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Posted by ブクログ
藻谷さんの考え方に共感できる。
コスト削減ばっかりしても意味ないってことが強く刺さった。
一般消費者がお金を払うことが経済成長につながる。
そのためには給料はあげないといけないし、
お金を出そうと思える商品がたくさんないといけない。
人口減少自体は悪いことだと思わないけど、
そのスピードをゆるめるために、まだまだ一人の親が2人以上は産まないといけない。
高齢者が貯蓄ではなく安心して消費に使えるような社会システムも必要だし、消費を促すために高齢者向けの商品をもっとブランディングしないと。
高齢者がエルメス持ってていいし、ディオールのリップ塗ってていいし、可愛いピラティスのウェア着てたらいいと思う。
Posted by ブクログ
日本開発銀行など政府関係の公職を多数勤めた経済の専門化により、主として日本経済の実態について語った本。日本経済の低迷は、生産年齢人口の減少が主因であるとの意見には納得できた。展開は、論理的であり、解決策にも違和感はない。特に高齢富裕層のお金を循環させることが大事との意見は、大いに賛同できる。ただ、文章が話し口調であり、学術的な論文形式になっていないところが気になった。印象的な箇所を記す。
「首都圏では00-05年の5年間で106万人の人口増加があったが、生産年齢人口は減少している。0-14才は6万人の減少、65歳以上が118万人増加している」p99
「首都圏の高齢者福祉の現場が需給逼迫している原因は、住民の加齢による高齢者の絶対数の激増という単純な事実であることを誰も言わない」p114
「団塊世代が住宅を買い終わってしまえば、日本史上二度と同じレベルの住宅需要が発生することはない」p124
「(日本の経済状況について)戦後復興の中で、たまたま団塊世代が生まれた。彼らが加齢していくのに伴い、そのライフステージに応じてさまざまなものが売れ、そして売れなくなっていく。この単純なストーリーで説明できてしまう」p125
「つまり恒常的に失業率の低い日本では、景気循環ではなく生産年齢人口の波、つまり「毎年の新卒就職者と定年退職者の数の差」が、就業者総数の増減を律し、個人所得の総額を左右し、個人消費を上下させてきた」p131
「国内新車販売台数、小売販売額、雑誌書籍販売部数、国内貨物輸送量、蛋白質・脂肪摂取量、国内酒類販売量、一人当たりの水道使用量は、まさに「人口オーナス」の直接的な表れです」p135
「同じような商品が供給過剰に陥っていないこと、顧客側の品質への評価が価格転嫁できていること、総じて言えば「ブランド」が高いかどうかが、内需そしてGDPが拡大する決め手なのです」p147
「(定年退職者が増えると)多くの高齢者である投資家は、さらに投資額を増やすことばかりに関心があって、豪邸一軒、車一台新たに買いません。パーティー一つしないのですから、内需は縮小の一途です」p148
「発生した消費者余剰(もらっても使われないお金)は、高齢者が老後に備えて確保する極めて固定性の高い貯蓄という形で「埋蔵金」化してしまい、経済社会に循環していません」p168
Posted by ブクログ
「そうだったのか!」という目ウロコ本。提言も具体的で納得感が高い。「難しく考えて簡単な答えを見落としてしまう」「本質を捉え損ねて効果の薄い打ち手を乱発してしまう」というのは日々の仕事で自分もやりがちなので、他山の石としたい。オススメの一冊。
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【読書メモ】
●経済を動かしているのは、景気の波ではなくて人口の波、つまり生産年齢人口=現役世代の数の増減だ。
●日本は、中国任せるものは任せ、フランス、イタリア、スイスを追って高級品分野にシフトしていくべきなのです。だって、ハイテク分野では日本にかないっこないフランスやイタリアが、人口でも半分ほどしかない彼らが、ブランドの食料品と繊維と皮革工芸品を作ることで、日本から貿易黒字を稼いでいるんですよ。東北地方と大差ない人口のスイスなんか、医薬品に高級時計なんかもあって、人口比で見ればはるかに大きな黒字を稼いでいます。日本だってアジア相手に同じことができるんです。
●第一に地域経済を左右するのは何と言っても雇用の増減(就業者数の増減)であり、第二に失業率だの有効求人倍率だのは定義上も現実にも必ずしも雇用の増減とは連動しないものだからです。
●「生産年齢人口減少」と「高齢者激増」の同時進行を、「少子高齢化」というズレた言葉で表現する習慣が、全国に蔓延しています。ですが「少子高齢化」というのは、少子化=子供の減少と、高齢化=高齢者の激増という、全然独立の事象を一緒くたにしているとんでもない表現であり、「子供さえ増やせれば高齢化は防げる」というまったくの誤解の元凶にもなってしまっています。さらには最も重大な問題である「生産年齢人口減少」を隠してしまってもいますね。
●「少子化」といえば「出生率の低下」だと思っている人が非常に多いのですが、そうではなくて文字通り子供の減少、つまりは「出生数の減少」こそが少子化です。そして「出生率の低下」というのは、少子化が起こる二つの原因の一つにすぎません。もう一つの原因が親の数の減少、正確には出産適齢期の女性の数の減少です。こっちは出生率とは違って後でいじることができません。ちなみに最近の日本で起きているのも、正にこの「親の数の減少」による「出生者数の減少」でして、少々出生率が上がったくらいでは改善は生じません。
●株主資本主義なるものは、短期的視野の株主と長期的視野の株主を同等に扱うという現状のやり方を放置している限り、GDPの停滞ないし減少を不可避的に招くのです!
●日本の産業は、付加価値額を上げる方向に、人減らしではなく商品単価向上に向け努力するべきなのです。その結果として生産性が上がるのです。
●現在の先進国において絶対的に足りないもの、お金で買うこともできないのは、個人個人が消費活動をするための時間なのです。
●では日本経済は何を目標にすべきでしょうか。「個人消費が生産年齢人口減少によって下ぶれしてしまい、企業業績が悪化してさらに勤労者の所得が減って個人消費が減るという悪循環を、何とか断ち切ろう」ということです。
①生産年齢人口が減るペースを少しでも弱めよう
②生産年齢人口が該当する世代の個人所得の総額を維持し増やそう
③(生産年齢人口+高齢者による)個人消費の総額を維持し増やそう
●第一は高齢富裕層から若い世代への所得移転の促進、第二が女性就労の促進と女性経営者の増加、第三に訪日外国人観光客・短期定住客の増加です。
●それでは、企業に何ができるのでしょう。一言で言って、年功序列賃金を弱め、若者の処遇を改善することです。特に子育て中の社員への手当てや福利厚生を充実すべきなのです。彼ら若い世代にはたとえ大企業の社員であっても金銭的な余裕はありませんから、手取りが増えた分は使ってくれますし、休みが増えた分は消費活動にも回してくれます。・・・現在進行しつつある団塊世代の退職によって結構な額が浮いてくる人件費を、なるべく足元の益出しに回さずに(利益を出せば出すほど配当などの形で、あなたの商品を買いもしない高齢富裕層に還元されてしまいます。)、若い世代の人件費や福利厚生費の増額に回すということです。
●成功のカギは、①高齢者の個別の好みを先入観を排して発見すること、②高齢者が手を出す際に使える「言い訳」を明確に用意することに加え、③多ロット少量生産伴うコスト増加を消費者に転嫁可能な水準以下に抑えること、になります。私はこの③を「値上げのためのコストダウン」と呼んでいます。
●格差是正ではなくて、一定の絶対水準以下に落ち込んだ社会的弱者の、人間としての最低限のラインまでの救済こそが必要です。当然そこまで落ち込んでいない人との格差は残りますが、少なくとも「貧富の差に関係なく受けることのできる教育と平均寿命は違わない」というようなところが目指すべき水準になるのではないかと思っています。
●反証がないことだけを暫定的に信じる、明確に反証のあることは口にしないようにすることが、現代人が本来見につけておくべき思考法です。実際には世の中の多くの事象は証明されていない(証明不可能な)ことなのですから、反証があるかどうかを考えて、証明はできないまでも少なくとも反証の見当たらない命題だけに従うようにしていれば、大きな間違いは防げるのです。
●今の日本に本当に大事なのは、仕事と称して縮小する市場相手に死に物狂いの廉価大量生産販売で挑むことではなく、家庭を大事にして再び子供が生まれやすい社会にすることでしょう。その重要な責務を、女だけに担わせて男は担わないというのは、時代錯誤も甚だしい。仕事が大事で家庭が後回しというのは、今世紀の日本ではもはや社会悪のレベルに達した考え方です。
●日本で女性の就労を進めるには、さらに三つの壁があります。それは、①男の側の心の壁(「自分は女ではない、男である」ということを誇りに思うよう躾けられてきた一部男性の「人格形成不全」)、②女の側の心の壁(女が頑張ると女が足を引っ張るというさみしい現象)、そして心ではなく③現実の壁(働く女性の代わりに家事を誰が分担するのか)、の三つです。心の問題に関しては、若者への教育を改善しつつ世代交代を待つしかないともいえますが、最後の問題については、明らかに心強い援軍が存在します。企業社会から退場しつつある高齢男性です。彼らが社会人として蓄積してきた能力と手際を持って、若い女性の代わりに家事に当たれば、その分彼女たちは所得を得て経済を拡大することができ、高齢男性の側も賞賛を得ることができます。
●私は「努力できるのにしない人間をそれなりに締め上げること」は必要だと思っていますが、「努力できる、できない」を「結果から一律に判別する」のはそもそも難しいと思っています。さらには、医療福祉や教育といった、個人の生存権や次世代の機会均等に関係する部分を締め上げに使うことは反対です。
●高齢者の激増に対処するための「船中八策」
1)高齢化社会における安心・安全の確保は第一に生活保護の充実で
2)年金から「生年別共済」への切り替えを
3)戦後の住宅供給と同じ考え方で進める医療福祉分野の供給増加
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