高山真由美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
街の骨格が徐々にわかってくると、事件の背景も見えてきて、白人至上主義、ヘイトクライムが犯罪に絡み出す。簡単な物語ではない。
黒人のテキサスレンジャーを通して、「家族」という関係を浮き彫りにしていく。
家族関係、人間関係。掘り下げていくことで犯人に、そして胸を抉るような動機へと導かれる。
街や店の匂いが文章から漂う。お腹が減るような、また反吐が出るようなこともあったり。
アメリカ南部の田舎町で起きた正義の傑作ミステリでした。
犯人をとんでもなく間違えてて吹いたのは許してほしい…
私の範疇よりもっと複雑に、また素晴らしい余韻を残してくれますので…
こんな面白いものが書評七福神でみんな選ばないって -
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Posted by ブクログ
"中東、アフリカにある独裁国家に住む肌感覚やイスラエルとパレスチナの日常を知ることができる。
1998年から2003年にかけてオランダからの特派員としてエジプト、シリア、イスラエルでジャーナリストとして過ごして記事を送り続けていた著者が、伝えきれなかった部分を補ってくれているのが本書だ。
イスラエルとパレスチナの関係も見方ががらりと変わる。見る視点が変わることで、いろんな気づきを得ることができる。
本書を読んで、メディアからの情報を鵜呑みにすることの怖さにも気がつく。
情報を自由に閲覧できて、個人が発信できる日本にいると、独裁国家の日常は想像すらできない。
様々な視点を与えてくれ -
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Posted by ブクログ
母の名前はサラ。父の名前はデイビッド。二人の間に生まれたのが
一人息子のジェイソン。だが、ある日、父デイビッドは母と息子の前
から姿を消し、次には訃報が届いた。ジェイソンがまだほんの子供
の頃だ。
母はひとりでジェイソンを育てた。穏やかで深い愛情を注いで。そう
して成長したジェイソンは大学進学ではなく、兵士なることを選び、
兵学校に入学し、アメリカ海軍特殊部隊を志願し、優秀な兵士と
なった。
類まれな兵士としての能力。だが、ジェイソンンの心のうちでは他の
選択肢もあるのではないかとの思いも育っていた。そうだ、次の任務
を最後に軍を退こう。
最後になるはずだった任務の -
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オランダ人である著者が、新聞社時代に特派員として赴いたエジプトやイスラエル、イラクの取材を通じて感じた報道の実態を明らかにしている。
報道する側やされる側、受けとる側の三者が抱える不条理が、著者の徹底した中立的な視点で語られているところが興味深い。
イスラエルやイラクでも、ボスニアのようなPR会社が暗躍していたのだろう。財政難のパレスチナは欧米諸国のメディア戦に翻弄される、儚い存在なのだろうか。
イスラエルやパレスチナでも「我々は和平を望んでいる」としながらも、「相手は我々を憎んでいる」と民衆は口を揃えて言うのだとか。僅かな解決の糸口はここにあるような気がする。しかし、独裁政権は身の安定こ -
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Posted by ブクログ
「真実ってなんだ?」――本書を読み終わってまず思ったことだ。「真実」を報道するのがメディアの仕事だと思ってたから、その実態を知って驚いたし悲しくもなった。ある人が「真実を伝えなければ」と思っても、自分一人の力ではどうにもできないことがある。そうゆう人がいるかもしれないのに、できない。そうゆう人たちのことを思うと、やるせなさを感じる。
本書で初めて知ったわけではないけれども、一つの物事に対して様々な角度からの見方があることは忘れてはならないことだろう。そうでないと、偏った見方しかできなくなるし、それでは物事の全体を理解することができない。ある意味「現実」を見ていないことになるからだ。
とまあ -
Posted by ブクログ
著者自身の実体験や、さまざまな親のケースが記してあり、どうすべきであったかを振り返る内容。
一般的な教育本と言いたいことは同じ。
それが具体的に書かれてある点は良い。
一方、長たらしい。
以下メモ
感情的な反応のトリガーは、目の前で起こっている物事だけでない、自分の過去の中にもある。
子どもへの怒りなどは、自分が子どもの時に抱いた感情から自分を守るための行動。
大人は絶対に正しいと思わせるのはダメ
興味がないは距離を置きたいというサイ
内なる批判はしない。
自分を制止するような物事は思い浮かべない
断定よりもふんわりした結論
正しいか間違っているかよりも、互いにどう感じているかを考える -
Posted by ブクログ
本書から得られた学びは、子どもの成功を考える上で、従来の知性や学力に偏重した見方を大きく転換させる重要性を示唆しています。
成功を支える非認知能力と環境の力
まず、ストレスに満ちた環境が子どもの中核的な能力の発達を阻害するという指摘は、家庭環境や初期のケアがいかに重要かを痛感させます。集中力、自制心、立ち直る力といった、学力の土台となる非認知能力は、安全で応答的な環境(幼児期の感情面での要求に対する対応)の中で育まれます。
特に、「幼児の発する信号に注意深く、温かく、落ち着いて反応すること」が、ストレスを緩和し、良好なアタッチメントを築くという学びは、親や養育者の役割が、単なる世話を超えた、 -
Posted by ブクログ
家庭での子供への関わり方やアプローチよりも、後半アメリカ社会における学校の教育制度、特に貧困層やマイノリティへの介入について焦点を当てて書かれていました。
やはり移民の国…日本では想像もつかないほどの差別や偏見が根底にあり、一筋縄ではいかないけれども確実にそこに問題提起をし研究を行いながら現場で努力を重ねていることを知りました。
以前アメリカでの富裕層教育を別の本で読み、どこか違和感を覚えたのでこの本を読んでみました。とても興味深かったです。
前半部分は家庭での子供への関わり、愛情を持って接する事がどんなプラスの影響を生むか(また逆も然り)研究データを元に述べられている部分は胸が熱くなりました