高山真由美のレビュー一覧

  • ローンガール・ハードボイルド

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    〈闘わなければならなかった女の子〉の物語。

    あとがきで紹介されていた作品ほぼ既読だったので(『拳銃使いの娘』『沼の王の娘』『蝶の庭』『メソッド15/33』。『パーキングエリア』『プリズン・ガール』は積読。個人的には『雪の少女』もやや繋がるような)、読書領域が重なる方なら切実さを感じられると思う。
    世界から押しつけられる理不尽をぶち壊していきたい。

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    2020年12月29日
  • 成功する子 失敗する子 ― 何が「その後の人生」を決めるのか

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    3万語の格差、マシュマロテスト、愛着(アタッチメント)など過去に読んだことのある検証や実験が取り上げられ、著者自身の具体的な取材内容もまとめれれており、総じて重厚感のなる内容となっていました。論じているベクトルとしては、「非認知能力」の重要性となるかと思いますが、最近手に取る教育系の書籍を統括してくれてて、個人的に新しい発見はなかったけど頭の整理にばっちりでした。

    ペシミストは、不快なできごとを永続的なもの、個人的なもの、全面的なものと解釈する傾向がある(三つのP)。by 『オプティミストはなぜ成功するのか』

    気質の分析に最も有効な方法は、気質を五つの要素(協調性、外向性、情緒不安定性、未

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    2020年10月11日
  • 休日はコーヒーショップで謎解きを

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    未読の人もここは読んでおいてほしい。
    まず絶対注意しておかないといけないのは、この本は作者を有名にしたシャンクスシリーズではない、ということ。
    タイトルのつけ方が少々あくどいので、間違えてしまう人が多いようだが、シャンクスの活躍を期待すると、関節を外さんばかりの肩透かしをくらうので要注意!シャンクスは1度たりとも出てこないので。

    ということさえ分かって手に取れば、この本はそれなりに面白い短編集である。最後の中編を除き、謎解き要素は少ないが、ハードボイルド風ありずっこけ風あり反差別テーマを含有したものありと、いろんな風味の短編集を楽しませてくれる。ロプレスティも訳者もいい仕事をしてくれている。

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    2020年08月14日
  • 成功する子 失敗する子 ― 何が「その後の人生」を決めるのか

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    私が今すぐにできることは,身のまわりの子どもたちに対して愛情たっぷりと接してあげることかなぁと思った

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    2020年07月05日
  • ブルーバード、ブルーバード

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    テキサスの片田舎、肌の色を無視せずにはいられない文化的背景がある町で、黒人の男、白人の女が相次いで殺される。

    強盗による襲撃で夫の命を奪われた町のシンボル的軽食堂の女主人ジェニーヴァをルーツにもつれ絡み合う人間模様。

    プチアル中の誇り高き黒人テキサスレンジャーダレンが、ともするとヘイトクライムに分類されかねない事件の真相を探る過程で見えてくるきな臭いサイドストーリー。

    物語始めのトラブルの結末と、作品全体で主張している黒人への不当な扱いへの訴え、正義の追求との対比がなんとも心憎い結び。

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    2020年05月30日
  • 成功する子 失敗する子 ― 何が「その後の人生」を決めるのか

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    子育てに必要なのは親からの愛情と適切な教育であることが改めてわかりました。
    親からの愛情は声掛けやハグなどを十分にする。子どもの成長にとって逆境は欠かせないものであり、予め避けさせてしまうことは一つも子どものためにならないことが改めて書いてあり、ヘリコプターペアレンツは子どもにとって迷惑だということが根拠をもとに書いています。
    特に新しい知識が得られたわけではないが、個人的な経験や客観性のない教育書が多い中で、根拠に基づいた意見が学べて良かったと思います。

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    2020年03月17日
  • 休日はコーヒーショップで謎解きを

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    前作「日曜の午後はミステリ作家とお茶を」は、作家のシャンクスが一貫して主人公だったが、今回の短編集は主人公はそれぞればらばらだ。コージーぽくはなく、訳者が言うようにオフビートの感じだね。ちょっと苦い味もある。まあ、あんまりミステリーと言えないかも。最後の詩人のデルガルドを探偵役にした「赤い封筒」は、一味違った本格ミステリーかな。コーヒーハウスを舞台にしているのは、いかにもアメリカらしい。最後のほうになって、結構手掛かりは揃ったのかな。私には解けなかったけど。よく考えてみれば、明らかに犯人を指さしているものはあったね。

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    2020年03月04日
  • ブルーバード、ブルーバード

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     アメリカの法執行機関は複雑だ。警察官がいて、保安官がおり、連邦捜査官もいる。本作品の主人公は法執行機関の一つ、テキサスレンジャーだ。より誇り高い存在だ。

     これが現代のアメリカなのかと疑うほど、人種差別が厳然と残る中で、黒人テキサスレンジャーとして事件に自ら切込んでいく。小説に出てくる事件は、人種間のヘイトクライムとして進行するが、実は愛の裏返しであることがわかる。また、本格的なミステリーとして十分なストーリーだ。紙幅のない最終局面で、新たな展開を匂わせるシーンで終わるので、続編が待たれる作品だ。

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    2020年02月05日
  • 日曜の午後はミステリ作家とお茶を

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    ミステリー作家が探偵役になるちょっと洒落た感じの連作短編集。主人公の身の回りにあれやこれやの事件が起こるのだが、うーんたくさん起こりすぎだと思いつつ、アメリカだったらこんなものかなとも思ってしまう。作家もパーティーやチャリティーだとか、作家仲間やエージェントとの関りやゴーストライターの問題やら、いろいろ大変そうだなあと他人事ながら心配してしまう。主人公のシャンクスはロマンス作家の奥さんにもいろいろ気を使っていて大変そう。「幸せな結婚生活がこんなに長くつづいている理由のおよそ半分はシャンクスにあったので、『だからいっただろう』などという言葉が口をついて出ることはなかった」という文章があって見につ

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    2020年01月08日
  • ブルーバード、ブルーバード

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    読み出してから気付いたが第一作である「黒き水のうねり」と同じ匂い、同じアブラっこさ、同じ旋律(深くて暗い…)で物語は進みテキサスの沼地に回帰するのであった。
    テキサス・レンジャーの誇り高さ、尊敬されっぷり、ステットソンとブーツとシルバーバッチ。
    テキサスが特殊なのか、アメリカ南部では当たり前なのか。人種間の憎悪と隠された愛。ねじ曲がってるよ。
    物語がブルースのようにゆっくり進んでは止まる。もう少しアップテンポな展開を期待。読むのに時間かかったよ。
    3.6

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    2019年12月12日
  • 怪奇日和

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    あとがきで、作者が愛する中篇小説は「どこをとっても必要不可欠、いっさいの無駄がない。」と書かれてましたが、正に、これに納められている4つの中篇がそうだと思いました。全てがテイストの異なる、怪奇幻想の要素もあるのですが、人間ドラマとして、考えさせられつつ、楽しく読ませていただきました。   

    「スナップショット」は、不思議なカメラの登場でホラーに展開するかと思いきや、主人公とシェリーのやりとりが、悲しく展開されるのが切なかったです。

    「こめられた銃弾」。久々に、結末を読者の想像に委ねる小説を読みましたが、この終わりかたが、ものすごく怖い、が、絶品だと思いました。二つの異なる恐怖が同時に迫りく

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    2020年04月23日
  • 日曜の午後はミステリ作家とお茶を

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    中年ミステリ作家、シャンクスを主人公にしたミステリ短編集。シャンクスは探偵役なんかやりたくないのに結局謎解きをさせられるハメになる。シャンクスのぼやきにクスリと笑ってしまう。どの短編もユーモアを感じる終わり方で、タイトル通り、お茶でも飲みながら軽く読める。特に「シャンクスの怪談」のラストが好き。それぞれのお話の最後に、著者のコメントがあるのもいい。

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    2019年11月25日
  • 成功する子 失敗する子 ― 何が「その後の人生」を決めるのか

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    読み応えのある一冊。最近非認知能力の重要性が叫ばれているが、まさに「IQ」よりも「性格の強み」がいかにその後の人生においてよい影響を及ぼすかについて書かれている。
    具体的な研究結果を紐解きながら、取材した学校の教師や生徒たちの実録も記録されており、この手の本にありがちな「著者の思想(思い込み、押し付け含む)」がないためフラットな視点で読むことができた。
    この本を読み、教育カードでの早期教育よりもやるべきことがあると再確認することができた。具体的なハウツーが載っているわけではないが、今後の子どもの教育にあたり知っておいてよかった。
    続編(?)の「私たちに子どもに何ができるのか」も読んでみたい。

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    2019年11月06日
  • 日曜の午後はミステリ作家とお茶を

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    日本初お披露目ロバート・ロプレスティ。本作は翻訳高山真由美さんの持ち込み企画。主人公は50代ミステリー作家奥さんもロマンス小説作家。主人公がなんやこんなんで殺人事件、日常のミステリーに巻き込まれ解決する14の短編。軽く楽しく読めました。続編よろしくです。

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    2019年10月10日
  • 日曜の午後はミステリ作家とお茶を

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    面白かったなあ。
    読み終わりたくなかった。
    思わずニヤリとしてしまう短編集。
    黒後家蜘蛛の会を彷彿とさせる雰囲気。

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    2021年03月27日
  • ブルーバード、ブルーバード

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    この不穏な終わり方、次回作があるとしたら、ドキドキ。英米ミステリの主人公って音楽好きが多いな。リーバスのロック、ボッシュのジャズ、モースのオペラ。ジェニーヴァの言葉を借りれば「失われた愛」の物語。

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    2019年07月22日
  • ブルーバード、ブルーバード

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    主人公が黒人(カラード)のテキサスレンジャーというだけで既に異色では?
    南部の田舎町で起きた連続の殺人事件に巻き込まれる、事件の謎を丹念に捜査していく。
    話しが全体的に地味だけど、比喩や暗喩に富んだ文章が抜群に上手いうえに、キャラの設定も見事。

    そのせいか、さほどのストーリーでもないのにラストまで楽しめだ。

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    2019年05月22日
  • ブルーバード、ブルーバード

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    面白かった。が、まだ尚進行している人種偏見への認識を共有していないので感じ方はどうなのか疑問だが。
    文中の彼らは大きな家族。黒人を憎んでいることが強迫観念となり逆に縛られている様子は印象に残る。
    海外のミステリーが好きなせいもあるが、最近読んだ本も映画も人種間、男女の偏見、差別が基になる話ばっかりやなー。

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    2019年04月19日
  • 成功する子 失敗する子 ― 何が「その後の人生」を決めるのか

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    勉強、スポーツ…どんな分野でも、成功は、家庭環境、経済力、学校や先生との相性、いろいろなことが複雑に絡んでいて、一概にどうすれば成功するとは言えないという、当たり前といえば当たり前のことを再認識した。
    経済力がある子がいろいろな理由で成功する確率が高いという身もふたもない結果が出たりする一方、もちろんその環境に甘えて余計にダメになる子もいるわけで、結局、一番の要は個人の気質であり、人間形成期のその子の心を取り巻く環境なのかなと思った。

    認知スキルが大切なのはもちろんだけれども、それを底上げし、発展させるのには非認知スキルが不可欠。
    それは、子どもが大好きだけれども、到底うまくリードできている

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    2019年03月29日
  • ブルーバード、ブルーバード

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    テキサス州のハイウェイ沿いの田舎町で、ふたつの死体があいついで発見された。都会から訪れていた黒人男性弁護士と、地元の白人女性の遺体だ。停職処分中の黒人テキサス・レンジャー、ダレンは、FBIに所属する友人から、事件の周辺を探ってほしいと頼まれて現地に赴くが―。愛と憎悪、正義の在り方を卓越した力量で描き切り、現代アメリカの暗部をえぐる傑作ミステリ。アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞、英国推理作家協会賞スティール・ダガー賞、アンソニー賞最優秀長篇賞の三冠受賞作!

    静かな筆致だが、物語の力強さを感じさせる。収穫でした。

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    2019年03月03日