あらすじ
成毛眞氏(書評家・HONZ代表)推薦!
“アメリカ最新教育理論。
「やり抜く力」「自制心」「好奇心」「誠実さ」
これこそ、われわれ日本人が再発見すべき能力だ!”
人生における「成功」とは何か?
好奇心に満ち、どんな困難にも負けず、
なによりも「幸せ」をつかむために、
子どもたちはどんな力を身につければいいのだろう?
神経科学、経済学、心理学……
最新科学から導き出された一つの「答え」とは――?
気鋭のジャーナリストが「人類の大きな謎」に迫る!
『ニューヨーク・タイムズ』『ハフィントン・ポスト』『ウォール・ストリート・ジャーナル』
各紙誌が絶賛の全米ベストセラー、待望の邦訳!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
いわゆる「知能」は、
今でも、IQの高さや成績の良さなどを尺度に語られる性質のつよいものです。
これらは、最近では「認知スキル」とくくられるそうです。
そして、認知スキルこそが何より重要だとする人(認知決定論者)の言い方として、
「重要なのはIQであり、それは人生のかなり早い段階で決まるものである。
教育とはスキルを身につけさせるものではなく、人々を選り分け、
高いIQを持った者に、潜在能力をフルに発揮させる機会を与えるものだ。」
というものが、いくぶん極端ではありますが、あります。
そういった「認知スキル」のいっぽうで「非認知スキル」と呼ばれる能力があります。
「非認知スキル」とは、やり抜く力、自制心、好奇心、誠実さや意志の強さなどなどのことです。
本書では、「認知スキル」よりも「非認知スキル」のほうがずっと大切である、
という昨今の研究を軸に、
発達心理学と労働経済学、犯罪学と小児医学、ストレスホルモンと学校改革など、
それぞれ独立した分野を繋げることで浮かびあがる事実から、
子ども時代の貧困などからくる劣悪な家庭環境や人間関係などの逆境でそこなわれる人生を、
どうすれば救えることができるのかを探り明かしていきます。
「非認知スキル」をはぐくみ、生かして好転するケースやデータを例示し、
とりあげられたさまざまな逆境にあえいできた人物のストーリーを語りながら、
その大事さがつまびらかになっていきます。
性格ってすごく大事なんだ、ということなんですよね。
これは政治的にいえば保守の人たちが「それみたことか」
とふんぞりかえってもおかしくない結論でもあります。
性格を作っていくには道徳教育が必要になります。
道徳教育なんていうと、抽象的だし精神論的でくだらない、なんて怒る人も多い。
しかし、ここでいう道徳教育は、
権威や規則に従え、というものではありません。
そういった、「それは誰の倫理基準・価値基準なのか?」
という疑問があたまに浮かぶような、従来の倫理・価値に従う種類の道徳教育ではなくて、
自制心や意志力を持とう、というような、
有意義で充実した人生のための能力を自覚するためのような教育です。
個人主義的な道徳、といいますか、
または、自分を守り尊重するための道徳、といえるのではないでしょうか。
アメリカでは、KIPPアカデミーという教育機関が、
「非認知スキル」を育てることで学力も向上させるシステムを作り上げ、
社会的にも経済的にも学力的にも恵まれていない子どもたちを
大学に入学させるまで育てて注目されて、
アパレル大手GAPの創業者の目にとまって多額の寄付を集めたりしたそうです。
KIPPアカデミーは数を増やし、質を高めて今日にいたっているようですが、
本書でKIPPアカデミーを扱った章を読むと、
そのやり方がふつうの日本の学校のやり方に通じるようにも感じられて、
アメリカでは新しいやり方であっても、僕としては懐かしさのようなものが甦るものでした。
そうなんですよね、
本書の帯には書評サイトHONZの代表である成毛眞氏の言葉として、
「『やり抜く力』、『自制心』、『好奇心』、『誠実さ』
これこそ、われわれ日本人が再発見すべき能力だ!」
とあります。
日本人って非認知スキルを大切にしてきたところはあると思います。
最後に、
これはしっかり覚えておきたいところを。
性格や知能は変えていける。
変えていけると信じている人は、そのしなやかな姿勢ゆえに変えていける。
変えていけないと考える人は、その凝り固まった姿勢ゆえに変わらない。
性格も知能も、影響をうけやすいのがほんとうのようです。
人間は柔軟にできているんです。
また、
思春期にうまく挫折や失敗をする大切さについての話もありました。
(僕個人は過保護に育ったので、思春期は失敗や困難を渇望して反抗したもんだった。
それを思いだしました。)
示唆されるところからいろいろとふくらんで読めていく、内容のある豊かな本でした。
やっと手に取りましたが、読んでよかったです。
Posted by ブクログ
子育てにおいて尊敬している方がオススメしていた本。
読んでみて本当に良かった。
自身の子育てのヒントになればと思ったけど、
結果として、日本の子供、ひいては人類に対して誰しも責任があると感じた。
日本でもますます深刻化していく貧困差。
それに伴う学歴格差、比例して犯罪率。
日ごろから憂いてはいたものの、自分には手の届かない世界だと思っていた。
でも違った。
この本は希望の塊のようにみえた。
翻って、人間には格差なんて存在しないと提言している。
そして、読書中何度も自分の受けてきた教育や学生の時の周りや自分の雰囲気を振り返った。
それがすべて今現在と直結していることを実感した。
なぜ自分は大学進学が魅力的と思えなかったのか。
なぜ自分は勉強が嫌いだったのか。
改めて、自分史は自分だけの物語であると同時に、こんなにも時代の一部でしかないことを認識した。
分かったからにはどうすべきかとてもクリアになった。
たくさんの指南も与えてくれている本だ。
子供への責任。そして自分への責任。
本当に豊かな読書体験になった。
個人的にはこの翻訳はとても読みやすかった。
この本は、ハウツー本?というより、貧困地区に暮らす学力格差底辺の子供達に学士号を取らせるために人生をかけた人たちのお話。だと思う。
ストーリー仕立てだし、いくつもの映画を観たような気持にさせられる。
まさか号泣するとは思わなかった。。。
最後に、子育てのヒントは以下のように得られた。
忘備録としてのせる。
親がしてあげられること
子供時代は、安心場所を提供する
愛情深く注意深く子供を見守る➡子供は快活に好奇心旺盛に精神安定して育つ
子供に見合った逆境が必要であることを認識する➡やり抜く力は失敗を通してしか育たない
ある程度(自分で解決させることが何より大切)の放任は必須
本人以上に本人の可能性を強く信じること➡とくに思春期のやり抜く力に有効な動機付けとなる
子育て本としてはママ友にはオススメできない。笑
でも、人間は一人では育てない。
人間が人間を世話し、教育を施す限り誰しもが無視すべきでない、目を向けるべきことが書かれてある素晴らしい本だ。
Posted by ブクログ
ペリー就学前プロジェクトと非認知スキルの詳細が知りたくて行き着いた。タイトルが嫌な感じだけど中身はいたって真面目。ただジャーナリストが書いているので描写が多くて、実験の内容を端的に把握しづらい。
Posted by ブクログ
本書から得られた学びは、子どもの成功を考える上で、従来の知性や学力に偏重した見方を大きく転換させる重要性を示唆しています。
成功を支える非認知能力と環境の力
まず、ストレスに満ちた環境が子どもの中核的な能力の発達を阻害するという指摘は、家庭環境や初期のケアがいかに重要かを痛感させます。集中力、自制心、立ち直る力といった、学力の土台となる非認知能力は、安全で応答的な環境(幼児期の感情面での要求に対する対応)の中で育まれます。
特に、「幼児の発する信号に注意深く、温かく、落ち着いて反応すること」が、ストレスを緩和し、良好なアタッチメントを築くという学びは、親や養育者の役割が、単なる世話を超えた、子どもの脳と心の健康を形作る行為であることを示しています。親への介入が行政措置による隔離よりも有益であるという知見は、問題解決の焦点が「親子関係性のケア」にあることを裏付けています。
努力と姿勢が能力を超える
「人生の成功とIQ、テストの点数は相関しない」という事実は、現代社会においてもなお過大評価されがちな能力主義への反証です。それよりも、「ビックファイブの勤勉性」や「実行意図」といった、努力の質と継続に関する要素が成功に不可欠であると強調されています。
• 成長マインドセット:能力は固定されたものではなく、成長するものだという考え方
• 失敗からの学び:「失敗が唯一、成長を促す」という言葉に集約されるように、失敗をネガティブな終わりと捉えず、一時的なもの(負けはその場、その場の出来事で永続性はない)として、次の成長への糧とする姿勢
• 習慣の力:「繰り返し折れば折り目がつく」という例えは、目標達成に向けた習慣化と継続の重要性を端的に示しています。
これらの学びは、才能よりも、適切な心構えと**具体的な行動(習慣)**が、持つ能力を「使いこなしてなんぼ」の状態へと導くことを示しています。
常に学び続ける姿勢
「初心者の心を忘れるな」や「反証」の精神は、成功者が陥りがちな現状維持への安住を打破するための鍵です。特に、「事実を明らかにする方法は間違っていることを証明すること」という指摘は、自身の考えや現状を常に疑い、問い直す科学的なアプローチを日常にも適用することの重要性を教えてくれます。
そして、指導者に求められる「臨機応変さ、レジリエンス、熱意、専門意識、高潔さ」は、子どもを導き、社会を築く大人がまず身につけるべき人間性の羅針盤と言えるでしょう。
結び
この本から得られた学びは、真の成功とは、高IQや高得点といった表面的な結果ではなく、自己制御能力、レジリエンス、勤勉性といった、逆境を乗り越え、主体的に成長し続ける内面的な力であると結論づけています。そして、これらの力を育むために、温かく応答的な親子の関わりと、失敗を許容し、成長を促すマインドセットの重要性を改めて認識させられました。
尚、星4つにしていますが、自身で理解が不十分な部分から4つにしました。再読予定です。
Posted by ブクログ
タイトルで損してる素晴らしい教育の本。「失敗・成功」って書かれると、まるで融通の効かない教育ママの発言みたいだけど、全然違う。タイトルどうにかできないかと思う。
そしてこの本での「失敗」は、例えば志望校に合格できないとかではなく、犯罪や自死等、起こってしまえば簡単には人生を取り戻せないほどの恐ろしい出来事を指す。
中身は、アメリカの教育格差とその改善策や、貧困層の子どもがなぜ「失敗」するのかの詳しいメカニズムを書いている。
メカニズムについては、貧困層の子どもは家庭内暴力に晒される傾向があり、その被害(間接的にでも)を受けたときには脳内でストレスホルモンが分泌される。これが頻回となるにつれ、ストレスホルモンを分泌する回路が強化されてしまい、アロスタシスという慢性的なストレスホルモンの曝露状態になる。
今日よく早期教育で使われる「非認知能力」についても、このアロスタシスが悪影響を及ぼすことが指摘される。「非認知能力」について、今までしっくり来てなかったんだけど、この本の解説はとてもわかり易かった。例えば、紹介されてた「非認知能力」の一例が、赤字で書かれた「緑」の文字を「この文字は何色ですか」と聞かれたときに、少し立ち止まって考える力というもの。かんたんに言えば、問題に対して冷静に多角的な面で考える力ということで、犯罪の抑止力にもなるし、ペーパーテストではこの力があると優位に点を取れるように出来ている。
話を戻すと、アロスタシスが発達してしまった子どもは、常にストレスホルモンに晒され、情緒が安定せず、いつもビクビクして、上記の非認知能力を発揮することが難しくなる。そしてテストで落伍し、就職が不利になり、衝動的な気持ちに任せて危険な人生を歩んでしまう…
本書では実際にアロスタシスが発達せざるを得なかった子どものエピソードが紹介され、そしてそこに寄り添い導こうとする教育者の方法論も具体的に記されている。
いわゆる「普通」の家庭には関係ないな、と思うかもだけど、これは複数あるエピソードの中のほんの一部。
他にはチェスのコーチの女性の方法論に焦点を当てたものも面白かった。
彼女は端から見ると可哀想になるくらい容赦がないやり方で教え子のミスを詰める。「褒める子育て」に全振りしてる人なら卒倒するんじゃないかってくらいの冷たさで。
じゃあ教え子たちは彼女を嫌いになるかというと、その中の一人の子は人間関係での問題が起こったときに彼女に意見を聞きにくる。そこで彼女はものすごく残酷なくらいに冷静に第三者としての意見を述べるんだけど、その子は「もういいです」とプイッと居なくなり、しかしまた同じことが起こったときに聞きにくる。それは、彼女が冷たくても的確なアドバイスを、そして一番重要なのは忖度なしに教えてくれることを子どもが理解しているから。
勿論このコーチを嫌う子もいるだろうけど、子どもは実は厳しい意見も飲み込んで血肉にする力を持つことがわかる。そして重要なのは、コーチが親ではなく子どもにとって第三者であるということ。親は子どもが傷ついたときに受け止めるための安全基地として機能することが重要というエピソードもある(全肯定するべきという話ではなく)。
子育てで嬉しいけど悲しいことはいつか社会に出るということ。社会では親は守ってやれない。だから華々しい成功とまではいかなくても、危ない道に行かず、自分のための人生を歩んでほしい。そのための参考書としてとても有意義な本だった。
Posted by ブクログ
脳の中で幼少期のストレスから最も強く影響を受けるのが前頭前皮質、つまり自分をコントロールする活動ー感情面や認知面におけるあらゆる自己調整可能において重大な役割を果たす部位である。このため、ストレスに満ちた環境で育った子供の多くが、集中することやじっと座っていること、失望から立ち直ること、指示に従うことなどに困難を覚える。
10年を貧困の中で過ごした子供は、5年の子供よりもサイモンのスコアが悪かった。実行機能の能力を阻害しているのは貧困そのものではなく、貧困に伴うストレスだったのである。
前頭前皮質は脳の他の部位よりも外からの刺激に敏感で、思春期や成人早期になっても柔軟性を保っている。もし環境が改善して実行機能を高めることができれば、その子供の将来は劇的に改善される可能性がある。
ストレスによるダメージが長期にわたる深刻な問題に直結するのは思春期である。飲酒運転をしたり、無防備なセックスをしたり、高校を辞めたりする。認知制御システムは二十代になるまで成熟しきらない。
生物学上の母親の習慣ではなく、育てた母親の習慣だった。生まれてすぐのころになめられたり毛づくろいをされたりした快い経験を持つ子ラットは、そういう経験のない子ラットよりも勇敢で大胆に育ち、環境にもうまく適用した。
感情的、心理的、神経科学的な経路をターゲットとしたプログラムのいちばん有望なところは、子どもが成長してからでも充分に効果がある点だ。知能指数だけを見るなら、8歳を過ぎたあたりからなかなか伸びなくなる。しかし実行機能や、ストレスに対処する能力は、思春期や成人になってからでも劇的に改善できる
達成のメカニズムは、動機付け(モチベーション)と意思
性格の強み(誠実さ、やり抜く力、レジリエンス、粘り強さ、オプティミズム)
Posted by ブクログ
下記の点が印象に残りました。
子どもをどのように養育するかは、習慣の問題。親からどのように養育されたかで、それ以外の子育て方法を知らないから自分の子育て方法も決まってしまう。ただし、学習によって自分の子育て方法を変えることも可能。
小さい頃にコンスタントにストレスにさらされると、ストレス対応回路がバグを起こし、普通の状態でもストレスを強く感じやすくなる。
IQは自分はどういう人間かと定義されることによって影響を受けやすく、絶対的なものではない。
失敗をして、それから立ち直る方法を学ぶことが必要だが、現代では失敗そのものをすることが難しくなっている。
ヘリコプターペアレントの元で育つ子どもは、人生に不幸感を感じている子も多い。
Posted by ブクログ
親と教師の愛情
同著者の「私たちは子どもに何ができるのか」に感銘を受け、本書も読むことにしました。その前作だけに、まとまりのなさを感じましたが、親と教師の愛情により、いかに子供の非認知能力を上げていくかがキーとなるように思えました。
著者の大学を中退した経緯や、その時の葛藤も率直に書かれており、興味深く読み進めました。
親として私自身が難しいことは、子供が失敗するかもしれない局面で遠くから見守ってあげるだけの度量を持つ事。失敗をさせる勇気。失敗を通して学ぶことの大きさを自身の経験からわかっているものの、子供に過保護になってしまうことに気付かされます。(p140)
成功へのロードマップはない。失敗と挫折を繰り返し、自分だけのオリジナルな人生を歩んで欲しい、それが親の願いです。
Posted by ブクログ
現在、社会人1年生と大学1年生の子どもを育てました。
4月から2人とも1人暮らしです。
少し、子育てを振り返って、ブログを書いています。
この本を読んで、あ~やっぱりそうかなと思いました。
基本的には、アメリカの貧困層が通う公立学校の学力を上げるために、色々研究してきた結果を踏まえた考察の本です。
大学に行き学位をとって就職すれば、貧困層から抜け出せる。しかし、なかなかそれが難しい。
中学高校あたりで、教育を積極的に施すと、大学に入学はできるが、途中で辞めてしまう子も多い。家庭の後押しが必要。
一方、富裕層が通う学校でも、思春期に精神的な問題を抱える率が高い。
これは、「富裕な親たちは子供と精神的に距離をおきたがり、同時に高いレベルの成果を要求する」と分析。
子どもが小さいとき大切なのは
・母親のアタッチメントのレベルを上げる
・親が過度に批判的になるのを避ける
・放課後に親の目が行き届くようにする
中高生のときに大切なのは
・しっかり怒る
・子どもに失敗して立ち直る経験をさせる
裕福な家の思春期の子どもが、不安や鬱が高い値を示している場合…
親と子で感情面でのつながりがない場合、親は往々にして子供の悪いおこないにひどく甘い。
年収百万ドルを超える親の中に、
自分は自分の親よりも子供に甘いと答えた人が圧倒的に多かった。
「やり抜く力や自制心は、失敗をとおして手に入れるしかない」
Posted by ブクログ
3万語の格差、マシュマロテスト、愛着(アタッチメント)など過去に読んだことのある検証や実験が取り上げられ、著者自身の具体的な取材内容もまとめれれており、総じて重厚感のなる内容となっていました。論じているベクトルとしては、「非認知能力」の重要性となるかと思いますが、最近手に取る教育系の書籍を統括してくれてて、個人的に新しい発見はなかったけど頭の整理にばっちりでした。
ペシミストは、不快なできごとを永続的なもの、個人的なもの、全面的なものと解釈する傾向がある(三つのP)。by 『オプティミストはなぜ成功するのか』
気質の分析に最も有効な方法は、気質を五つの要素(協調性、外向性、情緒不安定性、未知の物事に対する開放性、勤勉性)に沿って考えることである。
勤勉性は、見返りの有無にかかわらず努力できる資質。
良い習慣を形成するには、気持ちはポジティブな結果に集中しながら、途中の障害についてペシミスティックに思案すること、精神的対照が必要となる。
ある計画について「もし/ならば」という問答の形で障害とそれを克服する方法を考える、「実行意思」をつくりだす、ことが成功へのステップ。
愛着とは異なる、誰かが意外なほど自分を深刻に受け止めてくれるというー自分の能力を信じてくれて、もっと改善できるからしてみなさいと持ち掛けてくれるというー体験が、非認知能力を高めるには必要である。用語としては、メタ認知。
「反証」の思考プロセスが大切である。ある理論の妥当性を調べる唯一の方法は、それが間違っていると証明することである。人はその理論に反する証拠を探そうとはせずに、どうしても自分が正しいことを証明するデータを探してしまう、「確証バイアス」。
アメリカで中高年生徒の間で評定平均が、モチベーションと粘り強さーよい学習習慣と時間管理能力の有無-が明らかにされている。この点数が高いほど、大学の教育課程を修了できるかどうかを判断する大きな材料となっている。
※これは新しい着眼点でした。付け焼き刃の入試対策を短期間行っていても、結局日々の学習態度、学習における熱意のような非認知スキルが大学やその後の人生には重要なのだな。これは、学校で勉強する意味を子どもに説明する一端になるかと。
Posted by ブクログ
子育てに必要なのは親からの愛情と適切な教育であることが改めてわかりました。
親からの愛情は声掛けやハグなどを十分にする。子どもの成長にとって逆境は欠かせないものであり、予め避けさせてしまうことは一つも子どものためにならないことが改めて書いてあり、ヘリコプターペアレンツは子どもにとって迷惑だということが根拠をもとに書いています。
特に新しい知識が得られたわけではないが、個人的な経験や客観性のない教育書が多い中で、根拠に基づいた意見が学べて良かったと思います。
Posted by ブクログ
読み応えのある一冊。最近非認知能力の重要性が叫ばれているが、まさに「IQ」よりも「性格の強み」がいかにその後の人生においてよい影響を及ぼすかについて書かれている。
具体的な研究結果を紐解きながら、取材した学校の教師や生徒たちの実録も記録されており、この手の本にありがちな「著者の思想(思い込み、押し付け含む)」がないためフラットな視点で読むことができた。
この本を読み、教育カードでの早期教育よりもやるべきことがあると再確認することができた。具体的なハウツーが載っているわけではないが、今後の子どもの教育にあたり知っておいてよかった。
続編(?)の「私たちに子どもに何ができるのか」も読んでみたい。
Posted by ブクログ
勉強、スポーツ…どんな分野でも、成功は、家庭環境、経済力、学校や先生との相性、いろいろなことが複雑に絡んでいて、一概にどうすれば成功するとは言えないという、当たり前といえば当たり前のことを再認識した。
経済力がある子がいろいろな理由で成功する確率が高いという身もふたもない結果が出たりする一方、もちろんその環境に甘えて余計にダメになる子もいるわけで、結局、一番の要は個人の気質であり、人間形成期のその子の心を取り巻く環境なのかなと思った。
認知スキルが大切なのはもちろんだけれども、それを底上げし、発展させるのには非認知スキルが不可欠。
それは、子どもが大好きだけれども、到底うまくリードできているとはいえず、良いお手本になっているとはいえないわたしには、安心もできるし、同時に耳が痛い真実だった。
生徒の心を安定させるために、親の心のケアが有効だった部分、ある先生が生徒個人の気質を花開かせるためにした取り組みや苦しみの部分が特に心に残った。
Posted by ブクログ
以前読んだ「全員経営」の中で経営メソッドの流れで紹介されていた。
タイトルだけ読むと「子育て」というイメージを持ってしまうが、「子育て」と「部下教育」には共通点があるということを改めて実感。ちょうど新卒も配属されたりと読むにはちょうど良いタイミングだった気がする。
Posted by ブクログ
やはり認知スキルや知能スキルよりも非認知スキル、例えば集中力だったりかんじょうのコントロールだったり考えを整理するスキルだったり、の方が大事だ。大事というか、将来的にはその方がより伸びる。認知スキルも含めて。
Posted by ブクログ
翻訳が読みにくいが我慢してると面白くなってくる。貧困に負けずに貧困から抜け出すヒントがある。習慣、モチベーション、意思、教師、非認知スキル、性格、レリジエンス、ストレス対処、アタッチメントと分析の大切さ。一万時間の先にある喜び。チェスにおける自由の賛美。
子育て論というより社会学的にアメリカの貧困層への教育政策を論じる本だけど、他人を出し抜く視野の狭いエリート教育じゃなく、粘り強く生きて幸せをつかむ子どもを育てるヒントがありました。
Posted by ブクログ
子供の教育において、これまで認知的スキルが中心であった。しかし、非認知的スキルの重要性が近年議論になっている。具体的にはやり抜く力などが、結果として認知的スキルを向上させたり、年収や大学の卒業など人生にも関わっているという。
Posted by ブクログ
親(特に母)の愛情、家庭環境の経済状況で、将来の成功や失敗は、ある程度決まってるという話かな。
幼少に多くのストレスを受け続けると勉強は出来るようになっても、中退やドラックで人生があらぬ方向に行ってしまう可能性が高くなること。認知スキルより非認知スキルが、人生に大きな幸福度を与えることが、多くの事例とともに紹介されている。
気質、性格を表す指標として、やり抜く力、自制心、意欲、社会的知性、感謝の気持ち、オプティミズム、好奇心が挙げられる。
親ができることとしては、
子供の反応や訴えに、しっかりと受け答え愛情を持って接すること
子供がストレスをうける環境を極力なくすこと
失敗から何かを学ばせる、失敗を活かすことを学ばせこと
翻訳本は、正直読むのがつらいです。
これを最後までガチで読める人はすごい。
要約本とかYouTubeで十分かとおもいます。
Posted by ブクログ
親は子供に対して、幼少期のアタッチメントと程よい逆境、失敗を経験させ、自分で乗り越えさせることが重要である。
感想は、
ひたすら背景エピソードが続き、改行も少なすぎて非常に読みづらい、結論も分かりずらかった、伝えたい内容は★5だが、実用書、本としては★2なので★3とする。
Posted by ブクログ
◾️要約
・失敗してよく学んだ子が成功する
・早期教育は無駄。本当に大切なのは気質(誠実、粘り強さ)
・気質を育てるのは親の愛。悪影響なのはストレス。
→幼少期のストレスは前頭葉(自己コントロールに関与)の発達を妨げる
・特に大切な気質は『自制心』と『やり抜く力』が大切
・努力や過程を誉める
※親が出来ることは、①少し難しい環境やいい友達ができる環境を用意②見守る。必要最低限の手助け
◾️感想
『世界一の子育て』に記載してあった内容とほぼ同じでは?と思った。むしろそっちのが方が簡略化して書いてあり、読みやすかった。
この本はまわりくどすぎて私には難しかった。
なので、途中で断念して、YouTubeの要約をまとめました笑
やり抜く力、、読み抜く力、、(・_・;笑
Posted by ブクログ
夫の本棚からのセレクト。偶に当たりがある(笑)中盤までアマリ入り込めなかったがタイトルの示す文言に辿り着きたくて読み切った。269-270頁は全ての親に読んでもらいたい。当然の事だが忘れがちな事を再認識させてもらった。
Posted by ブクログ
メンタリスト DaiGoさんの動画で育児に関してオススメの本として『私たちは子どもに何ができるのか』と一緒に紹介されていたので、早速購入してみたものの・・・
実例ばかりで何が言いたいのか分からす、回りくどい印象。読み始めは。
よって早々に売ってしまう決断をしたのだが、読み進むうちに「ハッ」とするポイントなどもあり、なかなか興味深かった。
詳細はメモとともに後述するが、所感として以下にまとめる。
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【所感】
自己啓発本が大人気だ。
不安は多くの人が持っている。
行動しなければいけないと思っている。
だが実際には行動できない人がほとんどだ。
そして自己啓発本は読むことで少し行動した気になれる効果がある。
だから皆がよく読む。
でも皆心のどこかで知っている。
「気になる」だけではだめなのだ。
「行動」しなくては。
では、行動すると何がいいのだろう。
それはもちろん「成功」だ。
だがその成功の陰にはたくさんの「失敗」がある。
そして、人は失敗を恐れて行動が遅れる、または行動しない。
優れた自己啓発本や成功者は言う。
「今すぐ行動せよ」
これは「失敗せよ」と同義だ。
失敗から学ぶのだ。
そして失敗から学ぶには方法がある。
それを学ぶのに最善なのもまた「失敗」なのだ。
だから皆言う。
「行動せよ」と。
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以下、メモ書き
IQ が数値化できるのが認知的能力
非認知能力とは、好奇心・自制心・社会性など数値化できないもの
ストレスが脳に与える影響
作業記憶(ワーキングメモリ)
いくつかの物事を同時に記憶する能力
肯定の反応を受けたか、否定の反応を受けたかによって行動を選ぶことで、子供の発達が進む
泣いた時に親からすぐにしっかりとした反応を受けた乳児は、泣いて無視された子供よりも自立心が強く積極的になった
幼少期の愛着関係が生涯にわたる影響を生む
親は子供が外の世界に出ていくための"安全基地"となる
やり抜く力や自制心は失敗を通してるしか得ることができない
成功するためには失敗の仕方を学ぶということがある
チェスプレイヤーの話
「何かに夢中になることで子供たちは自由になれると思う。そういう彼らは今ずっと後になっても忘れないものすごく大事な経験をしている」
困難でやりがいのある何かを達成しようとする自発的な努力によって、心や体が限界まで引き延ばされた時、高度な多幸感と支配力を得るだろう
〈2-4-6〉
この数字の法則は何か。実例を挙げて答えよ
「二つずつ増える数字であること」
これをもとに考える
8-10-12
法則に当てはまります
だか答えは二つずつ増える数字ではない
正解は「増える数字であること」
自分の仮説が間違っていることを証明する数列を考えるしかないのだが、多くの人は自分が正しいことを証明するデータを探してしまう
これを《確証バイアス》という
間違っている証拠見つけることができるのは少数派である
親はどうすべきか
幼児時代、慢性的なストレスから可能な限り子供を守ること
親と安定した愛情深い関係を築くこと
これが成功の秘訣の大きな、とても大きな一部
失敗を"何とかする"ことを学ばせることが必要
自分の失敗を瞬きもせずに真っ直ぐ見つめる方法、
自分がしくじった理由と真正面から向き合う方法を教える
Posted by ブクログ
1)
非認知能力の別名称である「気質」の測定では5つの指標が設けられる。
1,協調性
2,外交性
3,情緒不安定性
4,未知のものごとに対する解放性
5,勤勉性
これをビッグファイブと呼びます。
2)
パーソナリティ心理学者ロバーツによると、ビッグファイブの中で将来的な成功を最も左右するのは勤勉性
・高校や大学の成績
・犯罪率
・結婚生活の継続率
・長寿率
・病気にかかる率
仕事だけではなくこの辺りにも正の影響を与えるそう。
Posted by ブクログ
洋書らしい内容と構成というか
ちょっと最初読みにくさを感じました
でもエビデンスがたくさん
メンタリストDaiGoさんオススメ本ということで納得
結局はストレスから遠ざけ守り
安定した愛情深い関係を築くこと
やり抜く力や自制心は失敗を通して手に入れる
子供の能力を信じ受け止めてあげる
チャレンジさせてあげる
Posted by ブクログ
どんな子が成功するのか、きちんとした研究結果やそれを証明するような事例をもとに考えていく本。
学力をアップさせるような仕組みがある学校でも、卒業後には大学を中退してしまうなど、うまくいかないケースの多い学校もある。
大事なのは「これをやれば学力がつく」という仕組みの中での教育より、「やり抜く力」や「逆境を乗り越える力」のような非認知能力。
どうすれば非認知能力を高める教育になるのか、正解はわからないけど、紹介された事例の中にヒントはあると思った。
子どもをもつ親御さん、教育関係者は必読書かも。
Posted by ブクログ
成功する子と失敗する子では何が違うのか?
結論は親による影響の高さ、勤勉性、知能、誠実さなど内面の重要性を高く支持している。
ではどのようにの子供を育てていくべきか
例として
母親は親身に子供に接することで子供の非認知能力を伸ばすことで後にも成功するための能力をつけさせることを大切にしなければならないと唱えている。
要約すると
子供の発達に最も重要なのは最初の数年のうちにどれだけ沢山の情報を脳に詰め込める ではなく「気質」つまり粘り強さや自制心、誠実さ、物事をやり抜く力、自信などを伸ばすために手を貸せるかどうかということである。
個人的にまとめるとこうなるが、本としては構造が複雑でかなり読むのが難しい ここを把握出来ていればあとは読む必要はないと感じた。