高山真由美のレビュー一覧

  • ブルーバード、ブルーバード

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    旅先三重の本屋さんで、たまたま出会った本。
    誰が二人を殺したのかという謎を追いながら、白人社会と黒人社会の複雑な関係を描き出す。
    既得権益、とは簡単に言えるが、あいつらがいなければ…という行き場のない怒りは普遍的であり、避けて通れない。

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    2023年03月05日
  • 終わらない週末

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    物語の展開とページ数を交互に気にしながら、『もしかしてこの手の話はこんな感じで終わる?』と思っていた予想が見事的中。だから、結末に不満はなかった。登場人物それぞれの思考が実際そうであるように時には秩序だって、また時には無秩序に展開される描写にリアリティを感じたし、その思考の中に透けて見えるエゴや選民意識(あとがきにもあった)、はたまた自分をどこか客観視して諦めているところは、恥ずかしながら共感できる部分も多かった。

    登場人物の置かれた状況で見えるものしか見せてもらえない、そんなもどかしさを想像力で補いながら、場の臨場感を楽しむ、という読み方でいいのかも、と思う。

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    2023年02月25日
  • 終わらない週末

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    ネタバレ

    一気読みだった。

    終始漂う不穏な空気。
    白黒はっきりしない終わり方に、
    評価が分かれるのもわかる気がする。

    オバマ推薦図書ということで手に取ったけど、
    地味に本人が出てるのに笑った。
    あの登場の仕方だけど、気にせず選書リストに入れるところはさすがにシャレが効いてるな。

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    2022年12月06日
  • 終わらない週末

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    ネタバレ

    表紙に惹かれて読み始めましたが、最後まで何がおきたのかはっきり分からない、不気味な雰囲気のまま終わり。
    こういう長編は苦手なのですが、都会人の人種意識が描かれていたり、一人の視点ではなく登場人物其々の視点が代わる代わる描かれているので、飽きずに読めた気がします。

    いつこのような状況になってもおかしくないと思うと…

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    2022年11月20日
  • 終わらない週末

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    これは、究極の人間シミュレーション。
    「何故そうなるか」は語られず、「その時どうするか」をわざと極所的に、それがそもそもの目的であるかのように描写され続ける。

    読者はいつものミステリーのように、俯瞰して理解できると思っていると、次第に苛立ち、遂には投げ捨ててしまうかもしれない。

    でも、現実的に人は物事を俯瞰して見ることはできない(全てを知っているかに誤解するのは、与えられる情報が万能であると信じ込んでいるから)。

    ドラマであれば、これは「プロローグ」であり、この後ローズ?の冒険物語が繰り広げられるかもしれない……。

    でも、これで完結するのも、また面白い。

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    2022年11月12日
  • 日曜の午後はミステリ作家とお茶を

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    50代のミステリ作家シャンクス。
    恐ろしい事件が起きるわけではなく、日常の謎解きです。
    とても力の抜けるいい感じです。
    夫婦共に小粋です。

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    2022年09月26日
  • 怪奇日和

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    お父さんのSキング様同様なオーセンテックなストーリーを緻密なキャラ心情表現で爆あげしたのを今風にバージョンアップしたような感じが好き♪

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    2022年10月06日
  • ボンベイのシャーロック

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    1892年インド、ボンベイ。怪我で除隊したシャーロキアンのジム大尉は二人の女性が転落した事件の新聞記事を読んで、被害者の夫であるアディに会いに行く。アディから事件の謎を解いてほしいと頼まれたジムは、変装を使い調べていくが……→

    ミステリ2割、冒険4割、恋愛と家族愛が2割ずつ、かな。あと人種や宗教も絡んでる感じ。
    全体的に散らかっている感じは否めないけど(本筋に関係の薄いエピソードが多い)主人公のジムが“いい奴”なんで最後まで読めた。
    ラストがスッキリおさまるので読後感はとてもいい。

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    2022年09月19日
  • ボンベイのシャーロック

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    ネタバレ

    いっときの華文ミステリの勢いが下火になってきたように感じる中、一方で存在感を出してきているのがインドやアフリカ色漂うミステリ。
    『カルカッタの殺人』(殺人事件と、背景となっている第一次大戦直後の現地の暗部へ通じる道の描きっぷりが○)、『マイ・シスター、シリアルキラー』(新感覚のアフリカンサイコサスペンス)、『ガーナに消えた男』(未読だけど気になる)。

    本書は18世紀終わりのインドを舞台とした、退役軍人が新聞で見かけた2人の女性が相次いで転落した謎の事故死の真相究明に乗り出す、にわか探偵物語。
    時節柄イギリス統治下にあること、かの『四つの署名』が刊行された直後にあることから、タイトルにもある”

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    2022年07月31日
  • 私たちは子どもに何ができるのか ― 非認知能力を育み、格差に挑む

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    ネタバレ

    エデュケアは一種の投資である。では、日本という社会は一体何に投資をしているのか?
    若者の非行は、理性とかけ離れた感情や精神やホルモンの影響を受けている。すなわち、罪を重くしても、非行を防ぐ効果は薄い。逆に、生徒が自ら自生の力を発達させようとする状況や仕組みを作ることに重点を置いたほうが効果は高い。テストの点数にインセンティブを与えても、効果は薄い。むしろ、時には遊びや楽しいという感覚さえも、報酬は「仕事」に変えてしまい、モチベーションをなくさせてしまう。
    添削やフィードバックのコメント、教室の雰囲気を変えることで十分教育は変化する。

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    2022年07月18日
  • ボンベイのシャーロック

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    ミステリというよりは、冒険小説。
    ロミオとジュリエット的恋愛小説風味あり。
    当時のインドの状況がわかって大変興味深い。
    インドって複雑なんだ。同じインド人でも人種、言葉が違い、おまけにカーストまであるから複雑。
    女性の地位が非常に低いのは悲しい。
    主人公に買われた女の子は幸せになって欲しかったが、当時の情勢では無理なんだろうか。

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    2022年06月06日
  • 休日はコーヒーショップで謎解きを

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    ――

     まさに変幻自在。御見逸れしました。

     本格から変格、ハードボイルドからドタバタコメディまで、魅力的な短〜中編が詰まったまさにとっておき。タイトルのとおり、休日のコーヒーショップにうってつけの一冊でした。
     ミステリ的な楽しみはもちろん、習俗や文化、人種等に対する視座もスパイシィで、アメリカ文学の面白さも味わえる。


     個人的には「ローズウィルのピザショップ」が、シチュエーションスリラー(兼コメディ)の戯曲じみていてお気に入り。舞台化してみようかしら。

     大満足の☆4

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    2022年06月02日
  • ブルーバード、ブルーバード

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    テキサスの田舎町で2件の殺人事件が発生する。1件目はテキサス外からやってきた黒人の男性弁護士のマイケル。2件目は地元の酒場でウェイトレスをしている白人女性のミシー。白人至上主義の犯罪組織のABTが集う酒場に関わった人が事件に巻き込まれている。事件の調査をしているのはテキサス・レンジャーのダレン。ダレンも黒人であり、家族とは問題を抱えている。マイケルがなぜ殺害されたのか。ABTが何らかの理由で殺したのか。白人のミシーが殺された理由は? 人種問題にからんだ事件かどうかさえ確信はないままダレンは捜査をする。終盤になると犯人はこの人くらいしかいない感じになるので、謎解きとしては深くはない。ただし、物語

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    2022年05月06日
  • 私たちは子どもに何ができるのか ― 非認知能力を育み、格差に挑む

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    貧困の連鎖の理由の1つに貧困層の幼少期のストレス環境が非認知能力の発達を阻害していることを挙げ、それを阻止するために何ができるかをアメリカの事例をもとに考察した本。子育てというよりは社会問題について考えさせられる内容だった。

    日本の保育園の質は高さは非認知能力の発達に大きく寄与していると思った。また日本においても核家族化で(貧困層でなくても)子育てに悩む親は多いと思うので、各家庭への子育てに関するコーチングはニーズがありそう。

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    2022年02月20日
  • 女たちが死んだ街で

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    刑事の章が好き。
    話を聴くって大事、他人事だと思わない。

    被害者に非があるという考え方がウンコだよねって。

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    2022年02月06日
  • 私たちは子どもに何ができるのか ― 非認知能力を育み、格差に挑む

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    学術的な見地から非認知能力を高める技法が書いてあり、信頼出来そうな本でした。
    あるタスクに報酬を与えてしまうと、それ自体を楽しむことが出来なくなる(報酬を貰うための作業になってしまう)という研究結果は面白かった。
    頑張れば出来る程度の課題を与える等、実際はなかなか難しそうだと思った。
    モチベーションに関する本など読んでみたいなぁと思った。(脳科学とか心理学に根ざした)

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    2022年01月28日
  • 私たちは子どもに何ができるのか ― 非認知能力を育み、格差に挑む

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    非認知能力が格差によって生じている現状は理解出来るものの、海外(特にアメリカの事例)が中心の為、日本との環境とかけ離れている印象も一部ありました。

    ただ、学習の積み木など具体策では無いもののざっくりとした子どもへの接し方のヒントにはすごくなりました。

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    2022年01月11日
  • 私たちは子どもに何ができるのか ― 非認知能力を育み、格差に挑む

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    私たちに何ができるのかという点では、正直具体的ではないと思う。しかし、格差社会の中で恵まれていない層にいる子どもたちを、その属性だからと諦める必要はなく、そういう目線で見て期待を持たないことこそが、子どもたちのその後の人生に影響を与えているようだということが分かった。温かいまなざしや励ましが、ここにいて良いんだという安心感や役に立っているという気持ちが、子どもを貧困や犯罪から遠ざける。できることなら政策に対して提言していければよい。仕事を通して子どもと接するのであれば、子どもへの信頼、期待を持って接すればよい。親という立場なのであれば、わが子に目線を合わせ、対話したり遊びを通して関わる時間を心

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    2022年01月08日
  • 私たちは子どもに何ができるのか ― 非認知能力を育み、格差に挑む

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    まず自分の子供からだけど、改めて彼らの内発的動機づけにつながるような外発的動機付けができているのか、その下地として自律性、有能感、関係性が育まれているのかって常に意識しないとだわ。そして、子供を産んでから、自分の子供が幸せであるには、世界中の子供が幸せである必要があるなぁと折に触れて感じることが多い。自分が社会に何ができるかも、考えていくステージに入ったんだなぁ。

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    2021年11月04日
  • 成功する子 失敗する子 ― 何が「その後の人生」を決めるのか

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    脳の中で幼少期のストレスから最も強く影響を受けるのが前頭前皮質、つまり自分をコントロールする活動ー感情面や認知面におけるあらゆる自己調整可能において重大な役割を果たす部位である。このため、ストレスに満ちた環境で育った子供の多くが、集中することやじっと座っていること、失望から立ち直ること、指示に従うことなどに困難を覚える。

    10年を貧困の中で過ごした子供は、5年の子供よりもサイモンのスコアが悪かった。実行機能の能力を阻害しているのは貧困そのものではなく、貧困に伴うストレスだったのである。

    前頭前皮質は脳の他の部位よりも外からの刺激に敏感で、思春期や成人早期になっても柔軟性を保っている。もし環

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    2021年07月15日