高山真由美のレビュー一覧
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ネタバレパートナーと読んだ。
以下抜粋
経済的判断基準に頼りすぎるというのは、わたしが調べた第一の転換期のカップルがよく陥る罠だった。彼らは最大限の収入を得るために、住む場所を選び、優先させるキャリアを選び、どちらが主に子供の世話をするか選んだ。
当事者であるカップルの価値観や望みを、経済的な必要性よりも軽視しているからだ。
ある決断をするときに、その決断の実際的な側面の下に横たわる感情や価値観、不安などを理解し、共有し、話し合っておけば、それをあらかじめ軽減しておくことができる。
人生の本当のパートナー同士は相手を頼らずにそれぞれ独立するのではなく、互いに依存するものだからだ。
「わたしはあなたの自由を尊重するから、あなたもわたしに同じようにしてほしい」結果はゼロサムゲームになるだけであるーつまり、一方の利益が他方の損失になる。
最初にやるといいのは、自分たちが中期的なスパンでーたとえば、これから5年くらいのあいだにーキャリアと人生に何を求めるのか、二人で話し合うことだ。
わたしたちがパートナーに望むのは、わたしたちを形づくってくれることではなく、わたしたちが最良の自分、本来の自分を解放できるよう手助けしてくれることである。 -
Posted by ブクログ
『私たちは子どもに何ができるのか』を通して、子どもの発達は本人の努力以前に「環境」、とりわけ家族の関わりが決定的に重要であると学んだ。ストレスや親の反応欠如は、ネグレクトに至らなくとも深刻な影響を及ぼす。一方で、声かけや微笑み、温かい対話といった些細な配慮が、非認知スキルや自制心の土台を育てる。問題行動は子どもの資質ではなく、大人側の余裕や状態が反映された結果であることも印象的だった。管理や強制、インセンティブに頼らず、失敗を学びの機会として受け止め、試行錯誤の過程を支える姿勢こそが、子どもの内的動機づけと健全な自己形成につながると感じた。
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シリーズ2作目。最後の最後になるまで、登場人物と同じく五里霧中。
主人公の後ろから、デヴォンシャーの地方を歩き回って雨に打たれているような気分。
謎解きミステリというよりは、警察の丹念な捜査を一緒に見て、一歩一歩犯人に近づいていくような感覚。
事件を追う刑事たちも、家族や同僚、めんどくさい上司との関係にモヤモヤしたりしながら何とかチームで仕事に当たっている様がリアル。
色々な人物の視点でストーリーが進むので、お互いこういうところ評価してるんだ、とか実はこう思っている、というのが自然に語られていく。バージニア・ウルフの灯台形式というか、同じ国の人か…。
当然捜査中の警察官にもプライヴェートがあって、家族との関係が緊張状態になったり気を遣ったり、本筋とは関係ないはずなのに非常に細やかに描写されていて、今回はロス、大丈夫なんか…?と地味にハラハラした。
3作目も翻訳待ってます! -
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TVドラマ化されている『ヴェラ警視』シリーズは荒涼たるイギリスの大地で、人々の愛憎が描かれた。皆が秘密を隠そうとするクローズドサークルを、やや強引なヴェラが乗り込んできて、収拾にあたる。さて、本編はそれよりは明るいイメージ、というか、そもそもセンターに立つ捜査者のイメージが真逆である。
男性の恋人がいる、やり手のマシュー・ヴェン警部シリーズ第二弾。今度も彼の夫ジョナサンがかかわるコミュニティで事件が起こる。ジョナサンが複合施設を運営しており、様々な人が出入りする。こう言っては何だが、容疑者、被害者、そして事件の宝庫である。ジョナサンは当事者として関係者に関わり、マシューはあくまで捜査する者として関わる。一方は人間善性説を信じ、一方は職業柄、必ず誰かが何かを隠している=嘘をついている、と思わなければならない。衝突、摩擦も起こるが、お互いの愛情が最後は融和剤になる。饒舌な人ほど真っ先にボロを出すため、さしたる悪人ではない。今回確かに犯人は沈黙していた。巧みに、目立たぬように沈黙を貫く犯人を、あなたは見つけられるだろうか? -
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マシュー・ヴェンシリーズ、第2弾。今回も良かった!とにかく彼女の小説はキャラクターにリアルが感じられて、味がある。主人公のマシューももちろんだけど、夫のジョナサン、部下のロスとジェン、それぞれのプライベートストーリーを挟みつつ事件を追う、警察小説の王道。一気に読めてしまった。今回は娘のガラス工房で、父親が色ガラスで殺されたところから事件が始まる。凄惨だけれど、どこかドラマチックな殺害現場。マシューはいつも通り粛々と捜査を始めるが・・・。という流れ。被害者、容疑者それぞれに、いろんな角度からスポットが当てられ、単純に良い人、悪い人じゃ片付けられない複雑な一面をのぞかせる。犯人は誰なんだろうと思いつつ、分かってしまうと腑に落ちる。いやもう次回が楽しみです。
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ネタバレイギリスの作家アン・クリーヴスのマシュー・ヴェンシリーズ第二弾。
ヴェンの部下のジェンがパーティである男と出会う。どうやら刑事であるジェンに相談したいことがあった様だが、酔いもあり次の日に約束をしたところ、その男は死体となって発見される…
非常に染み渡る作品。警察の地道な捜査、関係者が直面する問題、主役たちのプライベートなど、複数からの視点で丁寧にこつこつと描かれる。この辺りはクリーヴスの得意とするところ(というか他の形式を見たことがない)。
ただこれが好き嫌いが分かれるポイントなのかなぁと。中弛みに感じる人もいると思う。
今作に限っては、実は過去一いいタイミングで転換点があった気がする。ここぞというタイミングで新しい事件が起きるので、いつもより間延びした感じは受けなかった。
原題は、おそらくサギの鳴き声的な意味だが、邦題は「沈黙」。妻に言わないこと、パートナーに言わないこと、色々あるよなぁっていう。漢字二文字のところも、燻銀な感じで作品の雰囲気に合っている。良作。 -
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心が折れてしまったから…
どのような大木も折れて倒れるときはあるだろう
それは耐えられないほどの暴風が吹き荒れたからかもしれない
あるいはしっかりして見えたのは外見だけであり、中身は腐り空洞だらけだっのかもしれない
そしてもし、それが森の中にある木だったとしたら、倒れるときには周りの木々を巻き込みながら倒れるのも、必然なのかもしれない
だが、それは巻き添えをくった木々たちに納得できる理由となるのだろうか
すべての罪を許される免罪符となるのだろうか
一方で、刑事マシュー・ヴェンは静かに立ち続けている
「罪悪感」という名の暴風雨の中で
自分がもっと優秀な刑事であったなら
すべてのことを見逃さない完璧な観察者であったなら
失われた命はもっと少なかったのではないか
折れないことを、自分に課しながら
彼は、今日も立ち続けている -
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『哀惜』を23年に読んで以来、本作の刊行をずっと待ち望んでいた。そして、本作はそんな期待を裏切ることなく応えてくれた。ほんとうに、いい。
視点となる登場人物が章ごとに変わる。捜査担当者の3人の中でもマシューとジェンはお互いに評価していて、ロス・メイだけ未熟で不出来で保守的という位置付けかと思いきや、マシューとジェンも互いに相手を批判的な見方で見ている記載がある。そういう公正で客観的に思われる描き方によって、それぞれのキャラクターが鮮やかに生きる。
ミステリーの筋立てはしっかりなされながら、登場人物の心の機微が描かれている。そのほとんどが悩みとなる内容なので、それぞれの展開にも謎解き同様に関心を引かれる。
原題のThe Heron’s CryのHeronがアオサギなのか三角形の面積を求める公式で有名な古代ギリシャのヘロンなのかが気になっていたが、どうやらアオサギのことらしいということがわかった。
「アオサギの鳴き声は一度も聞いたことがないな」とマシューは言うのだが、えー、うそ!うちの近所の川では夕方から夜にかけて飛びながら鳴いているのを聞くことが結構ある。他の鳥より体が大きい分、鳴き声も大きく結構不気味なのだ。
ジェンとジョン、ジェンとジョシ、読み違えがち。 -
Posted by ブクログ
ラストの取り調べシーンの説明口調が気にはなったものの、やはりこの作品の語り口と、マシューの人柄が共感できてとても好き。登場人物一人一人を丁寧に描写するあたり、日本の作品ににていて引き込まれます。事件が起きてから1週間とは思えない濃密さに取り憑かれ、一気読み。深い満足感に包まれています。前作に登場のルーシーが逞しくなっていて嬉しさひとしお。確執のあったマシューのお母さんとの関係に変化があったこともラストでわかり、温かな気持ちに包まれます。サイコパスか、と思えるような犯人にひんやりした気分になりつつ、こうした場面があることもこの作品の魅力かと。狭い地域でこんなことが、と思わされますが、真面目に懸命に生きる人々が幸せであってほしいとしみじみ感じました。次作がすぐに読みたいです。
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Posted by ブクログ
ネタバレマシュー警部シリーズ2作目。
「地味だが滋味がある」と解説にあったが、その通り。
殺人事件そのものよりも、マシュー警部補と夫ジョナサンをはじめ、
刑事たちや被害者周辺の家庭の人間関係が主題なところは、
前作と同じ。
マシューは疎遠にしていた母親を家に招き誕生日を祝い、
ジョナサンとはお互いの価値観を気遣う。
部長刑事のジェンは、捜査で子供たちの世話ができないことを気に病むが、
娘も息子も成長しているのを感じる。
ロス刑事は料理が上手で世話をしてくれる妻の態度の変化に、
妻との関係、そして自分を見つめなおす。
事件の方はと言えば、ジェンがパーティーで会った男性が殺された。
ジェンに相談したことが何かあったらしい。
男性は元医者で、現在は保健サービス東京を監視する仕事をしていた。
凶器は男性の娘が作ったガラスの花瓶だったが、そのことに意味があるのか。
男性が調査していた、精神病棟から退院させられ自殺した男性に関係があるのか。
それとも、殺人現場のガラス工房の持ち主、
金融市場で成功した投資家の老人ホーム閉鎖の計画が関係しているのか。
そして、投資家の所有していたガラスの花瓶で、もう一人の男性が殺される。
投資家の自殺はストーリー展開に必要だった?という気はしたが面白かった。
今週の夕飯はテイクアウト続きだったが、
お母さんの手料理だったらテイクアウトが良い、
と娘に言われてたジェンはちょっと可哀想だったが。