あらすじ
成毛眞氏(書評家・HONZ代表)推薦!
“アメリカ最新教育理論。
「やり抜く力」「自制心」「好奇心」「誠実さ」
これこそ、われわれ日本人が再発見すべき能力だ!”
人生における「成功」とは何か?
好奇心に満ち、どんな困難にも負けず、
なによりも「幸せ」をつかむために、
子どもたちはどんな力を身につければいいのだろう?
神経科学、経済学、心理学……
最新科学から導き出された一つの「答え」とは――?
気鋭のジャーナリストが「人類の大きな謎」に迫る!
『ニューヨーク・タイムズ』『ハフィントン・ポスト』『ウォール・ストリート・ジャーナル』
各紙誌が絶賛の全米ベストセラー、待望の邦訳!
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
子育てにおいて尊敬している方がオススメしていた本。
読んでみて本当に良かった。
自身の子育てのヒントになればと思ったけど、
結果として、日本の子供、ひいては人類に対して誰しも責任があると感じた。
日本でもますます深刻化していく貧困差。
それに伴う学歴格差、比例して犯罪率。
日ごろから憂いてはいたものの、自分には手の届かない世界だと思っていた。
でも違った。
この本は希望の塊のようにみえた。
翻って、人間には格差なんて存在しないと提言している。
そして、読書中何度も自分の受けてきた教育や学生の時の周りや自分の雰囲気を振り返った。
それがすべて今現在と直結していることを実感した。
なぜ自分は大学進学が魅力的と思えなかったのか。
なぜ自分は勉強が嫌いだったのか。
改めて、自分史は自分だけの物語であると同時に、こんなにも時代の一部でしかないことを認識した。
分かったからにはどうすべきかとてもクリアになった。
たくさんの指南も与えてくれている本だ。
子供への責任。そして自分への責任。
本当に豊かな読書体験になった。
個人的にはこの翻訳はとても読みやすかった。
この本は、ハウツー本?というより、貧困地区に暮らす学力格差底辺の子供達に学士号を取らせるために人生をかけた人たちのお話。だと思う。
ストーリー仕立てだし、いくつもの映画を観たような気持にさせられる。
まさか号泣するとは思わなかった。。。
最後に、子育てのヒントは以下のように得られた。
忘備録としてのせる。
親がしてあげられること
子供時代は、安心場所を提供する
愛情深く注意深く子供を見守る➡子供は快活に好奇心旺盛に精神安定して育つ
子供に見合った逆境が必要であることを認識する➡やり抜く力は失敗を通してしか育たない
ある程度(自分で解決させることが何より大切)の放任は必須
本人以上に本人の可能性を強く信じること➡とくに思春期のやり抜く力に有効な動機付けとなる
子育て本としてはママ友にはオススメできない。笑
でも、人間は一人では育てない。
人間が人間を世話し、教育を施す限り誰しもが無視すべきでない、目を向けるべきことが書かれてある素晴らしい本だ。
Posted by ブクログ
タイトルで損してる素晴らしい教育の本。「失敗・成功」って書かれると、まるで融通の効かない教育ママの発言みたいだけど、全然違う。タイトルどうにかできないかと思う。
そしてこの本での「失敗」は、例えば志望校に合格できないとかではなく、犯罪や自死等、起こってしまえば簡単には人生を取り戻せないほどの恐ろしい出来事を指す。
中身は、アメリカの教育格差とその改善策や、貧困層の子どもがなぜ「失敗」するのかの詳しいメカニズムを書いている。
メカニズムについては、貧困層の子どもは家庭内暴力に晒される傾向があり、その被害(間接的にでも)を受けたときには脳内でストレスホルモンが分泌される。これが頻回となるにつれ、ストレスホルモンを分泌する回路が強化されてしまい、アロスタシスという慢性的なストレスホルモンの曝露状態になる。
今日よく早期教育で使われる「非認知能力」についても、このアロスタシスが悪影響を及ぼすことが指摘される。「非認知能力」について、今までしっくり来てなかったんだけど、この本の解説はとてもわかり易かった。例えば、紹介されてた「非認知能力」の一例が、赤字で書かれた「緑」の文字を「この文字は何色ですか」と聞かれたときに、少し立ち止まって考える力というもの。かんたんに言えば、問題に対して冷静に多角的な面で考える力ということで、犯罪の抑止力にもなるし、ペーパーテストではこの力があると優位に点を取れるように出来ている。
話を戻すと、アロスタシスが発達してしまった子どもは、常にストレスホルモンに晒され、情緒が安定せず、いつもビクビクして、上記の非認知能力を発揮することが難しくなる。そしてテストで落伍し、就職が不利になり、衝動的な気持ちに任せて危険な人生を歩んでしまう…
本書では実際にアロスタシスが発達せざるを得なかった子どものエピソードが紹介され、そしてそこに寄り添い導こうとする教育者の方法論も具体的に記されている。
いわゆる「普通」の家庭には関係ないな、と思うかもだけど、これは複数あるエピソードの中のほんの一部。
他にはチェスのコーチの女性の方法論に焦点を当てたものも面白かった。
彼女は端から見ると可哀想になるくらい容赦がないやり方で教え子のミスを詰める。「褒める子育て」に全振りしてる人なら卒倒するんじゃないかってくらいの冷たさで。
じゃあ教え子たちは彼女を嫌いになるかというと、その中の一人の子は人間関係での問題が起こったときに彼女に意見を聞きにくる。そこで彼女はものすごく残酷なくらいに冷静に第三者としての意見を述べるんだけど、その子は「もういいです」とプイッと居なくなり、しかしまた同じことが起こったときに聞きにくる。それは、彼女が冷たくても的確なアドバイスを、そして一番重要なのは忖度なしに教えてくれることを子どもが理解しているから。
勿論このコーチを嫌う子もいるだろうけど、子どもは実は厳しい意見も飲み込んで血肉にする力を持つことがわかる。そして重要なのは、コーチが親ではなく子どもにとって第三者であるということ。親は子どもが傷ついたときに受け止めるための安全基地として機能することが重要というエピソードもある(全肯定するべきという話ではなく)。
子育てで嬉しいけど悲しいことはいつか社会に出るということ。社会では親は守ってやれない。だから華々しい成功とまではいかなくても、危ない道に行かず、自分のための人生を歩んでほしい。そのための参考書としてとても有意義な本だった。
Posted by ブクログ
下記の点が印象に残りました。
子どもをどのように養育するかは、習慣の問題。親からどのように養育されたかで、それ以外の子育て方法を知らないから自分の子育て方法も決まってしまう。ただし、学習によって自分の子育て方法を変えることも可能。
小さい頃にコンスタントにストレスにさらされると、ストレス対応回路がバグを起こし、普通の状態でもストレスを強く感じやすくなる。
IQは自分はどういう人間かと定義されることによって影響を受けやすく、絶対的なものではない。
失敗をして、それから立ち直る方法を学ぶことが必要だが、現代では失敗そのものをすることが難しくなっている。
ヘリコプターペアレントの元で育つ子どもは、人生に不幸感を感じている子も多い。
Posted by ブクログ
現在、社会人1年生と大学1年生の子どもを育てました。
4月から2人とも1人暮らしです。
少し、子育てを振り返って、ブログを書いています。
この本を読んで、あ~やっぱりそうかなと思いました。
基本的には、アメリカの貧困層が通う公立学校の学力を上げるために、色々研究してきた結果を踏まえた考察の本です。
大学に行き学位をとって就職すれば、貧困層から抜け出せる。しかし、なかなかそれが難しい。
中学高校あたりで、教育を積極的に施すと、大学に入学はできるが、途中で辞めてしまう子も多い。家庭の後押しが必要。
一方、富裕層が通う学校でも、思春期に精神的な問題を抱える率が高い。
これは、「富裕な親たちは子供と精神的に距離をおきたがり、同時に高いレベルの成果を要求する」と分析。
子どもが小さいとき大切なのは
・母親のアタッチメントのレベルを上げる
・親が過度に批判的になるのを避ける
・放課後に親の目が行き届くようにする
中高生のときに大切なのは
・しっかり怒る
・子どもに失敗して立ち直る経験をさせる
裕福な家の思春期の子どもが、不安や鬱が高い値を示している場合…
親と子で感情面でのつながりがない場合、親は往々にして子供の悪いおこないにひどく甘い。
年収百万ドルを超える親の中に、
自分は自分の親よりも子供に甘いと答えた人が圧倒的に多かった。
「やり抜く力や自制心は、失敗をとおして手に入れるしかない」
Posted by ブクログ
子育てに必要なのは親からの愛情と適切な教育であることが改めてわかりました。
親からの愛情は声掛けやハグなどを十分にする。子どもの成長にとって逆境は欠かせないものであり、予め避けさせてしまうことは一つも子どものためにならないことが改めて書いてあり、ヘリコプターペアレンツは子どもにとって迷惑だということが根拠をもとに書いています。
特に新しい知識が得られたわけではないが、個人的な経験や客観性のない教育書が多い中で、根拠に基づいた意見が学べて良かったと思います。
Posted by ブクログ
勉強、スポーツ…どんな分野でも、成功は、家庭環境、経済力、学校や先生との相性、いろいろなことが複雑に絡んでいて、一概にどうすれば成功するとは言えないという、当たり前といえば当たり前のことを再認識した。
経済力がある子がいろいろな理由で成功する確率が高いという身もふたもない結果が出たりする一方、もちろんその環境に甘えて余計にダメになる子もいるわけで、結局、一番の要は個人の気質であり、人間形成期のその子の心を取り巻く環境なのかなと思った。
認知スキルが大切なのはもちろんだけれども、それを底上げし、発展させるのには非認知スキルが不可欠。
それは、子どもが大好きだけれども、到底うまくリードできているとはいえず、良いお手本になっているとはいえないわたしには、安心もできるし、同時に耳が痛い真実だった。
生徒の心を安定させるために、親の心のケアが有効だった部分、ある先生が生徒個人の気質を花開かせるためにした取り組みや苦しみの部分が特に心に残った。
Posted by ブクログ
親は子供に対して、幼少期のアタッチメントと程よい逆境、失敗を経験させ、自分で乗り越えさせることが重要である。
感想は、
ひたすら背景エピソードが続き、改行も少なすぎて非常に読みづらい、結論も分かりずらかった、伝えたい内容は★5だが、実用書、本としては★2なので★3とする。
Posted by ブクログ
成功する子と失敗する子では何が違うのか?
結論は親による影響の高さ、勤勉性、知能、誠実さなど内面の重要性を高く支持している。
ではどのようにの子供を育てていくべきか
例として
母親は親身に子供に接することで子供の非認知能力を伸ばすことで後にも成功するための能力をつけさせることを大切にしなければならないと唱えている。
要約すると
子供の発達に最も重要なのは最初の数年のうちにどれだけ沢山の情報を脳に詰め込める ではなく「気質」つまり粘り強さや自制心、誠実さ、物事をやり抜く力、自信などを伸ばすために手を貸せるかどうかということである。
個人的にまとめるとこうなるが、本としては構造が複雑でかなり読むのが難しい ここを把握出来ていればあとは読む必要はないと感じた。