高山真由美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
3万語の格差、マシュマロテスト、愛着(アタッチメント)など過去に読んだことのある検証や実験が取り上げられ、著者自身の具体的な取材内容もまとめれれており、総じて重厚感のなる内容となっていました。論じているベクトルとしては、「非認知能力」の重要性となるかと思いますが、最近手に取る教育系の書籍を統括してくれてて、個人的に新しい発見はなかったけど頭の整理にばっちりでした。
ペシミストは、不快なできごとを永続的なもの、個人的なもの、全面的なものと解釈する傾向がある(三つのP)。by 『オプティミストはなぜ成功するのか』
気質の分析に最も有効な方法は、気質を五つの要素(協調性、外向性、情緒不安定性、未知の物事に対する開放性、勤勉性)に沿って考えることである。
勤勉性は、見返りの有無にかかわらず努力できる資質。
良い習慣を形成するには、気持ちはポジティブな結果に集中しながら、途中の障害についてペシミスティックに思案すること、精神的対照が必要となる。
ある計画について「もし/ならば」という問答の形で障害とそれを克服する方法を考える、「実行意思」をつくりだす、ことが成功へのステップ。
愛着とは異なる、誰かが意外なほど自分を深刻に受け止めてくれるというー自分の能力を信じてくれて、もっと改善できるからしてみなさいと持ち掛けてくれるというー体験が、非認知能力を高めるには必要である。用語としては、メタ認知。
「反証」の思考プロセスが大切である。ある理論の妥当性を調べる唯一の方法は、それが間違っていると証明することである。人はその理論に反する証拠を探そうとはせずに、どうしても自分が正しいことを証明するデータを探してしまう、「確証バイアス」。
アメリカで中高年生徒の間で評定平均が、モチベーションと粘り強さーよい学習習慣と時間管理能力の有無-が明らかにされている。この点数が高いほど、大学の教育課程を修了できるかどうかを判断する大きな材料となっている。
※これは新しい着眼点でした。付け焼き刃の入試対策を短期間行っていても、結局日々の学習態度、学習における熱意のような非認知スキルが大学やその後の人生には重要なのだな。これは、学校で勉強する意味を子どもに説明する一端になるかと。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ未読の人もここは読んでおいてほしい。
まず絶対注意しておかないといけないのは、この本は作者を有名にしたシャンクスシリーズではない、ということ。
タイトルのつけ方が少々あくどいので、間違えてしまう人が多いようだが、シャンクスの活躍を期待すると、関節を外さんばかりの肩透かしをくらうので要注意!シャンクスは1度たりとも出てこないので。
ということさえ分かって手に取れば、この本はそれなりに面白い短編集である。最後の中編を除き、謎解き要素は少ないが、ハードボイルド風ありずっこけ風あり反差別テーマを含有したものありと、いろんな風味の短編集を楽しませてくれる。ロプレスティも訳者もいい仕事をしてくれている。
だからこそ、売らんがためのごときタイトルや装丁が、非常に残念。「コーヒーショップやん、謎解きしてるやん」っていう、ガキのような言い訳まで聞こえてきそう。 -
Posted by ブクログ
ミステリー作家が探偵役になるちょっと洒落た感じの連作短編集。主人公の身の回りにあれやこれやの事件が起こるのだが、うーんたくさん起こりすぎだと思いつつ、アメリカだったらこんなものかなとも思ってしまう。作家もパーティーやチャリティーだとか、作家仲間やエージェントとの関りやゴーストライターの問題やら、いろいろ大変そうだなあと他人事ながら心配してしまう。主人公のシャンクスはロマンス作家の奥さんにもいろいろ気を使っていて大変そう。「幸せな結婚生活がこんなに長くつづいている理由のおよそ半分はシャンクスにあったので、『だからいっただろう』などという言葉が口をついて出ることはなかった」という文章があって見につまされる。続編が出ているらしいので楽しみだ。
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Posted by ブクログ
ネタバレあとがきで、作者が愛する中篇小説は「どこをとっても必要不可欠、いっさいの無駄がない。」と書かれてましたが、正に、これに納められている4つの中篇がそうだと思いました。全てがテイストの異なる、怪奇幻想の要素もあるのですが、人間ドラマとして、考えさせられつつ、楽しく読ませていただきました。
「スナップショット」は、不思議なカメラの登場でホラーに展開するかと思いきや、主人公とシェリーのやりとりが、悲しく展開されるのが切なかったです。
「こめられた銃弾」。久々に、結末を読者の想像に委ねる小説を読みましたが、この終わりかたが、ものすごく怖い、が、絶品だと思いました。二つの異なる恐怖が同時に迫りくる、これが現実だったらと絶対に思いたくないような終わりかたです。
「雲島」は、スカイダイビング中に雲に着陸してしまった(突き抜けずに雲の上に立てた)若者の、SFっぽいのですが、私は青春物語だと思いました。非現実的な場所で、過去を振り返りつつ(彼には片想いしている女性がいる)、現実を見つめ直す主人公が、吹っ切れて思うままに行動する姿は感動的で爽快でした。爽快さがダイビングと上手く結び付いているのが、また素晴らしいです。
「棘の雨」は、近未来の世界を見ているような舞台で、自分の意思で人生を切り開いていく主人公に、感情移入しました。差別問題のメッセージに考えさせられながら、最後の意外な結末でエンターテイメントとして、すごいと思いました。
どの中篇も、単に不思議で怖いだけでなく、色々な考えさせられる要素が入っているからこそ、味わい深いのだと思います。時間をおいて、また読んでみたいと思いました。 -
Posted by ブクログ
読み応えのある一冊。最近非認知能力の重要性が叫ばれているが、まさに「IQ」よりも「性格の強み」がいかにその後の人生においてよい影響を及ぼすかについて書かれている。
具体的な研究結果を紐解きながら、取材した学校の教師や生徒たちの実録も記録されており、この手の本にありがちな「著者の思想(思い込み、押し付け含む)」がないためフラットな視点で読むことができた。
この本を読み、教育カードでの早期教育よりもやるべきことがあると再確認することができた。具体的なハウツーが載っているわけではないが、今後の子どもの教育にあたり知っておいてよかった。
続編(?)の「私たちに子どもに何ができるのか」も読んでみたい。