高山真由美のレビュー一覧

  • ブルーバード、ブルーバード

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    街の骨格が徐々にわかってくると、事件の背景も見えてきて、白人至上主義、ヘイトクライムが犯罪に絡み出す。簡単な物語ではない。
    黒人のテキサスレンジャーを通して、「家族」という関係を浮き彫りにしていく。
    家族関係、人間関係。掘り下げていくことで犯人に、そして胸を抉るような動機へと導かれる。
    街や店の匂いが文章から漂う。お腹が減るような、また反吐が出るようなこともあったり。
    アメリカ南部の田舎町で起きた正義の傑作ミステリでした。
    犯人をとんでもなく間違えてて吹いたのは許してほしい…
    私の範疇よりもっと複雑に、また素晴らしい余韻を残してくれますので…

    こんな面白いものが書評七福神でみんな選ばないって

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    2019年05月04日
  • ブルーバード、ブルーバード

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    ネタバレ

    アメリカの人種差別が描かれているけれどそれだけではなく愛とか憎しみ、家族、住む場所とさまざまなことが重なり起きた事件。絶えることなく繰り返されてきた黒人に対する差別。そこから生まれる憎しみ、怒りの連鎖。そして殺人。人種問題だけではなくて政治、力、財産、土地とたくさんのものが絡んでくる。こういうものだからと諦めたり正そうとしたり。正しいこととは何かと考え向き合い続ける男の物語でもある。

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    2018年12月27日
  • サイレント・スクリーム

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    ネタバレ

    冒頭から惹きつけられる。
    女性刑事とそのチームをメインに、文字通り掘り起こされた過去の事件をきっかけとして起こる連続殺人事件を描く。

    ストーリーが良く練られていて展開に起伏があるし、キャラの陰影が見事。少女達への虐待やネグレストごベースとなるので、北欧に多い陰湿で救いの無い物語になりそうな所を、多彩な登場人物を登場させることで、ギリギリのバランスで一級のサスペンス、そして切ないながらも救いのあるドラマに仕上げている。

    作者はこれがシリーズ一作目のようだが、文章も上手いし、是非次の作品も早く翻訳してほしい!

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    2018年10月23日
  • こうして世界は誤解する――ジャーナリズムの現場で私が考えたこと

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    "中東、アフリカにある独裁国家に住む肌感覚やイスラエルとパレスチナの日常を知ることができる。
    1998年から2003年にかけてオランダからの特派員としてエジプト、シリア、イスラエルでジャーナリストとして過ごして記事を送り続けていた著者が、伝えきれなかった部分を補ってくれているのが本書だ。
    イスラエルとパレスチナの関係も見方ががらりと変わる。見る視点が変わることで、いろんな気づきを得ることができる。

    本書を読んで、メディアからの情報を鵜呑みにすることの怖さにも気がつく。
    情報を自由に閲覧できて、個人が発信できる日本にいると、独裁国家の日常は想像すらできない。

    様々な視点を与えてくれ

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    2018年10月21日
  • 日曜の午後はミステリ作家とお茶を

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    それぞれ短い中で謎とその解決がユーモアを散りばめらながら語られています。趣味の良さが感じられる小品集。
    小品とはいえ、14話それぞれ事件と解決のバリエーションが豊富でワンパターンにならず最後まで飽きることはありませんでした。
    それぞれのストーリーは完結していますが、14話を通じて登場人物たちの関係性や環境の変化が感じられて読み込むとまた違う面白さもあります。
    続編を期待してしまいます。

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    2018年10月02日
  • 11日間

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    母の名前はサラ。父の名前はデイビッド。二人の間に生まれたのが
    一人息子のジェイソン。だが、ある日、父デイビッドは母と息子の前
    から姿を消し、次には訃報が届いた。ジェイソンがまだほんの子供
    の頃だ。

    母はひとりでジェイソンを育てた。穏やかで深い愛情を注いで。そう
    して成長したジェイソンは大学進学ではなく、兵士なることを選び、
    兵学校に入学し、アメリカ海軍特殊部隊を志願し、優秀な兵士と
    なった。

    類まれな兵士としての能力。だが、ジェイソンンの心のうちでは他の
    選択肢もあるのではないかとの思いも育っていた。そうだ、次の任務
    を最後に軍を退こう。

    最後になるはずだった任務の

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    2017年08月24日
  • 成功する子 失敗する子 ― 何が「その後の人生」を決めるのか

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    ペリー就学前プロジェクトと非認知スキルの詳細が知りたくて行き着いた。タイトルが嫌な感じだけど中身はいたって真面目。ただジャーナリストが書いているので描写が多くて、実験の内容を端的に把握しづらい。

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    2017年06月25日
  • こうして世界は誤解する――ジャーナリズムの現場で私が考えたこと

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    オランダ人である著者が、新聞社時代に特派員として赴いたエジプトやイスラエル、イラクの取材を通じて感じた報道の実態を明らかにしている。

    報道する側やされる側、受けとる側の三者が抱える不条理が、著者の徹底した中立的な視点で語られているところが興味深い。

    イスラエルやイラクでも、ボスニアのようなPR会社が暗躍していたのだろう。財政難のパレスチナは欧米諸国のメディア戦に翻弄される、儚い存在なのだろうか。
    イスラエルやパレスチナでも「我々は和平を望んでいる」としながらも、「相手は我々を憎んでいる」と民衆は口を揃えて言うのだとか。僅かな解決の糸口はここにあるような気がする。しかし、独裁政権は身の安定こ

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    2012年12月05日
  • こうして世界は誤解する――ジャーナリズムの現場で私が考えたこと

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    中立な報道をするand知るためには条件があるが、それが忘れられているのか、気づいていないのか、条件なんてないと思っているのか。
    この本はそれを教えてくれる。

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    2012年09月04日
  • こうして世界は誤解する――ジャーナリズムの現場で私が考えたこと

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    オモシロカッタ。

    ジャーナリストって最前線にいるから、
    その他大勢には、
    どんなことが書かれてても『事実』と思って読んじゃうのだ。

    これ読むと、
    リテラシィわかんねぇよ、ってなる。

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    2012年05月30日
  • こうして世界は誤解する――ジャーナリズムの現場で私が考えたこと

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    「真実ってなんだ?」――本書を読み終わってまず思ったことだ。「真実」を報道するのがメディアの仕事だと思ってたから、その実態を知って驚いたし悲しくもなった。ある人が「真実を伝えなければ」と思っても、自分一人の力ではどうにもできないことがある。そうゆう人がいるかもしれないのに、できない。そうゆう人たちのことを思うと、やるせなさを感じる。

    本書で初めて知ったわけではないけれども、一つの物事に対して様々な角度からの見方があることは忘れてはならないことだろう。そうでないと、偏った見方しかできなくなるし、それでは物事の全体を理解することができない。ある意味「現実」を見ていないことになるからだ。

    とまあ

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    2014年10月08日
  • 子どもとの関係が変わる自分の親に読んでほしかった本

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    子育てで行き詰まり、この本を読みました。
    子供との向き合い方、子供との接し方、親が子どもにどのように影響を与えるか、など沢山の知恵や発見がありました。
    特に冒頭の親の見つめ直しについては、自分自身の子供の頃をよく振り返り、子供との接し方を改めようと思いました。

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    2025年12月21日
  • 沈黙

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    展開がスローでなかなか進まないんだけど、マシューの実直さがそこに現れてるようで、この作品にはあってる。
    ジェンには厄介な友達がいるなあと、ラストもサイコパス味があって懐かしい気持ちに(笑)
    個人的にはあまり好きじゃない展開ではあったけど、マシューの生真面目さが救い。刺激は無いけど地道。

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    2025年12月16日
  • 子どもとの関係が変わる自分の親に読んでほしかった本

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    おもしろい
    こどもだけじゃなく、パートナーとの関係でも使える
    このコミュニケーションを実際にできている人は1割もいるのだろうか

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    2025年12月12日
  • 子どもとの関係が変わる自分の親に読んでほしかった本

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    著者自身の実体験や、さまざまな親のケースが記してあり、どうすべきであったかを振り返る内容。
    一般的な教育本と言いたいことは同じ。
    それが具体的に書かれてある点は良い。
    一方、長たらしい。

    以下メモ

    感情的な反応のトリガーは、目の前で起こっている物事だけでない、自分の過去の中にもある。
    子どもへの怒りなどは、自分が子どもの時に抱いた感情から自分を守るための行動。 
    大人は絶対に正しいと思わせるのはダメ

    興味がないは距離を置きたいというサイ
    内なる批判はしない。
    自分を制止するような物事は思い浮かべない
    断定よりもふんわりした結論
    正しいか間違っているかよりも、互いにどう感じているかを考える

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    2025年12月03日
  • 終わらない週末

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    名作感は無かったですが、長いのにずっと楽しめました。
    結局何がどうなったのかよく分かりませんでしたが、ヤバい事が起こっていることは理解できたので問題ないかと思います。

    もっと見ていたかったです。

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    2025年11月24日
  • 子どもとの関係が変わる自分の親に読んでほしかった本

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    革新的なことが書いてあるわけではないが、心でわかっていてもなかなか行動に移せないことが事例を踏まえながら書かれていてわかりやすい。

    ・子どもの感情を受け入れる、受け皿になる
    ・子どもが感じている感情を言葉にする
    ・線引きをする、親である自分の意向をしっかり伝える
    ・子どもの手本になる行動をとる(背中で教える)
    ・★子どもが興味を持っていることに親が興味を持つ

    ことを意識して子どもに接していきたい。

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    2025年11月21日
  • 成功する子 失敗する子 ― 何が「その後の人生」を決めるのか

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    本書から得られた学びは、子どもの成功を考える上で、従来の知性や学力に偏重した見方を大きく転換させる重要性を示唆しています。

    成功を支える非認知能力と環境の力
    まず、ストレスに満ちた環境が子どもの中核的な能力の発達を阻害するという指摘は、家庭環境や初期のケアがいかに重要かを痛感させます。集中力、自制心、立ち直る力といった、学力の土台となる非認知能力は、安全で応答的な環境(幼児期の感情面での要求に対する対応)の中で育まれます。
    特に、「幼児の発する信号に注意深く、温かく、落ち着いて反応すること」が、ストレスを緩和し、良好なアタッチメントを築くという学びは、親や養育者の役割が、単なる世話を超えた、

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    2025年11月08日
  • 子どもとの関係が変わる自分の親に読んでほしかった本

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    過去の経験が子に連鎖する
    無理に気を逸らさない
    あなたは有言実行の人
    気持ちに寄り添い、共感する
    気持ちを言語化してあげる
    自分の限界の前に境界線を引く
    親子関係は終わらない
    いついかなる時も子供にとっての安全基地である
    感情や目的を偽らない
    無闇に助けずサポートに回る
    勝ち負けのゲームではなく協調と協力の関係

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    2025年10月22日
  • 私たちは子どもに何ができるのか ― 非認知能力を育み、格差に挑む

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    家庭での子供への関わり方やアプローチよりも、後半アメリカ社会における学校の教育制度、特に貧困層やマイノリティへの介入について焦点を当てて書かれていました。
    やはり移民の国…日本では想像もつかないほどの差別や偏見が根底にあり、一筋縄ではいかないけれども確実にそこに問題提起をし研究を行いながら現場で努力を重ねていることを知りました。
    以前アメリカでの富裕層教育を別の本で読み、どこか違和感を覚えたのでこの本を読んでみました。とても興味深かったです。
    前半部分は家庭での子供への関わり、愛情を持って接する事がどんなプラスの影響を生むか(また逆も然り)研究データを元に述べられている部分は胸が熱くなりました

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    2025年10月11日