ジャーナリストのルポルタージュとも異なるアプローチで、今知るべき世界の一部を垣間見ることのできる面白い一冊と思う。ぜひ続編も出版して欲しい。
    (2018年3月了)

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    2018年04月08日
  • 経済成長なき幸福国家論 下り坂ニッポンの生き方

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    バブル期のような派手でおかしな時代はもう来ないだろうけれど、ああいうのとはまるで反対の意味で楽しく暮らせる社会が、あと少しの時間と手間暇を掛けたら実現されそうな気がして来る、そんな本。日本はまだまだ捨てたもんじゃない。てか、これからだね。

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    2017年12月21日
  • 観光立国の正体

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    内容ですが、
    1 観光立国のあるべき姿 山田桂一郎
    第1章 ロールモデルとしての観光立国スイス
    第2章 地域全体の価値向上を目指せ
    第3章 観光地を再生する――弟子屈町、飛騨市古川、
                  富山県の実例から
    第4章 観光地再生の処方箋
    Ⅱ 「観光立国」の裏側 藻谷浩介×山田桂一郎
    第5章 エゴと利害が地域をダメニする
    第6章 「本当の金持ち」は日本に来られない
    第6章 「おもてなし」は日本人の都合の押しつけである

    観光でしか地域で雇用が発生しないというスイスで観光業だけでなく地域全体の産業も巻き込み、持続可能な観光を巻き込んだ地域産業づくりの実践の紹介。
    そして、お二人の業界・行政・国の舞台裏もしっかりと経験を積み重ねている裏話。
    また、地域のボスと政治家とのからみなど。
    凄い内容が話されていました。
    結局、地域のことを真に真面目に考える人たちが集まればいいのです。
    官僚の行政のための観光補助金・一発ものイベントなどいあらないのです。
    それと、大手旅行会社・大手電鉄など。
    目からうろこの話ばかりでした(笑)。

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    2017年08月11日
  • 観光立国の正体

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    この『観光立国の正体』で語られている内容の多くは、正しく「実は“判らない”ことを誰かが声を大にして言っていて、“仰せのとおり”とそれを進めようとしている人達も大勢居るが、考えれば考える程に“見当違い”で、一体どういう“程度”なのか?」というように要約してしまって差し支えが無い話題だと思う。
    こういう内容…広く読まれるべきだと思う…が…何となく思ったのは、共著者の一人が観光庁か何かの指定する“カリスマ”とやらになっているから、本書は世に出ることが「叶った」のではないかということだ…こういう「公的な何か」が付けられているでもなければ、「知る人ぞ知る、何やらユニークな活動を続け、独自の識見を有する人が在って…」で終始していたかもしれない。本書の内容の多くは「どう考えても正論だが、多数派には至っていない」論のように思えるからだ。「異議在り!!」が、本書のような文章の出発点にはなる筈だが、「☆☆様が仰っている。仰せのとおり…」と大勢がやっている中では、そういうモノは却下の憂き目を見易い…

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    2017年01月04日
  • 観光立国の正体

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    鋭い指摘が沢山あった。
    とにかくマーケットイン
    今だけここだけあなただけを考える。

    高浪で食事メニューなにかできないか?

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    2016年12月26日
  • 和の国富論

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    講義中ピリピリする藻谷浩介先生が喜んでサインしてくれました。
    本の内容は、教育、高齢者+空き家対策、この2点は非常に勉強になりました。

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    2016年10月25日
  • 和の国富論

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    ☆☆☆2016年7月レビュー☆☆☆


    『里山資本主義』や『デフレ招待』の著者である藻谷氏の対談集。林業、漁業など6つのテーマでそれぞれの「現智の人」と対談。藻谷氏の本を読むといつも「自分も何かしよう」と思える。社会の目指すべき方向のため、地域社会のために何かできることはないだろうか、と考えさせられる。


    ★★★2017年8月レビュー★★★
    「現智の人」との対談集。
    林業、漁業、空き家、崩壊学級。現場の声を藻谷氏が読者に届ける。都市・建築再生プロモーター清水氏との対談が印象に残った。千代田区の廃校を利用したアートセンター、岩手県の紫波町オーガルプロジェクトなど、多くの街づくりをてがけている。本当に住みよい街とは、職場とは何か。それが今の東京ではないことは確かだ。清水氏のいうように、本当にいい街とは、いろんな機能が混在している街。家も公園も家も職場も。家と職場を真っ二つに分断してしまっているのが東京。
    人間が本来持っている「営業生活権」を復活すべきという考えにも共感できた。

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    2017年08月07日
  • 藻谷浩介対話集 しなやかな日本列島のつくりかた

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    足元の一歩一歩を大切に生きている人たち。
    特に商店街、限界集落などきになるキーワードに触れ、元気ももらえる。

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    2016年06月07日
  • 藻谷浩介対話集 しなやかな日本列島のつくりかた

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    「類は友を呼ぶ」というか、敬愛する藻谷浩介さんがそういう人たちと対話した本。
    とても興味深く読んだ。

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    2015年12月23日
  • 金融緩和の罠

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    ネタバレ

    河野龍太郎さんのインタビューを新聞で読んで、この方の本を読んでみたいと思い、この本に辿り着く。

    この本は、萱野稔人(津田塾大教授)が、安倍政権で推し進める金融緩和に反対意見を主張する3名、藻谷浩介氏(日本総研主席研究員)・河野龍太郎(BNPパリバ経済調査本部長)・小野喜康(阪大教授)とそれぞれ対談した内容がまとめられている。

    感想。とっても面白い。読んで良かった。

    備忘録。
    ①藻谷氏の見解
    ・リフレ論は「供給されたお金は必ず消費される」という前提に立っている。それは現実と乖離している。
    ・バブル崩壊以降の日本の景気低迷は、貨幣供給量不足が引き起こしたのではなく、モノの需要不足によるものだ。だってバブル崩壊後日本の生産年齢人口が減っているんだもの(15年で7%減少)。
    ・人口オーナス→モノの供給過剰→モノの値崩れ、これが不況の原因だ。
    ②河野氏
    ・物価上昇→金利上昇→日銀は物価安定か金融システム安定のどちらかを選ぶ必要あり。たぶん金融システムの安定(国債買い支え)を選ぶ=金融緩和→円安→また物価上昇→また金利上昇・・・
    ・労働力と設備(資本)は独立していない。労働力が増加すれば設備も増える。労働力が減れば消費が減るから投資に躊躇し設備が減る。いずれも労働力(人口動態)から始まる)
    ③小野氏
    ・小野理論:成熟社会では欲望の対象がモノではなく、お金が究極の欲望対象になる→セイの法則が成立しない→モノが余る→雇用不安→不況

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    2015年01月16日
  • 藻谷浩介対話集 しなやかな日本列島のつくりかた

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    藻谷さんと日本で様々な分野で活躍している方々との対談集。全体を通してここに登場されている方々は、周りに(特にお金の誘惑や慣習)踊らされず現実をみて行動されているのだな〜。こんなこという人達が居るのか〜!と面白くてどんどん読み進めてしまいました。

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    2014年10月30日
  • 藻谷浩介対話集 しなやかな日本列島のつくりかた

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    この本は、できるだけ多くの人に読んで欲しい。
    持続可能な日本の作り方が書かれている。特に鉄道の復権を謳った宇都宮氏との対談に感動した。
    路面電車や鉄道は赤字でも続ける意味はある。それを声を大にして言いたい。道路、自動車は鉄道の何百倍も費用がかかっている事を、政府・マスコミは知るべきだろう。

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    2014年09月16日
  • 藻谷浩介さん、経済成長がなければ僕たちは幸せになれないのでしょうか?

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    201405/
    行政に呼ばれて僕たちがコミュニティの話を聞きに行っても「特に問題はないから何もやらなくていい」という回答ばかりな町もあります。しかし、実際には商店街は空き店舗だらけ、小学校も統廃合が繰り返され、耕作放棄地が増えている。町に住む人が自分たちの町の課題をしっかり認識していない場合が多いですね。/
    どうせ市民活動をやるのだったら、市内各所でバラバラにやるのではなく、駅前の広場や空き店舗、あるいは駅中、駅近くの神社などを利用しましょう、と呼びかけたのです。そうすると、それぞれの活動団体のファンがさらに駅前に集まる。その人たちが活動団体のプログラムに参加して、ついでに商店街で少し買い物して帰る。そんな循環をつくり出そうというのが、今延岡で取り組んでいることです。/
    実は同じ日本でも場所によって、ストックがひじょうに豊かにある所と、ストックを摩耗させてしまって日銭がないと生きていけない地域があるのです。ストックがきちんとある所はそんなに日銭がなくても幸せに生きていける。みんなが家や農地を持っていて、海産物にも恵まれたさっきの海士町なんかがそうですよね。鹿児島もそうなんです。今は目先では儲かっていないけれども、人材のストックがちゃんとあり、償却の終わったビルもあって、ある程度の購買力のある層がいる。そういうストックがあると、所得が低い県でもそのストックで食いつないでいけます。/
    今までの話を整理すると、まずは①仮定を積み重ねてつくられた経済成長率の計算が実体とずれてしまう。次に②経済成長率の計算が仮に正確にできたとしても、それは平均値の話なので、そのなかにいる個人個人の富の増加ペースとはずれている。さらに、③経済成長率が本当に高い地域に成長を実感できている人がいたとしても、そこで測っているのはフローであって、過去にその人がどれだけストックを蓄積できているかという話ではない。その人の暮らしている地域にどれだけのストックがあるのかという話もこの数字には出てこない。これは青森の例を出すとわかりやすいでしょう。ストックが少ない県なんだけれども、さっきのグラフの時点では核燃料サイクル基地の建設がピークだったことから、たまたまフローが大きくて経済成長率が高くなったのです。おしまいに、④経済的にストックがあってかつ成長していたとしても、その人が人間的に幸せになれるとは限らない。このように数字と実感の間には、四重のずれが生じてしまうわけです。/
    もともとコミュニティデザインあるいはコミュニティプランニングと呼ばれる仕事は1960~70年代に一度アメリカから輸入されているのです。その時、アメリカで言われていたコミュニティデザインあるいはプランニングというのは、ニュータウンをつくる時に知らない人たち同士がどうやってコミュニティをつくるかを目的としたものでした。つまり、地縁型のコミュニティ、自治会をどうつくるかというものでした。/
    ただそれが30~40年経つ間に、日本ではまあまあ経済成長してニュータウンも一通りでき、人口もガンガン増えていく時代ではなくなり、むしろニュータウンの中から少しずつ空き家が目立ってきました。そして90年代から2000年にかけて、もう少し違うタイプのコミュニティデザインが必要ではないかという気運が生まれたのだと思います。その時に問題となっていたのが、孤独死だったり隣に誰が住んでいるのかわからないという状態でした。それはある種の犯罪につながったりするかもしれないし、そういう人びとのつながりのなさが問題になってきて、これはもう住棟配置をどう工夫しても解決できるものじゃないなということが見えてきたのです。ハードだけで人のつながりをつくるのが難しくなってきて、NPOの人たちと協働しながら、ソフトのアイデアで直接、人と人をつなげていかないといけない時代になってきたのだと思います。/
    いつの間にか、アダム・スミスが描いたような「いつか経済が成長してみんなが豊かになり、人類が殺し合うことはなくなる」という世界観から、「成長しろ」ということだけがイデオロギーとして取り出されてい待ったんです。/
    幸せは計るものではなく、実感するもの/
    何を持って幸せの目標とするのかがないままに、単に金勘定上損だからと言い出すと、実は日本の存在自体が金勘定上、損だったりするのです。世界の果てからわざわざ資源を運んできて、わざわざ製品をつくって元の所に売って戻すなんて、エネルギーの無駄でしょう?しかもそこが天災多発地帯で、東日本大震災がユーロショックを誘発したりするわけですから、本当はそんなところに経済力があると困るのです。日本がなくなった方がいい・・ということだってあり得るのです。/
    どこで線を引くかというと、やっぱりある程度そこそこのフローとストックがあって、ある程度みんながハッピーに暮らせている所。移住させるとかえってみんながアンハッピーになって、おそらくお金もさらにかかってしまうような所。それとは別にお金では測れないけれど住んでいる人がある程度、幸福になれる仕組みが備わっている所。そこら辺を勘案しながら、個別具体的に考えないといけません。/
    今世界に評価されている日本の伝統文化は、まったく人口が増えなかった江戸時代後半に発展したものなのです。/
    中山間離島地域では、自治会や老人会や婦人会のような地縁型コミュニティの力が強くて、「しがらみ」という言葉に代表されるように過度な結びつきが活動を抑制していることが多い。若い人が何かやりたいと言っても、自治会、婦人会、老人会の手前、勝手なことはできないよという雰囲気がある。監視の目も含めて、一般的に地縁の結びつきが強すぎる場合が多いです。そういう場合は、テーマに特化したコミュニティをつくっていくことが多いのですね。だから、中山間離島地域では地縁型の自治会や区会を前提として、さらにテーマに特化したコミュニティをどうつくり、お互いに刺激しあえるかを計画することになります。/
    ある意味、明治時代の東北に行ったことのある現代人がいたとしたら、今のブータンと同じことを感じたかもしれないと考えます。でもやはり、その後の時代にはみんな物欲にまみれた。しかし、21世紀になって震災になってみると助け合いましたよね。だから、一旦物欲まみれというステージをきちんと通り過ぎた後で、やっぱり物欲だけではしょうがないというところに至って初めて、次のステージに行けるのではないかと思います。だから私は、ちょっとブータンに危うさを感じています。日本は、むしろ物欲を通り過ぎるところまで来ているので、逆にブータンにはできないような別の幸福度を入れても良いように思います。/
    東京都青ヶ島村/
    人口214人(2005年国勢調査)、日本最少の自治体だ。東京より船で11時間の八丈島からさらに70km南の絶海の孤島。全周が断崖絶壁で、南半分には巨大な火口が開く。「八丈島の黒瀬川」(黒潮本流)を突っ切る困難から、往来は毎朝1便のヘリコプター頼みだ。海水をひんぎゃ(火山の噴気)で3週間乾燥させた「ひんぎゃの塩」は全国に通販されるが、村の歳出12億円に対し村税収入は4000万円に満たない(2005年度)。なぜそこまでして住むのか、その理由は島の歴史にある。江戸時代半ばまでは、火口の中の池のほとりで豊かな農業が営まれていた。しかし1785年の大噴火で全島が被災、救難船に乗れなかった130名が命を落とす。助かった200名は八丈島内の荒地に入植し、艱難辛苦の末39年後に全員で「還住」(帰島)。溶岩で埋まった火口内をあきらめ山頂の北側斜面に甘藷畑を開拓、11年後ついに検地を受け年貢を納めるに至り、誇りを込めて「再興」を宣言した。当時の年貢も現代の天然塩売り上げも微々たるものだろう。だが生を受けた土地に根ざして道を拓き、微力でも社会参加を志す意思の尊さは、他所の住民に勝るとも劣らない。地震が多発する火山列島・日本に住まう者として、彼ら還住者の子孫の思いを否定できようか。/

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    2014年05月29日